- 「アソーカ、ラファ、乗船歓迎します…<シルヴァー・エンジェル>に!」
「<シルヴァー・エンジェル>? ふん。考え直した方がいいわよ」 - ―トレースとラファ・マルテス[出典]
<シルヴァー・エンジェル>(Silver Angel)はメカニック兼パイロット志望者のトレース・マルテスによって銀河共和国時代末期に組み立てられ、様々な改造を施されたネビュラ級貨物船である。惑星コルサントのレベル1313の住民であるトレースは、主にコルサント・アンダーワールドで集めたスペア・パーツを使ってこのスターシップを作り上げ、標準的なネビュラ級貨物船よりも速度を上げるため、独自の特別な改造を加えた。姉のラファと一緒に、両親が殺された惑星から旅立つことを夢見ていたトレースにとって、<シルヴァー・エンジェル>はまさに自由を得るための手段だった。このスターシップはクローン戦争終盤の19 BBYに完成し、トレースが元ジェダイ・パダワンのアソーカ・タノと知り合って仲良くなった直後に処女航海を経験することになった。<エンジェル>の最初の仕事は、ラファがケッセル王室から請け負った、惑星オーバ・ディアへのサンサナ・スパイス運搬任務だった。
トレースは<シルヴァー・エンジェル>を操縦して姉の仕事を手伝ったが、スパイスを積んでハイパースペースを航行している途中に、届け先がパイク・シンジケートと呼ばれる危険な犯罪集団であることを初めて知らされた。ギャングに船を没収されることを恐れてパニックを起こしたトレースは、積み荷のスパイスをハイパースペースに捨てるという暴挙に出てしまった。その後クルーはシンジケートの指導者マーグ・クリムをペテンにかけて難を逃れようとしたが、失敗して捕まり、<エンジェル>はクリムの宮殿に収容されてしまった。パイクの牢獄から脱獄した後、マルテス姉妹はタノの助けを借りて<エンジェル>に戻り、シンジケートの宮殿から飛び去ってコルサントに戻った。その後、タノはマルテス姉妹と別れてマンダロリアンのボ=カターン・クライズと行動を共にした。
銀河帝国が設立された後、<エンジェル>は密輸業者として活動するマルテス姉妹の移動拠点となった。彼女たちは元クローン・キャプテンのレックスと連絡を取り合い、新政府に立ち向かう人々のために働いていた。帝国時代初頭、マルテス姉妹はレックスからの依頼で惑星コレリアへ旅し、廃棄予定のタクティカル・ドロイドのデータ回収を試みた。任務の途中、彼女たちは同じ目的で廃棄処分施設に潜入していたクローン・フォース99と出くわし、インペリアル・ポリス・ドロイドと戦うため力を合わせることになった。一行はR7-A7が操縦する<エンジェル>で施設から脱出し、工業用ドックでクローン・フォース99と別れた。その後、マルテス姉妹は<エンジェル>からレックスに連絡を取り、コレリアでの出来事を報告した。
特徴[]
- 「ジェダイなら射撃の腕も良いんだろ?」
「まあね」
「じゃあ奴らを撃って!」 - ―トレース・マルテスとアソーカ・タノ[出典]
<シルヴァー・エンジェル>はひと目でネビュラ級貨物船だとわかる船体ではあるが、所有者であるトレース・マルテスによって多くの改造が施されており、通常の貨物船よりも速度を上げるための改良も試みられていた。[2] トレースはこのスターシップのスピードを誇りに思っており、まだ船を操縦するのが初めてだった時ですら、だれかれ構わず<エンジェル>の能力を自慢していた。このスターシップの船名には[1]、アイエゴの月に住む知覚種族[6]、エンジェルの名前が含まれていた。[2]
スペア・パーツから組み立てられた船ではあったが[1]、<シルヴァー・エンジェル>は前部および後部の偏向シールドや6基のエンジンに加え[3]、ハイパードライブや通信用インターフェース、エア・ブレーキなどさまざまなシステムを搭載していた。また貨物船である<エンジェル>は3つのコンテナを積み込むのに十分な積載能力を持ち、コックピットからの操作で、航行中でもコンテナの投棄を行うことができた。[1] <エンジェル>はまた、船体下部に収納式のレーザー砲塔を装備しており、追跡船を攻撃することができた。[3] この宇宙船のコックピットの内装はVCX-100軽貨物船のそれとよく似ていた。[7]
歴史[]
組み立て[]
- 「ここは安全じゃない。コルサントのどこだってそう。だから船を買ったんだ。宇宙で生きていけるようにさ」
- ―トレース・マルテス[出典]
