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「認めぬ! よそ者などにマンダロアを渡せるものか!」
ダース・モールに対し、ボ=カターン・クライズ[出典]

ボ=カターン・クライズ(Bo-Katan Kryze)は人間女性で、銀河共和国時代の末期から新共和国時代にかけて活躍したマンダロリアン。ボ=カターンは故郷惑星マンダロアに忠誠を誓い、マンダロリアンの伝統である戦士文化の復活を支持していた。そのため、彼女は新マンダロリアン政権を率いるサティーン・クライズ女公爵の実の妹であったにも関わらず、マンダロリアンの過激派デス・ウォッチに加わった。やがて彼女はデス・ウォッチの指導者プレ・ヴィズラが最も信頼を置く右腕となり、ナイト・アウルと呼ばれる部隊の指揮を任された。ボ=カターンはデス・ウォッチの理想を実現するためならば、長いあいだ疎遠になっていた姉サティーンを権力の座から引きずり下ろすことも致し方ないと考えていた。デス・ウォッチが最初のアジトである衛星コンコーディアから撤退し、惑星カーラック野営地で活動していた時、ボ=カターンはヴィズラに刃向かった若きラックス・ボンテリ元老院議員ジェダイパダワンアソーカ・タノと戦ったが、彼らの逃走を許してしまった。

ヴィズラはサティーン政権からマンダロアを奪回するためシス卿ダース・モールと手を結んだが、ボ=カターンはシスを信頼すべきではないと主張し続けた。デス・ウォッチはモールの提案に従い犯罪帝国“シャドウ・コレクティヴ”創設に向けて動き出し、ボ=カターンも仲間と一緒にムスタファーナル・ハッタタトゥイーンへ出向いてブラック・サンパイク・シンジケートハットといった悪名高いギャングたちを仲間に引き入れた。デス・ウォッチはシャドウ・コレクティヴの助けを借りてサティーン政権の転覆に成功し、マンダロア占領という悲願を達成する。しかしヴィズラは戦士の掟に則った一対一の決闘でモールに敗れ、命を落としてしまった。多くのデス・ウォッチがモールを正当な新指導者として受け入れたが、ボ=カターンとナイト・アウル一派は故郷をよそ者に明け渡すことを拒否し、首都サンダーリマンダロリアン・スーパー・コマンドー一派と内戦を繰り広げた。間もなくサティーン公爵はモールの手で殺されたが、ボ=カターンは姉が愛していたジェダイ・マスターオビ=ワン・ケノービを救い出し、マンダロアから逃がすことに成功した。

クローン戦争末期、共和国によるマンダロア包囲戦によってモールは地位を失い、ボ=カターンは晴れてクライズ氏族レディの称号と、マンダロアの摂政の座を手に入れた。ところが程なくして、彼女は銀河帝国の支配を拒絶したため失脚し、皇帝シーヴ・パルパティーンによってサクソン氏族が新たなマンダロアの支配者に任命された。2 BBYクローネストレン氏族も帝国に対して蜂起し、ボ=カターンと合流した。マンダロアでは新たな内戦が勃発し、ボ=カターンはサビーヌ・レンから受け取ったダークセーバーを手に、“マンダロリアン・レジスタンス”の指導者として帝国との戦いを指揮した。しかし“大粛清”と呼ばれる事件を経てマンダロアは荒廃し、ダークセーバーはモフギデオンの手に渡ってしまった。新共和国時代、ボ=カターンはナイト・アウルのコスカ・リーヴスアックス・ウォーヴスらとともに衛星トラスク帝国軍残存勢力貨物クルーザーを襲撃し、マンダロア奪還に向けて兵器を集めると同時に、ダークセーバーの行方を探った。9 ABY頃、彼女は帝国の貨物を奪うためチルドレン・オブ・ザ・ウォッチのマンダロリアン、ディン・ジャリンの助けを借り、見返りとしてアソーカ・タノの居場所を教えた。

経歴[]

生い立ち[]

