ポーグ(Porg)は海洋惑星オク=トーに生息した鳥類クリーチャーである。雛鳥はポーグレット(Porglet)と呼ばれる。ポーグはオク=トーの島のそこかしこに生息し、崖に巣を作って暮らした。彼らはつぶらな丸い目を持ち、体が厚い羽毛に覆われていたため、見かけよりも体重が軽かった。ポーグは海に飛び込んで魚類や甲殻類を捕食した。ポーグは島のそこら中におり、捕まえやすく、この鳥類を美味な食材として評価する者もいた。実際、ポーグはラナイやオク=トーの訪問者たちの狩猟対象となることがあった。彼らは好奇心旺盛で、知覚種族の所有物に強い関心を示した。しかし好奇心のまま行動するあまり、彼らはしばしば大惨事を引き起こした。
34 ABY当時、ジェダイ・マスターのルーク・スカイウォーカーが隠遁地に選んだテンプル・アイランドにも、無数のポーグが生息していた。レイとチューバッカがスカイウォーカーに会うため島を訪れた時、ポーグはレイが持ってきたライトセーバーに興味を示し、YT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>に忍び込んでいたずらを繰り返した。“密航ポーグ”をはじめとするポーグ数匹は<ファルコン>の中に巣を作り、この船に乗ってオク=トーを離れ、クレイトの戦いをコックピットから目の当たりにした。当初チューバッカはこの密航者たちを迷惑がっていたが、やがて彼らを気に入り、友人になった。
海賊ホンドー・オナカーもまた、チューバッカから<ミレニアム・ファルコン>を借り受けた際にポーグたちとのトラブルに悩まされた。しかしホンドーはトランク・アダーマッシュ率いるパキファントスの海賊たちに捕まった時、ポーグのおかげで脱出を果たし、この小さな鳥類たちを受け入れた。ポーグが盗み食いしたブルー・パフ・キューブにちなみ、ホンドーは彼らのうち1匹をパフィーと名付けた。ポーグはやがて惑星バトゥーにも生息するようになったが、探検家のエロック・スロノによると、とある軽貨物船がバトゥー宇宙港にやってきたのが、ポーグがこの星に持ち込まれたきっかけであるという。
生態と特徴[]
- 「この丸っこい鳥は?」
「ポーグだ」 - ―レイとルーク・スカイウォーカー[出典]
ポーグは非知覚生物の鳥類クリーチャーである。生まれつきずんぐりとした体で、2枚の短い翼を持ち、くちばしは無く平べったい顔をしており、2本の足を備えた。[1] 平均体高は18センチメートルから[3] 26センチメートル。[4] ポーグは短い距離なら飛ぶことができるが、生まれ故郷の島を離れるほど遠くへは行けなかった。地上では素早く走ることができ、狭い場所へ潜り込むことを得意としていた。[6] また足には水かきがついており、泳ぐのに適していた。惑星オク=トーに生息する他の生物と同様、ポーグも塩を分泌する腺を持ち、食べ物や飲み物から海水に含まれる塩を排出することができた。肌や毛、羽毛にも生まれつき自然の油分があり、水を跳ね返すことができた。[7]
ポーグには性差があり、雄の方が雌より少し大きかった。[8] 羽毛の色は背中と羽根が茶色、顔面や腹が白で、雄は目の周りがオレンジ色だった。[5] ただし生まれて間もない頃は全身が薄茶色だった。[1] 密集した羽根や羽毛は体温を保つ役割を果たし[7]、自然のカモフラージュに役立つこともあった。[9] 丸い茶色の目は前向きについており、立体視ができるため魚を捕まえやすい利点があった。[7] ポーグは寒い環境を好み、防水性のある分厚い羽毛の外層と、保温性が高いふわふわした内層に包まれていたため、見た目よりはずっと軽かった。[6] レイは初めてポーグを見た際、故郷ジャクーの生物ブロギンに似ていると考えたが、あたふたと走り回らない分だけブロギンよりも賢そうだという印象を受けた。[10]
ポーグはある程度の言語識別能力を備えているとみられる。実際、レイがチューバッカを“チューイ”という愛称で呼んだ際、ポーグは "chewy" (歯ごたえがある)という単語と誤解し、チューバッカが彼女に食べられてしまうのではないかと心配した。[9]
習性[]
- 「マイノックかしら?」
- ―ポーグが船のケーブルを千切った際、レイ[出典]
