- 「あの少年はあんたの息子か?」
「いや、パダワンだ。生徒と弟子の中間的なものと言ったらいいかな」 - ―アナキン・スカイウォーカーについて、グレッカーとオビ=ワン・ケノービ[出典]
パダワン(Padawan)、あるいはパダワン見習い(Padawan learner)、ジェダイ・アプレンティス(Jedi apprentice)とは、特定のジェダイ・ナイトもしくはマスターに師事してジェダイの修行を積むフォース感応者である。ジェダイ・オーダーに加わった幼児たちは、まずジェダイ・イニシエイトとして集団で訓練を積み、イニシエイト・トライアルに合格して実力を証明した後、晴れてパダワンに選ばれた。基本的に、師匠となるジェダイが新しいパダワンを自分で選ぶことになっていたが、クローン戦争期にはジェダイ最高評議会がパダワンの割り当てを行うこともあった。パダワンはそれぞれのナイトもしくはマスターに師事して一対一の指導を受け、しばしば共に任務に赴いた。パダワンはジェダイ・トライアルに合格することでナイトの位を授与され、一人前のジェダイとして認められた。
クローン戦争中、パダワンは戦闘訓練を積み、共和国グランド・アーミーのジェダイ・コマンダーとしてクローン・トルーパーの指揮を執った。しかし戦争終結時にシーヴ・パルパティーン最高議長によってオーダー66が発令されると、ジェダイ・オーダーのメンバーは国家の敵と見做され、若いパダワンも容赦なくジェダイ・テンプルや銀河系各地の戦場で虐殺された。ケイレブ・デュームやカル・ケスティス、フェレン・バーといった一部のパダワンはオーダー66を生き延びたが、帝国時代に銀河帝国やシス、尋問官の標的となった。また粛清を生き延びたマスター・オビ=ワン・ケノービとヨーダは、ルーク・スカイウォーカーという名の若者を新世代のジェダイとして訓練した。のちにスカイウォーカーはオーダーの復興を試みたが、彼の弟子の大半はフォースのダークサイドに転向した弟子ベン・ソロに殺されてしまった。のちの時代、ジャクー出身のゴミ漁り、レイがスカイウォーカーやレイア・オーガナの弟子としてジェダイの修行を開始した。
概要[]
パダワンとは、ジェダイ・オーダーの一員として特定の師匠(ジェダイ・ナイトもしくはジェダイ・マスター)に師事し、一人前のジェダイになるための訓練を積むフォース感応者である。[3] パダワンの前にもジェダイ・イニシエイトと呼ばれる段階があり、ジェダイの道を歩む者は、まずイニシエイト・クランの一員として仲間たちと一緒にジェダイの教えを受ける必要があった。[4] 特定の年齢に達した者はイニシエイト・トライアルを受け、実力を証明することで誰かのパダワンに選び出された。[5] 一般的に、イニシエイトは10代半ばでパダワンに昇格し、マスターとペアを組んで直接の指導を受けた。[6]
ジェダイ・ナイトやマスターは、訓練したいパダワンを自分で選ぶことになっていた。[7] イニシエイト・トライアルの会場にはマスターたちも集まり、試験が終わったタイミングで、それぞれがパダワンに選んだ合格者が発表された。落第者はさらにもう1年イニシエイトのクランで修業を積むよう言い渡されるケースがあた。[5] 中にはあえてパダワンを取らない選択をするジェダイもいたが、オーダーの未来を担う次世代の育成はジェダイの責任の一部だと考えられていた。[2] また、弟子を取ることはジェダイ・ナイトの最大の名誉だとみなされており、こうして訓練と教育の輪が永遠に続いていく仕組みになっていた。パダワンはマスターと一緒に実際の任務に参加し、さまざまな経験を通して銀河系全般の知識を深めた。[6] 師匠が一度に複数のパダワンをとることはジェダイ・コードで禁じられていた。[1] パダワンは身分を表すしるしとして三つ編みを結い、髪の毛がない種族の場合はシルカ・ビーズなどの装飾品で代用することがあった。[8]
