- 「まずはジャバ様に代わりタトゥイーンへのご来訪を心より歓迎致します。ジャバ様はこの交渉が実り多い物になることを望んでおられ…」
- ―ダース・ヴェイダーに対し、ビブ・フォーチュナ[出典]
ビブ・フォーチュナ(Bib Fortuna)は惑星ライロス出身のトワイレック男性で、数十年にわたって犯罪王ジャバ・ザ・ハットに仕えた執事長である。彼は砂漠の惑星タトゥイーンにあるジャバの宮殿やモス・アイズリーの屋敷で犯罪王を補佐し、訪問者たちにジャバとの謁見の許可を与えたり、日々の業務を監督していた。もともとトワイレックの同胞たちを奴隷として売買していたフォーチュナは、ライバルのビドロ・クワーヴを蹴落としてジャバの補佐官の地位に就いた。フォーチュナが誕生日のプレゼントとしてジャバに贈ったランコアのパティーサは、この犯罪王のお気に入りのペットとなった。32 BBY、アナキン・スカイウォーカー少年がセブルバを下してブーンタ・イヴ・クラシックのポッドレースに優勝した日、フォーチュナもジャバに同伴してモス・エスパ・グランド・アリーナのボックス席からレースを観戦していた。
フォーチュナは帝国時代になってもジャバに仕え続けていたが、秘かに主人の暗殺を企てていた。彼はジャバの犯罪帝国における影響力を維持するためなら手段を選ばず、他の側近たちから恐れられていた。0 ABY、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーがジャバと協定を結ぶため宮殿を訪問した時、フォーチュナもその場に居合わせた。この時、フォーチュナはライトセーバーを起動したヴェイダーに恐れをなし、あっけなくシス卿を謁見室に通してしまった。4 ABY、カーボナイトで凍結されたハン・ソロ船長を救出するため、反乱同盟のメンバーが次々とジャバやフォーチュナの前に姿を現した。ジェダイのルーク・スカイウォーカーはフォースのマインド・トリックを使ってフォーチュナを操り、自分をジャバのもとへ案内させた。その後、ジャバはカークーンの大穴における戦闘で命を落としたが、フォーチュナは戦いを生き延びた。
新共和国時代、フォーチュナは亡きジャバに代わる大名として宮殿の玉座に君臨した。しかし彼にはジャバほどの権力はなかったため、モス・エスパの領土を他の犯罪ファミリーと分割し、彼らとのあいだに不安定な同盟関係を維持することで自らの地位と力を守った。またフォーチュナはモス・エスパ市長のモク・シェイーズにも賄賂を贈っていた。9 ABY、死んだと思われていた賞金稼ぎボバ・フェットがフェネック・シャンドを引き連れてジャバの宮殿を襲撃した。フェットはフォーチュナを容赦なく殺害し、玉座の新たな支配者として、独自の犯罪帝国を形成し始めた。
経歴[]
生い立ち[]
ジャバの副官[]
男性のトワイレック、ビブ・フォーチュナは、種族の母星であるアウター・リム・テリトリーの惑星ライロスに生まれた。[8] 彼にはビーザー・フォーチュナという名のいとこがいた。[7] ビブ・フォーチュナは同胞のトワイレックを奴隷として売買することで資産を蓄え[4]、やがてスパイス密輸業者としてお尋ね者の犯罪者となった。[5] その後フォーチュナはハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレの執事長となり、惑星タトゥイーンのデューン・シーにあるジャバの宮殿と、モス・アイズリー宇宙港にある屋敷で、ジャバの日々の業務を監督する仕事を任された。またフォーチュナはジャバの誕生日に[4] パティーサという名の[9] ランコアを贈った。ジャバは宮殿の広間の下でこのランコアを飼い、気に入らない者をそこへ落として餌にしていた。[4] フォーチュナはハットの執事の地位をめぐってビドロ・クワーヴと対立したが、権力争いに敗れたクワーヴは、ランコアの初期の犠牲者のひとりとなった。[10]