クローン戦争の時代、若きメカニックのトレース・マルテスは[8]、惑星[9] コルサントの薄暗いアンダーワールドで姉のラファとともに暮らしながら、いつの日かパイロットになって自分の船で飛び立つことを夢見ていた。[8] 姉妹にはほとんどお金がなかったが、トレースは絶対にこの夢を実現させると決心していた。彼女はアンダーワールドのレベル1313でこまごまとした仕事をこなし、時には姉の助けも借りながらこつこつとクレジットを稼ぎ、船を組み立てるのに必要な資材を手に入れた。トレースは両親から受け継いだハンガーを使い、宇宙船を一から建造し始めた。やがて彼女は、かき集めたパーツを使って大幅な改造が施されたネビュラ級貨物船を作り上げた。トレースは、自身の誇りであると同時に喜びでもあるこの船に、<シルヴァー・エンジェル>という名前を付けた。[1]
19 BBY[4]、トレースが船の整備をしていた時、元ジェダイのフォース=センシティブ、アソーカ・タノがジョーベンT-85スピーダー・バイクの故障でレベル1313へ落下し、トレースの修理屋に流れ着いた。トレースはこのトグルータの流れ者に自己紹介して力を貸し、ハンガーで建造中の船を見せた。タノはこの船が(少なくともその原型は)ネビュラ級貨物船であることに気付き、トレースは彼女の眼の良さを褒めた。その後トレースはタノのスピーダー・バイクを無料で修理し、タノは借金取りのピントゥ・ソン=エルからトレースを救って、2人はすぐに友人になった。またタノはトワイレックのロカンがラファ・マルテスに依頼した、バイナリー・ロードリフターの組み立て作業をトレースと一緒に完了させたが、トレースと違ってラファは妹の新しい友人を信頼していなかった。[2]
最初の旅[]
パイクの荷[]
- 「お願い、あんたの助けが必要なのよ」
「つまり、最高のパイロットと最速の船が必要だってことね?」 - ―ラファとトレース・マルテス[出典]
ロードリフター・ドロイドを売った後、ラファはパイク・シンジケートの犯罪王マーグ・クリムと取り引きし、サンサナ・スパイスを[1] 惑星[10] ケッセルからオーバ・ディアにあるパイク宮殿へ運ぶ仕事を請け負った。しかしこの仕事のために雇ったパイロットが逃げてしまったため、ラファはやむを得ずパイロット志望の妹を代役に選び、詳細は告げずに仕事を手伝ってもらうことにした。トレースは姉が自分以外のパイロットを雇おうとしていたことに最初は憤慨しつつも、船を操縦できるチャンスが訪れたことを喜び、船名を姉から小馬鹿にされながらも、ラファとタノを<シルヴァー・エンジェル>に歓迎した。トレースはパイロット・ライセンスすら持っていないにも関わらず船をレベル1313のハンガーから発進させ、アンダーワールド・ポータルを通って上空に出た。その際、トレースはタノの警告を聞かず、低空強襲トランスポートがヴェネター級スター・デストロイヤーへ移動するための軍用エア・レーンを飛んでしまった。スター・デストロイヤーの指揮官である共和国宇宙軍のウルフ・ユラーレン提督は<エンジェル>のパイロットを叱りつけ、逮捕すると脅した。しかしスター・デストロイヤーに乗り合わせていたジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーは、元パダワンの存在を<エンジェル>に感じ取り、この船を見逃してやるよう提督に命じた。[1]
トレースは<シルヴァー・エンジェル>を操縦してコルサントを離れ、エア・ブレーキを解除するのを忘れたままハイパースペースへジャンプしてしまった。トレースにとってハイパードライブを使った航行はこれが初めての経験だった。アウター・リムへ向かってハイパースペースを突き進む途中、<エンジェル>の船体はブレーキのせいでガタガタと揺れた。ラファとタノがあまりにも不快感を示すため、トレースはようやくエア・ブレーキをかけたままであることに気付いて解除した。その後、トレースは船をリアルスペースに戻し[1]、ケッセルを取り囲むガスとデブリの巨大な密集地帯、アカディーズ・メイルストロム[10] の中を進んだ。ケッセルに到着すると、彼女は惑星の支配者であるヤルバ王の宮殿に船を停泊させた。彼女たちはヤルバ王家の執事長、キナシュ・ロックと会談し、惑星の鉱業エリアで採れたスパイスを<シルヴァー・エンジェル>で運び出す仕事を与えられた。スパイスの使用目的をタノから問われたロックは、あくまで“医療”のためだと答えた。[1]
ケッセルのスパイス鉱山で<シルヴァー・エンジェル>に荷を積んだ後、トレースはオーバ・ディアを目指してケッセル・ランを飛行した。しかし旅の途中、タノはスパイスの届け先がパイクであることを知り、彼らは信頼できない危険なギャングスターだとマルテス姉妹に警告した。自分の船がギャングに奪われる可能性を恐れたトレースは、ラファとタノが今後の行動について議論しているとき、スパイスをハイパースペースに捨ててしまうという暴挙に出た。彼女はトラブルの種であるスパイスさえ無くなれば、問題も無くなると考えたのである。しかしタノは、貴重なスパイスが手元にあることこそ、自分たちの唯一の保険だったと指摘した。ラファは3万クレジット分のスパイスを補填するため<エンジェル>をパイクに売り渡すと妹を脅したが、最終的にはタノの提案に従ってオーバ・ディアへの旅をつづけ、パイクを欺くための作戦を練った。[1]
