- 「我々は軌道爆撃用に特別設計された戦艦にいます。XX-9砲を数発撃つだけで、どんなに海深く隠れていようが、あのクジラどもを丸焼きにできる。なぜ幾重もの複雑な作戦を立てるのです?」
「なぜなら我らは帝国だからだよ、バーゴン大佐。帝国の軍事力は破壊のためでなく支配のためにある」 - ―バーゴン大佐とウィルハフ・ターキン総督[出典]
バーゴン(Bergon)は人間の女性で、銀河帝国の軍隊に仕えた大佐である。18 BBY当時、彼女はインペリアル級スター・デストロイヤー<ソヴリン>に配属されてた。この年、ウィルハフ・ターキン総督率いる帝国軍が惑星モン・カラの占領を行い、<ソヴリン>も作戦に参加した。バーゴンはスター・デストロイヤーのターボレーザーを使って軌道爆撃を行えばすぐに占領が完了すると考えていたが、ターキンは価値のある惑星をむやみに破壊するより、段階的な手順を踏んで支配下に置くことを選んだ。
帝国軍が侵略を開始すると、モン・カラマリのリー=チャー王は侵略部隊の着陸を妨害するため、巨大クリーチャーを使って惑星の水上都市を破壊した。バーゴンはスカイ=ベースを足がかりにした水中侵略作戦を提案し、自らその1隻に乗り込んで北半球で戦いの指揮を執った。しかし彼女の乗るスカイ=ベースはギアル・アクバー率いるモン・カラマリ・ガードのチームによる集中攻撃を受けた。アクバーたちはTIEファイターの攻撃をかいくぐり、偏向シールドでは対処しきれないほど大量のミサイルをスカイ=ベースに発射する。プラットフォームは爆発を起こして破壊され、バーゴンも巻き添えになって命を落とした。
経歴[]
モン・カラ占領[]
- 「バーゴン大佐、次の攻撃指揮は君に任せよう」
「はい、総督。お任せください」 - ―ウィルハフ・ターキン総督とバーゴン大佐[出典]
人間の女性、バーゴンは帝国時代に銀河帝国の軍隊に仕え、大佐の階級に就いていた。18 BBY当時、インペリアルI級スター・デストロイヤー<ソヴリン>に乗り込んでいたバーゴンは、ウィルハフ・ターキン総督やジョードー中佐、ラントゥ少佐らとともに惑星モン・カラへ派遣される。モン・カラの軌道にて、バーゴンはターキンの作戦に疑問を唱え、XX-9砲塔を使った爆撃をせずにいくつかの段階を踏んで複雑な攻撃を行う予定なのはなぜかと質問した。これに対しターキンは、帝国の力とは破壊する力ではなく支配する力であると語り、モン・カラは破壊するには惜しい価値のある惑星だと付け加えた。モン・カラマリ王国との交渉に派遣されていたテルヴァー大使のインペリアル・シャトルが撃墜されたという報せが入ると、ターキンは部下の中尉を通して、バーゴンに侵略を開始するよう指示した。[1]
ダック・シティの戦いが始まり、帝国によるモン・カラ占領の火蓋が切って落とされると、モン・カラの王リー=チャーは惑星の全水上都市から住民を避難させ、巨大な海洋クリーチャーを使って都市を破壊させた。水上都市がすべて壊滅したことにより、帝国軍は侵略部隊の着陸地点を失った。ダック・シティの司令センターで侵攻の指揮を執っていたラントゥ少佐との連絡が途絶えたため、ターキンは次の攻撃フェイズの指揮をバーゴンに任せることに決めた。バーゴンは侵略部隊を先ほどと同じリスクにさらすことはできないと判断し、空中着陸プラットフォーム(スカイ=ベース)を使った作戦を提案する。彼女はスカイ=ベースから水中への侵略を行うのは困難であるが、必ずやり遂げてみせるとターキンに請け合った。[1]