32 BBYに発生した[11] ナブー危機のさなか[12]、ジャバザ・ハットの主催で[10]、ブーンタ・イヴ・クラシックのポッドレースが開催された。フォーチュナはガーデュラ・ベサディ・ジ・エルダーらとともに[12]、モス・エスパのグランド・アリーナに設けられたジャバのロイヤル・ボックス席[10] からレースを観戦した。この日のレースは、地元出身のポッドレーサー・パイロットであるアナキン・スカイウォーカー少年がセブルバとの接戦を制して優勝を飾った。しかしジャバはスカイウォーカーがゴールした時に居眠りしていたため、フォーチュナは彼をつついて起こさなければならなかった。[12]
働き者[]
本章の記述は、ワイルド・スペースの製図家エミル・グラフの伝聞に基づく。グラフによれば、フォーチュナはジャバのもとで休むことなく働きづめだった。ある時、フォーチュナはジャバから先月の売り上げについて調査を命じられた。フォーチュナは今日が誕生日であることを理由に休ませてほしいと願い出たが許されず、徹夜で問題を調べ上げた。翌日、報告を終えたフォーチュナは再び休憩を願い出たが却下され、ジャバが購入予定の武器の検査を命じられた。武器に問題が見つかり、ジャバが取引相手のイシ・ティブをランコアの餌にした後、フォーチュナは休憩を願い出たがやはり却下され、新たに雇った賞金稼ぎとの金額交渉を命じられた。この賞金稼ぎは危うくジャバを殺しかけたが、フォーチュナは主人の命を救い、またも休みを求めた。しかしジャバは、ポート・スニッキンと一緒に盗品のランドスピーダーを回収する仕事をフォーチュナに命じた。フォーチュナはスニッキンが操縦するX-34ランドスピーダーの助手席に乗り、アクアリッシュの敵と銃撃戦を繰り広げ、無事に乗り物を宮殿へ運び込んだ。[13]
ジャバは副官の手柄を喜び、今度は宮殿の正門に現れたトグルータの海賊たちの用件を聞いてくるよう命じたが、フォーチュナはついに疲労のあまり倒れてしまった。フォーチュナはベッドで休み、見舞いに来たジャバに、自分が復帰するまでのあいだ代役の副官を雇うよう助言した。ジャバは言われた通りにしたが、代役の働きぶりが気に食わず、再びフォーチュナの見舞いにくるまでに5人の副官をサルラックの餌にして処刑してしまった。この話を聞いたフォーチュナは、自分はもうじき復帰できるが、毎日10分の休憩時間をくれなければ働かないと主張した。ジャバは仕方なく条件を飲み、フォーチュナはついでに誕生日にプレゼントがもらえると嬉しいと付け加えたが、ジャバはフォーチュナの誕生日を覚えていなかった。[13]
のちの時代、グラフは<スター・ヘラルド>のクルーであるCR-8Rに以上の物語を語って聞かせた。当時、CR-8Rはグラフのペットであるコワキアン・モンキー=リザードのノニの怠け者ぶりに腹を立てていた。しかしグラフは、ノニはフォーチュナほど働き者ではないにせよ、フォーチュナと同様、欠かすことのできない役割を果たしているのだとCR-8Rにアドバイスした。[13]
帝国時代[]
ムチの救出依頼[]
銀河共和国が解体されて銀河帝国が誕生[14] した後も、フォーチュナは引き続きジャバに仕え続けた。帝国時代初頭の19 BBY頃、フォーチュナはムチという名のランコアの子どもをザイゲリアンの奴隷商人グループから奪還するため、惑星オード・マンテルの情報屋シドにコンタクトを取った。しかしムチがなかなか戻ってこなかったため、フォーチュナはシドにホログラム通信で連絡を取り、ジャバが苛立っていることを伝えた。するとこのトランドーシャンの情報屋は計画を練るのに時間がかかって遅れただけだと主張し、ムチは間もなく救出されるとジャバに伝えるよう、フォーチュナに告げた。シドはフォーチュナが脅しをかけても怯まず、ランコアを救出するために最高のチームを派遣したと主張した。実際、彼女は帝国軍から離反したクローン・コマンドーのグループ、クローン・フォース99を任務のために雇っていた。[15]
