- 「重大な脅威を探知。ヴェネター級の主力艦が接近中」
- ―タクティカル・ドロイド[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤー(Venator-class Star Destroyer)は、ヴェネター級クルーザー(Venator-class cruiser)やリパブリック・アタック・クルーザー(Republic attack cruiser)、ジェダイ・クルーザー(Jedi Cruiser)といった通称でも知られた銀河共和国および銀河帝国のスター・デストロイヤーである。ヴェネター級艦はスターファイター部隊の母艦となることを想定してライラ・ウェセックスの手で設計され、クワット・ドライブ・ヤード社によって製造された。そのためこの主力艦は艦対艦の宇宙戦から戦闘機のキャリアー、兵員輸送船、貨物船、補給船といった幅広い役割をこなすことができた。ヴェネター級スター・デストロイヤーは軍艦として強力な偏向シールド発生装置と幅広い火器を装備しつつ、船体上面をまっすぐ走る特徴的な長いフライト・デッキおよびハンガーを備えていた。頑丈な装甲扉に守られたこのデッキには、大量の各種戦闘機とガンシップ、シャトル、その他ビークルを収容することができ、他にも船体の数か所に格納庫があった。この艦にはヴェネターI級やヴェネターII級といった下位級種が存在した。
ヴェネター級スター・デストロイヤーはクローン戦争の初期から優秀な戦果を収め、共和国宇宙軍のバックボーンとして活躍した。この艦は共和国グランド・アーミーを率いるジェダイ将軍たちの旗艦として採用されたことから、“ジェダイ・クルーザー”の異名を頂戴した。分離主義者の艦隊にとってヴェネター級艦を中心として構成されるキャリアーの戦闘群はまさに災厄といえる存在であり、その戦術的・戦略的柔軟性の高さは共和国宇宙軍の戦闘スタイルに非常に適していた。3年間続いた戦争のさなか、ヴェネター級はクリストフシスの戦いやマレヴォランス戦役、ライロスの戦い、第二次ジオノーシスの戦いといった数々の戦闘に参加した。戦争終盤に発生したコルサントの戦いでは、共和国の首都惑星であるコルサントを分離主義勢力の侵略部隊から防衛するため、約1,000隻のヴェネター級艦が動員された。
シーヴ・パルパティーン最高議長がジェダイ・オーダーの粛清を命じ、共和国を銀河帝国へ再編して自ら銀河皇帝となった後、ヴェネター級艦は新生帝国宇宙軍の戦力として引き続き使用された。初期帝国時代、一部のヴェネター級艦は皇帝パルパティーンの権威を固めるためその制圧能力を発揮し、やがて草創期の反乱分子との戦いにも用いられた。しかし中には解体所でスクラップにされた艦もあり、ブラッカの宇宙船解体場ではヴェネター級艦をはじめとするクローン戦争の遺物が解体ギルドによって打ち壊され、有用な技術・部品をはぎ取られていた。ヴェネター級艦は銀河内戦の時代も現役で使われていたが、帝国宇宙軍の主戦力の座は、より大型のインペリアル級スター・デストロイヤーによって取って代わられていた。
特徴[]
概要[]
ヴェネター級スター・デストロイヤー[1]、別名ヴェネター級クルーザー[15]、ジェダイ・クルーザー[16]、リパブリック・クルーザー[17]、リパブリック・アタック・クルーザーは[18] さまざまな用途に活用可能なスター・デストロイヤーである。[5] ライラ・ウェセックスによって設計されたこの宇宙船は[2]、59,000,000クレジットのコストをかけ[6]、クローン戦争で戦う銀河共和国の宇宙作戦のためにクワット・ドライブ・ヤード社によって製造された。[1] 全長は1,137メートル[5] もしくは1,155.0メートル。[7] 翼長548メートル、高さ268メートル。[5] 共和国宇宙軍のヴェネター級艦は白い船体の上面中央部や両翼部分に赤いマーキングが施され、上面左右に所属艦隊のエンブレムが塗装されることもあった。[5][10]
ヴェネター級はアクラメイター級アサルト・シップの“いとこ”のような位置づけであり[6]、アクラメイター級と同じ楔(くさび)型軍艦の系統に属していた。[19] 全長1キロメートルを超えるヴェネター級艦は堂々とした威容を誇り、共和国宇宙軍の小型艦船に混じるとひときわ目を引く存在だった。矢じり型の幅が広い船体は、エンジンが搭載された船尾が太く、船首に向かって尖ったデザインになっていた。ふたつのブリッジは艦尾から隆起した上部構造物に設けられていた。また左右のドッキング・ベイ部分が深く窪んでいるため、上から見ると不格好な砂時計のような形をしていた。[6] 船殻にはエネルギー消散型の装甲が用いられており、ドロイド・スターファイターの衝突にも耐えることができた。船体側面部には各種デッキが水平方向に並んでいた。[5]
ハンガー[]
- 「提督、ハイパースペース・リングをロックするんだ! 急いで!」
