ナーフ(Nerf)は茶色の毛に覆われた4足歩行の草食動物である。湾曲した4本の角を備え、複数の品種が存在した。ナーフは銀河系社会で一般的に飼育されていた家畜クリーチャーの一種であり、ミルクや食肉、皮革など、さまざまな用途があった。ナーフはほとんどあらゆる環境に適応できる屈強なクリーチャーであり、母星であるオルデラン以外にも多くの惑星で見かけることができ、単一の家畜種としては最も普及した動物であった。しかしナーフは同サイズの家畜クリーチャーと比べて3倍の数の臭腺を備えており、凄まじい悪臭を放つことで有名だった。また性格も頑固で、触れたものを染みだらけにしてしまう腐食性のある唾液を分泌することからも、総じて極めて不快なクリーチャーとされていた。ナーフを世話する業者は“ナーフ飼い”と呼ばれたが、これは相手の不衛生さや愚かさを罵る際に使われるスラングでもあった。
ナーフの肉を用いたナーフ・ステーキやナーフ・シチュー、ナーフ・ナゲットといった食べ物は銀河社会で一般的に消費されていた。またナーフ革はジャケットやホルスターなどの衣類の素材として活用された。ハイ・リパブリック時代、若きジェダイのベル・ゼティファーとカイ・ブライトスターは、とある砂漠の星で発生したナーフの群れの盗難騒ぎを解決した。帝国時代、アーカニス・アカデミーのブレンドル・ハックス司令官は迷子の仔ナーフを例にとり、兵士を幼い段階から訓練することの有用性を説いた。0 ABY、反乱同盟のハン・ソロとルーク・スカイウォーカーは惑星アイバーの住民のために<ミレニアム・ファルコン>でナーフの群れを密輸した。アーティオダック種族のシェフ、ストロノ・タッグズはナーフ・ケバブやナーフステーキ・シーズニングといったメニューを考案し、自身の料理本にレシピを掲載していた。
生態と特徴[]
- 「なんか、この生き物って可愛いよね。ハグしちゃおうかな」
- ―カイ・ブライトスター[出典]
ナーフの群れ
ナーフは茶色く縮れた荒い毛で覆われた、4足歩行の非知覚クリーチャーである。[5] ヤギに似た[8] 草食の[7] 反芻動物で、二股に分かれた蹄を備えた。[8] 体高は1.3[2] ~2メートル超で[1]、体長は3メートル強。[1] 4本の角を持ち[5]、そのうち小型の2本は上向きに生え、湾曲した大型の2本は前方を向いていた。[8][9] ナーフは長いピンク色の舌を[1] だらりと垂らし[5]、幅が広い丸みを帯びた歯を備えた。ナーフの臭腺の数は同サイズの家畜クリーチャーと比べて3倍もあり[1]、人間をはじめとする知覚種族にとって不快な体臭を放った。[4] また彼らの唾液は黒くて粘り気があり、極めて腐食性が強かった。[8] ナーフの雌はミルクを分泌した。[3]
ナーフには複数の品種が存在した。[8] ある種のナーフは、尻尾や顔を含む全身が濃い茶色の厚い毛で覆われていた。[5] またある種のナーフは、首と肩回りのみ厚い濃茶色の毛で覆われ、顔面や胴体には薄茶色の短い毛を生やし、尻尾には毛が生えず露出していた。彼らの尻尾は灰色で、先端が二股に分かれていた。[9] ナーフはつぶらな黒い目をしており、口と鼻の周りは黒ずんでいた。[3] またナーフの鳴き声は人間の感覚ではアクアリッシュ種族が使う言語のように聞こえた。[10]
習性[]
- 「僕があんたなら大声は出さないぜ。ナーフは驚くと毛が抜けてくしゃみする…」
- ―ハン・ソロに対し、ルーク・スカイウォーカー[出典]
ナーフは驚くと毛が抜け、絶え間なくくしゃみをすることで知られた
ナーフの母星は惑星オルデランであるが[5][6]、ほぼあらゆる環境に適応可能な屈強さを備えており、宇宙航行にも全く動じることが無いという特性と相まって、多くの惑星で見かけることができた。[8] ナーフは群れで行動し[5]、長い舌で草やハーブを掘り起こし、丸い歯で草食性の食べ物を咀嚼した。ナーフの体臭は、彼らが進化的な適応によって得た特性であり、群れ同士を識別しやすくし、迷子にならないための働きを果たしていた。[1] ナーフの幼獣は塩を欲しがることで知られた。[11] ナーフは恐怖を感じると鼻や口から粘液を噴出するため、このクリーチャーを飼育する場合は驚かせないように注意する必要があった。[1] ナーフは驚くと毛が抜け、絶え間なくくしゃみすることで知られ[2]、群れをなして一目散に逃げだしてしまうこともあった。[9] 一方で、彼らには気性が荒い一面もあり、故意に危害を加えようとしたり挑発したりする者に襲いかかることもあった。[8] マシフなどの肉食クリーチャーは、ナーフの脅威となりえた。[12]
