ブラーグ(Blurrg)は銀河系各地で騎乗および荷役用に飼育されていた爬虫類クリーチャーである。アウター・リムの各地を母星とし、エンドアやライロス、アーヴァラ7といった様々な星に生息していた。ブラーグはずんぐりとした体格で、胴体と顔面がほぼ直結した見た目をしており、2本の後ろ足で歩いた。ブラーグは草を食したが、交尾のあとにメスがオスを食い殺すことでも知られた。野生のブラーグは攻撃的で、人に襲いかかることもあったが、スピードとパワーに優れていたため手懐ければ勇ましい騎獣となった。エンドアでは、イウォークたちが重労働の荷役作業のためにブラーグを飼育した。ライロスでも、トワイレック種族が移動用のクリーチャーとしてブラーグを手懐けていた。
自由の戦士チャム・シンドゥーラ率いるトワイレック・レジスタンスは、クローン戦争で分離主義勢力と戦った際にブラーグを騎獣として活用した。ジェダイ将軍メイス・ウィンドゥ率いる共和国グランド・アーミーと合流した後、ブラーグに乗ったトワイレックの戦士たちはAT-RTウォーカーに乗ったクローン・トルーパーたちと並んで首都レッスーになだれ込み、ワット・タンバー率いる分離主義勢力ドロイド軍を蹴散らした。またチャム率いるトワイレックの反乱分子は銀河帝国との戦いでも引き続きブラーグを使用した。新共和国時代、アグノートの水分農夫クイールはアーヴァラ7でブラーグを家畜として飼育していた。マンダロリアンのディン・ジャリンは、賞金稼ぎの仕事でアーヴァラ7を訪れた際にクイールと出会い、ブラーグを乗りこなすすべを学んだ。
生態と特徴[]
ブラーグはずんぐりとした体型の[4] の爬虫類クリーチャーで[1]、2本の後ろ足で歩行し、小さな2本の腕を備えた。肌の色はまだらがかった茶色、青、緑など、個体によってさまざまだった。ブラーグは胴体と顔の境目がほとんどないが[4]、首に相当する箇所をわずかに左右に動かすことができた。[6] ブラーグは目が顔の両側についており、その下に小さな鼻の穴があった。[4] 彼らの大きく開いた口は体温調節に役立ち[2]、鋭い歯が並んでいた。[4] 平均体高1.98メートル(6フィート6インチ)、平均体長は4メートル(13フィート1インチ)で、寿命は品種にもよるが35~40標準年ほどだった。[2]
ブラーグはストイックで力強く[7]、人間による殴打をものともしない[6] 強靭な皮膚を備えていた。[2] 彼らの高いドーム型の分厚い頭蓋と低い重心は突進攻撃に適していた。[2] ブラーグは知能こそ高くないが、非常に多才で、力強さとスピード、決断力を備えていた。[1] 平地では驚くべきスピードを出して走ることができ[2]、最高速度は75キロメートル毎時であるが[3]、銀河帝国のスピーダー・バイクの速度にも匹敵すると表現されることもあった。[1] またその太い尻尾はバトル・ドロイドを薙ぎ払えるだけのパワーを秘めていた。[4] ブラーグは特徴的な鳴き声を上げ、平原のはるか遠くまで響くことがあった。[4]
習性[]
- 「こいつはメスだ。オスは交尾中に食い殺されちまう」
- ―クイール[出典]
ブラーグはアウター・リム・テリトリーの各地を母星としており、惑星ライロスやミヴラ[2]、アーヴァラ7[6]、衛星エンドアといった様々な星に生息していた。[1] ブラーグは雑食であり[2]、芝や雑草を食したが[3]、時には共食いし、交尾が終わるとオスがメスに食い殺されることで知られた。[3] ライロスでは、ブラーグはケイズン平野に生息し[5]、エンドアでは平原に[5]、アーヴァラ7でも荒野に生息していた。野生のブラーグは攻撃的で、人に襲いかかったり[6]、興奮すると敵に突進して無差別に踏みつけることがあった。[2] ブラーグは噛みついたものをなかなか離さず[6]、咥えた敵を振り回して攻撃することもあった。[4] 一方で、ネヴァロ・レプタヴィアンのような他の捕食動物がブラーグを脅かすこともあった。[8]