しびれを切らしたフォーチュナは2人のガモーリアン・ウォリアーを引き連れ、自らオード・マンテル・シティにあるシドズ・パーラーを訪れた。シドはオフィスに現れたフォーチュナをなだめ、自分はいつも約束を守ると請け合った。シドは今回の任務はデリケートだと告げ、ジャバに待つよう伝えろと言ったが、その直後に店の外からムチの鳴き声が聞こえてきた。クローン・フォース99が任務に成功して帰ってきたのである。フォーチュナはムチを確認するためすぐに店の外に飛び出し、ジャバのペットが無事であることを喜んだ。フォーチュナは指を鳴らしてガモーリアンに合図を送り、シドに約束の報酬が入ったケースを3つ渡させた。その後フォーチュナはムチに語りかけると、護衛たちと一緒にシドの前から去っていった。のちにシドはフォーチュナの報酬のうち1ケースをクローン・フォース99に分け前として与えた。[15]
船泥棒との遭遇[]
13 BBY~10 BBY頃[16]、フォーチュナはジャバが所有する宇宙ヨット<スター・ジュエル>に乗ってナー・ハスカに寄港した。出発を待つ間、バンディット・ビリー率いる船泥棒のクルーが<ジュエル>の強奪を試み、ガモーリアンの衛兵とのあいだに戦闘が発生した。ガモーリアンがバイブロ=アックスでビリーを撃退したため盗みは失敗に終わったが、<ジュエル>の着陸ギアや船体に傷がついた。傷は軽微だったが、フォーチュナはジャバが気にすることを恐れ、<ジュエル>の目的地をケルドゥインの修理工場に設定した。またフォーチュナはビリーから『スマグラーズ・ガイド』と呼ばれる日誌を手に入れた。海賊女王マズ・カナタに起源を持つこの日誌は、ビリー以前にも数多くの所有者の手を経ており、フォーチュナはケルドゥインへの旅の途中で本の内容に目を通した。また彼自身も1ページだけ本に記述を書き加えた。しかし『スマグラーズ・ガイド』はケルドゥイン・シップライツ社の待合室に置き忘れられ、のちに傭兵サポンザの手に渡った。[17]
暗黒卿の来訪[]
- 《奴が来ました! 旦那様、お目覚めを!》
- ―ヴェイダーの予期せぬ来訪をジャバに知らせるフォーチュナ[出典]
0 ABY[11]、ヤヴィンの戦いやサイムーン1攻撃の直後、銀河皇帝シーヴ・パルパティーンはジャバと同盟を結ぶためシス卿ダース・ヴェイダーを代理人としてタトゥイーンへ派遣した。しかしヴェイダーは帝国の仕事とは別に、ジャバに個人的な依頼をしたいと考えていたため、予定より1日早く宮殿を訪れ、フォーチュナを驚かせた。ヴェイダーは宮殿の入り口でガモーリアン・ガードを2人殺し、謁見室の手前でフォーチュナと顔を合わせた。フォーチュナから話しかけられたシス卿は、ハットと話がしたいと告げ、ライトセーバーを起動した。[18] ハットの執事として裏社会の住人たちと数多く顔を合わせてきたフォーチュナにとっても、このシスの暗黒卿は特に恐ろしい存在だった。[19]
フォーチュナは恐れをなしてジャバのもとへ走っていき、眠っていた犯罪王を起した。ジャバはこのトワイレックの執事を押しのけ、不満げにシス卿と会話した。ヴェイダーは内密な話をするため人払いをしてほしいと頼み、ジャバはフォーチュナたちに別室へ行くよう身振りで合図した。[18] その後、ヴェイダーはデス・スターを破壊した反乱軍パイロットの正体を突き止めるため賞金稼ぎを手配してほしいと犯罪王に依頼し、ジャバはボバ・フェットとブラック・クルルサンタンを彼に紹介した。[20] 翌日[18]、ヴェイダーはストームトルーパーを引き連れて公式にジャバの宮殿を再訪した。フォーチュナは宮殿の入り口でシス卿を出迎えてあいさつの言葉を述べたが、ヴェイダーは社交辞令は不要と告げ、早く交渉を始めるよう迫った。その後、帝国とハットの同盟は成立し、ジャバは軍需品を作るのに必要な資源を帝国に提供する代わりに、アウター・リムで権力を振るう許可を得ることとなった。[20]
傭兵への警告[]