- ―ウルフ・ユラーレン提督に対し、アナキン・スカイウォーカー[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤーの船体上面の中心線には、上部構造の基部から船首にかけて長大なフライト・デッキおよびメイン・ハンガーが設けられていた。[6][7] このデッキはシールドと重装甲の開閉式ドアで守られており、ヴェネター級艦のスターファイターの出撃および帰艦の大部分はこの格納庫で行われた。[6] デッキの滑走路は全長0.5キロメートル(0.3マイル)もあり[1]、船首まで直接つながっていた。上面だけでなく、船首にも装甲ドアが設けられており、偏向シールドで艦内まで防衛されていた。船首装甲扉の開閉には時間がかかるという欠点があったが[5]、滑走路を最後まで走って船首から出撃する代わりに、上面ドアが開いた段階でデッキから戦闘機をゆっくり上昇させて発進することもできた。[20]
フライト・デッキの左右には大量のスターファイターやビークルを積載可能なハンガー・ベイが並んでいた。[1] 各ハンガー・ドアの横には、大気を封じ込めるためのシールド発生装置が備え付けられていた。フライト・デッキの最後部にはコントロール・ルームが設けられており[5]、長大なデッキを見渡しながら、各ハンガーのドアを操作することができた。またコントロール・ルームやデッキの随所にスコンプ・リンクの接続口があり、ドロイドが各端末からハンガーの装置を操作可能だった。ハンガーの床は下降させることができ、階下の収容区画や整備区画とつながっていた。[21] 滑走路前方の船首付近には複数のハイパースペース輸送リングを収容したラックが配置可能で、ハンガーから発進した戦闘機は滑走路でリングに接続し、スムーズにハイパースペースへジャンプすることができた。パイロットたちは各戦闘機の端末からリングを起動させることができる他、艦のブリッジからリングを制御することも可能だった。[22]
ヴェネター級艦は船体下面にも比較的小さなドッキング・ベイのエントランスがあり[7]、上面フライト・デッキの床を降下させることで、下面ベイへ移動することができた。下面ベイには停泊中の船や移動中の貨物を安定させるためのクレーンが備わっていた。[5] 下面ベイは[23] 全長138.55メートルの[24] リパブリック・フリゲート1隻をまるまる収容することができる他[23]、降下部隊の準備地点として利用することもでき、兵士やウォーカーがドロップシップを使わず直接戦場に飛び込む際にここから出撃することがあった。[9][25] またジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーの指揮下にあるヴェネター級艦数隻は、下面の火力増強を図り、下部ハンガーにSPHA-Tを追加装備していた。[5]
ヴェネター級艦は船体後方両舷の窪んだ部分にドッキング・ポートを備えており、宇宙ステーションや係留タワー、より大型の宇宙船に連結して、兵員や装備を移送することができた。[5] このドッキング・ポートにも戦闘機や貨物船を収容するのに充分な大きさがある独立したハンガーが備わっており、入り口はブラスト・ドアで保護されていた。[14] また両舷ドッキング・ポートが独立したハンガーではなく、船体を横方向に貫通するトンネルになっているタイプのヴェネター級艦も存在した。このタイプのヴェネター級艦は[12]、本来であればメイン・ハンガーのコントロール・ルームがある場所[5] もデッキに置き換わっており、中央デッキが先述した横方向のトンネルと直結して、上から見るとT字型のハンガー・デッキ通路を艦内に形成していた。[12]
積載能力[]
- 「戦闘機を集められるだけ集めろ」
- ―ウルフ・ユラーレン提督[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは420機を超えるスターファイターを積載することができた。[1][11] その構成例として、Vウイング・スターファイター192機、イータ2アクティス級軽インターセプター192機、ARC-170スターファイター36機などがある。[8] また他にもBTL-B YウイングやV-19トレント・スターファイター、デルタ7Bイーサスプライト級軽インターセプター[26]、クローンZ-95ヘッドハンターなどの戦闘機が収容されることもあった。[11]
また戦闘機に加え、ヴェネター級艦はAT-TEウォーカー24機[1]、LAAT/iガンシップ40機、そして多種多様なシャトル[8] および多用途船を収容可能だった。[6] ヴェネター級艦に積載された宇宙船の例として、ニュー級攻撃輸送シャトルや[26] ロー級輸送シャトル、スペース・ガンシップなどが挙げられる。[27]
武装[]
ヴェネター級スター・デストロイヤーはキャリアーとしては重武装であり[6]、装甲化された船体には重火器の固定砲台が満載され、強力な偏向シールドや頑強なアーマーを突破することができた。[7] 実際、このスター・デストロイヤーの武装はアクラメイター級アサルト・シップよりも強力だった。[28] 船体上面には、ブリッジの左右に4基ずつ、計8基のテイム&バック社製DBY-827重ターボレーザー砲塔が配置されていた。DBY-827は対艦近接戦闘や惑星爆撃における標準兵装であり、必要ならば反応炉の全出力をこの重ターボレーザーに回すこともできた。DBY-827は正確な長距離追跡能力を持ち、かなり離れた場所からでも目標艦船を正確に攻撃し、3秒で砲塔を旋回させることができた。また攻撃力は「無力化」から「完全破壊」までの7段階の調節が可能だった。[5] 重ターボレーザーからの砲撃は、二連砲から交互に比較的速い速度で発射する方式と、二連砲から同時に、比較的遅く発射する方式があった。[10][29]
