ロザル・アストロメク・ドロイド(Lothal astromech droid)、略称LADはロザル・ロジスティクス社が製造したアストロメク・ドロイドである。インダストリアル・オートマトン社のRシリーズを大まかな手本として設計されたこの安価なドロイドは決して同社の絶大なシェアを脅かす存在ではなかったものの、ロザル宙域で大変な成功を収めた。
特徴[]
概要[]
ロザル・アストロメク・ドロイド、略称LADはアウター・リムのロザル星系を業務拠点とするロザル・ロジスティクス社が製造したアストロメク・ドロイドの一種であり、インダストリアル・オートマトン社のR3ユニットといったRシリーズを大まかな手本として設計され、地元の誇りを込めて命名された。[1] 全長は1.04メートルで[2]、複雑なパーツや設計を採用しない安上がりな構造のおかげで[1] 体重は32キログラムであり[2]、他のアストロメクと比べてかなり軽かった。[1] また、このドロイドはRユニットと同じくインダストリアル・オートマトン社製のP2アストロメク・ユニット[5] に酷似していた。
ボディ[]
ロザル・アストロメク・ドロイドの駆動輪を含むシステムは簡単に分解し、修理・交換が可能だった。[1]

TIE/Dの概略図の青写真を映し出すロザル・アストロメク・ドロイド
ロザル・アストロメク・ドロイドはR3シリーズを設計の手本としていたため、頭部はドーム状で透明になっており、内部構造が透けて見えた。ただし、インテレックスIVプロセッサーは搭載されておらず、ごく標準的なドロイド脳が使用されていた。ロザル・アストロメク・ドロイドは頭部にある平坦なレンズ・カバーの下に、標準的な単一レンズの黒いフォトレセプターを装備した。[1] 青写真を投影できる個体も確認されている。[6]
ロザル・アストロメク・ドロイドは胴体の保護パネルの奥にアーク・ウェルダーや電気ショック・プロッド、汎用コンピューター・インターフェース・アーム、基本マニュピレーター・アームを収納していた。また、ロザル・アストロメク・ドロイドにはホロカム用ポートが他の数か所のアクセス・ポイントとともに内蔵されていたが、基本モデルにはカメラ本体は装備されていなかった。[1] 消火器を備える個体も確認されている。[4]
ロザル・アストロメク・ドロイドの脚は箱のような形状をしており、Rシリーズと同じく胴体左右に2本、中央に格納可能な1本備えた。インダストリアル・オートマトン社のアストロメクほど洗練はされていないが、メカニズムの信頼性は十分にあった。ただし、駆動輪はガタガタとうるさく、騒音は大きかった。[1]
用途[]

<ファントム>の整備を手伝うBG-81(右上)
ロザル・アストロメク・ドロイドは基本モデルであるため工具の数は限られていたが、他の工具を追加すれば特殊な用途にも対応できた。また、ロザル・アストロメク・ドロイドのドロイド脳には一往復分のハイパースペース座標を保持する能力があり、ナビゲーターとしても活躍した。更にこのドロイドのデータバンクは車両とスターシップの技術データを大量に読み込めることができた。ただし、ロザル・アストロメク・ドロイドは砂嵐に弱く、砂埃のひどい場所で使用するには向いていなかった。[1]
歴史[]
完成されたモデル[]
ロザル・ロジスティクス社は、まともなドロイドは中古でも高すぎるという頭客のニーズに応えるべく、安価なロザル・アストロメク・ドロイドとRQプロトコル・ドロイドを製造した。Rシリーズをもとに設計されたロザル・アストロメク・ドロイドは、決してアストロメク市場におけるインダストリアル・オートマトン社の絶大なシェアを脅かす存在ではなかったが、非常に完成されたモデルでもあり[1]、IA社の先進的なアストロメクには劣るものの、充分役に立つドロイドとして評価されていた。ロザル・アストロメク・ドロイドは生産元の[2] 惑星ロザルやアウター・リムの通商拠点ガレルで大変な成功を収めた。[1]
ロザル宙域のアストロメク・ドロイド[]
ロザル宙域で成功を収めたロザル・アストロメク・ドロイドはロザルやガレルで使用されていた。[1] また、スター・コミューター・シャトルST-45が行き来するキャピタル・シティ宇宙港やガレル・シティ宇宙港でも活動していた。[3]