ヤヴィンの戦いとホスの戦いの間に、傭兵サポンザとその相棒がタトゥイーンで活動を開始し、砂漠に拠点を築いた。ジャバに仕える6人の部下がサポンザの傭兵団との戦いで命を落とした後、フォーチュナは彼らにホログラムのメッセージを送り、主人を敵に回した以上報復を覚悟せよと勧告した。間もなく、ジャバの手先は報復のためサポンザの基地を破壊した。フォーチュナは再びに連絡を取り、愚かな行為を続ければ更なる復讐が待っていると脅迫した。[21]
砂漠の美酒[]
帝国時代のある日、人間とローディアンの二人組がジャバとの謁見にやってきた。彼らは惑星カントニカの都市カント・バイトで提供されている超高額のワイン“タスケン・ウインド”の輸出元がジャバであることを知り、自分たちもビジネスに関わらせてほしいと考えていたのである。フォーチュナが彼らの言葉を通訳すると、ジャバは高らかに笑い、手元に残っている最後のタスケン・ウインドのボトルを飲み干してしまった。ジャバは2人の訪問者に、タトゥイーンでこのワインを手に入れようとしないほうが身のためだと警告した。フォーチュナは訪問者たちを謁見室から追い払いながら、タスケン・ウインドこと“砂漠のワイン”はタスケン・レイダーにとって聖なる飲み物であるため、手に入れようとすれば争いになると説明した。去り行く二人組に対しジャバは、タスケンが満月の日の祈りの時間にグレート・デューンでワインを醸造していることをわざと教えた。[22]
当時タスケンは帝国やジャワとのあいだに領土問題を抱えており、ジャバに調停を依頼していた。ジャバの思惑通り、二人組はワインを盗むためグレート・デューンへ行き、同じく高額のワインを狙っていた帝国軍将校やジャワと戦いを繰り広げることになった。領土を脅かす者たちが互いに争って全滅した後、タスケンはストームトルーパーの大量の死体を運んでジャバの宮殿にやってきた。フォーチュナは大勢のタスケンが宮殿に入るのを止めようとしたが、彼らは言うことを聞かなかった。ジャバは訪問者を撃退するため武器を構えたガモーリアンたちを制し、タスケンを迎え入れた。すると彼らはジャバが領土問題を解決してくれたことに礼を言い、新たに砂漠のワインを献上した。その際、フォーチュナはコルサントのカルテルが人工的に砂漠のワインを製造する方法を発見したため、今やこの酒は無価値になってしまったと犯罪王に報告した。しかしジャバは豪快にワインを飲み干してゲップすると、この酒は“無価値”ではなく“価値がつけられぬ”ものだと豪語した。[22]
ジャバの死[]
2体のドロイドと賞金稼ぎ[]
- 《奴はジェダイではありますまい》
- ―ルーク・スカイウォーカーのメッセージについて、ビブ・フォーチュナ[出典]
ビブ・フォーチュナはジャバに新しい奴隷を差し出すため、同胞であるトワイレックの踊り子ウーラを惑星ライロスの部族から誘拐した。フォーチュナの命令に従い、ウーラは他のトワイレックの娘たちからエキゾチックな踊りを仕込まれた。タトゥイーンに来た時、彼女はモス・アイズリーでルーク・スカイウォーカーと出会い、逃げるチャンスを与えられていたにも拘らず、フォーチュナが吹聴したジャバの宮殿の絢爛豪華な法螺話に魅了され、宮殿を見てみたいという願いから、スカイウォーカーの助けを拒んでしまった。[4]
4 ABY[11]、反乱同盟のプロトコル・ドロイドC-3POとアストロメク・ドロイドR2-D2がジャバの宮殿にやってきた。ゲートを通過した2体のドロイドは、宮殿のホールでガモーリアン・ガードを付き従えたフォーチュナに出迎えられた。3POユニットはR2-D2が発するバイナリーの電子音をフォーチュナに通訳し、ジャバ・ザ・ハットへのメッセージと贈り物を持ってきたと伝えた。フォーチュナは今ここで見せてみるようハッティーズ語で要求したが、ドロイドたちはジャバに直接渡す必要があると主張した。フォーチュナがやむを得ず謁見室へ案内すると、R2ユニットはルーク・スカイウォーカーのホログラム・メッセージをジャバの前で再生した。スカイウォーカーは自分はジェダイ・ナイトだと名乗り、ハン・ソロの解放を求め、親善のしるしとして2体のドロイドを贈ると告げた。フォーチュナはジャバにそっと耳打ちし、奴はジェダイとは思えないと自論を述べた。[6]