うすのろなブラーグは[2] 無害で大人しい生き物にも見えるが、歯がびっしりと生えた口で獰猛な態度を示すこともあった。[7] ブラーグは家畜として飼いならすことができ、乗り物や騎獣として利用された。[5] 賢くはないものの勇ましい騎獣となり[9]、巨大な口でほとんどのものをかみ砕くことができるため、農業でも重宝された。[1] 騎乗用に飼いならされたブラーグは、鞍をつけて持ち主を運び[6]、そりを牽くこともできた。[10] 持ち主は手綱を引いたり、足で胴体を何度か叩くなどの合図でブラーグを制御した。捕獲されたばかりのブラーグは乗り手に反抗的な態度をとることもあったが[6]、新しい乗り手をすぐに受け入れるケースもあった。[4][6]
ブラーグはしばしば群れで行動した。[3][6] いちど飼いならされたブラーグであっても、不機嫌なときには人に攻撃的な態度をとることがあり[4]、挑発された場合も凶暴になった。[1] ブラーグの群れを制御するのは困難だったが、ブラーグが好む口笛のような音を使えば簡単に誘導することができた。[3] またエンドアのブラーグの気性はゆったりと落ち着いていた。[5]
ブラーグと文化[]
- 「ドライデン・ヴォスは派手なパーティを開くのが好きだが、ブラーグと同じくらい気が短い」
- ―ジェット・コルド[出典]
銀河系各地の多くの惑星に生息していたブラーグは、農作業から戦争までさまざまな用途に用いられた。[7] 農民はブラーグを使って雑草を刈り取ったり、農具の運搬に使用した。[1] ライロスの知覚種族トワイレックは移動手段としてブラーグを飼いならした。[4] またアイリス・ライロス・ディフェンス・テック社はブラーグにちなんで名づけられたブラーグ1120ホールドアウト・ブラスターというブラスター・ピストルを製造した。[11] エンドアのイウォーク種族は、普段は体が小さい割に大きな荷を運べるボードックを家畜として使用したが、重労働をする際にはもっと大きくて頑強なブラーグを使った。[5]
トワイレックはブラーグを罵倒表現に用いることがあった。例えばヘラ・シンドゥーラは帝国軍の捕虜になったふりをした際、スカウト・トルーパーに変装したエズラ・ブリッジャーを“ブラーグの落とし物”(Blurrg dropping)と罵倒した。[12] またブラーグの短気な性格も比喩に用いられることがあった。密輸業者のジェット・コルドは自身の日誌のなかで犯罪組織クリムゾン・ドーンのリーダーであるドライデン・ヴォスのことを“ブラーグと同じくらい気が短い”と評し、きっと長生きすることはできないだろうとコメントした。[13]
ブラーグは食材としても用いられた。ブラーグの肉を用いたバーガーはブラーグ・バーガー、もしくは“ブラーガー”として知られ、惑星オード・マンテルにはブッフォのブラーグ・バーガーという店があった。この店はバンズに挟まれたブラーグを描いたコミカルなイラストをシンボルマークにしていた。[14] 帝国時代、スリア宇宙ステーションのタンダのカンティーナや[15]、サービス・ドロイドのオリーが働く月面基地の燃料補給所にもブッフォのブラーグ・バーガーの広告が掲示されていた。[16] また同じ時代、惑星セロロニスのサファ・トーマに、ブラーグをはじめとする複数のクリーチャーのシルエットを描いた看板が掲示されていた。[17]
銀河系におけるブラーグ[]
共和国時代[]
ハイ・リパブリック時代、レックス・ストラータや[18]、アウター・リムの惑星テヌーでブラーグが騎獣として利用されていた。[19] 232 BBY[20]、ミュージシャンのメッツとパイロットのナッシュ・デュランゴ、ジェダイ・イニシエイトのリス・ソレイがクー=ボップス・バンドのメンバーであるブラフを探すためテヌーの町クブロップ・スプリングスを訪れた時、“ハップのサップ・タップ”の外で鞍を乗せたブラーグが昼寝をしていた。[19] 農民のギャブがテヌーに新しい農場を開拓することになった際、彼の仲間数名がブラーグにまたがり、農具を積んだポッド=ワゴンと並走して開拓地へ向かった。そのうち1匹は、ジェダイ・マスターのジア・ザルドア・ザナによく懐いた。旅の途中、農民の一行はギャングルズの襲撃を受けたが、犠牲者を出すことなく農場に辿り着いた。[21]