ロザル・アストロメク・ドロイドのR1-D1
ロザルでジョーガン・フルーツ売りをなりわいとするとあるアグノートの店員はロザル・アストロメク・ドロイド[7] R1-D1[8] を所有していた。5 BBYのある日[9]、このドロイドはアグノートを逮捕しようとした銀河帝国のストームトルーパーによって蹴飛ばされた。その直後、ラサットのガラゼブ・オレリオスがトルーパーたちを倒し、アグノートとR1-D1を救った。[7]
5 BBY[10]、カンバーレイン・アレスコ司令官やマイルズ・グリント管理官に難癖をつけられていたヨーファーの横を一体の青いロザル・アストロメク・ドロイドが横切った。後にエズラ・ブリッジャーはスペクターズが強盗しようとした帝国の供給品ケースを614-AvAスピーダー・バイクに乗って横取りした。帝国と反乱者の両者から追われるエズラは危うくロザル・アストロメク・ドロイドを始めとする市民たちと衝突しかけたが、スピーダーを上昇させ、大事には至らなかった。[11]
反乱同盟軍[]
モン・カラマリの宇宙船エンジニア、クアリーはBG-81という名前のロザル・アストロメク・ドロイドを所有していた。4 BBY[12]、BG-81は惑星シャンティポールでBウイング・スターファイターの前身、プロトタイプB6の製作を手伝っていた。反乱者のパイロット、ヘラ・シンドゥーラが新型機のテスト飛行を行い、プロトタイプB6がアイバーの封鎖突破に貢献した後、反乱軍のためにBウイングを大量製造すべく、BG-81はクアリーとともに反乱軍艦隊を離れた。[13]

エズラたちはロザル・アストロメク・ドロイドのおかげで生存者を見つける事が出来た
2 BBY[12]、元シス卿のモールはフェニックス戦隊のスフィルナ級ハンマーヘッド・コルベットを襲撃し、遭難信号を受け取って駆け付けた<ゴースト>のクルーを待ち伏せし、ジェダイと交渉する際の人質として生け捕りにした。襲撃を生き残った1体のロザル・アストロメク・ドロイドが生存者の反乱軍トルーパーのそばでバイナリーを発していたおかげで、救助に向かったエズラとケイナン・ジャラスは彼らに気付くことができた。[14]
2 BBY[12]、スペクターズのエズラ、ケイナン、チョッパーはロザルの帝国軍兵器工場施設に潜入し、TIE/Dディフェンダーの概略図を盗み出した。暗号の解読が完了したサビーヌ・レンはロザル・アストロメク・ドロイドに概略図を投影させ、新型スターファイターのスペックを説明した。[6]

