- 「こちらは反乱同盟軍のラダス提督だ。全中隊長、報告を」
- ―ラダス[出典]
ラダス(Raddus)はモン・カラマリの男性で、銀河内戦期に共和国再建のための同盟の艦隊に仕えた提督である。MC75スター・クルーザーの<プロファンディティ>を旗艦にしていた。惑星モン・カラの寒冷な極圏地方出身であるラダスは、銀河共和国の時代、水中都市ニスタラムの市長を務めるかたわら、モン・カラの惑星防衛軍にも仕えていた。銀河帝国によってモン・カラが占領された際、ラダスはリー=チャー王に命じられ南極圏防衛戦を指揮した。ラダスはモフ・ウィルハフ・ターキン率いる侵略部隊を相手に善戦したが、最終的にモン・カラマリ王国は帝国に敗北し、水中都市を構成する“シティ=シップ”はラダスの指揮のもと次々と宇宙空間へ脱出した。
その後、ラダスは反乱運動に参加した最初のモン・カラマリ将校のひとりとなった。モン・カラのシティ=シップはテラリス星系で同盟軍の主力艦として改造され、ラダス提督の<プロファンディティ>は真っ先に戦闘準備を完了した。ラダスは同盟軍最高司令部のメンバーだったが、艦隊で活動していることが多く、特に重要な会議のとき以外で衛星ヤヴィン4のベース・ワンにいることはごくまれだった。モン・カラの寒冷な深海で育ったため極めて実用主義的な性格の持ち主だったラダスは、正義や自由といった叙情的な言葉を弄する役目は他の者に任せ、ノワー・ジェベルをはじめとする同盟市民政府の一部メンバーから提唱された帝国との交渉案には反対の姿勢をとっていた。
1 BBY、ジン・アーソらの報告により、ジェダの聖都が銀河帝国の新型超兵器デス・スターによって破壊されたことが明らかになったとき、ラダスはジンの意見に同調し、帝国との開戦に踏み切るべきだと主張した。同盟市民政府は戦いを回避することに決めたが、ジンやキャシアン・アンドー率いるローグ・ワン分隊が独断でスカリフの戦いを起こすと、ラダスは市民政府の判断を待たず援軍を率いて戦場に向かった。スカリフの大気圏内にブルー中隊を送り込んだ後、ラダスの艦隊は惑星軌道で帝国宇宙軍と交戦した。また、ラダスはスフィルナ級ハンマーヘッド・コルベット<ライトメイカー>による体当たりで2隻のインペリアルI級スター・デストロイヤーを衝突・落下させ、スカリフ上空のシールド・ゲートを破壊した。ラダスの作戦が功を奏し、<プロファンディティ>は地上のローグ・ワンからデス・スター設計図のデータを受信することに成功した。しかしラダス自身はこの戦いを生き延びることができず、旗艦と運命をともにした。
経歴[]
生い立ち[]
モン・カラマリ種族の男性であるラダスは、65 BBYに[1] アウター・リム・テリトリーに属す[6] 海洋惑星モン・カラの寒冷な極圏領域で生まれた。[7] 彼はモン・カラ北部の浮氷塊の下にある水中都市ニスタラムの市長を務めると同時に、モン・カラの惑星防衛軍にも参加していた。[1]
モン・カラ脱出[]
18 BBY、ラダスはモン・カラマリ王国を率いるリー=チャー王と銀河帝国の交渉の場に出席した。帝国のモフ・ウィルハフ・ターキンはインペリアル級スター・デストロイヤー<ソヴリン>を惑星軌道に停泊させ、テルヴァー大使をリー=チャー王の待つダック・シティの宮殿へ送り込んだ。“謎の顧問”にそそのかされたリー=チャーは、大使が突きつけた帝国の不条理な申し出を拒絶した。ラダスもまた、帝国がスター・デストロイヤーを軌道に待機させていることに不満を述べた。会談が終わった後、ラダスはモン・カラの帝国離脱の可能性について意見を交わしたが、2人の会話はシス卿ダース・ヴェイダーと3人の尋問官の到着によって遮られた。保安主任のギアル・アクバーが彼らの来訪に抗議したが、間もなくテルヴァー大使の乗るインペリアル・シャトルが爆破され、帝国によるモン・カラ侵略の口実ができた。[4]
ラダスたちは知らなかったが、大使を暗殺したのは帝国ではなく、リー=チャーの顧問であるオーダー66の生存者、ジェダイ・パダワンのフェレン・バーだった。バーは銀河系全土に反乱の火種を撒くためなら、モン・カラを犠牲にしても構わないと考えていたのである。大使暗殺の報せを受けたターキンは、モン・カラを占領するため部隊を降下させた。ラダスやリー=チャー、アクバーのいるダック・シティでも間もなく戦闘が始まった。モン・カラマリの軍隊は水中でこそ真価を発揮できるため、王は水上都市の放棄を命じた。ラダスは都市を敵に明け渡すことに抗議したが、リー=チャーはこれは降伏ではなく戦略的撤退だと告げ、ラダスには南半球、アクバーには北半球の防衛戦を指揮するよう命じた。間もなくダック・シティは帝国に制圧されたが、王が事前に計画していたとおり、巨大な魚類クリーチャーがこの水上都市を帝国軍もろとも壊滅させた。これにより着陸拠点を失った帝国は、スカイ=ベースを使った惑星侵攻を余儀なくされた。[4]