またヴェネター級艦にはAV-7対ビークル砲と同じ外見の(ただし脚は無い)レーザー砲が搭載されていた。これらの大砲は側部に砲座が取り付けられており、1名のクローン・トルーパー・ガンナーによって運用された。[1][10] ヴェネター級艦のデッキにはこれらのレーザー砲が列をなして並んでおり、横方向の敵に対して至近距離の砲撃を行うことができた。[10] ヴェネター級艦のレーザー砲の砲座につくのは特殊な訓練を積んだクローン兵士であるが、彼らの仕事はかなりの危険と隣り合わせだった。[5] 敵艦と至近距離での撃ち合いになった場合、デッキは相手のレーザー砲火にさらされることになるため[10]、砲兵の死傷率は非常に高かった。[5]
ヴェネター級艦は52門の局所防衛レーザー砲を搭載しており[5]、スターファイターとの戦闘などに使用した。[16][29] その一種として、砲手1名によって運用される二連式の旋回式タレットがあり、砲座には左右上下の広い視界が確保されていた。共和国軍では射撃訓練の一環として、命中すると爆発する機械のスキート(標的)を砲台から射出し、砲手にそれを狙い撃ちさせることがあった。[16]
船体前方、側面の溝部分には中型二連ターボレーザーが計2基配置されていた。また後方の溝には、高速の敵戦闘機から船体を防御する軽レーザー砲も搭載されていた。[5] 他にも、前方に重プロトン魚雷発射装置4門、同じく前方に重トラクター・ビーム射出装置6基が搭載されていた。[6] また一部のヴェネター級スター・デストロイヤーは下部ドッキング・ベイ部分にビーム兵器を搭載していた。この兵器が発する青いビームがミュニファスント級スター・フリゲートを一撃で破壊した例もあった。[10]
推進装置[]
ヴェネター級スター・デストロイヤーの艦尾には大小数種類の[10] イオン・ドライブ推進装置が配置されていた。各エンジンは巨大な筒型で、複数のサーマル・チャンバーとリングによって構成されており、内部にはブラスト・プリマー・コーティングが施されていた。[30] またノズルには、推力方向を変えて方向転換を行うための電磁プレートが取り付けられていた。[5] スター・デストロイヤーの反応炉は炉心棒で生じる複合パルスを利用し、エンジンが艦体を推進させるのに必要な力を発生させていた。また両舷3基のエンジンが停止すると、補助動力が起動される仕組みになっていた。[16] ヴェネター級艦の大気中での最高速度は975 kph に達し[8]、ブロッケード・ランナーを追跡可能なスピードを備えていた。[5]
各イオン・エンジンは司令ブリッジから個別に操作することが可能であり、エンジンがオンラインになると2分もしないうちに点火に至った。保護具を着用していない者がイオン・エンジンに近づくと、噴出孔から発せられるスラストで火傷する恐れがあり、非常に危険だった。[30] またヴェネター級スター・デストロイヤーはクラス1.0のハイパードライブ・エンジンを備え、予備としてクラス15のエンジンも搭載していた。[6] ハイパードライブ・ジェネレーターは艦尾の中央部分に配置されており、内部メイン・コンプレッサーと隣接していた。[5] ハイパースペース航行中に船の機関室が大きなダメージを被った場合、艦体が強制的にリアルスペースに引き戻されることがあった。[21]
乗組員と設備[]
- 「艦内に隠れる場所は無数にある。捜索隊を編成しろ。散開してすべてのセクションを捜せ」
- ―レックス[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは通常、将校やパイロット、下士官を含む7,400名のクルーによって運用され、さらに2,000名の兵員を運搬することができた。また7,000メトリック・トンの貨物を積載可能で、2年間航続できるだけの物資を積み込むことができた。[6] クローン戦争期、ジェダイ将軍や共和国宇宙軍の提督といった将官がしばしばヴェネター級スター・デストロイヤーの指揮官を務め、大勢のクローン航法士官たちがクルーとして従事していた。またハンガー・デッキではクローン・トルーパー・フライト・クルーがメンテナンス業務を行い[14]、砲手としてクローン・ガンナーも各砲座に配置されていた。[16]
ヴェネター級艦の乗員エリアは艦体中央や前方など、数か所にあった。[5] ジェダイ・コマンダーなどが使う個室には、モニター付きの寝台、テーブルと椅子が一組、花瓶などを飾っておける棚などがあった。[31] レッド・シジルの紋章が掲げられた医療ベイには外科用ポッドやFX-7医療補助ドロイドなどの設備が揃っており、負傷した兵士の外科手術を行うことができた。[27] また艦内には監房レベルがあり、レーザーで仕切られた部屋に囚人を収容しておくことができた。[32] ヴェネター級艦には他にも、アストロメク・ドロイドをスタンバイさせておくドロイド・ベイ[27]、武器庫[30]、脱出ポッド・ベイ、昇降式の床を備えた訓練用の広い部屋[31]、ドッキング用の連絡室などの施設があった。[5] 艦内の通路は随所に開閉式の隔壁が設けられており、緊急時には特定の区画を封鎖することもできた。[27]