人間女性、ボ=カターン・クライズはアウター・リム・テリトリー惑星マンダロアに生まれた。[8] 銀河共和国時代末期にマンダロリアン内戦が終結した後[9]、ボ=カターンの実の姉[5]サティーン・クライズ女公爵新マンダロリアン政権の統治者となり、平和主義政策に基づく改革が始まった。[9] しかし、ボ=カターンは姉と違って古代から続くマンダロリアン戦士文化の支持者だった。クローン戦争期、ボ=カターンはマンダロリアンの過激派デス・ウォッチの呼びかけに応じ、サティーン公爵に敵対する勢力に加わった。[8] 彼女はやがてデス・ウォッチの指導者プレ・ヴィズラが最も信を置く副官となり[8]ナイト・アウルと呼ばれる部隊の指揮権を握った。[5] ボ=カターンはヴィズラに忠実で、彼が不在の間にデス・ウォッチの指揮を執ることもあった。[1]

クローン戦争[]

カーラックの戦い[]

「坊や、遅かったわね」
―ラックス・ボンテリに対し、ボ=カターン・クライズ[出典]
SurroundedByDeathWatch-AFIN

ラックス・ボンテリを出迎えるボ=カターン

惑星マンダロアで銀河共和国と独立星系連合の和平会議が行われていた頃、デス・ウォッチは雪の惑星カーラック野営地を拠点に活動していた。当時デス・ウォッチは最初のマンダロア占領作戦に失敗し、衛星コンコーディアにあったアジトを放棄して銀河系を彷徨っていた。デス・ウォッチは引き続きマンダロア占領に向けた準備を進めつつ、助力を申し出ておいて約束を果たさなかったドゥークー伯爵への復讐を求めた。するとオンダロンの若き元老院議員ラックス・ボンテリがデス・ウォッチに接触し、伯爵の居場所を教えると持ちかけた。ドゥークーに母親を殺された恨みがあるボンテリは、デス・ウォッチの戦士に復讐を代行してもらいたいと考えていたのである。ボンテリはホログラム通信の発信元を辿るホロトレース装置を使って伯爵の座標を突き止めていた。ボンテリの乗るGX1短距離運搬船フェニックス>がカーラックに着陸した時、ボ=カターンは部下数名を率いて合流地点に向かった。ボンテリは彼自身も予期していなかったトラブルのせいでジェダイパダワンアソーカ・タノアストロメク・ドロイドR2-D2を待ち合わせ場所に連れてきており、タノは自分の婚約者だと嘘をついた。ボ=カターンはボンテリとその“婚約者”をRGC-16エアスピーダーバルター級スウープに乗せてデス・ウォッチの野営地へ案内し、プレ・ヴィズラに引き合わせた。[6]

ヴィズラがボンテリからホロトレース装置を受け取った次の日の朝、ボ=カターンたちデス・ウォッチ戦士はカーラックの住民であるミング・ポを焼き討ちにした。タノは無意味な虐殺を止めるため正体を現したが、デス・ウォッチの兵士に拘束された。しかし彼女はR2-D2の助けを借りて脱出し、ヴィズラとライトセーバーの対決に臨んだ。また、それまでデス・ウォッチの兵士に酷使されてきたジャンク・ドロイドたちがR2-D2のもとで一致団結し、自らの所有者に立ち向かった。ボ=カターンはバトル・ドロイド513を破壊したが、タノとボンテリ、R2-D2はジャンク・ドロイドたちのおかげでエアスピーダーに乗り込むチャンスを掴んだ。ボ=カターンはヴィズラに命じられて逃亡者を追跡し、雪原を走るエアスピーダーの上でタノと格闘戦を繰り広げた。彼女はパダワンをあと一歩のところまで追いつめたが、ボンテリの操縦でバランスを崩して隙が生じ、フォースで機体から突き落とされてしまった。[6]

シャドウ・コレクティヴ[]

「奴を見張れ。マンダロアを落とした後は、モールとその弟も公爵の隣で死体となる」
―ボ=カターンに対し、プレ・ヴィズラ[出典]

カーラックの戦いの後、デス・ウォッチは衛星ザンバー基地を移した。コムルク級ファイターで惑星フローラム付近を航行していた時、ボ=カターンたちはシス卿ダース・モールサヴァージ・オプレス兄弟の乗る脱出ポッドを発見した。ダソミリアンザブラクの兄弟はジェダイ・マスターオビ=ワン・ケノービに敗北し、酸素欠乏状態のポッドの中で息絶えようとしていた。ボ=カターンは2人をこのまま始末するかとヴィズラに尋ねたが、ヴィズラはモールがライトセーバーを所有していることに気づき、敵の敵が味方になるかもしれないと考えて2人を船内に運ぶよう命じた。モールがザンバーの野営地で目を覚ますと、ボ=カターンはまだ意識を回復していないオプレスにブラスターを向けて脅迫し、ヴィズラの質問に答えるよう迫った。モールは自分たち2人はシスだと名乗り、オビ=ワン・ケノービに復讐心を抱いていると説明した。モールと同じくケノービに借りがあったヴィズラは、医療ドロイドに2人の治療を命じた。[2]