南極圏防衛戦を任されたラダスは、帝国の侵略軍に対して2つの戦略を採用した。1つはモン・カラマリとクオレンの戦士たちが水中都市に立てこもり、慣れない水中の戦場に派遣された帝国軍を水路という水路で待ち受けるというもの。そしてもう1つは、海洋のあらゆる領域に部隊を散開させて敵をばらばらにし、補給の労を強いるというものだった。またラダスはモン・カラ貿易艦隊の5隻のスター・クルーザーと小型の宇宙船の偏向シールドをひとつに連結し、帝国の攻撃を防ぐ巨大なシールド・バブルを水中につくり上げた。<ソヴリン>から帝国軍を指揮するターキンもラダスの戦略を称賛し、ラダスの部隊はいまや要塞と化していると評価した。[4]
ラダスのクルーザー艦隊はしばらくのあいだ帝国軍を寄せ付けず戦い続けた。一方、ターキンは軌道のスター・デストロイヤーから北半球への軌道爆撃を開始した。ターボレーザーからの砲撃で多数の水中入植地が破壊され、数十億もの住民が命を落としたが、ラダスは有利な戦線を維持するため戦闘続行を選んだ。しかしリー=チャーは帝国の無慈悲な虐殺に恐れをなし、ターキンを止めるため全ての軍隊に停戦を命じ、ラダスを驚かせた。ターキンは王が降伏の意志を伝えても攻撃を続行し、間もなく南半球も爆撃の対象になった。これを受け、ラダスは封鎖突破に備えて宇宙船のシールド・リンクを解除するよう命じた。部下は非軍事船で故郷を去ることに疑問を呈したが、ラダスはここで帝国にやられるよりマシだと答え、脱出できればまたこの星に解放者として戻ってくる希望も生まれると答えた。5隻のクルーザーのうち3隻は脱出に成功し、2隻は惑星上空で撃墜された。[4]
戦いの結果、モン・カラは帝国によって占領され、リー=チャー王は捕虜となってストロキル・プライムに収監された。[8] しかしクローン戦争の厳しい経験から教訓を得ていたモン・カラマリは、集団脱出の可能性に備えていた。“シティ=シップ”と呼ばれる、モン・カラの水中都市を構成していた宇宙航行可能な建造物群は、帝国による占領時に宇宙空間へ飛び立った。ニスタラムの政府タワーだった<プロファンディティ>も脱出に成功した。主にニスタラムの防衛スタッフたちによって運用されるこのスター・クルーザーは、ラダス提督の旗艦となった。[1]
同盟軍艦隊の提督[]
開戦支持者[]
ラダスは共和国再建のための同盟(反乱同盟)に加わった最初のモン・カラマリ将校の1人となった。[9] 彼は拡大を遂げる同盟宇宙軍の提督兼司令官となり、同盟の指導者であるモン・モスマ議長から軍部のもっとも重要な構成要素として評価されていた。モン・カラマリのシティ=シップを同盟軍艦隊の大黒柱となる主力艦につくり変えるべく、すぐに改修作業が始まり、真っ先に戦闘準備が完了した<プロファンディティ>はテラリス星系で雑多な船からなる艦隊に仲間入りした。またラダスは同盟軍での新しい任務に就いた後も、モン・カラ惑星防衛軍での活動を示す文官の紋章を胸から外さなかった。[1] 1 BBYの時点で、ラダスには数十名にのぼる曾孫がいた。[5]
ラダス提督は同盟の軍事指導者の1人として同盟評議会にも参加していた。[9] 彼は主に艦隊と行動をともにしていたため、衛星ヤヴィン4に置かれた同盟軍基地ベース・ワンを訪れることは稀だったが、それでも評議会にとって重要な議題が話し合われる会議には参加が求められた。[1] 彼らは帝国による支配からの解放という同じ目的のために集まった仲間ではあったが、戦場における戦略から新兵募集の方法に至るまで、現場のあらゆる詳細な問題についてメンバーの意見が衝突した。[9] 根っからの現実主義者であるラダスは、ノワー・ジェベル財務大臣が提唱しているような帝国との交渉案は馬鹿者の夢だと考えており、評議会の議論にうんざりしていた。また寒冷地出身のモン・カラマリは熱帯出身の同胞より血が濃くて丈夫とされており、ラダスは反乱軍評議会の仲間たちが自分を過小評価しないよう、この噂が広まることを喜んでいた。[1]