ブリッジ[]
艦尾にそびえる上部構造物には、メインブリッジと戦闘情報センターの2つの司令部があり、士官と乗組員が艦砲射撃と戦闘機の運用を監督する。ブリッジを支えるタワー・デッキは船体に対して平行に設置されており、複数の階層を有した。[5] どちらのブリッジにも横に広いビューポートが取り付けられており、広い視界が確保されていた。ブリッジ内部中央のウォークウェイの左右には、士官たちが各種端末を操作するピットが配置されていた。[10] 同様の配置は銀河帝国の軍艦のブリッジにも受け継がれていた。[33] ブリッジのセントラル・システムは、照明やイオン・エンジンといった動力系統の操作や[30]、ハイパースペース・リングのロックなど、艦内のさまざまな装置を制御することができた。[22] ブリッジ後方の大きなドアの向こうには、中央にホロテーブルが設置された部屋があり、作戦会議や外部との通信が行われた。[14] ブリッジ・タワーの上面にはハイパーウェーブ通信装置およびスキャナーが配置されていた。[5]
着陸能力[]
- 「後退してクルーザーで敵を迎え撃つぞ!」
- ―キャッシークの地上戦において、クローン・トルーパー[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは惑星の地表に直接着陸することが可能だった。[5] 惑星コルサントでは専用のクルーザー発着場が使用され、ジェダイ・オーダーのメンバーや兵士たちがここでヴェネター級艦に乗り込み、任務に出発していた。また惑星キャッシークの都市カチーロのような自然の地形へ直接着陸し、共和国の援軍を現地に展開することもあった。[10] 戦況によっては、地上に着陸したクルーザーが側部ハンガー・ベイを開いたまま、地上戦の拠点としての役割を果たすこともあった。[12] またヴェネター級艦は大気圏内で使用する逆噴射ロケットを搭載していた。[21]
動力装置[]
ヴェネター級スター・デストロイヤーの主反応炉は巨大なドーム型のチャンバーであり、船体中心線沿い、ブリッジ・タワーの基部に位置していた。主反応炉は最大出力時に1秒で4万トンの燃料を対消滅させることができた。主反応炉の前方には、さまざまな反応物質ポンプやダクト、円筒形の対消滅反応物質サイロが複数基配置されていた。またヴェネター級艦には副反応炉が少なくとも1基あり、主反応炉と同じくドーム型だがかなり小型で、左舷後方の“翼”部分に配置されていた。副反応炉は複数のパワー・セルに取り囲まれていた。[5]
ヴェネター級スター・デストロイヤーの反応炉運用に関連する区画のひとつには、3本の縦方向のシャフトが並んでおり、深い淵の上に通路が架けられていた。3本のシャフトからはそれぞれ3方向に向かって通路が伸びており、中央のコントロール・ステーションで合流していた。このステーションの上下には円筒形の構造物が配置され、同様に区画のあちこちに配管が張り巡らされていた。これらのシステムが損傷を負うと、艦は航行不能の状態に陥った。[16][32]
ヴェネター級艦の主反応炉と艦尾ハイパードライブ・ジェネレーターの間には、動力供給装置が通っていた。[5] ヴェネター級艦のハイパードライブ機関室の内装は、反応炉の区画とよく似ており、広大な淵の上に通路が架けられた巨大な部屋だった。細い通路は少なくとも3階層になっており、コンソールが並ぶ円形のステーションが交差点になっていた。コンソールから等距離に位置する4本の柱は、深い淵の底から天井まで伸びていた。これらの施設が破壊されると、ハイパードライブが停止することがあった。[21]
役割[]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは幅広い任務をこなせる中型軍艦であるが[5]、その主要な機能は戦闘艦としての役割と、スターファイターの航宙母艦となることだった。戦闘艦として、ヴェネター級艦は単独で作戦行動をとるのに充分な大きさを備えているだけでなく、艦隊を組めばトレード・フェデレーション・バトルシップのシールドを難なく貫通することができる攻撃力を備えていた。[5] 母艦としての主任務においても他の追随を許さない高い能力を誇り[6]、ジェダイのパイロットたちからも信頼を置かれていた。[5] ヴェネター級艦はキール(=竜骨、船体中央を縦に走る構造材)の段階からスターファイターのためのキャリアーとして設計されており、共和国宇宙軍のキャリアー部隊のバックボーンとして活躍した。クローン戦争中、ヴェネター級艦を中心とした共和国のキャリアー戦闘群は、銀河系のあちこちで独立星系連合の脅威となった。[6] この艦は分離主義者に対する共和国の防衛の要であり、共和国宇宙軍最強の主力艦だった。