クローン戦争中、自由の戦士チャム・シンドゥーラ率いるトワイレック・レジスタンスは、スピードが速く疲れ知らずであるという理由で、ブラーグを騎乗用クリーチャーとして活用した。[22] 他の戦士たちのブラーグと違い、チャムのブラーグは額に白い模様がつけられていた。[4] 戦争序盤の22 BBY[23]、惑星ライロスが独立星系連合の侵略を受けた際、トワイレック・レジスタンスは銀河共和国と手を結び、分離主義勢力ドロイド軍に立ち向かった。チャムも自らブラーグにまたがり、ジェダイ将軍アイマ=ガン・ダーイとともに軍隊を指揮した。しかし[24] ワット・タンバー率いる[23] 分離主義艦隊が軌道を封鎖したため、ライロスの地上部隊は孤立し、苦戦を強いられた。チャムはやむを得ずダーイの作戦に従い、ブラーグに乗ってトワイレックの避難民の撤退を指揮した。しかし彼らは移動中に、ベイル・オーガナ元老院議員が送って寄越したフリゲートから支援物資を受け取ることができた。[24] 共和国の駐屯部隊を排除した後、タンバーはライロスの占領を宣言したが、チャムの戦士たちはライロスの砂漠に散らばり、ゲリラ戦を継続した。[22]
21 BBY[23]、共和国軍が分離主義勢力の封鎖艦隊を撃破し、オビ=ワン・ケノービとメイス・ウィンドゥ将軍率いる共和国グランド・アーミーがライロスの地上に降下した。首都レッスーをタンバーから奪還するため、ウィンドゥはチャム・シンドゥーラ率いるトワイレック・レジスタンスと再び手を組むことに決めた。チャムを捜索した際、ウィンドゥはケイズン平野に作られた戦士たちの墓地の近くでブラーグの足跡を発見し、それからしばらくしてトワイレックの戦士たちと遭遇した。長い孤立を経て、チャムは共和国やジェダイへの信用を失いつつあったが、ウィンドゥたちをアジトへ招いた。そこにはブラーグの小屋もあり、クローンARFトルーパーの“スタック”は檻の中のブラーグに手を出して吠えられ、トワイレックの戦士たちに笑われた。ブラーグの主であるテイ・ブーンは、自分の騎獣は共和国軍のマシンより速く走れるとトワイレッキ語で語り、チャムがその言葉を銀河ベーシック標準語に訳してスタックに伝えた。[4]
ウィンドゥの仲介により、チャムはオーン・フリー・ター元老院議員と和解し、首都奪回のため共和国との共同作戦に臨むことになった。ブラーグに乗ったトワイレックの戦士たちは、共和国のAT-TEやライトニング大隊のAT-RTウォーカーとともにレッスーの1,200メートル手前まで進軍した。首都への唯一の進入路であるプラズマ・ブリッジを起動すべく、ウィンドゥとスタック、レイザーが敵の大型兵員輸送車に乗り込むと、チャムは部隊に戦闘の準備をさせた。その際、トワイレックにまじってクローン・トルーパーの1人がブラーグに騎乗した。ブリッジが起動した直後、トワイレックと共和国軍は首都になだれ込み、ブラーグもバトル・ドロイドを相手に奮闘した。ブラーグの中には尻尾でB1バトル・ドロイドを突き飛ばしたものや、口に咥えて振り回し、破壊したものもいた。最終的にブラーグに乗ったチャムと戦士たちは首都上層の建物でタンバーを降伏に追い込み、ライロスの自由を勝ち取った。その後、祝勝パレードでもトワイレックにまじって1人のクローンがブラーグに乗り、喜ぶ民衆に向かって手を振りながらレッスーを行進した。[4]
共和国時代末期、惑星ザイゲリアでもブラーグが騎獣として用いられていた。[25] 20 BBY[23]、オビ=ワンとアナキン・スカイウォーカー、アソーカ・タノ、レックスたちがこの星を訪れた時も、ザイゲリアン・シティに複数のブラーグの姿があった。[25]
