【考察】D23EXPO予告編特別映像を観たエピソード9予想
2019年8月23日から25日に米・アナハイムでディズニーのイベント「D23 EXPO」が開催され、今年12月に公開される『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』の特別映像が公開されました。これまで、エピソード9は予告編とこの特別映像2本の映像が公開されていますので、それを元に最新の予想をしたいと思います。
エピソード9のタイトルは『スカイウォーカーの夜明け(原題:The Rise of Skywaker』)です。「RISE」には「夜明け」の他に「昇る」「出る」「上昇する」「舞い上がる」「飛び立つ」などの意味があり、スカイウォーカーが再び勃興するというような意味が含まれています。しかし、一方で、監督のJ・J・エイブラムスやプロデューサーのキャスリーン・ケネディは、エピソード9でスカイウォーカーの物語は完結すると明言しています。
スカイウォーカーの物語が完結するとは、どういう意味でしょうか。素直に受け取れば、スカイウォーカー一族の終焉と考えられます。すでに次の三部作の制作も発表されていますが、もしスカイウォーカーの血を引く登場人物が生き残れば、観客は、その登場人物か子孫の活躍を期待するでしょうし、それではスカイウォーカーの物語が完結したとは言えないと考えられます。
現在、スカイウォーカーの血を引くキャラクターで生き残っているのは、レイア・オーガナとカイロ・レン(=ベン・ソロ)の二人です。本作では、この二人の死が描かれると予想します。
それでは、エピソード9はどのようなオープニングスクロールから始まるのでしょうか。エピソード8はエピソード7の直後から始まるという過去にない時間経過でしたが、今回は過去の通例を参考に、前作から数ヶ月〜半年程度が経過したものと予想します。 …
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の感想(完全版)
- 1 今回もYahoo!映画レビューで書いた感想の完全版
- 2 散りばめられたオマージュの数々
- 3 ダース・モールの再登場
- 4 『SOLO』に込められた意味
6月29日の封切りと共に2回連続観てきました。率直に言えば、面白かったです。ただ、興行成績が振るわなかった理由もよく理解できます。今回もYahoo!映画レニューで書きました が、じっくりと掘り下げていきましょう。 まず、興行成績が振るわず、『スター・ウォーズ』シリーズで初の赤字作品とまで言われる理由ですが大きく分けて二つあると思います。ひとつは、途中でフィル・ロード&クリス・ミラーが降板し、大部分の撮影をやり直したことでしょう。ロードとミラーがどんな世界観を描こうとしていたかは分かりません。しかし、赤字覚悟で撮影をやり直すくらいですから、ルーカスフィルムが容認できないよほどの理由があったのではと思います。予告編と本編で内容が違うことは映画界では多々ありますが、『ハン・ソロ』は話の根幹が違うくらい予告編と本編で内容が異なっています。これだけでも、制作陣がいかにドタバタと方向転換を強いられたのかが分かるところです。 二つ目は、ファンが『スター・ウォーズ』に求める”予定調和”が無かったことだと思われます。具体的には、「ライトセーバーとフォース」「壮大な宇宙戦」の2つです。「ライトセーバーとフォース」に関しては、ジェダイ騎士団が滅んだ直後の話ですし、シスもダース・ベイダーとダース・シディアスしかいませんから、そもそもライトセーバーとフォースの使い手があんまりいない時期です。無理やり出すならオーダー66を生き延びたジェダイなどになると思いますが、『新たなる希望』でハン・ソロはジェダイもフォースも信じていないので会わせるわけにもいかず、どうしようもな…
【考察】レイアがルークに語った母親とは誰か
- 1 エンドアにおけるルークの告白シーン
- 2 ルークとレイアのその後の違い
- 3 ベイル・オーガナとパドメ・アミダラ
- 4 改めて、レイアの語る母親が誰かを考える
- 5 ルークとレイアにとっての両親
『エピソード6/ジェダイの帰還』で惑星エンドアにおいて、ルーク・スカイウォーカーは自らの父親であるダース・ベイダーと二度目の対面を果たす覚悟を決め、レイアと二人きりになります。誤解がないように、まずはここでの会話を英語の原文で改めて記しておきましょう。
Luke: Leia, do you remember your mother, your real mother?
Leia: Just a little bit. She died when I was very young.
Luke: What do you remember?
Leia: Just images really, feelings.
Luke: Tell me.
Leia: She was, very beautiful, kind, but sad. Why are you asking me this?