ポーグの母星は海洋惑星のオク=トーであり、島や沿岸地帯にある岩の多い崖に生息した。ポーグの雛鳥はポーグレットと呼ばれ、ペアで孵化することが多かった。[3] 彼らは崖に巣を作り[10]、親鳥が巣にいるポーグレットの面倒を見た。[3] ポーグの巣は毛や繊維、草などで作られ、彼らが手に入れてきた光り物で装飾された。[6] ポーグは獲物を得るため狙いすまして海に飛び込み、小さな魚を捕まえて自分で食べるか、餌を待つ雛に与えた。[7] またポーグは魚類以外にも甲殻類を捕食することもあった。アーキテクト・ドロイドのCR-8Rによればポーグは素早くこっそりと狩りをするため、もしポーグと出くわして生き延びることができたラヴィーン・クラブがいたなら大した強者であるという。[6]
ポーグは水を飲むのも、水の中で遊ぶのも大好きだった。また彼らは新しいものを味わうことを好んだ。ポーグは野生であっても飼いならされた個体であっても、人間が所有する品に異常なほどに興味を示した。彼らは好奇心のままに行動し、大惨事を引き起こすこともあった。[6] 例えば彼らは、害獣のマイノックのようにスターシップのケーブルを千切ってしまうことがあった。[10] ポーグの鳴き声はブルブルという音からキーキー声、歌声などさまざまだった。また彼らは上機嫌な時に特別な歌を歌った。ポーグは好奇心旺盛だが、姿を隠すときは完全に沈黙し、危険を感じた時にはシャイな一面を見せた。彼らは撫でられたり引っかかれたりするのが好きで、特に耳の後ろを触られるのが好きだった。なおポーグの“群れ”は銀河ベーシック標準語でマーダー(murder)と表現される。[6]
ポーグは二足歩行の知覚種族を恐れなかったため、食料として非常に捕まえやすい獲物だった。[11] ウーキー種族にとって、直火であぶったポーグの一番おいしい部分は脚だった。[7] なおポーグは高タンパクかつ高脂肪であるため、満腹感が得やすく、エネルギー補給に適した食材であるうえ、調理も簡単だった。[12]
歴史[]
島の訪問者との交流[]
- 「またわたしの訓練を手伝ってちょうだい」
- ―ポーグに対し、レイ[出典]
ポーグは海洋惑星オク=トーの海鳥から進化した。[7] ポーグは一部の種族から非常に美味な食材として扱われており、しばしば住民のラナイやオク=トーの訪問者たちの狩猟対象となった。[3] ファースト・オーダー=レジスタンス戦争の時代、ポーグはラナイのケアテイカーやジェダイ・マスターの隠遁者ルーク・スカイウォーカーが暮らすテンプル・アイランドのそこかしこに生息しており[11]、崖には無数の巣がつくられていた。[10]
34 ABY、スカイウォーカーがレイから渡されたライトセーバーを崖から投げ捨てた際、2匹のポーグがこの武器に関心を示した。ポーグたちはライトセーバーの起動マトリックスを踏み、ブレード・エミッターを覗き込むなど危なっかしい真似をしていたが、レイが草むらから2匹を追い払い、セーバーを回収した。[1] その後レイがYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>の駐機場所に戻ると、操縦士のチューバッカが整備パネルに手を突っ込み、ずたずたになったケーブルの束を引っ張り出していた。レイはマイノックが現れたのかと思ったが、ケーブルを食いちぎった犯人はポーグだった。機械油まみれになったポーグは、チューバッカによって船内から引きずり出され、このウーキーの指にかみついたのち、地面に舞い降りて逃げていった。[10]
<ファルコン>には何十年も前の非常食しかなかったため、チューバッカは間に合わせの鉄串を作り、オク=トーの野生動物を狩って食べることにした。[7] 彼はこの島に住む鳥がポーグという名前であることをスカイウォーカーから聞いた。[11] チューバッカはポーグを1匹たやすく捕まえ、串焼きにした。しかし彼は焚火のそばでポーグの一家が勢ぞろいしてこちらを見上げていることに気づいた。彼は唸り声をあげて鳥たちを追い払ったが[1]、ポーグの目つきや何かが彼に罪悪感を植え付け、すっかり食欲をなくしてしまった。[11] 一方、レイはスカイウォーカーからジェダイの修行をつけてもらうことが決まった後、島に住む鳥の名前を彼に聞いた。その後スカイウォーカーの指示で瞑想を行ったレイは、フォースを通じて島を取り巻く自然と命の営みを感じた。その際、彼女は巣ごもりするポーグの母鳥や、その巣から卵を奪い去っていく波のイメージを見た。[10]