10年ほどの修業期間を終えたパダワンはジェダイ・トライアルと呼ばれる試練に臨んだ。トライアルの内容は各パダワンによって大きく異なるが、それぞれの持つ盲点や弱点に的を絞った内容となっていた。トライアルに合格し、ジェダイ最高評議会から許可を受けたパダワンは、ジェダイ・ナイトの仲間入りを果たした。[6] その際、ライトセーバーを使ってパダワンの三つ編みを切り落とす儀式が行われることがあった。[9]
歴史[]
共和国時代[]
- 「お前も弟子を取るべきだ。良い先生になれる」
「いえ、遠慮します」
「アナキン、教えることは特権だ。それに次の世代を鍛えることはジェダイの責任でもあるんだぞ」 - ―オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー[出典]
32 BBY[10]、ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンは惑星タトゥイーンで強いフォースを備えた少年、アナキン・スカイウォーカーと出会った。ジンはスカイウォーカーが“選ばれし者”だと信じ、惑星コルサントのジェダイ・テンプルへ連れ帰った。ジンは通例を無視し、すでにオビ=ワン・ケノービをパダワンとして訓練中であるにも関わらず、スカイウォーカーを自分のパダワンにすると主張した。その後まもなく、ジンはジェダイ評議会が判断を保留しているあいだにナブーの戦いで命を落としたが、評議会は彼の遺志に従い、ジェダイ・ナイトに昇格したケノービがスカイウォーカーを弟子に取ることを許可した。結果的に、スカイウォーカーは他のジェダイ・イニシエイトと違って師匠が決まった状態でジェダイ・オーダーに加入することになった。[1]
22 BBYに[10] クローン戦争が勃発すると、ジェダイ評議会は師匠が弟子を自分で選ぶという従来のルールを曲げ、パダワンの割り当てを行うようになった。[7] ジェダイ評議会は、マスターとパダワンの組み合わせには互いに学び合える者同士を慎重に選び出した。[6] その一例として、当時ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーは弟子を取らない意思を表明していたにも関わらず、グランド・マスター・ヨーダの指示で、アソーカ・タノをパダワンとして割り当てられた。スカイウォーカーは分離主義勢力との戦いが繰り広げられていた惑星クリストフシスで初めてタノと出会い、彼女が自分の弟子となることを突然知らされた。[2] またナイトやマスターがジェダイ将軍に任じられる中、パダワンも激しい戦闘の中で訓練を積み、共和国軍においてジェダイ・コマンダーの役割を担った。[11] パダワンはコマンダーとして連隊相当のクローン・トルーパー部隊を指揮できる立場にあった。[12]
帝国時代[]
- 「お前を見捨てようとしたんじゃない。最高の教師に会わせたかっただけだ」
「最高の教師なんていらないよ。俺はあんたがいいんだ。最高じゃないかもしれないけど――」 - ―ケイナン・ジャラスとエズラ・ブリッジャー[出典]
19 BBYに[10] クローン戦争が終結した際、シスの暗黒卿シーヴ・パルパティーンは共和国軍にオーダー66を発令し、銀河系各地の戦場で戦っていたジェダイを粛清した。[13] コマンダーとして戦っていた若いパダワンもこの攻撃の標的となった。[14] ジェダイ・オーダーはシスの陰謀によって滅び[13]、数少ない生存者も銀河帝国によって命を狙われ、逃亡を余儀なくされた。[14] 元パダワンのアソーカ・タノは戦争終結当時すでにジェダイを脱退していたにも関わらず、オーダー66の標的となった。[15] 彼女はレックスの助けを借りて攻撃を生き延び[16]、のちに帝国に対する反乱運動に参加した。[17]