帝国時代[]
19 BBY[23]、ライロスは誕生して間もない銀河帝国の支配下に入り、当初はチャム・シンドゥーラもそれを受け入れていたが、不満分子のゴビ・グリーが武器の密輸を企てた際、チャムの娘のヘラ・シンドゥーラも帝国に逮捕されてしまった。チャムの仲間のレンクはブラーグで峡谷へ移動し、ゴビとヘラ、セリンが帝国のHCVw A9ターボ・タンクへ連行される現場を目撃して、チャムとその妻エレニに報告を入れた。夫妻はランドスピーダーで峡谷に駆け付け、ヘラを救出するため西部外縁のセクター3で護送車を待ち伏せした。エレニはもう1人の仲間と一緒にブラーグで渓谷を走り、谷の上から援護射撃を行った。その際、エレニの仲間はクローン・トルーパーの銃撃に倒れ、命を落とした。チャムがターボ・タンクを制圧すると、エレニもブラーグで谷底に降り、娘と合流した。しかし彼女たちは帝国のエドモン・ランパート中将が仕組んだ罠にはまり、オーン・フリー・ター議員暗殺未遂の濡れ衣を着せられることになった。[26]
帝国と対立することになったシンドゥーラ氏族は反帝国運動の組織化を開始し[23]、ライロス解放運動が始まった。[27] 帝国に対する初期反乱運動でも、ブラーグはトワイレックの自由の戦士たちの乗り物として活躍した。[12] 2 BBY[23]、帝国のスローン大提督がライロスに派遣された後、チャムと部下ヌーマは帝国に作戦の裏をかかれ、ブラーグに乗って退却を強いられた。2人は614-AvAスピーダー・バイクに乗ったスカウト・トルーパー3名と帝国軍兵員輸送機による追跡を受けながら、トゥララ峡谷の方角に向かって疾走した。ヌーマは後方にサーマル・デトネーターを投げてトルーパーを1名仕留めたが、敵のビームがかすったためブラーグがひるみ、そのすきに1名のトルーパーがヌーマに追いついた。[12]
スカウト・トルーパーはブラーグと並走しながらヌーマをEC-17ホールド=アウト・ブラスターで狙った。しかしトルーパーはチャムのブラーグによる体当たりでよろけ、さらにヌーマのブラーグによってバイクの先端を噛みつかれたため制御を失って放り出された。チャムとヌーマは崖に追い詰められたが、支援物資を届けに来たヘラのVCX-100軽貨物船<ゴースト>が到着し、2人を援護した。チャムたちはヘラに命じられて方向転換し、帝国の追跡者たちに向かって走り始めた。<ゴースト>の砲手エズラが敵を退けた後、チャムとヌーマのブラーグは兵員輸送機の残骸を飛び越えて走り、後方から追いついてきた<ゴースト>の搭乗ランプへジャンプした。その際、最後のスカウト・トルーパーが船内に乗り込んできたが、ガラゼブ・オレリオスによって制圧された。のちにチャムとヌーマ、ゴビ・グリー、スペクターズは、カリコリの奪還作戦に臨むヘラのために、ブラーグに乗って帝国のパトロール隊に陽動攻撃を仕掛けた。[12]
新共和国時代以降[]
- 「お前はマンダロリアンだろ! お前の祖先はもっとデカいミソソーに乗ってたんだぞ」
- ―ディン・ジャリンに対し、クイール[出典]
新共和国時代[6]、アグノートの水分農夫である[28] クイールは、農場用の家畜として惑星アーヴァラ7で数頭のブラーグを飼っていた。[9] 9 ABY[23]、マンダロリアンの賞金稼ぎ[6] ディン・ジャリン[29] は、標的のザ・チャイルドを捕まえるためアーヴァラ7を訪れた際に野生のブラーグに襲われた。ジャリンは格闘や火炎放射器で応戦したが、腕を嚙まれたまま地面に押し倒されてしまった。しかしそこへ、飼い慣らしたブラーグにまたがったクイールが現れ、ジャリンに噛みついていたブラーグと、さらにもう1匹現れたブラーグを麻酔銃で仕留めた。その後、クイールはジャリンを自身の水分農場へ連れて行った。クイールは先ほど捕まえたブラーグを1匹引き取る代わりに、ジャリンを目的地へ案内してやると申し出た。ジャリンはブラーグは2匹とも譲ると答えたが、クイールは目的地にたどり着くにはこの獣に乗って行く必要があると告げ、翌日ブラーグを手懐ける訓練が行われることになった。[6]