オーバ・ディアでの災難[]
- 「私の船の処女航海だったのに、終着地点がこんなところとはね」
- ―オーバ・ディアの牢獄に入れられたトレース・マルテス[出典]
<シルヴァー・エンジェル>がパイクの要塞に到着すると、マーグ・クリムは積み荷を確認するため自らスパイス運びたちをハンガーで出迎えた。姉妹は気付かなかったが、このときタノはフォースのマインド・トリックを使ってクリムの精神に働きかけ、積み荷の中身を確認することなく報酬を支払うよう説得していた。ペテンが成功したら一刻も早く出発するため、トレースは自分とラファが空箱のコンテナを降ろす間にエンジンをかけておくようタノに告げた。しかし彼女らが出発しようとした時、クリムの執事長であるファイフがリーダーの判断を疑問に思い、コンテナを開けるためのコードを姉妹に尋ねた。彼女たちが答えをはぐらかしたため、ファイフはコンテナを無理やりこじあけ、中身がないことを突き止めた。彼はすぐさま貨物船の逃走を阻止するよう哨戒船に命じ、<シルヴァー・エンジェル>はほとんど動かないうちにトラクター・ビームによって捕捉されてしまった。[1]
パイクはタノとマルテス姉妹を宮殿の牢獄に入れ、スパイスのありかを聞き出すため拷問にかけた。その間、<シルヴァー・エンジェル>は宮殿の外の着陸パッドに収容された。その後3人はなんとか牢獄から脱出し、パイク・シンジケートの拠点の下に広がる街へ逃げた。薄暗い街をさまよい歩いていた時、トレースは建造物に上って遠くの着陸パッドを眺め、そこに停泊されている船が<シルヴァー・エンジェル>であることを確認した。彼女は船を取り戻したいと考えたが、ラファは危険すぎると判断して却下し、適当な船を盗んで逃げるのが最善だと妹を説得した。トレースは無事に家に帰ることができたら新しい船を買ってもらうことを条件に、しぶしぶラファの提案を飲んだ。いずれにせよ、姉妹は別の船を盗む前にパイクに見つかり、再び拘束されてしまった。[11]
タノはマルテス姉妹を逃がすため一計を案じ、姉妹を裏切る演技をしながら、彼女たちが別の惑星にスパイスを隠したとマーグ・クリムに嘘をついた。タノは嘘をついていないことの証明としてパイクの牢獄に留まり、トレースとラファは<シルヴァー・エンジェル>でスパイスを取りに戻るよう命じられた。マルテス姉妹はオーバ・ディアを離れ、無事にオロンディアにある燃料補給ステーションにたどり着いた。マルテス姉妹はタノが自らを犠牲にして自分たちを解放してくれたことを知りながら、タノのことを放っておけないと考え、救出に戻ることに決めた。彼女たちは手ぶらでクリムのところに帰ることはできないと考え、パイクの荷役ドックからスパイスを騙し取る計画を立てた。彼女たちは<エンジェル>に乗ってオーバ・ディアに戻ると、荷役ドックで働くトゥーング種族の労働者たちに「輸送船1519」を名乗った。トゥーングは運搬予定リストに記載が無いと主張したが、ラファは“緊急運搬の要請”だと告げて積み込み作業を始めさせた。[3]
コルサントへの帰還[]
- トレース 「後ろのディフレクターはイカれたけど、前のは残ってる」
- アソーカ 「良いアイデアとは思えない」
- ラファ 「ああ、今度ばかりはアソーカに賛成」
- ―トレースがパイクの船に向かって直進した際、<シルヴァー・エンジェル>のクルーたち[出典]
トゥーングの労働者やトランドーシャンの監督者とのあいだに小規模な戦闘こそ発生したものの、マルテス姉妹は何とかスパイスを盗み出し、タノを救うため再びパイクの宮殿に舞い戻った。しかしクリムはシス卿のモールから圧力をかけられており、マルテス姉妹やタノの即時処刑を部下たちに命じた。宮殿に仕掛けておいた爆弾の起爆に乗じ、タノはマルテス姉妹と一緒に<エンジェル>に乗り込み、宮殿から脱出した。トレースが操縦する<エンジェル>はパイク哨戒船に追われながらオーバ・ディアの峡谷を飛び回った。ラファがスキャナーで周囲を警戒する中、タノは船に搭載されたレーザー砲塔を使ってパイクの追っ手を2隻撃墜した。しかし3隻目の哨戒船が<エンジェル>に命中し、後部の偏向シールドが消滅してしまった。そこでトレースは前方のシールドにすべてをかけ、岩山でUターンして最後の哨戒船に向かって直進した。哨戒船は正面衝突を避けようとしたが、その結果岩山に激突して大破した。[3]