ジャバはスカイウォーカーの要求を一笑に付しつつも、2体のドロイドを宮殿の使用人に加えた。その後、謁見室でマックス・レボ・バンドによる[6] 『ジェダイ・ロック』[23] の演奏が行われた時、ジャバは踊り子ウーラに対して機嫌を損ね、彼女を仕掛け扉からランコアの巣穴へと落とした。謁見室に居合わせたフォーチュナは、ウーラがランコアの餌食になる様を、ヤーナ・ダル・ガーガンの隣で見物した。その直後、部屋の入り口でブラスターの音が響き、フォーチュナたちは騒然とした。するとユビーズの賞金稼ぎブーシに変装したプリンセス・レイア・オーガナが、ハンの相棒であるウーキーのチューバッカを連れて宮殿にやってきた。オーガナはウーキーを捕まえたので賞金をよこせとジャバに要求し、金額を吊り上げるためにサーマル・デトネーターをちらつかせた。賞金稼ぎが35,000クレジットでジャバと合意すると[6]、フォーチュナはチューバッカを地下牢へ連行した。[19]
ジェダイ・ナイト[]
- 《意志の弱い愚か者め! 奴は古臭いジェダイのマインド・トリックを使っているのだ》
- ―ビブ・フォーチュナに対し、ジャバ・ザ・ハット[出典]
その日の夜、オーガナはこっそり謁見室に忍び込み、ソロをカーボナイトから解凍した。しかしオーガナの変装を見抜いていたジャバは、フォーチュナをはじめとする取り巻きたちと一緒に彼女の前に姿を現し、救出作戦の失敗をあざ笑った。ジャバはソロを地下牢へ連行するよう命じ、オーガナを奴隷にした。あくる日の早朝、ジャバや取り巻きたちが謁見室で眠っていたとき、ルーク・スカイウォーカーが宮殿にやってきた。[6] フォーチュナはスカイウォーカーを通してはならないとジャバから命じられており[19]、部屋の入り口でジェダイの前に立ちはだかった。ところがスカイウォーカーはフォースのマインド・トリックを使ってフォーチュナをやすやすと説得し、謁見室に足を踏み入れた。フォーチュナはジェダイの言葉を繰り返しながらハットの台座へ戻り、眠っているジャバを起こした。フォーチュナがマインド・トリックの影響下にあることに気付いたジャバは、彼を“意志の弱い愚か者”と呼んで台座から押し倒した。[6]
その後、フォーチュナはランド・カルリジアン(ジャバの手下に変装して宮殿に潜り込んでいた)と[6] ジャバの用心棒ナイザック・ベック[24] らの間に立ち、スカイウォーカーと犯罪王の会話を見守った。ジャバが要求を拒否した際、スカイウォーカーはベックのDL-18ブラスター・ピストルをフォースで奪って抵抗しようとしたが、ランコアが待ち受ける地下空間に落とされた。フォーチュナたちが興奮して見守る中、ランコアはジェダイの巻き添えになって地下に落とされたガモーリアンの[6] ジュブナック[10] を食い殺した。しかしスカイウォーカーは自力でランコアを退治し、ジャバの逆鱗に触れた。手下たちがスカイウォーカーを拘束すると、ジャバはこのジェダイとその仲間であるソロやチューバッカに、カークーンの大穴でサルラックの餌食にしてやると言い渡した。[6] ジャバは大勢の取り巻きを引き連れ、LO-KD57<ケタンナ>で処刑場へ赴き[8]、フォーチュナもその一員に加わった。[19] 結局、ジャバはカークーンの大穴で発生した乱闘のさなかにオーガナによって殺され、セール・バージも爆破されたが[6]、フォーチュナはこの騒動を生き延びた。[3]
玉座の支配者[]
ビブ・フォーチュナは亡きジャバ・ザ・ハットの後釜につき[25]、新しい大名となった。[26] フォーチュナがジャバの玉座を受け継ぐと、かつてジャバに仕えていたドク・ストラッシ率いるトランドーシャン・ファミリー、ガーファラクオクス率いるアクアリッシュのファミリー、そしてクラトゥイニアンのファミリーはいずれも犯罪帝国から脱退した。この3つのゴートラのボスたちも皆、ジャバの後継者の地位を狙っていたが、フォーチュナの裏切りや狡猾さに敵わず、実現には至らなかった。[25] 新共和国時代、フォーチュナはジャバの宮殿の支配権を握り、独自の部下や奴隷たちを指揮していた。[3] この頃、彼は運動不足と自己満足の怠惰な生活に溺れていた。[27]
