ロードリフター・ドロイド(Loadlifter droid)、ロード・リフター・ドロイド(Load lifter droid)は貨物の運搬用にプログラムされた労働ドロイドの総称。単にロード・リフター、ロード=リフター(Load-lifter)とも表記される。この第5級ドロイドは低級で知能は低いとされながらも個性豊かな個体も多く存在し、形状や大きさも多種多様であった。バイナリー・プログラミング言語が使用されたロードリフターはバイナリー・ロードリフターに分類された。ロードリフターはハイ・リパブリック時代から新共和国時代にかけて、重い荷物や鉱石、スパイスの運搬作業に従事しており、時には建設ドロイドや他のドロイドの指揮官、ポーター、グランドキーパーとして使用されていた。ロードリフターの中には改造されて賞金稼ぎドロイドや科学者の助手として活動する個体もいた。
ロードリフター・ドロイドは惑星マプーゾやタトゥイーン、コルサントといった銀河系の各地で使用されていた。主なロードリフターの機種として銀河帝国が使用した00-99帝国軌道ロード=リフターや、新共和国が使用したCCL及びHV-7が挙げられる。また“パイレーツ・クイーン”マズ・カナタに仕えたHURID-327や、オマカで使用されたAG-1、AG-2、AG-3、パイク・シンジケートによってケッセルのスパイス鉱山で奴隷として使用されていたCC-4M及びJ3-55もロードリフターだった。
特徴[]
概要[]
- 「タイプIIロードリフターはまやかしだわ。暴力を振るうデモリッション・ドロイドを再利用して作られている」
- ―アソーカ・タノ[出典]
ロードリフター・ドロイド[1]、別名ロード・リフター・ドロイド[2] は貨物の運搬用にプログラムされた労働ドロイドの総称であり[3]、第5級ドロイドに分類された。[4] バイナリー・プログラミング言語が使われていたロードリフター・ドロイドはバイナリー・ロードリフターと呼ばれており[5]、CLLシリーズの[2] CLL-M2や[6] タイプIIロードリフター・ドロイドなどの機種が知られた。[7]
ロードリフター・ドロイドには男性と女性の2つの性別プログラムがあったが[8][9]、限られた知性しか持たず、低級であり、あらかじめ施されたプログラムに基づいて行動した。[3] またバイナリー・ロードリフターには声による単純な命令しか理解しない上に、知性が皆無なモデルもいた。[6] そのため彼らはかろうじてドロイドとして扱われ[2]、更に複雑な作業には、はるかに知能の高い労働ドロイドのモデルが必要とされていた。[2] 一方で上品なユーモアを持ち[8]、陽気な性格のロードリフターもいた。[1] しかし、中には故障や[10] 使用されたパーツが原因で攻撃的な性格になるモデルも存在した。このようなロードリフターは人々に危害を加える危険性が高く、制御ボルトの取り付けが推奨されていた。[7] ロードリフターはシンプルなマイク及びボキャブレーターや音響信号装置しか搭載していなければバイナリー以外に会話する方法が無かったが[6][8]、語彙が限られているもののベーシックで会話できる個体も存在した。[11]
ボディ[]
軍や工場で重量物や危険な貨物運びなどの作業に使用されるワーカー・ドロイドは、貨物の落下やちょっとした爆発事故ならば耐えられるよう設計されていた。ロードリフターもそのような労働ドロイドの一つであり[4]、頑丈な作りになっていたが、ホコリや泥が部品に詰まったり[12]、過剰な仕事に従事させすぎたり[13]、内部の回路が水に触れたりすると故障してしまった。[10] CLL-M2のボディは装甲で覆われており、特に肩や腕、脚はデュラスチールの厚板で保護され、耐久性の高い液圧機構で動作した。[6]
ロードリフター・ドロイドの腕には様々な種類があり、強力なハサミや[2]、耐久性が高くて補強された関節付きの業務用[14][8] マニピュレーターの指が付いた腕で[15] どんな種類の重い荷物も[14] 確実に掴んだ。後者に関しては物をつかんだ際に手が滑ることは滅多になかった。[15] ロードリフター・ドロイドの中にはペンチのように物をつかむ“手”が付いたモデルや[6] 木箱を運ぶ際にその下をスライドする機能がある強力な油圧式リムが付いたモデルも存在した。[2] 高身長のロードリフターの腕には、荷物を運ぶ際にバランスを取るために、2基のリパルサー・アンカー・ディスクや[8] リパルサーリフト・カウンターウェイトまたは通常のカウンターウェイトが付いていた。[6] リパルサー・アンカーはロードリフターの姿勢を真っすぐに補正する機能を持っており、バランスの悪い荷物を運ぶ時でもボディの一方に荷重をかけることができた。[8] リパルサーリフト・カウンターウェイトは通常のカウンターウェイトとは違いロードリフターが必要とするつり合いが瞬時に正確に生成し、ドロイドが歩くときも自動的に調節された。またこれは着脱の必要もなく、作業をより早く完了させることができた。[6]
