<マローダー>(Marauder)は“バッド・バッチ”ことクローン・フォース99の隊員たちが使用した改造型オミクロン級アタック・シャトルである。共和国グランド・アーミーの他の宇宙船と比べてユニークなこの船は、バッド・バッチの個人的な輸送船兼ガンシップであり、優れたスピード、機動力を備えていた。遺伝子欠陥クローンによって構成された共和国軍の特殊部隊であるバッド・バッチは、クローン戦争中に<マローダー>に乗って極秘任務に従事した。<マローダー>にはバッド・バッチの隊員であるハンター、テク、レッカー、クロスヘアー、エコーに加え、GNKシリーズ・パワー・ドロイドのゴンキーが乗り込んだ。
戦争終結後、クロスヘアーを除くバッド・バッチのメンバーは新政府銀河帝国から離反し、クローンの少女オメガを連れて<マローダー>に乗り込み、カミーノのティポカ・シティから逃亡した。これ以降、<マローダー>は銀河系を放浪するバッド・バッチの我が家となった。レッカーは船内の砲手用の区画をオメガの部屋に改造した。やがて情報屋シドから仕事を請け負うようになったバッド・バッチは、数々の傭兵任務で<マローダー>を使用した。イプシドンでは泥棒のベンニ・バーロに盗まれたこともあったが、すぐにバッド・バッチによって取り戻された。しかしバッド・バッチが隠れ家にしていた惑星パブーの座標が帝国に知られた後、<マローダー>はCXトルーパーの刺客CX-2によって破壊されてしまった。
特徴[]
- 「これはどういう船なんだ?」
「オミクロン級アタック・シャトルの改造船だろう」 - ―<マローダー>に乗り込んだクローン・トルーパーの会話[出典]
<マローダー>はオミクロン級アタック・シャトルの改造船である。[2] この船は3枚の翼を持ち、着陸時は左右の2枚の翼を上方に向けて折りたたんだ。[3] “バッド・バッチ”の通称で知られるクローン・フォース99の隊員たちは、この船を個人的な輸送船兼ガンシップとして使用した。[2] 船には予備の部品に加え、バッド・バッチの隊員の荷物が積み込まれていた。また<マローダー>の船尾には[25] このシャトルの砲手のための区画があったが、クローンの少女オメガがバッド・バッチに加わった後、この区画は彼女の部屋として改造された。[26]
歴史[]
クローン戦争が終結した際、バッド・バッチのメンバーであるハンターとクロスヘアー、テク、レッカー、エコーは<マローダー>に乗ってクローン・トルーパーの故郷である惑星カミーノのティポカ・シティに帰還した。カミーノ滞在中、バッド・バッチは銀河共和国に代わって誕生した新政府銀河帝国の兵士となり、ウィルハフ・ターキンから惑星オンダロンで分離主義者の残党を討伐してくるよう命じられた。彼らは<マローダー>で現地へ向かったが、標的の正体がパルチザンや民間人であることを知ると、任務を放棄した。バッド・バッチはいま一度ティポカ・シティ軍事複合施設へ帰還したが、クロスヘアー以外の隊員は帝国からの離反を決意し、クローンの少女オメガを連れて<マローダー>に乗り込み、カミーノから脱出した。[6]
制作の舞台裏[]
アニメ・シリーズ[]
<マローダー>の初登場作品はTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のエピソード『不良分隊』である。本作を含む4部作は『クローン・ウォーズ』シリーズが一度中止された際に制作が打ち切られ、2015年にストーリー・リールと呼ばれる未完成アニメーションの状態で公開された経緯がある。2020年、動画配信サービス Disney+ で改めてバッド・バッチ4部作の完成版が配信された。[3] また2021年に Disney+ で配信開始したアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』では、主人公たちの宇宙船としてシーズン1全編に登場している。[27]
船名[]
StarWars.com のデータバンクに『クローン・ウォーズ』未完成エピソードに関する記事がアップされた当初、この宇宙船は<ハヴォック・マローダー>(Havoc Marauder)という名前で紹介されていた。当該記事はすでに削除されている。[28] しかしアニメでは単に<マローダー>としか呼ばれておらず、『バッド・バッチ』公開に伴って改めてアップされたデータバンクの記事のタイトルも<マローダー>に訂正された。その他の公式記事やエピソード・ガイドでも船名から Havoc が取り除かれているが[2]、2024年現在も、唯一クローン・フォース99の記事にだけ<ハヴォック・マローダー>の記述が残っている。[29]