[1]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは分離主義勢力と戦うためより大型かつ強力なバトルシップを必要としていた銀河共和国のニーズに応える存在だった。[11] ヴェネター級艦はアクラメイター級アサルト・シップと同じ楔型軍艦の系統に属していたが、機動部隊の支援や戦闘機の母艦など、遂行できる任務の幅は旧型機よりも広がっていた。[19] ヴェネター級艦が設計された本来の目的は艦対艦の戦闘であるが、他にも貨物の輸送や兵員輸送、補給船、供給船などとして用いられることもあった。[7] 同じサイズの他の軍艦と違い、ヴェネター級艦はより小型のアクラメイター級艦と同じく、惑星の大気圏に突入して戦闘機部隊の作戦を主導し、重火器を使って着陸ゾーンを制圧することが可能だった。そのためヴェネター級艦は他と比べられないほどの戦術的・戦略的柔軟性を持ち、共和国宇宙軍の戦闘スタイルに非常に適した特性を備えていた。[6] また輸送艦として惑星地表に直接着陸することも、大規模な艦隊の護衛役をこなすこともできた。[5]
歴史[]
クローン戦争[]
共和国の主力艦[]
- 「ジェダイ・クルーザーが来たぜ」
- ―クローン・ユース旅団のクローン候補生[出典]
ヴェネター級スター・デストロイヤーはライラ・ウェセックスによって設計され[2]、アクラメイター級アサルト・シップと同じ造船所で建造された。[6] 22 BBY[34]、銀河共和国と独立星系連合のあいだにクローン戦争が勃発すると、共和国は汎用性の高いヴェネター級スター・デストロイヤーを使用するようになった。共和国の将軍として戦争に参加することになったジェダイ・オーダーのメンバーたちが旗艦として使ったことから、ヴェネター級スター・デストロイヤーは“ジェダイ・クルーザー”という異名で知られるようになり[19]、共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーたちの間でもこの呼び名が使われた。[16]
クローン戦争中、クワット・ドライブ・ヤード社はヴェネター級艦をはじめとする自社の強大な楔型軍艦のおかげで、共和国が戦争に勝利しつつあると喧伝した。[5] 実際、ヴェネター級艦はクローン戦争の初期から優秀な戦績を挙げ、共和国[6] およびその後継政府[10] によって20年近くにわたって運用されることになった。[6] ヴェネター級スター・デストロイヤーはクローン戦争を通して前線に留まり、ハイパーレーンを分離主義者の攻撃から守り、ジェダイやクローン・トルーパーの戦場配備を支援した。[1]
戦争序盤[]
22 BBY[34]、惑星クリストフシスが分離主義勢力の侵略を受け、ハーチのトレンチ提督率いる艦隊が惑星の軌道を封鎖した。[35] これにより、分離主義者は惑星の資源とコレリアン・ランに手を出せるようになった。[36] 共和国はジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーの旗艦<レゾリュート>を含むヴェネター級スター・デストロイヤー3隻とペルタ級フリゲート3隻からなる艦隊を派遣したが、激しい抵抗を受けて封鎖を突破することができなかった。間もなくオビ=ワン・ケノービ将軍がヴェネター級艦<ネゴシエーター>で戦場に到着し、衛星リーシスの裏側に退避したスカイウォーカーと合流した。スカイウォーカーはクリストフシスの地表に取り残されているベイル・オーガナ元老院議員に支援物資を運ぶため、<ネゴシエーター>が運んできた試作型ステルス・コルベットで出撃することになった。[35]
結局、スカイウォーカーはステルス・コルベットでトレンチの旗艦<インヴィンシブル>を攻撃して破壊し、ケノービと共和国艦隊が封鎖線に付け入る隙を作ることに成功した。[35] やがて共和国軍がクリストフシスの地表に基地を設営した後[37]、共和国艦隊は再び宇宙空間で分離主義者の艦船と交戦し、ウルフ・ユラーレン提督指揮下の<レゾリュート>はヘイヴン級医療ステーションへ撤退した。ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥは援軍としてワーツ提督に3隻のスター・クルーザーを要請した。その後、ユラーレン提督とグランド・マスター・ヨーダはヴェネター級艦で分離主義勢力の封鎖線を再突破し、クローン・トルーパーの増員を運ぶアクラメイター級アサルト・シップを地表へ送り込んで、戦いを勝利へ導いた。その直後、ユラーレン提督指揮下のヴェネター級艦は、スカイウォーカーとパダワン・アソーカ・タノの任務を支援するため、惑星テスへ派遣された。[14]
テス星系に到着したユラーレンのヴェネター級艦は、ケノービのデルタ7Bとクローン・パイロット・“オッドボール”らのV-19トレント・スターファイターを戦場へ送り出した。スカイウォーカーとタノは地表のボマー・オーダー修道院からロッタ・ザ・ハットを救い出し、G9リガー級軽貨物船<トワイライト>でヴェネター級への着艦を試みた。一方、ケノービはクローン・コマンダー・コーディにLAAT/iガンシップの配備を命じ、分離主義勢力のC-9979着陸船を破壊して、第212突撃大隊のトルーパーを展開した。当初、<トワイライト>は共和国の船ではないためヴェネター級艦から砲撃を受けたが、スカイウォーカーが乗り込んでいることが明らかになると、ユラーレンは側面格納庫の扉を開けさせた。しかしシールドを停止させた格納庫はヴァルチャー・ドロイドの銃撃にさらされ、さらにその1機が格納庫内部に突撃して爆発を起こした。そのためスカイウォーカーは着艦を断念し、<トワイライト>で目的地のタトゥイーンへ旅することに決めた。[14]