若きパダワンのカル・ケスティスはオーダー66で師匠のジャロ・タパルを失い、ジェダイであることを隠して生きていくことになった。彼は惑星ブラッカの解体ギルドに加わり、フォースを使わない人生を歩んだ。しかしある時、彼は友人のプラウフの命を救うためフォースを使ってしまい、尋問官のセカンド・シスターやナインス・シスターに付け狙われることになった。ケスティスは同じくオーダー66を生き延びたジェダイ・ナイト・シア・ジュンダや、<スティンガー・マンティス>のグリーズ・ドリタス船長らと出会い、ジェダイ・オーダー再建の旅を開始した。旅の途中、ジュンダはケスティスにジェダイ・ナイトの称号を授けた。[18]
マスター・デパ・ビラバのパダワンだったケイレブ・デュームもオーダー66を生き延び、ケイナン・ジャラスと名を変えて帝国から身を隠した。彼はジェダイとしての生き方を捨て、しばらくは貨物船パイロットとして生計を立てたが、やがて反乱者のヘラ・シンドゥーラと出会い、初期反乱運動に身を投じることになった。[19] ジャラスはジェダイとしての最終経歴がパダワンであるにもかかわらず、帝国時代に惑星ロザルでフォース感応者のエズラ・ブリッジャー少年と出会い、自らの弟子とした。彼は師としての自分の能力に疑問を抱きつつ、フォースについて知っている全てをブリッジャーに教えた。ブリッジャーは立派なジェダイへ成長し[6]、ジャラスもまた、ロザル・ジェダイ・テンプルで経験したフォース・ヴィジョンの中で、一人前のジェダイ・ナイトとして認められた。[9]
0 BBY[10]、アナキン・スカイウォーカーの息子であるルーク・スカイウォーカーは、惑星タトゥイーンで隠遁生活を送っていたジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービのもとでジェダイの訓練を開始した。しかし間もなくケノービがダース・ヴェイダーとの対決で命を落としたため[20]、ルークはしばらくのあいだ独力でフォースやジェダイに関する知識を探求することになった。[21] 3 ABY[10]、ルークはケノービの霊体の導きで惑星ダゴバへ旅し、グランド・マスター・ヨーダに師事した。[22]
新世代[]
皇帝パルパティーンとダース・ヴェイダーが4 ABYに発生したエンドアの戦いで滅びた後[10][23]、ルーク・スカイウォーカーはジェダイ・オーダーの再建に取り組み始めた。彼の最初の弟子は、双子の妹であるレイア・オーガナになるはずだった。[24] 実際、オーガナは兄のもとでしばらく訓練を積んだが、自分には違うやり方で銀河系に貢献する方法があると判断し、政治の道を選んだ。スカイウォーカーは妹の決断に失望したが、理解を示した。[25] スカイウォーカーは真の弟子となる者を探すため長い旅を開始したが、彼が鍛えた新世代のジェダイたちは、フォースのダークサイドに堕ちた弟子のひとり、ベン・ソロによって殺されてしまった。この事件の後、スカイウォーカーはフォースとの繋がりを断ち、惑星オク=トーにあるテンプル・アイランドで人知れず隠遁生活を送った。[24]
34 ABY[24]、レジスタンスの一員であるフォース感応者のレイがオク=トーへ旅し、ファースト・オーダーとの戦いに力を貸してほしいとスカイウォーカーに頼んだ。また彼女はスカイウォーカーにフォースの教えを乞うた。スカイウォーカーは自分を最後にジェダイの歴史を終わらせようと考えていたため乗り気では無かったが、短いあいだレイを教え導いた。間もなくスカイウォーカーはクレイトの戦いで命を落とし[26]、レイを訓練する役割はオーガナに引き継がれることになった。オーガナ自身、かつてジェダイの訓練を中断した身ではあったが[27]、母親のように、師のように、そしてマスターとしてレイを見守った。[6] 35 ABY、レイはフォースのライトサイドに帰還したベン・ソロと協力し、復活したパルパティーンをエクセゴルの戦いで葬り去った。[28]