農場で行われた訓練の途中、ジャリンはブラーグに振り落とされて諦めかけたが、クイールはマンダロリアンの祖先はミソソーを乗りこなしていたはずだと鼓舞し、最終的にジャリンもこの獣を制御できるようになった。その後、ブラーグに乗ったジャリンはクイールの案内で荒野を移動し、ニクトの傭兵集団のアジトに辿り着いた。クイールは厄介者である傭兵たちを倒してくれれば助かると語り、お礼の報酬を固辞して独りで引き返していった。[6] ジャリンは仕事をやり遂げてザ・チャイルドを確保したが、ジャワの廃品回収業者にガンシップ<レイザー・クレスト>の部品をはぎ取られてしまったため、再びクイールを頼って水分農場を訪れた。ジャリンとザ・チャイルドは、クイールのブラーグが牽くそりに乗ってジャワ部族のもとへ向かい、交渉に臨んだ。ジャリンがジャワの要求に従ってマッドホーンの卵を手に入れた後、クイールのブラーグは<クレスト>の部品とジャリンを乗せたそりを牽き、帰り道を歩んだ。[10]
のちにクイールは壊滅したニクトのアジトを訪れ、賞金稼ぎドロイドIG-11のハードウェアを回収した。クイールはこのIGユニットを修理し[30]、ブラーグへの餌やりをはじめとする[31] さまざまな雑用がこなせるよう再プログラムした。[30] 同年[23]、ジャリンはザ・チャイルドを巡る帝国軍残存勢力との戦いに決着をつけるため、再びクイールに助力を求めた。ジャリンとキャラシンシア・デューンを乗せた<クレスト>が牧場に着陸した際、クイールは興奮したブラーグをなだめた。クイールはザ・チャイルドを帝国の奴隷制から救うため力を貸すことにしたが、IG-11とブラーグたちも一緒に連れて行くと決め、ジャリンに反論の余地を与えなかった。クイールは<クレスト>の船室でブラーグの面倒を見ながら、ジャリンたちと一緒に惑星ネヴァロへ旅した。[30]
ネヴァロに到着したジャリン、クイール、デューンはそれぞれブラーグに乗って<クレスト>から降り、ネヴァロ賞金稼ぎギルドのギルド・マスターであるグリーフ・カルガとその護衛たちに出迎えられた。一行はネヴァロ・シティを目指して溶岩地帯を旅し、夜になると野営してブラーグを休息させた。しかし野営地はネヴァロ・レプタヴィアンの襲撃に遭い、ブラーグ2匹とカルガの部下1名が犠牲となった。翌日、ネヴァロ・シティ付近に到着した後、ジャリンは空っぽのホバリング・プラムを使って帝国を欺く作戦を立て、ザ・チャイルドを連れて<クレスト>に戻るようクイールに指示した。しかしクイールがブラーグで船に戻る途中、ジャリンたちは町で帝国軍残存勢力に包囲された。ジャリンがクイールにコムリンクで緊急事態を知らせた際、帝国軍のスカウト・トルーパー[30] AP-1982とJS-1975[32] に通信が傍受されてしまった。クイールとそのブラーグは74-Zスピーダー・バイクに乗ったトルーパーたちの追撃で命を落とし、ザ・チャイルドは奪われてしまったが、間もなくIG-11によって取り戻された。[30]
ある時、サファリ・ドロイドのSF-R3“アリー”とカム・ドロイドのCAMは銀河生物愛好家協会の仕事で衛星エンドアを訪れた。しかしアリーはスピーダー・バイクの停車に失敗し、原住民イウォークが管理しているブラーグ牧場の囲いを破壊してしまった。アリーは生物愛好家たちのためにエンドアでの出来事をCAMに録画してもらうのと同時に、ブラーグを追いかけて牧場に戻すという、当初の予定にない任務をこなすことになった。まず最初に、アリーはスピーダーでブラーグを追いかけてロープで捕まえようとしたが失敗に終わった。その後、彼は牧場の囲いを修理し、誘導棒を使って群れを誘い込んだが、ブラーグは勢い余って囲いを破壊してしまった。群れの周りをスピーダーで高速旋回する作戦も失敗した後、アリーはブラーグが好む音を偶然発見し、軽快な音楽を奏でることで群れを牧場に誘い込むことに成功した。アリーは今回の事件で得た教訓をまとめ、CAMの録画映像を締めくくったが、その後うっかり再び音楽を奏でてしまったため、囲いの中のブラーグたちが再び飛び出してきてしまった。[3]