DeathWatchElite-Eminence

ジャバの宮殿にて、ボ=カターン

ボ=カターンとデス・ウォッチの戦士たちは、ザンバーの野営地でモールとヴィズラの会談を見守った。モールは自分たちが出会ったのはフォースの意思だと語り、マンダロアの占領に力を貸すと申し出た。しかしボ=カターンはかつてデス・ウォッチがドゥークー伯爵に裏切られたことを例に挙げ、シス卿など信用できないと主張した。また、ボ=カターンはケノービに負けて死にかけていた者など頼りにならないと挑発したが、モールはフォースを使って彼女の首を締めあげ、自分が加わればデス・ウォッチの野望は実現すると言い放った。モールが首を放して兄弟のもとへ戻った後、ボ=カターンはヴィズラと笑みを交わした。[2]

その後、デス・ウォッチはマンダロア占領に必要な戦力を手に入れるため犯罪帝国“シャドウ・コレクティヴ”の創設に取り掛かった。惑星ムスタファーブラック・サンを味方につけ、パイク・シンジケートを傘下に加えた後、シス卿とマンダロリアン戦士はハット大評議会がある惑星ナル・ハッタへ向かった。ヴィズラたちがハットとの交渉に失敗した後、ボ=カターンはデス・ウォッチの兵士を率いてガーデュラ宮殿へ攻め入り、犯罪王の手下たちを制圧した。評議会メンバーのほとんどが恐れをなして逃げ出したが、ボ=カターンは逃げ遅れたオルバ会議室で捕まえた。モールはオルバからハットの避難場所を聞き出し、今度はタトゥイーンにあるジャバ宮殿を攻撃する。圧倒的な戦力を目前にしたジャバは仕方なく同盟を受け入れ、コレクティヴへの物資提供に同意した。デス・ウォッチは着々と力をつけていったが、ボ=カターンはシスの兄弟に不信感を抱き、ヴィズラもモールの尊大な態度に苛立ちを募らせた。[2]

マンダロア占領[]

「デス・ウォッチがギャングを捕まえている間に、サティーン公爵と新マンダロリアンの指導者たちはこそこそと逃げ出した。新たに首相となるのはプレ・ヴィズラ――デス・ウォッチの指導者にしてコンコーディアの総督、真のマンダロアの息子が、銀河で悪名高い犯罪組織からあなたがたを救ったのです」
―マンダロアの民衆に対し、ボ=カターン・クライズ[出典]
FalsePrisoners

犯罪者を捕まえた救世主としてマンダロアの民衆の前で演説を行うボ=カターン・クライズ

シャドウ・コレクティヴの戦力が整った後、ヴィズラとモールはマンダロア占領作戦に着手した。彼らは新マンダロリアン政権に真っ向から勝負を挑むのではなく、クライズ女公爵の信用を貶めることで民心を味方につけ、効果的に政府を乗っ取るクーデターを画策した。手始めにパイク・シンジケートとブラック・サンのギャングが侵略者として首都サンダーリへ攻め入り、クライズ政権の危機対処能力の低さを露呈させた。マンダロリアン・ガードだけではコレクティヴの兵士に太刀打ちすることができず、政府に不満を抱く民衆がサンダーリ宮殿前の広場に集まった。クライズが演壇から市民をなだめようとした時、ヴィズラがボ=カターンたちを引き連れて広場に姿を現し、今のマンダロアに求められているのは平和主義ではなく行動だと訴えた。ヴィズラは自分たちデス・ウォッチが故郷の安全を守ると宣言し、犯罪者との“戦い”に臨むためジェットパックで飛び去って行った。[10]

当初の打ち合わせ通り、コレクティヴのギャングたちはデス・ウォッチに降伏して大人しく捕らえられた。ボ=カターンも部下を率いてマンダロリアン市民の救出に駆け付け、パイクの兵士を拘束した。偽りの危機が終結した後、ボ=カターンはオプレス、ロム・パイクジットン・モジに手錠をかけて宮殿の演壇に引き立て、マンダロアの“救世主”プレ・ヴィズラが約束通り故郷の民を救ったと宣言した。その後、ヴィズラはマンダロアの首相支配者の地位を手に入れ、長年の悲願を達成した。彼は芝居が終わった後もモールとオプレスの拘束を解かず、2人を裏切って王室刑務所に収監した。[10]