かつてのジャバほどの力を持っていなかったフォーチュナは、自身の富と権力を維持するため、3つの犯罪ファミリーとの不安定な同盟関係に頼らざるを得なかった。そのため彼はモス・エスパの領土を分割し、アクアリッシュには労働者地区、トランドーシャンには中心街、クラトゥイニアンにはモス・エスパ宇宙港と上層スプロールの縄張りを与えた。そのうえでフォーチュナは、モス・エスパ市長のモク・シェイーズにも賄賂を贈っていた。[26]
9 ABY[2]、賞金稼ぎボバ・フェットと暗殺者のフェネック・シャンドが宮殿を襲撃し、フォーチュナの手下たちを次々と倒していった。衛兵たちが全滅し、フェネックがフォーチュナの奴隷を解放すると、フェットが謁見室に姿を現した。フォーチュナはフェットが生きていたことに驚きつつも、彼に歓迎の言葉をかけた。ところがフェットは即座にフォーチュナを撃ち殺し、宮殿の玉座をわが物にした。[3]
死後[]
- 「彼にはリーダーの素質も、王位継承権も無かった」
- ―フェネック・シャンド[出典]
ビブ・フォーチュナを殺したフェットは、タトゥイーンの新しい大名となり、自らのゴートラを形成した。[28] フェットは宮殿で働く8Dシリーズ製錬ドロイドの8D8から、フォーチュナがモス・エスパをどのように支配していたか説明を受けた。フェットはフォーチュナがかつて不安定な関係を維持していた[26] 3つのファミリーの統括に乗り出し、フォーチュナと違ってシェイーズ市長に賄賂を支払うことを拒否した。またフォーチュナの死後、ジャバのいとこであるハットのツインズがタトゥイーンに現れ、領土の支配権を主張したが[29]、パイク・シンジケートも同じ縄張りを狙っていると知ってすぐに撤退した。[26]
人物[]
- 「デイ・ワナ・ワンガ!」
「ああ、どうも。デイ・ワナ・ワンガ」 - ―ビブ・フォーチュナとC-3PO[出典]
ビブ・フォーチュナはトワイレック種族の男性で[1]、肌は蒼白く[6]、赤い目をしていた。彼の口には鋭い歯が並んでいた。[5] フォーチュナは身長2メートル(6フィート7インチ)で、レックのうち1本を首の周りに巻き付けていた。彼は腹黒い性格であり、ジャバに仕える前は自分の同胞であるトワイレックを奴隷として売買していた。[4] 陰謀屋である彼は組織に睨みが利き[5]、ジャバの犯罪帝国における影響力を維持するためならば敵味方を問わず汚い対抗手段をとることで知られ[4]、臆病者ではあるが侮りがたい人物だった。[5] フォーチュナは大きな権限を持っていたためジャバの側近たちから恐れられており[4]、卑屈な物腰の裏で、秘かに主人の暗殺を画策していた。[5] しかし彼がその計画を実行に移す前に、ジャバはカークーンの大穴でレイア・オーガナによって殺害された。[6]
ビブ・フォーチュナは数十年にも渡ってジャバ・ザ・ハットの執事長(メジャードモ)を務めた。ジャバと取り引きがしたい者は、まずその執事であるフォーチュナに話を通す必要があった。フォーチュナはしばしばジャバの耳元で助言や情報提供を行った。[1] フォーチュナは執事としてジャバの宮殿のほぼあらゆる出来事について采配を振るい、この要塞を訪れる客たちを歓待した。ジャバは宮殿に入る者を用心深く選別しており、フォーチュナは訪問者たちを誰でもふるいにかけ[8]、ハットとの対面を求める者に謁見の許可を出したり、時には拒否していた。フォーチュナの職務は、酔っぱらった悪党から高慢な使者までありとあらゆる人種に応対する必要があるうえ、ジャバの気難しい性格という危険性も相まって、並外れた忍耐力が必要とされた。[1]