パイクの追っ手を撃退して満足したトレースは、コムルク級ファイター/トランスポートに後をつけられていることに気付かず、そのままオーバ・ディアの大気圏から脱出した。<シルヴァー・エンジェル>は無事にコルサントに戻ることができ、トレースは機体をハンガーに駐機させ、最初の旅を終えた。3人が船から降りて今回の冒険について語り合っていた時、オーバ・ディアから彼女たちをつけてきたマンダロリアンのボ=カターン・クライズが姿を現した。クライズは[3] 故郷のマンダロアを占領した[12] モールを倒すため、タノの助けを必要としていた。タノはトレースとラファに別れを告げ、自分のバイクを彼女たちのハンガーに残し、クライズの<ガントレット>に乗って去っていった。[3]
反政府活動[]
- 「R7、すぐ迎えに来て!」
- ―トレース・マルテス[出典]
所有者と乗組員[]
- 「トレースの宇宙飛行は夢の域を出ていないのよ」
「なんか言った?」
「ああ、この船は夢みたいな乗り心地って言ったの」 - ―ラファとトレース・マルテス[出典]
メカニックのトレース・マルテスが<シルヴァー・エンジェル>の所有者であり、自ら機体の改造を行っていた。[1] マルテス姉妹の両親は、ズィロ・ザ・ハットの脱獄事件のさなか、ジェダイ・オーダーによるズィロ追跡の巻き添えとなって命を落とし[11]、それ以来トレースは一家のハンガーで<エンジェル>を組み立て始めた。[11] 銀河系を飛び回ることを夢見ていたトレースにとって、<エンジェル>は危険に満ちているコルサントのアンダーワールドや、上層レベルで戦争を指揮しているジェダイから遠く離れるための脱出手段だった。[8]
スパイス運びの仕事と、パイク・シンジケートからの脱出劇において、トレースは自らパイロットとして<シルヴァー・エンジェル>の操縦かんを握った。一方、彼女の姉であるラファは操縦席の隣に座ってしばしば船の通信装置を使用し、危険な状況を言葉巧みに切り抜けた。[1][3] <エンジェル>がオーバ・ディアでパイクの船に追跡された際、トレースは兵器システムの制御をアソーカ・タノに任せた。ジェダイの修行を積んだ経験があるタノは、船の砲塔を駆使してすみやかに敵を始末した。[3] また帝国時代には、アストロメク・ドロイドのR7-A7が副操縦士として<エンジェル>に乗り込んでいた。任務で船を空ける際、マルテス姉妹はR7をコックピットに待機させ、必要があれば操縦を任せていた。[5]
制作の舞台裏[]
クローン・ウォーズのリバイバル[]
<シルヴァー・エンジェル>は2020年3月17日に初放送されたTVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン7のTVスポットで初めて一般公開され[13]、のちに同シーズン第5話の『夢見るトレース』で初登場を果たした。本作はサウル・ルイスとカイル・ダンレヴィが監督を、デイヴ・フィローニとチャールズ・マレイが脚本を務め、3月20日にアメリカの Disney+ で配信開始した。[2] 船名は3月27日に配信開始した次のエピソード『危険な取引』で判明した。[1] なおシーズンのサントラには "Launching the Silverangel" という曲が収録されているが、船名の表記が間違っている。
<シルヴァー・エンジェル>が登場するエピソード4部作の製作は2012年に始まり、当初は『クローン・ウォーズ』のシーズン6のエピソードとして放送される予定だった。ところが、ウォルト・ディズニー・カンパニーによるルーカスフィルムの買収を受け、『クローン・ウォーズ』の製作は2013年でストップし、シーズン6は中断、予定されていたシーズン7および8は打ち切りとなり、<シルヴァー・エンジェル>の登場話も制作中止された。[14]
2016年に開催されたセレブレーション・ヨーロッパのイベントで、デイヴ・フィローニ監督とルーカスフィルム ストーリー・グループのパブロ・ヒダルゴが『クローン・ウォーズ』の未完成エピソードを紹介し、<シルヴァー・エンジェル>のコンセプト・アートもお披露目された。またこのアートが製作された当時、船名は<ブラック・エース>(Black Ace)だった。2018年、『クローン・ウォーズ』のリバイバル・シリーズであるシーズン7の製作が始まり、<シルヴァー・エンジェル>の登場する4エピソードも改めて完成版が作られることになったが、2012年当初の構想から多くの変更が加えられた。[14]
宇宙船の名前の変更に加え、4部作のメイン・キャラクターであるニックス・オカミがトレースとラファ・マルテス姉妹に置き換えられた。[14] ただし2018年に改めて描かれたシーズン7用のコンセプト・アートにも<ブラック・エース>という題名がつけられているため、宇宙船の名称が<シルヴァー・エンジェル>になったのは制作の終盤である可能性がある。<シルヴァー・エンジェル>の外装のコンセプト・アートはJP・バルメによって製作された。[15] またオーバ・ディアでの戦闘シーンのコンセプトはジェイソン・ボッシュが担当した。[16]
反乱者たちへの影響[]
