- 「ラダスの戦術は敵ながら実に見事だ。南極近傍の造船所より、商船で組んだ大艦隊を発進させたのだ。船は相互にリンクされている。それらは軍艦ではないが、シールドは高性能で、深宇宙や超空間での使用を念頭にしたものであり、海賊の襲撃にも耐えうる力がある」
- ―ウィルハフ・ターキン[出典]
モン・カラ貿易艦隊(Mon Cala Mercantile Fleet)、あるいはモン・カラ通商艦隊(Mon Cala Trade Fleet)は惑星モン・カラのモン・カラマリ種族が保有した大規模な交易艦隊である。多数のモン・カラマリ・スター・クルーザーで構成されており、銀河系最大の貿易艦隊のひとつとして知られた。帝国時代初頭の18 BBYにモン・カラが銀河帝国による侵略を受けた際、ラダス提督は貿易艦隊のスター・クルーザーを南極付近のモン・カラマリ造船所から発進させた。このうち3隻は帝国艦隊による封鎖を突破し、母星から脱出した。彼ら“モン・カラマリ脱出艦隊”は貿易艦隊の他の船に先駆けて反乱同盟と合流し、テラリス星系で軍艦としての改修を受けた。
一方、貿易艦隊の大部分はモン・カラ帝国通商艦隊(Mon Cala Imperial Trade Fleet)として銀河帝国の管理下に入った。モン・カラマリのドース・アーティヤが惑星の摂政と貿易艦隊の大提督を兼任し、帝国の意のままに従うことで、モン・カラの住民にこれ以上の災禍がもたらされないよう取り計らった。1 ABY、モン・カラ侵略からおよそ20年後、反乱同盟のプリンセス・レイア・オーガナやギアル・アクバー提督がアーティヤ摂政に接触し、帝国との戦争に加わるよう求めた。アーティヤは拒否したが、レイアは長年にわたって帝国に囚われていたモン・カラの王リー=チャーの救出作戦を実行し、彼のメッセージを記録してモン・カラに持ち帰った。リー=チャーは死亡したが、王のメッセージによって奮起した貿易艦隊はモン・カラの反乱を起こし、帝国に反旗を翻した。その後、モン・カラの宇宙船とそのクルーは同盟宇宙軍の屋台骨となった。
歴史[]
ラダスの脱出[]
- 「全船に発進するよう伝えよ」
「発進ですか? しかし武器もない商船の装備で帝国の封鎖網を突破するとなると…」
「ただ座して死を待つよりマシだ。中には突破できる者がいるかもしれん」 - ―ラダスと乗組員[出典]
帝国時代初頭の18 BBY[3]、モン・カラの王リー=チャーはジェダイの生存者フェレン・バーにそそのかされ、銀河帝国と対立する立場を取った。その結果、惑星モン・カラはウィルハフ・ターキン総督とシス卿ダース・ヴェイダー率いる帝国軍による侵略に晒されることになった。リー=チャーから南極圏の防衛を任されたラダス提督は、モン・カラマリ造船所から商船の艦隊を出発させ、各スター・クルーザーの偏向シールドを相互にリンクさせた。ラダスの戦術により、貿易艦隊の船は単一の巨大なシールドによって防衛され、帝国の潜水艇による攻撃に持ちこたえた。ラダスは長期戦も辞さない構えだったが、ターキンは惑星を速やかに制圧するため、ヴェイダーにリー=チャー王の生け捕りを依頼した。[2]
ヴェイダーがリー=チャーを確保すると、ターキンは軌道上のインペリアルI級スター・デストロイヤーからモン・カラの水中都市群を爆撃した。南半球は最初の標的にはならなかったが、ラダスはいずれ攻撃が迫れば長くは持ちこたえられないと考え、大きな的になるのを防ぐためシールドのリンクを解除させた。ラダスはしばらく戦いながら成り行きを見守ったが、間もなくラダスは帝国の強硬なやり方に屈して全軍に戦闘停止を命じた。それでもターキンは爆撃を続行し、被害は南半球にも迫った。ラダスはこのまま壊滅を待つよりも、リスクを冒して帝国の封鎖突破を試みることに決め、全船に発進を命じた。海中から飛翔したスター・クルーザーのうち数隻は軌道でスター・デストロイヤーに破壊されたが、ラダス率いる3隻は脱出に成功した。[2] 彼ら“モン・カラマリ脱出艦隊”は[4] 2 BBY頃に[3] 共和国再建のための同盟と合流し、テラリス星系の反乱軍ドックで軍艦としての改修を受けた。[5]
モン・カラの反乱[]
ラダスやギアル・アクバーを始めとする一部のモン・カラマリが反乱同盟に加わる中、彼らの友人であるドース・アーティヤは母星モン・カラに残留した。アーティヤは帝国がモン・カラにこれ以上の災厄をもたらすことを恐れ、帝国に囚われたままのリー=チャー王に代わる摂政として母星を統治した。アーティヤはモン・カラの占領者である帝国に対して協力的な姿勢をとり、貿易艦隊も彼らの思うままに使わせた。[6] この時代、モン・カラの貿易艦隊は“帝国通商艦隊”と呼ばれ、アーティヤは大提督の地位を兼任した。しかしアーティヤはこうした称号は名ばかりだと考えており、実際のところモン・カラは帝国のモフ・タン・フビの支配下にあった。[1] 1 ABY[3]、ヤヴィンの戦いの後、反乱同盟はモン・カラ艦隊からの更なる助力を求め、アーティヤ摂政との交渉に臨んだ。[1]
