ハンマー(Hammer)は共和国グランド・アーミーのランコア大隊に仕えたアドバンスト・レコン・コマンドーのニックネームである。ジャンゴ・フェットのDNAをもとに生み出されたクローンのひとりであるハンマーは、銀河共和国と独立星系連合がクローン戦争を繰り広げた時代にクローンARCコマンダーの階級に就いていた。22 BBY当時、ハンマーはランコア大隊の他のコマンダーたちとともに惑星カミーノのティポカ・シティに滞在しており、訓練施設で行われたクローン候補生の分隊の最終試験を見守った。
21 BBY、ハンマーとランコア大隊はグリーヴァス将軍率いる分離主義勢力からティポカ・シティを防衛するためカミーノの戦いに参加した。トライデント級アサルト・シップがティポカ・シティへの直接攻撃を開始した際、ハンマーはコルトやブリッツ、ハヴォックとともにメイン・ハンガーの防衛を指揮した。共和国軍はAQシリーズ・バトル・ドロイドの大軍に苦戦し、グリーヴァスの侵入を許してしまったが、徐々にドロイド軍を押し返していった。ハンマーはメイン・ハンガーに駆け付けたジェダイ・マスター・シャアク・ティと合流し、建物の中にいた敵を一掃した。
経歴[]
ARCコマンダー[]
“ハンマー”のニックネームで知られたクローンは[3]、他のクローン・トルーパーと同様に賞金稼ぎジャンゴ・フェットのDNAをもとに惑星カミーノで生み出され、共和国グランド・アーミーの兵士として育成された。[1] 彼はARCプログラムと呼ばれる訓練課程を経て[4]、共和国グランド・アーミーのアドバンスト・レコン・コマンドー(通称ARCトルーパー)の一員となった。銀河共和国と独立星系連合が銀河系各地で繰り広げたクローン戦争のさなか[2]、ハンマーはクローンARCコマンダーの階級に就き[3]、同じくARCコマンダーである“コルト”、“ハヴォック”、“ブリッツ”らとともに共和国軍ランコア大隊に仕えた。[2]

ドミノ分隊の試練を見守るハンマー
クローン戦争序盤の22 BBY当時[5]、ランコア大隊は惑星カミーノのティポカ・シティに滞在し、コルトとハヴォック、ブリッツらはクローン候補生たちの訓練を監督した。ティポカ・シティの格納庫にて、マスター・チーフ・ブリックとコマンダー・コルトがドミノ分隊とブラボー分隊の候補生たちを整列させてスピーチを行った際、ハンマーは2名のクローン・トルーパーを引き連れて彼らの近くを通り過ぎていった。[6]
それからしばらくして、ハンマーはティポカ・シティ軍事複合施設の中にある訓練場で、クローン候補生たちの最終試験を見物した。ハンマーは数名の候補生たちとともに訓練場を見渡せる高台に立ち、“シタデル・チャレンジ”と呼ばれる模擬戦闘のテストを見守った。ブラボー分隊は見事にテストをやり遂げたが、ドミノ分隊は失格を言い渡された。しかしのちにドミノ分隊はジェダイ・マスターのシャアク・ティから再試のチャンスを与えられ、ハンマーたちが再び見守る中、今度はテストをやり遂げた。[6]
カミーノの戦い[]
21 BBY[5]、ドロイド軍最高司令官のグリーヴァス将軍率いる分離主義勢力がカミーノに対して攻撃を展開した。軌道上で繰り広げられた宇宙戦のさなか、分離主義勢力のミュニファスント級スター・フリゲートは軍艦の残骸に偽装したトライデント級アサルト・シップをカミーノの海洋に落下させた。これらのアサルト・シップはティポカ・シティ軍事複合施設に直接攻撃を仕掛け、都市に配備されていた軍隊が防衛のため動員された。ARCコマンダー・ハンマーもコルトやハヴォック、ブリッツらとともに共和国軍を率いてメイン・ハンガーを防衛することになった。ハヴォックがトルーパーCT-1409“エコー”とCT-5555“ファイヴス”らに別行動を命じていた時、ハンマーは他のトルーパーたちを引き連れて防衛地点に移動していた。[2]

シャアク・ティと共にメイン・ハンガーで戦うハンマー