やがて好奇心旺盛なポーグは<ミレニアム・ファルコン>のサーキット・ベイに巣を作り、だんだんと増えていった。チューバッカは再び<ファルコン>に乗るようになってまだ日が浅かったため、船内のシステムを昔ながらの状態に“リセット”する作業に取り組んでいる最中だったが、ポーグたちのせいで仕事が思うように進まなくなった。[7] ある時、ポーグはチューバッカやレイ、アストロメク・ドロイドR2-D2の後に続いて<ファルコン>のタラップを登り、船内を探索した。そのうちの1匹は洗面台で歯磨きチューブを使い、コップで水を飲み、ブラシで毛づくろいをした。また彼らは配線を切り、レイのスパナを盗み、デジャリック・テーブルのホログラムに関心を示した。レイとチューバッカは度重なる原因不明のトラブルに戸惑ったが、盗品で作った巣で眠るポーグたちを見つけ、彼らが犯人だったことを悟った。[6]
ある時、レイが島でフォースの訓練をしているところへ1匹のポーグが近寄り、彼女の荷物からライトセーバーを持ち出した。レイはライトセーバーが一瞬だけ起動されたためポーグの存在に気づき、武器を取り戻そうとした。するとポーグはライトセーバーを咥えて仲間たちと一緒に逃げ出し、崖から海に向かってジャンプした。しかしレイはテレキネシスを使ってポーグの体を空中に留め、ゆっくりと自分の方へ引き寄せて武器を回収した。彼女はフォースをうまく使えたことを喜び、また自分の訓練を手伝ってほしいとポーグたちに頼んだ。[13] またある時、チューバッカは<ファルコン>の青いワイヤーを盗んでいったポーグのコンビを追いかけ、彼らがポーグレットを育てている巣にたどり着いた。チューバッカは布切れを差し出す代わりにワイヤーを返してもらおうとしたが、ポーグが求めていたのは崖の上に生育する青い苔だった。チューバッカが苔を手に入れてくると、ポーグたちはワイヤーを彼に返し、ほおずりして感謝を伝えた。[14]
テレキネシスを使いこなせるようになったレイは、スカイウォーカーやチューバッカ、そして2匹のポーグが見守る中、テンプル・アイランドの丘の上でたくさんの石を同時に浮遊させた。彼女は師匠に自分の成長を認めさせようと、近くにいたラナイのケアテイカーや、浜辺の巨岩もフォースで浮かせてみせた。その際、ポーグが巨岩の下に隠されていた卵に手を出したため、怒ったパラスケアンが海から飛び出してきた。チューバッカは、パラスケアンとの戦いで飛び散った岩の破片がポーグの上に落下するのを防いだ。その際、レイはポーグがパラスケアンの幼体を咥えていることに気づき、海獣が怒る原因を作ったのは自分だと悟った。チューバッカが幼獣を海に返し、卵を潰さないよう巨岩をもとの位置に戻すと、パラスケアンも海に戻っていった。[15]
旅立ち[]
レイとチューバッカ、R2-D2がスカイウォーカーと別れて島を離れた際[1]、“密航ポーグ”を含む[7] 数匹のポーグが<ミレニアム・ファルコン>に乗ったまま一緒に故郷から旅立った。[1] その後、レイはファースト・オーダーのメガ・スター・デストロイヤー<スプレマシー>に乗り込み、スノークやカイロ・レンと対峙した後、再び<ファルコン>に戻った。レイが戦いで負った傷を治療するため救急ロッカーを開けると、中から4羽のポーグが飛び出し、彼女を驚かせた。その直後、<ファルコン>はレイア・オーガナが惑星クレイトから発した救難信号を傍受した。[10]
<ミレニアム・ファルコン>がクレイトの戦いに駆け付け、レジスタンスのスキー・スピーダーを苦しめていたファースト・オーダーのTIE/fo制宙戦闘機を撃墜した際、コックピットのチューバッカと一緒にポーグも雄たけびを上げた。その後、<ファルコン>がTIEファイターを引き付けながら船体を90度傾けて塩原のクレバスに突入すると、コックピットにいたポーグは重力でビューポートに叩きつけられた。船体が水平に戻るとポーグもコンソールの上に戻ったが、チューバッカは装置をいじるためにポーグを払いのけた。<ファルコン>が追手のTIEをすべて始末した後、ポーグは窓の外の塩原を大勢のヴァルプテックスが駆けていくのを見つけ、鳴き声を上げた。[1] <ファルコン>がレジスタンスの生存者たちを乗せてクレイトから無事に脱出した際、レイア・オーガナはこの貨物船がポーグによって占拠されていることに当惑した。ポーグたちはゲーム用のテーブルに座ろうとしたレジスタンスの兵士に喚き散らし、縄張りを主張していた。オーガナはポーグたちをよけてコックピットに入り、いつからこんなことになったのかとチューバッカに尋ねた。[11]