1 BBY、帝国の兵器設計者であるゲイレン・アーソの娘、ジン・アーソがベース・ワンにやってきた際、ラダスは同盟評議会の会議に参加した。ジンは父親が設計した帝国の超兵器デス・スターについて説明し、ジェダの聖都もこの新兵器に破壊されたと報告した。[3][5] ジンがここに来るまでの経緯を説明した際、ラダスは彼女とソウ・ゲレラの最初の別れについてより詳細な説明を求めた。[5] 評議会のメンバーはジンの説明に懐疑的、もしくは否定的で、ジェベルはデス・スターの存在自体を疑い[3]、ティンラ・パムロ教育大臣[1] は超兵器が実在するなら同盟軍に勝ち目はないと主張した。しかしジンは、デス・スターを破壊するのに必要な設計図が惑星スカリフの帝国安全管理施設に保管されていると語り、ジェダの二の舞になりたくなければスカリフに精鋭部隊を送る必要があると訴えた。ラダスはジンの意見に同調し、帝国に立ち向かうべきだと主張したが、モスマは評議会の総意が得られない以上開戦を選択することはできないと結論を下した。[3]
議論が終わった後、反乱同盟のメンバーであるオルデランのベイル・オーガナ元老院議員は、避けられない戦いに備えて惑星タトゥイーンに隠遁しているジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービに手助けを求めることに決めた。[5] ラダスはオビ=ワンのもとへ派遣されることになったベイルの養女、プリンセス・レイア・オーガナをタトゥイーンまで護衛する任務を仰せつかった。[10] この時、レイアのCR90コルベット<タナヴィーIV>は修理のためラダスの<プロファンディティ>に着艦していた。[5]
スカリフの戦い[]
- 「ハンマーヘッド・コルベットを呼べ。わしに考えがある」
- ―ラダス[出典]
会議の後、ベース・ワンにて、ラダスはジンが反乱軍コマンドー数名や帝国のシャトルとともに姿を消したことを部下から知らされた。ラダスはもし彼女たちが設計図を奪取しに行く気なら助けが必要になると考え、<プロファンディティ>に戻って出発の準備をするよう部下に命じた。その後、ラダスは“ローグ・ワン”を自称するジンたちのチームがスカリフで戦いを起こしたことを旗艦のブリッジで知り、即座に出発を命じた。[11] その頃、地上の基地でもテンジゴ・ウィームズ兵卒[1] が帝国の通信を傍受し、スカリフで反乱軍と帝国軍の衝突が起きていることを突き止めた。その報告がモン・モスマに届く頃には既に、ラダスは<タナヴィーIV>を係留したままの<プロファンディティ>で戦いに備えていた。基地ではスターファイター隊の緊急出動が行われ、<プロファンディティ>はハンマーヘッド・コルベットやGR-75中型輸送船、ネビュロンBフリゲート、ドーニアン・ガンシップといった軍艦で構成される艦隊や、レッド、ブルー、ゴールド[3]、グリーン中隊[1] の戦闘機とともにハイパースペースへジャンプした。[3]
シールド・ゲートに守られたスカリフの軌道に到着した後、ラダスはスターファイターの中隊長たちに点呼を求め、レッドおよびゴールド中隊には艦隊の防衛を、ブルー中隊にはゲートを突破して地表へ向かうよう命じた。[3] また彼は2隻のインペリアル級スター・デストロイヤーを相手にするレッドおよびゴールド中隊のために艦隊の3分の1ずつを援護に回し、残りは敵の援軍が到着した場合に備えて退路の確保に割いた。これはネクセイターやカーサンザの戦闘で使った戦略を組み合わせただけの単純な作戦だったが、ラダスは勝利を目的とした戦略よりも先制攻撃を重視した。[5] ブルー中隊の戦闘機が数機通過した後、ゲート士官によってゲートが封鎖され、地上と軌道の戦場が隔離された。ラダスは地上との通信を絶えず試みるよう部下に命じ、スター・デストロイヤーの撃破に取り掛かった。一方、帝国軍は大量のTIEファイター部隊をゲートから出撃させて反乱軍に応戦した。<プロファンディティ>はTIEの攻撃でシールドが50パーセントまで消耗したが、ラダスはもはや退却は無いと断言し、戦いを続行した。[3]