スカイ=ベースが配備されると、バーゴンは自らそのうちの1隻に乗り込み、モン・カラの北半球で部隊を指揮した。戦闘中、ターキンから戦況の報告を求められたバーゴンは、モン・カラマリのラダス提督が抵抗勢力を組織し、南半球の極地で船団の防衛線を固めていることを知らせた。しかしバーゴンはラダスのために指揮下の部隊を二手に分ける必要はないと判断し、まずは北半球にいるギアル・アクバーの部隊を倒すのが先決だと判断した。ターキンはラダスを過小評価しないようにと釘を差したが、それでもバーゴンは作戦を変更しなかった。[1]
バーゴンがターキンへの報告を言い終えないうちに、アクバー率いるモン・カラマリ・ガードの軍勢が水中から姿を現し、スカイ=ベースに対して奇襲を仕掛けた。バーゴンは自ら攻撃に参加しているアクバーをあざ笑い、部下にTIEファイターの緊急発進を命じた。バーゴンはモン・カラマリがスカイ=ベースに近づくことはできないと考えていたが、アクバーは一度海中へ避難してTIEを引きつけた後、スカイ=ベースの真下から再び出現した。あまりにも多くの敵が出現したためTIEでも迎撃が間に合わず、偏向シールドでは防ぎきれないほどのミサイルがスカイ=ベースに向かって放たれた。バーゴンはミサイルを撃ち落とすようクルーに命じたが、標的が多すぎて照準システムでは対応できなかった。バーゴンが自らの運命を悟って慄いた次の瞬間、スカイ=ベースは爆発して炎に包まれ、乗組員を巻き添えにして海に落下した。[1]
その後[]
- 「敵ミサイルにシールドを突破されたぞ! 撃ち落とせ!」
「ミサイルの数が多すぎます! 照準システムで捕捉不能!」 - ―バーゴンと部下の最期の会話[出典]
バーゴンの死後、<ソヴリン>のクルーはスカイ=ベースが破壊されたことと、その際に敵が使った作戦をターキンに報告した。帝国保安局のジョードー中佐による敵戦術の情報収集が不十分であることに苛立ったターキンは、ジョードーにストームトルーパー・アーマーを着せて戦場に送り込むよう部下に命じた。間もなく2隻のインペリアル級スター・デストロイヤーが増援に駆けつけ、ターキン直々の指揮による侵略が開始された。[1]
人物[]
- 「愚かな。自ら突っ込んできたと? 何のこけおどしだ?」
- ―バーゴン[出典]
バーゴンは直接的な作戦を好む戦略家であり、圧倒的な戦力こそ単純にしてもっとも効果的な制圧手段だと考えていた。また率直な性格の持ち主であったバーゴンは、ターキンによるモン・カラ侵略作戦に対しても疑問を口にした。彼女は後方から指揮を執ることを好み、ギアル・アクバーのように自ら最前線に立つ指揮官を軽蔑していた。スカイ=ベースから水中への侵略の指揮を執ることになった際、彼女はこの作戦が困難であることを認めつつも、必ずやり遂げるとターキンに請け合った。[1]
バーゴンは非人間種族に対して偏見を持っており、モン・カラへの軌道爆撃を提案した際、水中種族であるモン・カラマリやクオレンのことを“クジラども”(Finners)と蔑称で呼んだ。また彼女はモン・カラマリを過小評価し、自ら攻撃部隊の先頭に立つアクバーを愚か者と呼んだ。しかし彼女はアクバーを侮ったため裏をかかれ、結果的に自らの破滅を招くことになった。[1]
制作の舞台裏[]
バーゴンは2018年発売の正史のコミック『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原』(チャールズ・ソウル作、ジュゼッペ・カムンコリ画)で初登場を果たした。本作の翻訳版単行本は、シリーズ前編との合本で、2019年にヴィレッジブックスから『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 潰えた遺産/燃える海原』というタイトルで発売された。
登場作品[]
- スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原 (初登場)