ティポカ・シティに到着したトライデント級アサルト・シップがドリル・スパイクを使ってメイン・ハンガーの壁を外から突き破ろうとしていた時、ハンマーはZ-6回転式ブラスター砲を構えたクローン兵士にハンド・シグナルを送り、まだ射撃は控えるよう指示した。その直後、ハンガーの壁はドリルの一撃で破壊され、トルーパーたちは一斉に銃撃を開始した。クローン・トルーパーたちは2隻のアサルト・シップから送り出されたAQシリーズ・バトル・ドロイドに苦戦し、グリーヴァスの侵入を許した。しかし戦いが続くにつれ分離主義勢力の兵力は薄く引き伸ばされ、共和国軍は敵をメイン・ハンガーに押し戻していった。コルトやハヴォックは戦死したが、ハンマーは格納庫で戦いを続け、シャアク・ティと合流した。[2]
間もなくシャアク・ティとハンマー率いるトルーパー部隊はメイン・ハンガーに残っていたドロイド軍を一掃し、ロケット・ランチャーを装備したトルーパーがトライデント級アサルト・シップを破壊した。また、新たに街へ進攻しようとしていたアサルト・シップも、ブリッツ指揮下のアドバンスト・レコン・フォース・トルーパーのミサイルで破壊された。共和国軍が戦いに勝利した後、ハンマーはティポカ・シティの外で被害の復旧作業を見守った。その近くでは、クローン・マーシャル・コマンダーCC-2224“コーディ”とクローン・キャプテンCT-7567“レックス”がエコーとファイヴスにARCトルーパーへの昇格を言い渡していた。[2]
人物[]
ハンマーは賞金稼ぎジャンゴ・フェットをテンプレートとするクローンである。種族は人間で、身長は1.83メートル。[1]
装備[]
ARCトルーパーのハンマーは赤いマーキングが施された、白を基調とするフェーズIARCトルーパー・アーマーを身に着けていた。彼の装備一式にはレンジファインダーが付属したヘルメットとカーマ、両肩のポールドロンが含まれており、胸と腕、足には灰色の追加アーマーが取り付けられ、さらにサバイバル・パックとDC-17ハンド・ブラスター用のホルスターを装備していた。またハンマーはカミーノの戦いでDC-15Aブラスター・ライフルを使用した。[2]
制作の舞台裏[]
このアドバンスト・レコン・コマンドーはTVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン3の最初のエピソードである『トルーパーへの道』で初登場を果たした。本作は2010年9月17日に公開された。[6] 続くシーズン3第2話『誇り高き兵士たち』にも登場しているが、どちらの作品でもセリフは無く、名前が呼ばれる場面もない。[2][6]
ハンマーの装甲服のカラーリングはコマンダー・コルトと同じ赤だが、細部のマーキングが異なっており、明確に別のキャラクターとして描かれている。[2] しかし2018年、アプリ『スター・ウォーズ:カード・トレーダー』にて、コルトの画像が“クローンARCコマンダー・ハンマー”として誤って紹介された(ハンマーという名称はこれが正史媒体初出)。[3] 2021年、ルーカスフィルム ストーリー・グループのスタッフであるリーランド・チーによって、コルトではない方の赤いARCコマンダーが製作段階で“ハンマー”と呼ばれていたことが Twitter で明かされた。[7]
登場作品[]
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4
Clone Troopers - 公式データバンク
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09
クローン・ウォーズ – 誇り高き兵士たち
- ↑ 3.0 3.1 3.2 スター・ウォーズ:カード・トレーダー
- ↑ 『Rise of the Separatists』によればアドバンスト・レコン・コマンドーはARCプログラムと呼ばれる訓練を受けている。
- ↑ 5.0 5.1 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3
クローン・ウォーズ – トルーパーへの道
- ↑
@HolocronKeeper(Leland Chee) - X (旧Twitter). “Yes, production referred to that clone as Hammer.”