戦闘中、戦闘を覆すチャンスを感じ取ったラダスは、近隣の全船に<ハートバウンド>と<デヴィアント>を護衛してスター・デストロイヤーの注意を引くよう命じた。その結果[5]、ジョン・ヴァンダー隊長率いる[1] ゴールド中隊のYウイング・ボマーに突破口が開き[5]、スター・デストロイヤー<パーセキュター>をイオン魚雷で機能停止させることに成功した。その直後、地上にいるローグ・ワンの一員ボーディー・ルックから<プロファンディティ>に通信が入った。ボーディーは仲間がデス・スター設計図を手に入れたことを報告し、そのデータを軌道に送信するには、シールド・ゲートを破壊する必要があると知らせた。[3] 通信が切れた後、ラダスは重度の損傷を負ったため退却ルート維持に回されていたケイドー・オクォーネ艦長のハンマーヘッド・コルベット<ライトメイカー>を呼び、機能停止状態にある敵スター・デストロイヤーへの突撃を命じた。[5] ラダスの計画通り、コルベットと衝突した<パーセキュター>は玉突き式に近くのスター・デストロイヤー<インティミデイター>とぶつかり、大破した。[3] 破壊された2隻の軍艦はそのままスカリフの重力に引かれてシールド・ゲートに落下し、この環状宇宙ステーションを崩壊させた。惑星シールドが消滅すると、ラダスはすぐに地上の通信を受信できる位置に旗艦を移動させた。[5]
それから間もなく、ジン・アーソとキャシアン・アンドーが安全管理施設にそびえ立つシタデル・タワーのアンテナを使って設計図を軌道に送信した。<プロファンディティ>が設計図を受信した直後、グランドモフ・ターキン指揮するデス・スターがハイパースペースから姿を現した。ターキンはデス・スターの秘密を守るためスーパーレーザーでシタデル・タワーを砲撃し、まだ生き残っていたローグ・ワンのメンバーも全滅した。ローグ・ワンの死を悼んだ後、ラダスは全艦隊に撤退開始を命じた。しかしダース・ヴェイダーの旗艦<デヴァステイター>がハイパースペースから出現し、<プロファンディティ>を含む複数の宇宙船が逃げそびれてしまった。[3] <プロファンディティ>は<デヴァステイター>の砲撃で機能停止し[5]、ラダスも旗艦と運命を共にして命を落とした。[2] ヴェイダーは設計図を奪還するため自らラダスの旗艦に乗り込んだが、設計図が記録されたデータカードは反乱軍兵士の手を渡り、<プロファンディティ>とドッキングしていた<タナヴィーIV>のレイア・オーガナに届けられた。[3]
後世への影響[]
スカリフの戦いの後、<タナヴィーIV>は本来ラダスと一緒に行くはずだった[10] タトゥイーンに単独で旅した。設計図はオビ=ワン・ケノービに託された後、最終的にヤヴィン4のベース・ワンへ届けられた。その直後、反乱同盟はヤヴィンの戦いでデス・スターを破壊する大勝利を飾り、ラダスを始めとするスカリフの戦いで命を落とした者たちの犠牲が報われることになった。[12]
スカリフの戦いの数十年後、ギアル・アクバー提督の提案でレジスタンスのMC85スター・クルーザーに<ラダス>という艦名がつけられた。[13] この船はもともと<ドーン・オブ・トランクィリティ>という名の新共和国の軍艦だったが、退役後にレジスタンスの手に渡り、レイア・オーガナ将軍の旗艦となった。[2] 34 ABY、アミリン・ホルド中将が操縦する<ラダス>は惑星クレイトに避難する仲間たちを救うため、ファースト・オーダーのメガ級スター・ドレッドノート<スプレマシー>に光速ジャンプによる特攻を仕掛けて破壊された。[14]
人物[]
- 「ローグ・ワン、フォースとともにあらんことを」
- ―ラダス[出典]
数ある反乱分子のうちひとつを指揮するラダス提督は歯に衣着せぬ好戦的な指導者であり、無愛想で軽率と評価されることもあった。現実主義者であるラダスは、反乱分子の連携を阻害する要因になっていた些末な駆け引きを毛嫌いしていた。[1] その性格はしばしば反乱軍の同僚たちと摩擦が生じる原因となり、ラダスと同世代のモン・カラマリ軍人であるアクバーは、彼があまりに即興的で攻撃的すぎると同時は考えていた。しかしアクバーは数十年後に考えを改め、以前よりもラダスの戦略に敬意を持つようになった。[13] ジン・アーソが命令に背いて志願兵らとともにスカリフで戦いを起こしたことが明らかになった時、ラダスはすぐに旗艦の<プロファンディティ>と艦隊を率いて現地に駆けつけた。同盟軍艦隊の提督としてスカリフの戦いに参加したラダスは、デス・スター設計図のデータを受信することに成功し[3]、ヤヴィンの戦いにおける反乱同盟の勝利に間接的に貢献した。[12]
ラダスは同盟軍艦隊の組織化に貢献し、同盟の指導者であるモン・モスマからもその功績を評価されていた。しかしラダス自身は、同盟軍艦隊が持つ比類なき独自性が逆に弱点になることもあり得ると考えていた。ラダスの旗艦である<プロファンディティ>も、同盟の戦力となったことでクルーに種族の多様性が生まれたが、スカリフの戦い当時、彼はモン・カラマリ以外の種族がブリッジに搭乗している状況にまだ慣れていなかった。またラダスは、偉大な司令官は部下たちの死を心では悼むが、それを行動に現すべきではないと信じていた。そのため彼はスカリフの戦いで大勢の仲間たちの死を忍耐強く冷静に見守り、戦いの流れを変える機会を待ち続けた。実際、彼はその洞察力によってゴールド中隊がスター・デストロイヤーを爆撃するチャンスを作ることに成功した。[5]
ハンマーヘッド・コルベット<ライトメイカー>が自分の作戦で犠牲となった際、ラダスは曾孫にはコルベットの船長であるケイドー・オクォーネや乗組員たちの名前をとって名付けることを心の中で誓った。また彼はめったに畏怖や恐怖を抱く男ではなかったが、スカリフでデス・スターを目にした際には思いがけない恐怖を実感した。[5] そのデス・スターがスーパーレーザーでシタデル・タワーを攻撃し、ローグ・ワンが巻き添えになった際、ラダスは悲しげな表情を浮かべ、彼らがフォースとともにあることを祈った。[3]
制作の舞台裏[]
ラダスは2016年12月16日公開のアンソロジー映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のために制作されたキャラクターである。演者はポール・ケイシーで、アニマトロニクスのパフォーマーをパトリック・コマーフォード、声優をスティーヴン・サントンが担当した。ラダスの姿は2016年7月15日にセレブレーション・ヨーロッパで上映された動画で初めて公開された。『ローグ・ワン』のクリーチャー・エフェクト・スーパーバイザーであるニール・スキャンランによれば、ラダスのキャラクターは第二次世界大戦期にイギリスの首相を務めた政治家ウィンストン・チャーチルにインスパイアされているという。
もともとアクバー提督が『ローグ・ワン』におけるラダスの役回りを演じる予定だったが、2015年の映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』から連続でアクバーが登場するのを避けるため、ラダスという新キャラクターが作られた。またスティーヴン・サントンはウェブサイト Collider のインタビューに対し、ラダスの声のベースはチャーチルの声と、1970年の映画『パットン大戦車軍団』でジョージ・C・スコットが演じたジョージ・パットンの声の組み合わせだとコメントしている。
登場作品[]
- スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (初登場)
- ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー 小説版
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー ジュニアノベル版
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー コミック版
- スター・ウォーズ:モン・カラの反乱 (言及のみ)
- スター・ウォーズ 最後のジェダイ 小説版 (間接的に言及)
参考資料[]
- アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- スター・ウォーズ ローグ・ワン アルティメット・ビジュアル・ガイド
- スター・ウォーズ:ローグ・ワン:レベル・ドシエ
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック 増補改訂版
- スター・ウォーズ:オン・ザ・フロントライン
- スター・ウォーズ 最後のジェダイ ビジュアル・ディクショナリー
- スター・ウォーズ/最後のジェダイ クロス・セクション
- 最後のジェダイ:ローズ・ティコ:レジスタンス・ファイター
- スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- Admiral Raddus - 公式データバンク