オーカス2のグラフ・アーカイブには、様々なエイリアンやクリーチャーについて記述した作者不明の日誌が保管されていた。作者(一説にはギャミット・コンド)はブラーグについても他の記事と同様にスケッチを描き、“ブラーグは便利だ…なんでも運べると思う”という個人的な感想も書き加えた。この日誌はSP-4分析ドロイドのTR-33NA率いるチームによって行われた図書館の復旧作業時に再発見されたのち、アーカイブの学術記録のデータと組み合わされ、一般公開された。[1]
制作の舞台裏[]
ブラーグの初出は1985年に公開されたスター・ウォーズ レジェンズのTV映画『エンドア/魔空の妖精』であり[33]、クリーチャー・スーパーバイザーのフィル・ティペットによってデザインされた。[34] ティペットが映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)に登場するトーントーンのデザイン案のひとつとして手がけたスケッチが原型となっている。[35] 正史媒体での初登場作品は、2009年3月13日に公開された『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン1の第21話『ライロスの解放』である。[4] 2019年11月12日、TVシリーズ『マンダロリアン』の『チャプター1:マンダロリアン』にて、ブラーグは『エンドア/魔空の妖精』以来となる実写作品への登場を果たした。[6]
アーティストのクリスチャン・アルズマンは『エンドア/魔空の妖精』を参考にして『マンダロリアン』のためにブラーグのデザインを手がけた。アルズマンはCG技術によってリアルなブラーグが表現できることを承知していたが、あえてパペットが使われていた1980年代のイメージに立ち返り、ブラーグに昔の魅力を与えるようと取り組んだ。ニック・ジンドローやジャマ・ジュラバエフ、エリック・ティメンズらもブラーグの登場場面のコンセプト・アートを制作した。[36] ショーランナーを務めるジョン・ファヴローのアイデアにより、『マンダロリアン』では『エンドア/魔空の妖精』と同様にブラーグの登場場面の一部がストップ・モーションで撮影されることになった。ストップ・モーションが用いられたのは、マンダロリアンがアーヴァラ7でスコープ越しにブラーグを見る場面であり、デイヴ・フィローニ監督は古い技法を使うことに迷いがあったものの、出来栄えを見てその素晴らしさに驚いたとコメントしている。[37]
『週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン』の第38号(2015年)では、ブラーグの体高が2.5~3メートルで、動きがそれほど速くないと解説されている。[5] これは『エンドア/魔空の妖精』やレジェンズの設定とは一致しているが[33][38]、正史の映像作品の描写や、設定資料の記述とは矛盾している。[1][2][4] 2023年、正史の設定資料『スター・ウォーズ:反乱の夜明け ビジュアル・ガイド』で平均体高が1.98メートルであると新たに設定された。[2]
正史の小説『アフターマス』(2015年)では、シンジャー・ラス・ヴェラスがトワイレックのオーガドモ・ドクラを心の中でブラーグに例える場面があるが、翻訳版では blurrg が「単細胞」と誤訳されている。[39]
登場作品[]
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