- 「フォンドア・ホールクラフトは飛ばしたことがあるが、こんなのは初めて見る」
「今日は互いに驚くことばかりだな」 - ―キャシアン・アンドーとルーセン・レイエル[出典]
ルーセン・レイエルのフォンドア・ホールクラフト(Luthen Rael's Fondor Haulcraft)は反乱者のルーセン・レイエルが帝国時代に所有していた、大幅な改造が施された“フォンドア・ホールクラフト”ことV-21.1シヴレックスである。レイエルやその周辺人物はこの宇宙船を単に“フォンドア”(the Fondor)と呼んだ。コックピットにはフォンドア・ドロイド・モッドが備え付けられており、レイエルの副操縦士の役割を果たした。レイエルのホールクラフトは一見するとただの輸送船だが、弾道チャフ発射装置やレーザー・ビームといった秘密の対抗装置が搭載されていた。
特徴[]
- 「リバース・スタビライザーをスロットルに連動しろ」
- ―フォンドア・ドロイド・モッドに対し、ルーセン・レイエル[出典]
ルーセン・レイエルが所有したV-21.1シヴレックスはパイロット1名によって運用される輸送船で、コックピットに備え付けられた人工知能のフォンドア・ドロイド・モッドが副操縦士の役割を果たした。[5] レイエルは惑星コルサントでギャラリーを経営する古物商、そして反乱者のスパイ・マスターという二つの顔を持っており[7]、彼の船も一見するとただの輸送船だが[3]、実際は巧妙な改造が施され[2]、輸送船にあるまじき戦闘能力を有していた。[3] 帝国軍将校でも外見だけではこの船に大幅な改造が施されていることを見抜けなかったが[3]、普通のフォンドア・ホールクラフトを飛ばした経験があるキャシアン・アンドーは、レイエルの改造船に乗り込んだ際にその性能に驚いた。[7]
ドロイド・モッドは宇宙船の各種機能を制御しており、着陸や[7] 通信装置の制御、トランスポンダー・シグナルの起動といったさまざまな役割をこなすことができた。またレイエルの宇宙船にはIDを偽造するためにオルデラン通商同盟の船籍“12912505”を含む複数のトランスポンダー・コードが用意されていた。[3] 船内には秘密の仕切りがあり、その奥の部屋には鏡が設置され、レイエルがギャラリーの店主に扮するための衣類やかつらが収納されていた。[7] このホールクラフトに搭載された亜光速エンジンはトラクター・フォース2のビームで捕捉された状態でも少しずつ前進できるほど高い推進力を有した。[3] またホールクラフトにはハイパードライブが搭載されており[5]、ハイパースペース・ジャンプの計算完了時にはドロイド・モッドがレイエルに報告を行った。[3] また船内にはスピーダー・バイクを収容できるスペースがあった。[6]
ホールクラフトには様々な攻撃および対抗手段が満載されていた。船体上部にはレーザー砲塔が隠されており、照準装置を使えば自動で標的をロックオンし、銃撃を行うことができた。また船体後方にも普段は格納されている弾道チャフ発射装置が2基搭載されていた。このランチャーは小型の弾道チャフを大量に連射し、後方の敵に物理的なダメージを与えることができた。また船体の左右にはレーザー・ビームの放出装置があり、起動すればすれ違う敵船を切断することができた。この装置はパワーを溜めるのにある程度の時間を有したが、起動すれば至近距離におけるドッグファイトで敵戦闘機を撃退する際に効果を発揮した。[3] またレイエルのホールクラフトはステルス機能を有しており、銀河帝国が厳重に警戒している惑星でも気づかれずに出入りすることができた。[6]
歴史[]
スパイ・マスターの船[]
- 「フォンドアが無い。来る途中で裏を見てきた」
「余計なことはしないでもらえる?」 - ―ヴェル・サルサとクレヤ・マーキ[出典]
反乱者のスパイ・マスターであるルーセン・レイエルは個人的な輸送船として改造型のフォンドア・ホールクラフトを所有し、反乱運動のための任務や、反乱分子との会談のため銀河系各地へ旅する際に使用した。[3][8] 彼はコルサントで銀河古美術名品展というギャラリーを経営しており、普段はホールクラフトを店の裏に駐機していた。[3] 秘密の反乱ネットワークを運営するレイエルは、自分の船に不用意に人を乗せないよう心掛けていたが[9]、ヴェル・サルサをはじめとする一部の反乱者は彼の船やその駐機場を把握していた。[3]
5 BBY、レイエルはキャシアン・アンドーが所有するインペリアルN-S9スターパス・ユニットを購入するため[4](また場合によってはキャシアンを反乱運動に引き入れるため)[5] フォンドア・ホールクラフトで惑星フェリックスへ旅した。彼はホールクラフトをフェリックスの荒野に着陸させた後、徒歩でシャトルの港へ行き、そこからは民間のシャトル・フェリーで街のターミナルへ移動した。[4] その後、レイエルとキャシアンはプリオックス=モーラーナとの戦闘のすえ街から脱出し、スピーダー・バイクでホールクラフトの駐機場所に戻った。[5] フェリックスから離陸し、ハイパースペースへジャンプした後、レイエルは船内でキャシアンと交渉し、彼をアルダーニの作戦に引き入れた。レイエルはそのままホールクラフトでアルダーニへ向かい、アンドーを降ろしてヴェルに引き渡した後、コルサントに戻った。[7]
セグラ・マイロの戦闘[]
アルダーニの作戦の直前、レイエルは会ったばかりのキャシアン・アンドーをフォンドア・ホールクラフトに乗せたのは間違いだっただかもしれないとクレヤ・マーキに漏らした。[9] しかしいずれにせよ、アルダーニの作戦は成功に終わった。のちにレイエルは反乱分子パルチザンの指導者ソウ・ゲレラと会うため、フォンドア・ホールクラフトで惑星セグラ・マイロへ旅した。その間、ヴェル・サルサがレイエルのギャラリーを訪れた。ヴェルは店の裏手を事前にチェックし、レイエルがホールクラフトで出かけていることを把握していたが、クレヤはレイエルがどこで何をしているかを教えなかった。[3]