Luke: I have no memory of my mother. I never knew her.
上記の会話を日本語に直訳します。
ルーク「レイア、君はお母さんのことを覚えている?本当のお母さん」
レイア「少しだけ。私がとても小さい頃に亡くなってしまったから」
ルーク「何を覚えてる?」
レイア「本当に感覚のイメージだけなの」
ルーク「教えて」
レイア「彼女は本当に美しくて優しかった。だけど悲しそうだった。なぜこんなことを聞くの?」
ルーク「僕にはまるで母親の記憶がない」
ルークとレイアの実の母親はパドメ・アミダラです。しかし、ルークとレイアの誕生日…
【コラム】リヴァー・フェニックスのオビ=ワンが観たかった
1970年生まれのリヴァー・フェニックスは、1985年に映画デビューすると翌86年公開の『スタンド・バイ・ミー』で一躍有名になり、その後も着々とキャリアを積み重ね1989年にはジョージ・ルーカス製作総指揮の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』で若き日のハリソン・フォードを好演しました。しかし、1993年にジョニー・デップが共同経営していたロサンゼルスのザ・ヴァイパー・ルーム入口付近で麻薬の過剰摂取が原因だと思われる心不全で壮絶な死を遂げてしまいました。親友であるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト・フリーが死を看取ったとされています。こうして、23歳の若さでリヴァー・フェニックスは伝説になってしまいました。
当時のジョージ・ルーカスのインタビューなどを読むと、彼がいかにリヴァー・フェニックスを気に入っていたかが分かります。映画監督は、自分の理想を体現できる役者に惚れると言いますが、ルーカス監督にとってはリヴァー・フェニックスがまさにその人だったのではと思います。
『エピソード4/新たなる希望』でジェダイを「カビの生えた宗教だ」とあざ笑うハン・ソロの台詞を聞いて、オビ=ワン・ケノービは穏やかに笑って聞き流します。その時の表情は、とても包容力があって温かい。オビ=ワンが昔の自分のようだと思って微笑んでいるように私には見えます。また、『エピソード5/帝国の逆襲』では、ヨーダがルークに「すぐにカッとなる」と言うとオビ=ワンは「私もそうでした」と発言します。また、「無謀なだけだ」の後も「私も同じです」とフォローを入れているのです。まだオリジナル・トリロジーしか世に出ていなかった頃、ファンは若き日のオビ=ワン像と現在のハン・ソロを重ねたものです。
若き日のオビ=ワンがハン・ソロのよう…
【考察】父親を求めていたアナキン
『スター・ウォーズ』作品のなかでアナキン・スカイウォーカーが父親という言葉を口にする場面が何度かあります。師であるオビ=ワン・ケノービには「あなたは父親に最も近い存在です」と言い、パドメには「父親同然だ!」と話しています。幼少期を奴隷として惑星タトゥイーンで過ごしていたアナキン・スカイウォーカーは、母シミ・スカイウォーカーとの母子家庭で育ちました。アナキンにとって父親とは憧れの存在だったのかもしれません。
この頃のアナキン少年にとって父親に最も近い存在は主人のワトーだったと思われます。『エピソード2/クローンの攻撃』でアナキンと再会したワトーは成長を喜んでいて『エピソード1/ファントム・メナス』においても「片付けたら帰っていい」とそれなりの愛情を持って接していることが分かります。しかし、ギャンブル狂いの小さなトイダリアンはアナキンにとって尊敬できる対象ではなかったようです。
ジョージ・ルーカス監督のきめ細かさや繊細さがその後の展開で実に巧妙に描かれています。元来、アナキンはクワイ=ガン・ジンが自分のパダワンとして引き取るはずでした。熟練のジェダイ・マスターであるクワイ=ガンは年齢的にもアナキンの父親になれる存在だったのです。しかし、ダース・モールとの戦いで命を落としてしまったのでジェダイ評議会はオビ=ワンにアナキンの訓練を任せます。当時のオビ=ワンの年齢はアナキンの父親としては若すぎます。アナキンは父親をオビ=ワンに求める一方で、オビ=ワンにとってアナキンは親友であり弟のような存在だったのです。兄弟もまた素晴らしい関係ですが、兄弟はライバルにもなり得ます。
- 「弟だと思っていた!」
- ーオビ=ワン・ケノービ(エピソード3/シスの復讐)
こうした微妙な年齢のギャップがあるうえに、才能豊かな…