戦争序盤、分離主義勢力はアウター・リム・テリトリーの惑星ライロスへの侵攻を開始し、ニモーディアンのキャプテン・マー・トゥーク率いる封鎖艦隊を軌道に配備した。共和国軍はダオ提督率いるヴェネター級スター・デストロイヤー最低でも2隻からなる艦隊と、ジェダイ将軍アイマ=ガン・ダーイ率いるクローン・トルーパー部隊をライロスへ派遣した。しかし共和国軍は宇宙と地上の両方で厳しい戦いを強いられ、やがて物資が底をついた。ダオ提督がコルサントのジェダイ最高評議会に連絡を取って増援を求めていた時、彼のヴェネター級艦は分離主義勢力の攻撃でシールドを突破され、ターボレーザーの砲火で撃破されてしまった。[38]
戦争序盤、分離主義勢力は強力なメガ=イオン砲を搭載したサブジュゲーター級重クルーザー<マレヴォランス>を密かに開発し、複数の星系で共和国側の生存者を1人も残すことなく勝利を挙げた。謎の新兵器の調査を任されたジェダイ・マスター・プロ・クーンは、旗艦<トライアムファント>を含む3隻のヴェネター級スター・デストロイヤーからなる艦隊を率い、アブレガド星系で<マレヴォランス>を発見した。しかしクーンの艦隊はグリーヴァス将軍指揮する<マレヴォランス>から放たれたイオン・ブラストに飲み込まれ、シールドを失って無防備になったところを、ターボレーザーの集中砲火を浴びせられた。<トライアムファント>他2隻のヴェネター級艦は破壊されたが、クーンはコマンダー・ウォルフたちとともに脱出ポッドに乗り込み、間一髪で避難した。[13] その後、<マレヴォランス>はリンデリア星系を通過しようとしたヴェネター級艦1隻、ペルタ級フリゲート3隻からなる共和国艦隊を全滅させた。[39]
グリーヴァスの次の標的がカリーダ・ショールズ医療センターであることに気づいたスカイウォーカーとタノ、プロ・クーンは、Yウイングからなるシャドウ中隊を率いて<レゾリュート>から出撃し、カリーダ星雲を通過して<マレヴォランス>を一足先に攻撃した。一方、ユラーレン提督とケノービ将軍が率いる<レゾリュート>と<ネゴシエーター>は星雲を迂回するため遅れて戦場に到着した。彼らが駆け付けた時、すでに<マレヴォランス>はYウイング部隊のプロトン魚雷でメガ=イオン砲を破壊され、深刻なダメージを負っていた。[39] 戦闘機部隊はヴェネター級艦に戻ったが、<マレヴォランス>はしぶとく戦い続け、3隻のスター・デストロイヤーからの攻撃に耐え続けた。また共和国のパドメ・アミダラ元老院議員が<マレヴォランス>に捕まってしまうトラブルも発生したが、ジェダイは議員を救出すると、敵艦のハイパードライブに細工を施して脱出した。その後ハイパースペースへジャンプしようとした<マレヴォランス>は、近隣の衛星に激突して破壊された。[40]
マレヴォランス戦役の後、グリーヴァス率いる分離主義勢力艦隊は、共和国のクローン・トルーパーの製造拠点である惑星カミーノへの奇襲を計画した。そのため彼は共和国の前哨基地であるリシ・ステーションを沈黙させようとしたが、コマンダー・コーディやキャプテン・レックス、そして現地に配属されていたルーキーのクローン・トルーパーたちによる防戦の結果、カミーノに危機が迫っていることが共和国宇宙軍に知らされた。スカイウォーカーとケノービ率いるヴェネター級艦最低でも6隻、リパブリック・フリゲート最低でも3隻からなる艦隊がリシ・ムーンに駆け付けたため、グリーヴァスは侵略作戦を断念して撤退した。[41]
激化する紛争[]
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終戦へ[]
- 「船は墜落する。あの兵士たちは、自分の兄弟たちは、死を覚悟して我々を道連れにしようとしている」
- ―アソーカ・タノに対し、レックス[出典]
クローン戦争終盤の19 BBY[34]、銀河共和国の首都惑星であるコルサントがグリーヴァス将軍率いる分離主義勢力の奇襲を受け、シーヴ・パルパティーン最高議長が誘拐された。[10] 当時共和国はアウター・リム包囲作戦の最終段階にあり、共和国艦隊や経験豊富な将校、ジェダイ将軍の大半は各地の前線へ回されていた。首都防衛を担うコルサント本国防衛艦隊には実戦経験を積んだ将校が少ないうえ、大規模な侵攻を祖上地下訓練も受けておらず、分離主義者によるコルサント攻撃を現実的なものとして想定していなかった。[36] しかしいざ戦いが始まると、共和国はヴェネター級スター・デストロイヤーをはじめとする多数の大型軍艦を首都に呼び戻し、惑星軌道でグリーヴァスの艦隊と戦った。[42] 最終的に1,000隻を超えるヴェネター級艦がコルサント星系に集まり[11]、最高議長を乗せたグリーヴァスのプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー<インヴィジブル・ハンド>の逃亡を阻止するため、コルサント上空で熾烈な戦いを展開した。[10][42]