ナーフと文化[]
こちらの記事も参照: ナーフ飼い
ナーフ飼いとナーフ
ナーフはその用途の広さから知覚種族に重宝され[5]、コア・ワールドをはじめとするあらゆる領域の星々で飼育されていた。[8] ナーフには銀河系に生息する無数の家畜動物といくつかの共通点があった。衛星ヤヴィン4のラニップと同様、ナーフも食肉や革のために飼育された。ナーフ・ステーキやナーフ・シチュー、ナーフ・ナゲットといった食べ物は銀河社会で一般的に消費された。またナーフ革は衣類などの皮製品を作るのに使用され[1]、ナーフ=ミルクはチーズなどの材料となった。[13] ナーフは飼育が比較的容易で、荷役動物としても、食肉の供給源としても有用であったことから、銀河系で最も広く飼育される動物の一種となっていた。ナーフは多様な環境で繁殖できるよう複数の品種が改良され、単一の家畜種としては最も普及した動物だった。[8]
しかしナーフの悪臭は、同様の生育環境にある他の動物たちとは一線を画すものであった。彼らが生み出す腐ったような臭気は、生育する地域全体へ染みわたり、オルデランやジャレシュ、フェネッサ、そしてロザルといった星々に悪臭が漂うエリアを形成していた。[1] ナーフは人間のいるほとんどの場所で見かけることができたが、頑固な性格と悪臭、そして触れたものを染みだらけにしてしまう唾液のせいで、総じて極めて不快なクリーチャーとされていた。[8] ナーフを飼育する業者はナーフ飼い(ナーフ・ハーダー)と呼ばれた。[14] 彼らは概して質素な生活を送る人々であり、平凡な暮らしではあったが、長く維持しやすい職の安定性を享受していた。[8] ナーフは体が大きいため、飼育するには広大な放牧地を必要とし、手なずけるには熟練した乗り手の集団が求められた。[1] ナーフの幼獣は塩分を欲しがるため、ナーフ飼いは彼らの食事に塩を加えた。[1] 実在の職業であるにも関わらず、“ナーフ飼い”という言葉は銀河社会において相手が愚鈍で不衛生であることを仄めかす一般的な侮蔑語としても用いられた。[15]
歴史[]
ハイ・リパブリック時代、ベル・ゼティファーとカイ・ブライトスターは砂漠の星で起きたナーフの群れの盗難騒ぎを解決した
暗黒時代の2320 BBY、インナー・リムの惑星タナブで農業開拓地が作られ、ナーフやロバ、バンサ、スタガといった生育条件にかなう動物が家畜として輸入された。タナブの温暖な両極近くの食肉加工場には動物の囲い場がひしめき合っていたが、田舎では野生化した家畜がうろついており、射撃ドロイドによって個体数増加が抑えられていた。[6]
ハイ・リパブリック時代、ブルックス町長とその町民たちが荒野の星でナーフの群れを飼育していた。しかしある時、ソムナ率いる3人組が町からナーフの群れを盗んでいった。彼女たちは数世代前に町から旅立った開拓者の子孫であり、先祖たちのあいだでナーフを譲り渡す取り決めが結ばれていた。しかしソムナが何の説明もなくナーフを盗んでいったためブルックスと町民は激怒し、盗人から群れを取り戻すため戦いの準備を始めた。トラブルを聞きつけたジェダイ・マスターのジア・ザルドア・ザナは、この星にパダワン・ベル・ゼティファーとイニシエイトのカイ・ブライトスターを派遣した。若きジェダイはナーフの群れを取り戻したが、盗人と相まみえた際に、彼女たちに群れの正当な所有権があることを知った。そこへブルックスと町民が現れ戦闘が発生したが、怯えて崖の方へ走り出してしまった群れをソムナたちが救ったため対話の機会が生まれ、両者の誤解が解けた。[9]