ノーズ・アート[]
バッド・バッチ4部作の第2話『エコーの呼ぶ声』の未完成版では、<マローダー>の船体に魅惑的な衣装を着たパドメ・アミダラ元老院議員のノーズ・アートが描かれ、オーラベッシュのアルファベットで“ワルでいるのも良いもんだ”(Good to be Bad)という一文が添えられていた。[8] また当時の公式データバンクには「バッド・バッチの流儀に従い、<マローダー>には様々な方法で改造が施されている。外壁に描かれたパドメ・アミダラ元老院議員のイラストもそのひとつだ(これについてアナキン・スカイウォーカーの承認は得られなかった)」という解説が掲載されていた。[28]
アミダラのイラストのコンセプト・アートはJP・バルメによって制作された。『エコーの呼ぶ声』の未完成版が StarWars.com で公開された日、バルメは自身のブログにコンセプト・アートをアップした。バルメは、アナキン・スカイウォーカーがバッド・バッチの船に描かれたアミダラの絵を目にするという台本を読んだ時、思わず笑ってしまったという。[30] しかし結局、<マローダー>にアミダラの絵が描かれているという設定は Disney+ で公開された完成版エピソードでは採用されず[8]、公式データバンクからも該当部分の記述がカットされた。[2]
登場作品[]
|
参考資料[]
- スター・ウォーズ:反乱の夜明け ビジュアル・ガイド
- Ships of the Galaxy: The Marauder - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- Havoc Marauder - 公式データバンク
- Marauder - 公式データバンク
- Omega's Room - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 共和国と独立星系連合の船と車両(2) – スター・ウォーズ・エンサイクロペディア
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 Marauder - 公式データバンク
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 クローン・ウォーズ – 不良分隊
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 スター・ウォーズ:反乱の夜明け ビジュアル・ガイド
- ↑ 5.0 5.1 Ships of the Galaxy: The Marauder - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 バッド・バッチ – 余波
- ↑ 7.0 7.1 バッド・バッチ – 覚悟の時
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 クローン・ウォーズ – エコーの呼ぶ声
- ↑ 9.0 9.1 クローン・ウォーズ – やり残した仕事
- ↑ バッド・バッチ – 脱出
- ↑ バッド・バッチ – ドロイドの墓場
- ↑ バッド・バッチ – 戦いの傷痕
- ↑ バッド・バッチ – 再会
- ↑ バッド・バッチ – 失われた賞金
- ↑ バッド・バッチ – 対等な仲間
- ↑ バッド・バッチ – ライロスからのSOS
- ↑ バッド・バッチ – 群れ
- ↑ バッド・バッチ – ウォー・マントル
- ↑ バッド・バッチ – カミーノへの帰還
- ↑ 20.0 20.1 バッド・バッチ – 戦利品
- ↑ バッド・バッチ – 埋もれた秘宝
- ↑ バッド・バッチ – パブー
- ↑ バッド・バッチ – サミット
- ↑ バッド・バッチ – プラン99
- ↑ バッド・バッチ – エリート分隊
- ↑ Omega's Room - 公式データバンク
- ↑ バッド・バッチ シーズン1
- ↑ 28.0 28.1 Havoc Marauder - 公式データバンク
- ↑ Clone Force 99 / The Bad Batch - 公式データバンク
- ↑ John-Paul Balmet: Blast from the Past: Clone Wars Concept Art