分離主義勢力がコルサントから離脱できないでいるうちに、ジェダイ将軍のケノービとスカイウォーカーがイータ2インターセプターで戦場に駆け付け、ヴェネター級艦<ロ=ティ=ムンディ>を母艦とするクローン・フライト7と合流した。[42] 彼らは共和国のスター・デストロイヤーが分離主義勢力のスター・フリゲートやレキューザント級軽デストロイヤー、ルクレハルク級バトルシップと砲撃を繰り広げるなかを飛びぬけ、議長を救出するため<インヴィジブル・ハンド>へ乗り込んだ。ジェダイがドゥークー伯爵を倒し、議長を連れて脱出しようとしていた時、<インヴィジブル・ハンド>はオープン・サークル艦隊のヴェネター級艦[10] <ガーララ>[36] と至近距離で激しい砲撃を交わし、致命的な損傷を負った。<インヴィジブル・ハンド>が墜落を開始したため、ケノービとスカイウォーカーは脱出を諦め、半壊状態のフリゲートをかろうじて操縦しコルサント地表への不時着を成功させた。その後、ケノービはグリーヴァス討伐任務を与えられ、ヴェネター級艦[10] <ヴィジランス>[43] に乗ってウータパウへ発った。[10]
コルサントの戦いと同時期、アソーカ・タノと第332師団はマンダロア包囲戦で元シス卿のモールを生け捕りにすることに成功した。彼女たちはモールをコルサントのジェダイ評議会に引き渡すため、ヴェネター級スター・デストロイヤー[27] <トライビューナル>[44] でマンダロア星系からハイパースペースへジャンプした。しかし旅の途中、パルパティーンによってオーダー66が発令され、元ジェダイであるタノも艦内にいたクローン・トルーパーたちから命を狙われた。ブリッジのブリーフィング・ルームから逃げ出したタノは、陽動のためモールを監房ブロックのマンダロリアン・ヴォールトから解放した。その後、彼女はアストロメク・ドロイドR7-A7、CH-33P、RG-G1らの助けを借りて友人であるコマンダー・レックスの身動きを封じ、艦内の医務室で彼の脳内から行動抑制バイオチップを摘出する手術を行った。[27]
手術後、レックスは自由意志を取り戻し、タノの脱出に力を貸した。そのため<トライビューナル>に配属されたトルーパーたちの指揮権はクローン・ルテナントCT-5597“ジェシー”に委ねられた。解放されたモールは艦内の通路でクローン・トルーパーたちと戦いながら機関室に侵入し、装置を破壊してハイパードライブを停止させた。スター・デストロイヤーは無理やりリアルスペースへ引き戻され、近隣の衛星への落下を開始した。一方、タノとレックス、ドロイドたちは脱出船を確保するためメイン・ハンガーへ向かったが、そこでジェシー率いる大部隊と戦いを繰り広げることになった。最終的にモールはハンガーに駐機されていたアタック・シャトルで、タノとレックスはメンテナンス・ベイに駐機されていたYウイングでなんとか脱出を果たしたが、ジェシーを始めとする他の兵士たちはヴェネター級艦の墜落で全員犠牲となった。[21]
戦争終結当時、ジェダイ・マスター・ジャロ・タパルと第13大隊の旗艦であるヴェネター級スター・デストロイヤー<アルベド・ブレイヴ>は惑星ブラッカの軌道に配備されていた。当時、タパルと第13大隊はブラッカにおける長い戦役を終えたばかりで、次はマイギートーへ派遣されることになっていたが、ブラッカから出発する前にオーダー66が発令された。タパルと彼のパダワンであるカル・ケスティスは<アルベド・ブレイヴ>艦内でクローン・トルーパーと戦いを繰り広げることになり、大隊のコマンダーをはじめ、大勢の戦友を倒しながらスター・デストロイヤーの脱出ポッド・ベイにたどり着いた。しかしポッドに乗り込もうとした際、増援のトルーパーがベイになだれ込み、タパルに致命傷を負わせた。脱出ポッドが射出された後、<アルベド・ブレイヴ>はタパルが反応炉に施した破壊工作によって爆発し、艦内に居たクローン・トルーパーを巻き添えに破壊された。[31]
ジェダイ・マスター・チアータが指揮するヴェネター級スター・デストロイヤーは、クローン戦争の終結が迫っていた頃に分離主義勢力のドレッドノートと交戦していた。彼女のスター・デストロイヤーは敵艦を破壊したものの、自身も甚大な損傷を負い、ハイパースペースから投げ出された後アウター・リムの惑星ゼフォに墜落した。チアータとそのパダワンであるマーセフ、部隊のクローン・コマンダー、多数の兵士が墜落を生き延びたが、それから間もなくオーダー66が発令された。チアータとマーセフはスター・デストロイヤーの残骸の中でクローン・トルーパーを返り討ちにしたが、どちらも致命傷を負った。マーセフは命を落としたマスターを墜落現場の近くに埋葬し、自身も後を追うように息を引き取った。やがてこの巨大な残骸と墜落現場の周辺には、ドリームワートをはじめとする植物が生育し、ジョタスやフィラック、スカッズといったクリーチャーが棲みつくようになった。[31]
帝国時代[]