ソウ・ゲレラの基地での会談を終えた後、レイエルはホールクラフトで離陸し、コルサントのクレヤと連絡を取った。しかしその直後、彼はセグラ・マイロの軌道で帝国パトロール隊のキャントウェル級アレスター・クルーザーと遭遇した。クルーザーはホールクラフトの後方につき、エルク艦長がレイエルにIDの提示を求めた。レイエルは偽造のトランスポンダーIDを用意するようドロイド・モッドに命じ、オルデラン通商同盟の船籍を提示した。エルクはこの付近一帯はパルチザンの活動領域だと語り、レイエルのホールクラフトをトラクター・ビームでロックした。[3]
レイエルは即座に対抗装置の準備を開始し、ドロイド・モッドに命じて左舷のエンジンを噴射させ、アレスター・クルーザーとの距離を保ち続けた。エルクは部下に熱反応をチェックさせてホールクラフトの不審な行動に気づいたが、レイエルは全て手動で船を動かしているため指示に応じるのに時間がかかると言い訳した。間もなく帝国のクルーはホールクラフトのIDがオルデラン船籍であることを確認したが、エルクは部下の訓練も兼ねて乗船検査を行うよう副艦長に指示した。[3]
次の瞬間、レイエルはスラスターを噴射させ、船尾の弾道チャフ発射装置から大量の破砕チャフを射出した。チャブはアレスター・クルーザーのトラクター・ビーム放射装置を粉々にして破壊し、ホールクラフトをトラクター・フォースから解放した。エルクは航空大隊をクルーザーから発進させたが、ホールクラフトは船体に隠されたレーザー砲塔でTIE/ln制宙スターファイター1機とTIEボーディング・クラフト1機を返り討ちにした。その後、レイエルはアレスター・クルーザーのブリッジの正面を飛びぬけてターンし、残った2機のTIEファイターをレーザ・ビームで切断した後、ハイパースペースへ逃げ去った。[3]
その後[]
- 「撤退用意。フル・ステルスだ」
- ―フォンドア・ドロイド・モッドに対し、ルーセン・レイエル[出典]
セグラ・マイロの戦闘の後、レイエルはフォンドア・ホールクラフトで惑星フェリックスへ旅した。フェリックスではキャシアンの養母マーヴァ・カラーシ・アンドーの葬儀が予定されており、レイエルは葬儀に現れるであろうキャシアンを見つけて、口封じのため殺すつもりだった。前回と同様、レイエルは岩地にホールクラフトを駐機して街へ移動した。しかしマーヴァの葬送はリックス通りにおける住民の暴動へ発展し、レイエルは目的を果たせないままスピーダー・バイクでホールクラフトに戻った。ところが、街でレイエルの存在に気づいていたキャシアンが先回りし、船内で彼を待ち受けていた。キャシアンはレイエルが自分を殺しに来たことを知っていたが、仲間に加えてほしいと自ら志願し、レイエルはこれを受け入れた。[6]
制作の舞台裏[]
ルーセン・レイエルのフォンドア・ホールクラフトは Disney+ の実写TVシリーズ『キャシアン・アンドー』のために制作された。2022年8月1日、キャシアン・アンドー シーズン1の公式トレーラーが公開され、ホールクラフトの登場場面が初お披露目された。[10] 同年9月21日、レイエルのホールクラフトはシーズン1第2話『俺かもしれない』で初登場を果たした。[4]
登場作品[]
- キャシアン・アンドー – 俺かもしれない (初登場)
- キャシアン・アンドー – 報いの音
- キャシアン・アンドー – アルダーニ
- キャシアン・アンドー – やった側は忘れる
- キャシアン・アンドー – ナーキーナ・ファイブ
- キャシアン・アンドー – 道はひとつ (言及のみ)
- キャシアン・アンドー – フェリックスの娘
- キャシアン・アンドー – リックス通り
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 スター・ウォーズ:反乱の夜明け ビジュアル・ガイド
- ↑ 2.0 2.1 Luthen Rael - 公式データバンク
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 3.14 3.15 3.16 3.17 3.18 3.19 3.20 3.21 3.22 キャシアン・アンドー – フェリックスの娘
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 キャシアン・アンドー – 俺かもしれない
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 キャシアン・アンドー – 報いの音
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 キャシアン・アンドー – リックス通り
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 キャシアン・アンドー – アルダーニ
- ↑ Andor | Season 1, Episode 2 – Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 9.0 9.1 キャシアン・アンドー – やった側は忘れる
- ↑ Andor | Official Trailer | Disney+ スター・ウォーズ公式YouTube チャンネル