プリンセス・レイア・オーガナとアクバーたちが反乱同盟の代表者としてモン・カラを訪れ、アーティヤ摂政と面会した。レイアは帝国がデス・スターの次に造る兵器を破壊するには艦隊が必要だと訴え、“銀河系最大の貿易艦隊”であるモン・カラに助力を求めた。しかし摂政は、艦隊とクルーを差し出すのは簡単だが、モン・カラとそこに留まる民が犠牲になるだけだとして要請を拒否した。レイアはいったんは説得を諦め、<ミレニアム・ファルコン>の船内から貿易艦隊を横目に見ながらモン・カラを離れた。その後、レイアはモン・カラの民を説得するため、およそ20年にわたって帝国に囚われているリー=チャー王を救出する作戦を立てた。彼女たちはストロキル・プライムにある帝国軍基地で生命維持装置につながれていたリー=チャーを発見し、そのメッセージを記録した。リー=チャーは戦闘で命を落としたが、レイアは彼の遺言をモン・カラへ持ち帰った。[1]
アーティヤはモン・カラの行く末は自分たちで決めると主張し、リー=チャーの遺言を記録したチップをレイアから強奪した。しかし結局、アーティヤはリー=チャーのメッセージを全艦隊長に向けて優先チャンネルで放送した。帝国が宙域内での反乱拡大を受けて貿易艦隊に分散命令と活動制限を課そうとしていたため、アーティヤには時間の猶予も、他の選択肢も無かったのである。メッセージを目の当たりにしたモン・カラマリたちは、船に立ち入ってきた帝国軍を制圧し、大規模な反乱を開始した。この事態を受け、帝国は即座にタイラス・メオリ提督率いる部隊をモン・カラマリ星系へ派遣し、惑星を封鎖した。しかしすぐにアクバー率いる反乱同盟の機動部隊も同星系に駆け付け、<ミレニアム・ファルコン>とともに貿易艦隊を護衛した。[1]
帝国の封鎖を破るため、アクバーは貿易艦隊のクルーザー<オーロラ・フレア>を指揮するピスク・リラ艦長に敵旗艦への特攻を命じた。<オーロラ・フレア>はレッドハーン星系へ運搬予定のコアクシウムを積み込んでおり[1]、メオリ提督のインペリアルII級スター・デストロイヤー<アクィリフェル>[6] に接近したところで大爆発を起こした。同盟軍と貿易艦隊は封鎖線のほころびを見逃さず、すぐさまハイパースペースへジャンプした。一方、モン・カラに留まったアーティヤは当初の懸念通り帝国の報復をその身に受けることになり、砲撃によって命を落とした。[1] モン・カラの反乱によって反乱同盟に加わったモン・カラマリのスター・クルーザーは同盟宇宙軍の屋台骨となり[6]、マコ=タ宇宙ドックで軍艦としての改修を受けた。[1] しかし新艦隊が完成した直後、彼らはトリオス女王の裏切りと帝国軍デス小艦隊の奇襲によって再び窮地に立たされることになった。[7]
制作の舞台裏[]
モン・カラ貿易艦隊は2018年に発売された正史のコミック『スター・ウォーズ:モン・カラの反乱』(キーロン・ギレン作、サルバドール・ラロッカ画)で初めて登場した。[1] キーロン・ギレンは CBR のインタビューに対し、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のエンドアの戦いに登場したモン・カラマリ・クルーザーの出自を描くことが、『モン・カラの反乱』の主旨のひとつだと語っている。この時代のモン・カラを描くにあたり、ギレンは第二次および第三次ポエニ戦争の頃のカルタゴをイメージしたという。ギレンいわく、カルタゴはモン・カラと同じく武力は無かったが貿易を許されており、貿易がうますぎたためにローマの注意を引き、戦争になったとされる。モン・カラはそこまでの段階には至っていないとはいえ、ギレンの考えでは彼らは帝国の占領下にありながら“銀河一の貿易艦隊”なのだという。[8]
登場作品[]
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 スター・ウォーズ:モン・カラの反乱
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原
- ↑ 3.0 3.1 3.2 スター・ウォーズ タイムライン
- ↑ Star Wars: Armada – Profundity Expansion Pack (Card: Mon Calamari Exodus Fleet)
- ↑ スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ
- ↑ 6.0 6.1 6.2 スター・ウォーズ:銀河系を変えた戦い
- ↑ スター・ウォーズ:希望は死せり
- ↑ Marvel's Star Wars Comic Explores Mon Cala, Admiral Ackbar's World - CBR