共和国時代、惑星コルサントにあるデックス・ダイナーでナーフバーガーが提供されており、リナ・グラフはこの店のナーフバーガーが一番おいしいと考えていた。[16] 帝国時代初頭、“バッド・バッチ”ことクローン・フォース99は、雇い主であるシダリン・スケールバックからナーフ・ナゲットのケース50個を運ぶだけの“任務”を任されたことがあった。[17] 14 BBY当時[18]、惑星ゼフォではナーフの毛皮からキャンバス製品が作られており、ゼフォの村には「ナーフ毛皮」や「ゼフォ輸出品 - キャンバス製品」とオーラベッシュで書かれた貨物箱が置かれていた。[19] 10 BBY[18]、ハン・ソロは帝国地上軍から脱走してトバイアス・ベケットの仲間に加わった後[20]、隠しポケットがあるナーフ革製の[21] ジャケットを着るようになった。[20] またハンはそれから数十年後の34 ABY当時も、これとは別のナーフ革製ジャケットを着ていた。[22] 初期反乱運動の時代、マンダロリアンの反乱者サビーヌ・レンはナーフ革製ホルスターを身に着けていた。[23]
ハン・ソロはその生涯で少なくとも2種類のナーフ革製ジャケットを身に着けた
帝国時代、ロザルにある応用科学ジュニア・アカデミーでナーフが飼育されていた。ロザルの草原では、しばしばナーフがブラッドフライの群れに悩まされた。[4] ロザルの帝国青少年アカデミーではナーフ・キューブと呼ばれる肉料理が給食として振舞われた。[24] また惑星アーカニスにある帝国アカデミーでも、芝生の刈り込みや除草のためにナーフが飼育されていたが、仔ナーフが塩分をもとめて迷子になり、アーカニスの海に生息する凶暴な生物の餌食になってしまうことがたびたびあった。[11] 4 BBY[18]、アカデミーのブレンドル・ハックス司令官は候補生たちを海岸沿いの崖へ連れて行き、迷子の仔ナーフの最期を彼らに見せた。このような悲劇を防ぐため何をすべきかとハックスが問うと、ザーレ・レオニス候補生はナーフに塩を与えてやればよいと答えた。ハックスは甘やかすつもりかと尋ねたが、レオニスはナーフが死んで役立たずになるよりマシだと答えた。ハックスもこれには同意したが、最善の方法はナーフを訓練して浜辺に近づかせないことだと語った。塩を欲しがるのは幼いナーフだけだとアニア・レイザー候補生が指摘すると、だからこそ幼いうちに訓練を始めるべきなのだとハックスは答えた。[11]
アウター・リムの惑星イードゥーの南半球には、ナーフ飼いが暮らす村があった。イードゥーにはナーフ飼いしか住んでおらず、銀河社会において知名度が低かったため、銀河帝国のウィルハフ・ターキンはこの星をデス・スター計画の一環であるターキン・イニシアチヴの用地として活用した。[25]
0 ABY[18]、反乱同盟のナカリ・ケレンとルーク・スカイウォーカーは衛星フェックスにおける任務へ向かう途中、<デザート・ジュエル>の船内でナーフ・ステーキを食べることにした。しかし料理が下手なルークは、解凍が終わったナーフ肉を固い革の塊のようになるまで焼き過ぎてしまった。のちにナカリは、ルークと共に惑星デノンにあるサケットのヌードル店を訪れた際、コレリアンそば粉ヌードルとナーフ・ナゲットのオニオン添えを注文した。[26]
同年[18]、ハン・ソロはルーク・スカイウォーカーと一緒に反乱同盟の物資調達任務に出向いたが、途中で立ち寄った賭場でサバックの賭けに手を出し、反乱軍のクレジットを失ってしまった。2人は埋め合わせのため衛星ナー・シャダーで密輸の仕事を探すことに決め、ルークがトワイレックの依頼人からナーフの群れを密輸する依頼を引き受けた。YT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>はコックピットまでナーフで一杯になり、ハンはこんな仕事を引き受けたルークに文句を言った。道中、2人は帝国軍のTIEファイターによる追撃をかわし、ミルクを必要としている人々のために惑星アイバーへナーフを送り届けた。その後ハンとルークは反乱軍と合流したが、サナ・スタロスから<ファルコン>がナーフのような匂いがすると指摘された。[3]