EXD-9によって破壊されたロザル・アストロメク・ドロイド
ロザル・アストロメク・ドロイドはチョッパー基地の倉庫でも使用されていた。[15] 2 BBY[12]、チョッパーとゼブはセンサー・マーカーの交換の際、機能停止したRQプロトコル・ドロイドと思わしきドロイドを発見し、チョッパー基地に持ち帰った。しかし、実はそのドロイドはプロトコル・ドロイドではなく、帝国の偵察ドロイドEXD-9であり、一時的に記憶を失っていた。基地の在庫管理を任されたEXD-9はやがて記憶を取り戻すと、チョッパーやRA-7プロトコル・ドロイドのAP-5、倉庫へ急行したゼブたちに襲い掛かった。格闘の末、左腕を失ったEXD-9は逃走し、倉庫で働いていたロザル・アストロメク・ドロイドを破壊して電力や部品を奪い取った。[15]
1 BBY[16]、フェニックス・リーダーのヘラ率いるYウイング部隊がある任務に出撃した。しかし情報が間違っていたせいで失敗に終わり、ダメージを負って衛星ヤヴィン4の反乱軍基地ベース・ワンに逃げ戻った。墜落は免れたがYウイングは放火した状態であり、1体のロザル・アストロメク・ドロイドが消火活動にあたった。[4]
パーツ取り[]
複雑なパーツが使用されていない上に解体するのが容易だった[1] ロザル・アストロメク・ドロイドはしばしば別のドロイドの部品として使用されていた。[17][18]
3 BBY[12]、とある惑星に築かれたホライズン基地で1人のアグノートの商人がドロイド・パーツ・ショップを運営していた。アグノートはピット・ドロイドやプロトコル・ドロイド、パワー・ドロイド、ジャンク品のRシリーズのほか、頭部の無いロザル・アストロメク・ドロイドを販売していた。[19]
2 BBY[12]、惑星マイカポで活動する反乱分子、アイアン戦隊に所属するR3シリーズ・アストロメク・ドロイドR3-A3の右脚はロザル・アストロメク・ドロイドのものが使用されていた。[17]
冷戦の時代、惑星キャスティロンにある<コロッサス>の護衛を行うエース中隊のアストロメク・ドロイドT3-K10や[20]、アント・ズィーの酒場で働いていたサービス・ドロイドの脚はロザル・アストロメク・ドロイドのものと酷似していた。[18] また、<コロッサス>で活動していたあるアストロメクのモデルの脚もロザル・アストロメク・ドロイドのものと形状が似ていた。[21]
制作の舞台裏[]
ロザル・アストロメク・ドロイドは2014年8月5日に発売された『ライズ・オブ・レベルス』[22]、及び同日に発売された『ゼブのレスキュー』で初登場を果たし[23]、同年8月26日に発売された『スター・ウォーズ 反乱者たち:ヘッド・トゥ・ヘッド』で名称が明らかになった。[2]
このドロイドはラルフ・マクォーリーが手掛けた[24] R2-D2のコンセプト・アートに酷似している。また、2015年にLEGO社から発売された『インペリアル・アサルト・キャリア 75106』には、帝国軍仕様のロザル・アストロメク・ドロイドのミニフィギュアが付属している。[25]
登場作品[]
反乱者たち – 戦いを呼ぶ者
- スター・ウォーズ 反乱者たち/反乱の口火
反乱者たち – 嘆きのドロイド
反乱者たち – 名パイロットの翼
反乱者たち – ドロイドと友情 (胴体、脚のみ)
反乱者たち – 運命のホロクロン
反乱者たち – アイアン中隊 (脚のみ)
反乱者たち – 内通者
反乱者たち – ゼブの名案
反乱者たち – 反乱組織の名の下に
反乱者たち – 攻撃の時 (脚のみ)
参考資料[]
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ビジュアル・ガイド (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ヘッド・トゥ・ヘッド (ロザル・アストロメク・ドロイドとしての最初の言及)
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 (ビジュアルのみ)
週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第25号 (銀河系ガイド:ロザル訪問) (ビジュアルのみ)
- 週刊スター・ウォーズ ファクトファイル: 第85号
週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第23号 (ドロイド仕様書:ロザル・レジスティクス社)
スター・ウォーズ ヘルメット・コレクション 67
- スター・ウォーズ:ドロイドグラフィー
BB-8とアストロメク・ドロイド – スター・ウォーズ・エンサイクロペディア
LEGO Star Wars Rebels (セット:75106 Imperial Assault Carrier)
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17
週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第23号 (ドロイド仕様書:ロザル・レジスティクス社)
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 スター・ウォーズ 反乱者たち:ヘッド・トゥ・ヘッド
- ↑ 3.0 3.1
反乱者たち – 嘆きのドロイド
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3
反乱者たち – 反乱組織の名の下に
- ↑
週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第28号 (宇宙飛行の秘密:アストロメク・ドロイド)
- ↑ 6.0 6.1
反乱者たち – 内通者
- ↑ 7.0 7.1
反乱者たち – 戦いを呼ぶ者
- ↑
Star Wars Rebel Attax (Card: R1-D1)
- ↑ 『戦いを呼ぶ者』は『戦う芸術家』と『惑星ロザルの少年』の間のストーリーであり、『スター・ウォーズ タイムライン』によればそれらは5 BBYの出来事である。
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ スター・ウォーズ 反乱者たち/反乱の口火
- ↑ 12.0 12.1 12.2 12.3 12.4 12.5 スター・ウォーズ タイムライン
- ↑
反乱者たち – 名パイロットの翼
- ↑
反乱者たち – 運命のホロクロン
- ↑ 15.0 15.1
反乱者たち – ゼブの名案
- ↑
Andor | Season 1, Episode 8 - Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org) (スライド6)
- ↑ 17.0 17.1
反乱者たち – アイアン中隊
- ↑ 18.0 18.1
レジスタンス – スカウト
- ↑
反乱者たち – ドロイドと友情
- ↑
レジスタンス – ドーザ・タワー
- ↑
レジスタンス – カズを捜して
- ↑
Star Wars Rebels: Rise of the Rebels - Disney.com
- ↑ Zeb to the Rescue
- ↑
週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第1号 (銀河系のなりたち:R2-D2のデザイン Part1)
- ↑
Imperial Assault Carrier 75106 - LEGO.com