2013年、『スター・ウォーズ 反乱者たち』の制作現場にて、もともと<ブラック・エース>のために描かれたコックピットの内装デザインが、本シリーズで主人公たちが乗り込む宇宙船<ゴースト>の内装として流用された。アニメの製作スタッフたちは<ブラック・エース>の内装デザインが非常に良い出来だと考えており、当時は『クローン・ウォーズ』のリバイバルなど予想だにしなかったため、デザインがお蔵入りになるくらいならばと『反乱者たち』で活用することに決めたのである。[7]
ただし<ゴースト>のコックピットは<ブラック・エース>と全く同一のデザインというわけではない。『クローン・ウォーズ』と『反乱者たち』でシリーズ監督および製作総指揮を務めたデイヴ・フィローニは、ちょうど実写作品のセットで小道具やレイアウトが使いまわされるように、<ゴースト>もコンセプトを部分的に再利用したに過ぎないとコメントしている。[17] 『反乱者たち』の放送が終わり、2018年に『クローン・ウォーズ』シーズン7の製作が始まると、<ブラック・エース>のコンセプト・デザインにさらなる磨きがかけられ、2012年当時のオリジナル・デザインとも、『反乱者たち』の流用デザインとも異なる変化が加えられた。[15]
登場作品[]
参考資料[]
- "Deal No Deal" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- "Together Again" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- The Silver Angel - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 クローン・ウォーズ – 危険な取引
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 クローン・ウォーズ – 夢見るトレース
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 クローン・ウォーズ – 再結束
- ↑ 4.0 4.1 『夢見るトレース』の時系列はアソーカ・タノの裁判とマンダロア包囲戦(コルサントの戦いと同時発生)の間であり、『スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス』によればタノの裁判とコルサントの戦いはいずれも19 BBYのできごとである。そのため<シルヴァー・エンジェル>が登場した『夢見るトレース』の時系列も19 BBYということになる。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 バッド・バッチ – ドロイドの墓場
- ↑ スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
- ↑ 7.0 7.1 Tech's Notes: "Deal No Deal" Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 8.0 8.1 8.2 Trace - 公式データバンク
- ↑ アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- ↑ 10.0 10.1 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- ↑ 11.0 11.1 11.2 クローン・ウォーズ – 取引の果て
- ↑ クローン・ウォーズ – 仕組まれた救世主
- ↑ Star Wars: The Clone Wars | Official TV Spot | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル
- ↑ 14.0 14.1 14.2 SWCE 2016: Ahsoka's Untold Tales Panel Liveblog - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 15.0 15.1 "Deal No Deal" Concept Art Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ "Together Again" Concept Art Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ Clone Wars Download: "Dangerous Debt" スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル