ビッグ=マウス(Big-Mouth)は銀河共和国のグランド・アーミーに仕えたクローン・トルーパーのニックネームである。階級は伍長。彼はメイルーラン・フルーツが大好物で、メイルーランが自生していない星でも、どこからともなくこの果物を手に入れてくることで知られた。ジェダイ将軍デパ・ビラバ率いる大隊に所属し、クローン戦争の数々の戦闘に参加した。ビラバがハルウン・コルにおける戦いで独立星系連合のグリーヴァス将軍に敗北した際、クローン・トルーパーの生存者はビッグ=マウスとコマンダー・グレイ、キャプテン・スタイルズ、スートの4人だけだった。
ビラバが怪我から回復して指揮官に復帰した後、ビッグ=マウスの部隊にビラバのパダワンであるケイレブ・デュームが新たに加わった。部隊の他の隊員と同じく、ビッグ=マウスもすぐにこの若きジェダイの友人となった。デューム合流後、ビッグ=マウスはカルドアの戦闘や第三次マイギートーの戦いに参加する。クローン戦争終結直前、ビッグ=マウスの部隊は惑星カラーでクリーヴ将軍率いる分離主義勢力ドロイド軍に勝利した。それから間もなく、コマンダー・グレイがオーダー66の指令を受け取ると、ビッグ=マウスたちは瞑想中のビラバとその弟子の命を狙った。しかしジェダイの師弟はかつての戦友を相手に奮闘し、ビッグ=マウスはライトセーバーで偏向されたブラスター・ビームに被弾して命を落とす。
経歴[]
ハルウン・コルにおける敗北[]
他のクローン・トルーパーと同様、“ビッグ=マウス”というニックネームで知られた個体も、賞金稼ぎジャンゴ・フェットの遺伝子をもとに惑星カミーノで生み出された。彼は銀河共和国に忠実な兵士として訓練を受け、やがて共和国グランド・アーミーの一員になった。[1] ビッグ=マウスは共和国と独立星系連合が繰り広げたクローン戦争に参加し、伍長の階級を得て、ジェダイ将軍デパ・ビラバ指揮下の大隊に配属された。19 BBY、ビッグ=マウスはハルウン・コルにおける戦いに参戦し、ドロイド軍最高司令官のグリーヴァス将軍が率いる連合軍と戦った。ビラバの大隊はこの戦いで9割の戦力を失う大敗北を喫し、ビラバに仕えていたクローン・トルーパーの生存者はビッグ=マウスとクローン・コマンダーCC-10/994(グレイ)、クローン・キャプテン・スタイルズ、スートの4人だけだった。またビラバも戦いで重傷を負い、しばらくのあいだ昏睡状態に陥った。[3]
カルドアの偵察任務[]
6ヶ月後、ビラバは戦いの傷から回復し、ケイレブ・デュームという名の新しいパダワンを連れて戦線に復帰した。師弟は惑星カルドアで分離主義勢力の活動を偵察する任務を与えられ、クローン・コマンダー・グレイはビッグ=マウス伍長をはじめとするハルウン・コルの戦いの生存者たちを再招集した。またコマンダーはクローン・ルテナント・レモやミックス伍長、ケイロンといったベテランのクローン数名をビラバの新しい大隊に参加させたが、残りの隊員はカミーノからやってきて間もない経験不足のトルーパーばかりだった。[3]
グレイは惑星カルドアの地表に設営されたキャンプでビラバやそのパダワンと合流し、新大隊の顔ぶれに関する情報を伝えた。その際、ビッグ=マウスはデュームに自分の好物であるメイルーラン・メロンを分け与えた。翌朝、共和国軍は偵察活動を開始し、カルドアの峡谷を捜索するため5つの分隊に分かれた。ビッグ=マウスはビラバ本人が指揮するチームに選ばれた。このチームにはデュームに加え、ビッグ=マウスが目を光らせていた新人トルーパーのCT-1157も参加していた。徒歩で峡谷を進んでいたとき、デュームとCT-1157がふざけて冗談を交わしていたため、ビラバとビッグ=マウスは後ろを振り返って2人の新人を咎めた。[3]
その直後、ビラバのチームは分離主義勢力ドロイド軍のB1バトル・ドロイドの待ち伏せを受けた。峡谷の道が破壊されて退路が断たれたため、ビラバは他の分隊に支援を求めるようビッグ=マウスに指示した。しかし共和国軍の信号は妨害されており、ビッグ=マウスは支援が期待できないことをキャラクタンのジェダイ将軍に報告した。ビラバは分離主義勢力の司令船を見つけ出して決着を付けることに決め、その間パダワンとともにバトル・ドロイドを引きつけておくよう伍長に命じた。ビッグ=マウスは忠実に命令を守ったが、デュームは勢いに乗って前線から進み過ぎ、敵の集中砲火にさらされた。[3]
ビッグ=マウスはパダワンを下がらせようとしたが、既に手遅れだった。デュームは肩や腰にブラスターのビームを食らって倒れ、バトル・ドロイドに取り囲まれてしまった。しかしCT-1157は友人のパダワンを救うためビッグ=マウスの命令を無視して岩陰から飛び出し、デュームに近づいてきたバトル・ドロイドをブラスター・ライフルで撃退した。一方、ビラバは分離主義勢力を率いるコバーン・シアー大佐のシーシピード級タイプBシャトルを攻撃し、バトル・ドロイドをシャトル防衛のため退却させた。その結果、ビッグ=マウスたちは戦いを生き残り、分離主義者をカルドアから撤退させることに成功した。[3]
第三次マイギートーの戦い[]
カルドアの戦闘の後、ビラバの大隊は激戦が繰り広げられている惑星マイギートーへ派遣され、第三次マイギートーの戦いに参加した。彼らの任務は、南部メサから分離主義勢力を一掃することだった。分隊のひとつを指揮してメサに向かう前、ビッグ=マウスは自身のトレードマークであるメイルーラン・メロンをデュームに分け与えた。大隊のチームがすべて戦場に展開した後、ビラバやグレイ、スタイルズ、デューム、CT-1157(“スタイルズ”というニックネームで呼ばれるようになっていた)はマンダロリアンのフェン・ラウ率いるスカル中隊の援護でバトル・ドロイドの大軍から生き延びたが、キャンプに戻った所をシアー大佐やグリーヴァス将軍に襲撃された。[3]
ビッグ=マウスと他のクローンたちはビラバのチームの支援に呼び戻されたが、彼らが戻る前にスタンスはシアーによって殺され、シアーはデュームによって倒されていた。ビラバはグリーヴァスとのライトセーバーの対決で重傷を負ったが、クローン・トルーパーの増援が駆けつけたためグリーヴァスが逃げ出し、九死に一生を得た。戦いが終わった後、大隊のクローンはスタンスのために葬儀を行い、バクタ・タンクで療養中のビラバのもとをお見舞いに尋ねた。ビッグ=マウスはここでもデュームに好物のメイルーランを分け与えた。ビラバの治療が終わってすぐ、彼女の大隊は惑星カラーへ配置換えとなった。[3]
オーダー66[]
アウター・リム・テリトリーの惑星カラーに到着したビラバの大隊は、プラトー・シティの郊外でデヴァロニアンのクリーヴ将軍率いる分離主義勢力と戦い、都市の防壁の近くまでバトル・ドロイドを追い込んだ。敗北を悟ったクリーヴは連合軍の残存勢力を連れて逃げ出し、カラーを共和国へ明け渡した。戦いが終わり、プラトー・シティでカラランのガマット・ケイと面談した後、ビラバは防壁の外にキャンプを設営して夜を越すよう部下たちに命じた。[2]
日が落ちた後、ビッグ=マウスはコマンダー・グレイやキャプテン・スタイルズ、ジェダイの師弟とともに野営地で焚き火を囲んだ。クローンが勝利を祝って会話していたとき、コマンダー・グレイのもとに最高議長シーヴ・パルパティーンからオーダー66の執行命令が下された。[2] ビッグ=マウスたちはビラバやデュームと親しかったにも関わらず[3]、カミーノアンによって脳内に埋め込まれた行動抑制バイオチップの影響で[4]、ジェダイ・オーダーのメンバーを1人残らず抹殺せよというパルパティーン議長の命令に忠実に従った。ビッグ=マウスと大隊の隊員たちはジェダイの師弟に向かってブラスターを発砲したが、フォースで一瞬早く危険を察知していたビラバは、デュームがあっけにとられて反応できずにいるうちに、ライトセーバーでビームを偏向してケイロンとレモを殺し、ミックスの首を切り落とした。デュームはやや遅れてライトセーバーを起動し、ブラスター・ビームを跳ね返してビッグ=マウスとスートを仕留めた。間もなくビラバはグレイやスタイルズの攻撃で命を落としたが、デュームはオーダー66を生き延びて姿を隠した。[2]
人物[]
ジャンゴ・フェットのクローン[1] であるビッグ=マウスは人間の男性で、髪は黒く[3]、身長は1.83メートルだった。[1] 惑星カルドアに派遣された頃、ビッグ=マウスは灰色がかった大きな口ひげを生やしていた。ビッグ=マウスは常日頃からメイルーラン・フルーツを食べ、カルドアのようにメイルーランが自生していない惑星でも、どこからともなくこの果物を手に入れてくることで知られ、しばしば仲間に切ったメイルーランを分け与えた。ビッグ=マウスはビラバの大隊のクローンが経験不足の新人ばかりであることに不満を持ち、戦場に入る前にもっと訓練が必要だと考えていた。そのため彼はCT-1157を始めとする新人クローンたちに厳しい態度をとっていた。[3]
デュームと初めて会った時、ビッグ=マウスは彼の未熟さをからかったが、パダワンが憤慨したため悪意はないことを釈明し、切り分けたメイルーラン・メロンを与えた。ビッグ=マウスはカルドアにおける任務でデュームが勇敢に戦うのを見て、彼が思ったより優秀だと認めたが、パダワンが勢いに乗るあまりクローン・トルーパーの前線から離れていき、負傷するのを防ぐことができなかった。ビッグ=マウスとデュームはカルドアの任務で親交を結び、その後はたびたびメイルーランを一緒に食べる仲になった。[3] しかし彼は脳内にバイオチップを埋め込まれていたため[4]、オーダー66発令時にはためらうことなくビラバやデュームにブラスターを向けた。[2]
装備[]
カルドアの戦い当時、ビッグ=マウスは緑色のマーキングが入ったフェーズIIクローン・トルーパー・アーマーを着用し、DC-15Aブラスター・カービンで武装していた。[3] しかしオーダー66が発令された当時、彼はマーキングの無いヘルメットをかぶっていた。[2]
制作の舞台裏[]
ビッグ=マウスは2015年5月6日に発売されたコミック『スター・ウォーズ:ケイナン1 ラスト・パダワン #2』(グレッグ・ワイズマン作、ペペ・ララズ画)で初登場を果たした。彼は初登場と同時に命を落としたが、続編『スター・ウォーズ:ケイナン2 ファースト・ブラッド』で過去の活躍やケイレブ・デュームとの友情が描写された。