フォーチュナは宮殿のイベント運営や、労働者たちの管理も任されており、ウーラやランコアといったジャバへの贈り物まで手配していたが、主人のことを好いているわけではなかった。[30] フォーチュナはジャバ・ザ・ハットの宮廷(のようなもの)の規則を遵守し、会話ではハッティーズ語しか使用しなかったが、ほかの言語も理解することができた。[1] またフォーチュナの仕事には、頻繁にうたたねするジャバを起こすという単純作業も含まれていた。銀河的な犯罪王に奉仕するうえで、フォーチュナはタトゥイーンの宮殿を訪れるシンジケートのボスたちや冷酷な賞金稼ぎ、危険な悪党など、ありとあらゆる不快で恐ろしい裏社会の住人たちと顔を合わせなければならなかった。しかしそんな中でも、ヤヴィンの戦いの直後に宮殿にやってきたダース・ヴェイダーは特に恐ろしい存在だった。[19]
制作の舞台裏[]
俳優[]
ビブ・フォーチュナは1983年公開のオリジナル・トリロジー最終作『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』で初登場を果たした。俳優はマイケル・カーター。[6] 声優は『ジェダイの帰還』でギアル・アクバー提督役も担当しているエリック・バウアーズフェルドであるが、エンドロールにはクレジットされていない。[31] また1999年の映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』ではスーパーバイジング・サウンド・エディターのマシュー・ウッドがビブ・フォーチュナ役でカメオ出演を果たした。ウッドは同作でポッドレーサー・オディ・マンドレルの声優も担当している。[12] なお『エピソード1』制作時、アラン・ラスコーが演じたオーン・フリー・ター元老院議員の補佐官の1人に“ビブ・フォーチュナ”というニックネームがつけられていたが、設定上同一人物として意図されているわけではない。このキャラクターは完成した映画本編には映っていない。[32]
2020年、フォーチュナは Disney+ で配信された実写TVシリーズ『マンダロリアン』シーズン2の最終話『チャプター16:救出』で再登場した。本作でもマシュー・ウッドがフォーチュナを演じている。またジェシー・ラ・フレアーがフォーチュナのスタント・ダブルを担当した。[3] ウッドはまた、2021年に公開されたTVアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』のエピソード『猛獣』でもフォーチュナの声優を務めた。[15]
コンセプトと制作現場[]
『ジェダイの帰還』の初期台本では、ビブ・フォーチュナは“ホスのハイ・ビーザー”(High Beeser of Hoth)という奇妙な肩書を与えられていた。また当初のデザイン・スケッチでは、黒いクロークと背の高い帽子をかぶったしわくちゃの老人として描かれていた。[32] またニロ・ロディス=ジャメロは映画本編の外見に近い、紫のローブを着たビブ・フォーチュナのコンセプト・アートを制作した。[33]
『ジェダイの帰還』では、マイケル・カーターがトワイレックの執事長に扮するための最初のメイクアップに8時間を要した。カーターが参加した5週間の撮影が終わるころには、メイクアップ・アーティストのニック・ダッドマンのおかげで、メイク時間が58分にまで短縮されていた。またメイクを落とすのにも25分かかっていた。[32]
最期[]
StarWars.com の公式データバンクに掲載されているビブ・フォーチュナの Biography Gallery では当初、フォーチュナはジャバのセール・バージが爆発した際に死亡したと説明されていた。[19] ところが、それより後の時系列を描くTVシリーズ『マンダロリアン』の『チャプター16:救出』でフォーチュナが再登場し、改めて彼の死が描かれた。[3] フォーチュナがセール・バージで死んだという公式サイトの記述は『チャプター16:救出』公開後に削除された。[19]
登場作品[]
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