サンダーリの内戦[]

「どうしてこちらの側に?」
「敵の敵は味方ってこと」
「お互いが敵ではない時代もあった。今はその頃に戻れたのかしら」
―サティーンとボ=カターン・クライズ[出典]

人物[]

「マンダロアは生き残るわ。これまでもそうだったようにね」
―ボ=カターン・クライズ[出典]
Bo-Katan-SoR

クローン戦争当時

ボ=カターン・クライズは人間の女性で、肌は白く、目は黄緑、身長1.8メートルだった。ボ=カターンは赤いショートヘアの髪を灰色のヘアバンドでまとめていた。彼女は勇猛なマンダロリアン戦士で、自身に満ち溢れた冷笑的な性格だった。[8] 故郷の惑星マンダロアに忠誠を誓っていたボ=カターンは[3]、マンダロリアンに古くから伝わる戦士文化の再建を望んでいた。彼女はデス・ウォッチを率いるプレ・ヴィズラに忠実で、副官として厚い信頼を得ており、ヴィズラ不在の際にはデス・ウォッチの指揮を任されることもあった。ボ=カターンはデス・ウォッチの理想を実現するためならば実の姉サティーンを権力の座から引きずり下ろすのも止む無しと考えていた。[8]

ダース・モールがヴィズラを殺してデス・ウォッチの新指導者に名乗りを上げた時、多くのマンダロリアンが戦士の掟に従ってモールの宣言を受け入れたが、ボ=カターンはその場で異議を唱え、ナイト・アウルを率いて独立した。[5] 彼女は故郷マンダロアにとっての最大の恐怖は、よそ者であるシス卿が権力の座に就くことだと考えていたのである。[3] ボ=カターンはモールを倒すためなら敵の敵と手を結ぶことも辞さず、長いあいだ疎遠になっていたサティーンの脱獄に力を貸した。サティーンが再びデス・ウォッチに捕まって処刑されると[5]、ボ=カターンは姉の死に深いショックを受けたが[8]、スーパー・コマンドーへの抵抗を続け、今度はオビ=ワン・ケノービを救い出した。別れ際、ボ=カターンはマンダロアの現況を共和国に伝えてほしいとケノービに頼んだ。ケノービは共和国軍によるマンダロア侵略の可能性を指摘したが、ボ=カターンは自分たちの星ならどんな困難も乗り越えるはずだと信じていた。[5]

技術と能力[]

ボ=カターン・クライズは優れた戦闘技術を備え、ジェダイ・パダワンのアソーカ・タノを格闘戦で圧倒した。[6] また、彼女はマンダロリアン・アーマーに仕込んだ武器やジェットパックを巧みに使いこなし、ナル・ハッタやタトゥイーンでハットの兵士をいともたやすく制圧した。[2] サンダーリで内戦が勃発した際には、モールに組した同じマンダロリアン・スーパー・コマンドー数名をリスト・ブラスターや格闘で仕留めた。[5]

装備[]

「ジェットパックを使ったことはあって?」
「いや。でもすぐに覚えるしかなさそうだ」
―ボ=カターン・クライズとオビ=ワン・ケノービ[出典]
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マンダロリアン・アーマーを装備したボ=カターン・クライズ

ボ=カターン・クライズは他のデス・ウォッチ戦士と同様に伝統的なマンダロリアン・アーマーに身を包んでいた。彼女の装甲服は青と灰色で、肩の部分に丸い紋章が入っていた。[6] 彼女のヘルメットはデス・ウォッチ内部では一般的なナイト・アウル・タイプで、T字のバイザーが曲線的なデザインになっていた。[3] ヘルメットはバイザー周辺のプレートのみ灰色で他は青く、側部にレンジファインダーが取り付けられていた。[6] ボ=カターンは惑星マンダロアで広く普及していたコンコーディアン・クレセント・テクノロジーズ社ウェスター35ブラスター・ピストル[3] を2丁携帯し[2]、装甲服にダート・ランチャーや収納式ブレードを仕込んでいた。[1] また、彼女はJT-12ジェットパックを自在に使いこなした。[2]

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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