3 ABY[18]、反乱軍のプリンセス・レイア・オーガナは惑星ホスのエコー基地でハン・ソロのことを“薄汚いナーフ飼い”と罵った。[14] 4 ABY[18]、レイア率いる反乱軍のチームがイエロー・ムーン作戦の一環として惑星ジャレシュを訪れた時、ジョウルーンの村ではウェライやウルダス、ワーブといった他の家畜にまじってナーフが飼育されていた。当時、帝国は村の反対側に新しい家畜置き場を作り、軍隊を能率的に養うためのシステム構築を進めており、ジャレシュの家畜の登録作業を行っていた。ジャレシュで本来の目的を果たした後、レイアたちは任務を手伝ってくれたニエッサ長老たちにお礼をするため、帝国の家畜置き場からナーフをはじめとする動物を解放した。[27]
新共和国時代、元ナーフ飼いのシャープシューター、ディアゴ・ヴェラーが惑星ヴェスパーラの闘技イベント『アウター・リムのハンター』で闘士として活躍した。彼は自然豊かな星の動物や植物を恋しがっていたが、もともと牧場労働者だったためヴェスパーラの過酷な環境も苦にしていなかった。彼はハットボールの試合ではナーフ=ハーダーズというチームを応援し、このチームをモチーフにしたコスチュームや武器を所有していた。[12]
ナーフとナーフ飼い
アーティオダック種族のシェフ、ストロノ・タッグズはナーフステーキ・シーズニングという香辛料や、ナーフ・ケバブという肉料理を考案した。前者はもともとナーフ・ステーキを味付けするためだけの調味料だったが、タッグスはティップ=イップやフリッツル・フライの味付けにも最適であることに気付いた。またタッグズは、ナーフが銀河系であまりにも一般的であることからグルメとしての評価はされないだろうと考えていたが、ナーフステーキ・シーズニングによってケバブをさらに美味しくできると期待していた。[28] 34 ABYに発生した[18] タコダナの戦いの後、タッグズは料理本『公式ブラック・スパイア・アウトポスト料理本』にシーズニングやケバブのレシピを掲載し、一度この料理を食べたら、毎日ケバブを食べるためにナーフの放牧を始めたくなること請け合いだと述べていた。またタッグズは惑星バトゥーにあるレストラン、タッグズ・グラブでナーフ・ケバブを提供していた。[28]
オーカス2のグラフ・アーカイブには、様々なエイリアンやクリーチャーについて記述した作者不明の日誌が保管されていた。作者(一説にはギャミット・コンド)はナーフについても他の記事と同様にスケッチを描き、“オルデランにはだらしのないナーフ飼いがいるようだ”という個人的な手書きのメモも書き加えた。この日誌はSP-4分析ドロイドのTR-33NA率いるチームによって行われた図書館の復旧作業時に再発見されたのち、アーカイブの学術記録のデータと組み合わされ、一般公開された。[5] 35 ABY以降[29]、銀河生物愛好家協会のアーディス・サン・テッカは、ナーフをはじめとする銀河の様々な非知覚種族について記述した日誌を出版した。この日誌の共著者であるサファリ・ドロイドのB8-T5は、ナーフは“噂にたがわぬ悪臭”の持ち主であるとコメントし、嗅覚センサーを遮断できる能力を持つ者はそれを実行に移すべきだと述べていた。[1]
制作の舞台裏[]
ナーフの初出は1980年に公開された映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』であり、レイア・オーガナがハン・ソロを罵倒する際に「薄汚いナーフ飼い(ナーフ・ハーダー)」というセリフを発する。ただし邦訳媒体では訳出されずに「恥知らず」などの日本語の悪態に置き換えられることも多い。[14] 『バフィー 〜恋する十字架〜』の主題歌を提供したことで知られるロック・バンド、ナーフ・ハーダーはこの印象的なセリフにちなんで名づけられた。[30] 正史媒体でナーフが実際に初めて登場した作品は2014年発売のジュニアノベル『帝国の奉仕者:銀河系の端』であり[4]、2015年に『週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン』の第47号で初めてビジュアルが描写された。本書で紹介されているナーフのイラストは[6] 2001年に発売されたレジェンズの設定資料集『エイリアン・アンソロジー』からの流用である。[31]
登場作品[]
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