<ファルコン>を住処にしたポーグの1匹は、のちにターバスと名付けられた。クレイトの戦いの後、ターバスはチューバッカや歴史家のボーモント・キン、操縦士ナイン・ナンたちと一緒に<ファルコン>に乗り、ファースト・オーダーによって封鎖された惑星キャッシークへ赴いた。地上に降りた後、同胞のウーキーが危険にさらされていることを知って居ても立っても居られなくなったチューバッカは、他の仲間は置き去りにして、ターバスを連れてブラック・フォレストへ突入した。[16] チューバッカはターバスが物音や鳴き声をあげるせいで何度もストームトルーパーやトレッドスピーダー・ドライバーに見つかる羽目になった。彼はターバスを抱えながらなんとか反撃に転じ、数名のトルーパーを撃退した。[17] ウーキーの捕虜が囚われているキャンプを発見した後、ターバスは見張りのトルーパーたちの前に姿を現し、彼らをチューバッカが仕掛けた罠へと誘導する役目を果たした。またターバスは拘束装置のケーブルを食いちぎり、捕虜を解放して形勢を逆転させた。戦いが終わった後、ターバスはダズ・クラノのXウイングに乗ってきた雌のポーグと合流し、再会を喜び合った。[18]
バトゥーのポーグたち[]
ある時、チューバッカは<ミレニアム・ファルコン>の不調に悩み、やむを得ず知り合いの海賊ホンドー・オナカーに修理を依頼した。ホンドーは修理を引き受ける代わりに、新事業“オナカー・トランスポート・ソリューションズ社”のためにしばらく<ファルコン>を貸して欲しいと頼んだ。チューバッカはしぶしぶ条件を飲み、シリウーク語で“ポーグのことは気にするな”と告げて船を貸した。ホンドーはポーグが何かを知らなかったが、惑星バトゥーへ航行中にブルー・パフ・キューブの料理を盗み食いされ、この船に大量のポーグが潜んでいることに気づいた。ホンドーがポーグと格闘していた時、<ファルコン>はトランク・アダーマッシュ率いるパキファントスの海賊に捕捉され、ホンドーは海賊船に収監されてしまった。しかし彼は檻の外にポーグがいることに気づき、ポケットに残っていたパフ・キューブを使って彼らをうまく誘導することで、監房から脱出した。その際、彼はポーグの1匹をパフ・キューブにちなんでパフィーと名付けた。彼はポーグたちと一緒にトランクに反撃し、<ファルコン>を取り戻してバトゥーへの旅を続けた。[19]
やがてポーグは惑星バトゥーへ輸出され、ブラック・スパイア・アウトポストにあるクリーチャー・ストールでペットとして販売されるようになった。[20] 作家・探検家のエロック・スロノによると、ポーグたちはある軽貨物船がバトゥーの宇宙港にやってきた時に、この星に持ち込まれたのだという。[21] またバトゥーにあるオーガのカンティーナでは、クリフ・ドゥエラーと呼ばれる濃いオレンジ色の飲み物が、ポーグを模したマグに入れて提供されていた。[22]
ポーグがバトゥーに定着した後、銀河生物愛好家協会のサファリ・ドロイドSF-R3“アリー”とカム・ドロイドのCAMがこの生き物の調査に訪れた。アリーはポーグたちに芸を仕込もうと試み、トレーニング・クリッカーを使ってお座りを覚えさせようとしたが、無理やり座らせようとした1匹のポーグが反発の勢いで遠くへ吹っ飛ばされてしまった。続けてアリーはスピンを覚えさせようとしたが、無理に回転させたポーグが地面に埋まってしまった。挨拶を教えるのにも失敗し、死んだふりを教え込もうとしていた時、洞窟の奥からバトゥーアン・ブラガ・ベアが現れた。ポーグたちはいち早く逃げ出し、アリーとCAMも少し遅れて彼らに続いた。結果的に、アリーはポーグたちに芸を教えるつもりが、ブラガ・ベアの鳴き声が聞こえたらすぐ逃げるという教訓を彼らから教わることになった。[4]
制作の舞台裏[]
ポーグはライアン・ジョンソン監督による2017年の映画『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』のために制作されたクリーチャーである。パペットやCGIなどの様々な視覚効果を駆使して制作された。ポーグのビジュアルは2017年7月開催のD23 Expoで公開された『最後のジェダイ』の制作の舞台裏のビデオで初めて一般に明かされた。その後ルーカスフィルム ストーリー・グループのスタッフ、パブロ・ヒダルゴへのインタビュー記事(StarWars.com掲載)でクリーチャーの名前が判明した。
登場作品[]
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