新時代の始まり[]
- 「最後にこのタイプの船に乗ったときは、あまりいい結果にはならなかった」
- ―レックス[出典]
共和国に代わって銀河帝国が設立された後も、ヴェネター級スター・デストロイヤーは新生帝国宇宙軍の主力艦として活躍を続けた。帝国のヴェネター級艦は共和国の赤いマーキングを取り払われ、のちに現れる後継の軍艦と同じく薄い灰色一色の塗装となった。[10][45] 帝国の艦隊において、ヴェネター級艦はその支配能力の高さで突出した存在となり、新政府の帝国軍将校たちがこの主力艦の指揮権を担った。[46] ある時、銀河皇帝シーヴ・パルパティーンとダース・ヴェイダー、ウィルハフ・ターキンらが乗るヴェネター級スター・デストロイヤーがDS-1デス・スター機動バトル・ステーションの建造現場を訪れた。シス卿たちはまだ骨組みだけの超兵器をヴェネター級艦のブリッジから視察した。[10]
しかし解体ギルドが支配する惑星ブラッカでは、帝国時代が始まって間もない頃からヴェネター級スター・デストロイヤーの解体作業が始まっていた。[47] 解体ギルドは新政府の誕生以来、帝国と協力関係を結んでおり、共和国のものだったビークルや機材、テクノロジーの解体という大事業に力を入れ始めていたのである。[31] 帝国設立直後、帝国軍から離反したクローン・コマンドーの分隊“バッド・バッチ”が、元クローン・キャプテン・レックスに連れられてブラッカにやってきた。レックスの指示のもと、バッド・バッチのメンバーはヴェネター級艦の残骸の医療施設を利用し、脳内に埋め込まれていた抑制チップを摘出した。レックスが去った後、バッド・バッチは情報屋シドへの借金返済に充てるため、武器や金になるデータを回収しようと、しばらくヴェネター級艦に残ることにした。しかし彼らの存在は解体ギルドによって帝国に通報された。[47]
間もなくCT-9904“クロスヘアー”率いるエリート分隊がブラッカに現れ、軍艦の残骸の中でバッド・バッチと戦闘を繰り広げた。帝国軍の攻撃をいったんしのいだ後、バッド・バッチは艦尾の巨大なイオン・エンジンからの逃亡を試みた。しかし彼らの行動を読んでいたクロスヘアーは、ブリッジに部下を送り、イオン・エンジンの点火を命じた。エンジンの噴出口から出るとクロスヘアーのスナイパー・ライフルに狙い撃ちされてしまうため、バッド・バッチは武器庫で回収した爆弾を円筒形のエンジンのリング沿いに配置し、エンジンの一部を破壊して落下させることで、イオン・ドライブが噴出される直前に脱出を果たした。一方、バッド・バッチが現れるのを待ち構えていたクロスヘアーはイオンの噴出にさらされてしまい、大火傷を負った。彼はその場で手当てを受けることになったが[30]、大事には至らず、しばらくして任務に復帰した。[48]
その後の活躍[]
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制作の舞台裏[]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは2005年公開のプリクエル・トリロジー第3作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で初登場を果たした。[10] ヴェネター級スター・デストロイヤーという正式名称は、映画公開直前に発売されたレジェンズの設定資料『スター・ウォーズ エピソード3 クロスセクション』で紹介されていたが[49]、映画本編でそう呼ばれる場面はない。[10] 正史媒体では2014年発売の小説『ターキン』で初めて正式名称が使用された。[50] なお vēnātor はラテン語で狩人を意味する。[51]
ヴェネター級スター・デストロイヤーは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に登場したアクラメイター級艦と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に登場したインペリアル級艦の外見の橋渡しになることを意図してデザインされた。劇中で“スター・デストロイヤー”とは呼ばれていないものの、製作スタッフはその古典的な名称にふさわしく、伝統的なスター・デストロイヤーの艦橋セットを内装に用いた。船体の赤いカラーリングは『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』から始まった共和国船のカラースキームに則っている。『シスの復讐』では共和国の船は赤、分離主義者の船は青を基調とした配色となっている。映画の終盤で赤い塗装が取り払われているのは、帝国が共和国に取って代わったことの象徴である。[52]
2008年、アニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン1のエピソード『闇のマント』でヴェネター級スター・デストロイヤーの機関室が描かれた。通路や配管でいっぱいの機関室は、アニメ『超時空要塞マクロス』ないし『ロボテック』シリーズに登場するSDF-1マクロスの重力制御装置を意識して制作された。[53]