ロードリフター・ドロイドの形状は多種多様であり、ヒューマノイド型のモデルもあれば[16]、旧式モデルの中には頭部が無く、楕円形の胴体に直接顔面が取り付けられているものもあった。[8] こうしたモデルのロードリフターは配線がむき出しなボディに、重量を配分する2本の足が付いていた。[1] 楕円形型ロードリフターは高身長であることからパルサーで平衡を維持する必要があり、メイン・レセプターが高所に配置されているため[14] ジャイロ=スタビライザーで安定を保った。[8] メイン・レセプターは円形で、楕円形のフレームの中に納まっていた。フレームの中にはメイン・レセプター以外にも小さなセンサーが1~3個配置されており、フレームの右上方面には大きな丸いセンサーがあった。メイン・レセプターの位置は個体によって異なり、上側に付いている個体もいれば、下側に付いた個体もいた。[17] 楕円形型ロードリフターの中には積み荷サポート・ジョイント付きの大型アームを備えている個体もいれば[1]、腕の代わりに金網のカゴがついている個体もいた。[18]
楕円形型ロードリフターの身長は2.26メートルであったが[12] CLL-M2はそれをはるかに超えており、通常の状態で4メートル、両手を広げれば6メートル近くだった。[6]
用途[]
ロードリフター・ドロイドの主な仕事は重い貨物を持ち上げて、ある場所から別の場所まで運ぶことであり[6]、特別なゲストのために重い手荷物を運ぶポーターや[8]、農場で栽培される巨大な野菜や[13] 鉱山で採掘される鉱石及びスパイスの運搬作業係として使用された。[12][18] 一方でロードリフターの中には本来の使用目的とは異なる仕事を担う者がいた。例えばHURID-327はポーター以外にも道路の草抜きや清掃を担当とするグランドキーパーも務めていた。[8] CC-4Mもかつては他のドロイドの指揮官として働いていた。[12] ハクシオン・ブルード賞金ドロイドは犯罪組織ハクシオン・ブルードが賞金首を狩るために再プログラムした楕円形型ロードリフターの総称であり、密輸品や盗んだドロイドのパーツから組み立てられていた。[19] 銀河共和国の科学者はCLL-M2を改造して腕の関節や高性能フォトレセプターなどを追加し、巨大生物を使用した実験の助手として利用した。[6] またCLL-M2は建設ドロイドとして使用されることもあった。[11]
歴史[]
ハイ・リパブリック時代[]
楕円形ロードリフター・ドロイドはハイ・リパブリック時代の[20] 382 BBY[21] には存在していた。[20]
惑星オマカの農民、ルーグは老齢のため、野菜のガムゴードの手作業での収穫ができなくなってしまった。そこで彼はロードリフター・ドロイドのAG-1、AG-2、AG-3を造って収穫作業を代行させた。[13] しかし232 BBYに[22]、ドロイドたちは農作業での過労で異常をきたし、3人のジェダイ・イニシエイトたちが解決するまで、村でトラブルを起こすようになってしまった。[13]
共和国時代〜帝国時代[]
分離主義危機の少し前、サイボット・ギャラクティカ社はCLL-M2バイナリー・ロードリフターを初めて導入した。このロードリフター・ドロイドは銀河共和国や分離主義勢力に提供された。やがて爆発物の運搬でロードリフターの荒々しいパワーと卓越した耐久地だけではなく、極めて高い精度で物品を扱える能力が求められるようになると、サイボット・ギャラクティカ社は[6] CLLシリーズよりも知能が高く[2]、繊細な動きが可能なピンサー・アームを持つIW-37ピンサー・ローダー・ドロイドの製造も始めた。[6]
CLL-M2は共和国のみならず、独立星系連合や[23] 犯罪組織パイク・シンジケートによって使用された。[24] 一方で、銀河共和国末期に使用された、タイプIIロードリフター・ドロイドはデモリッション・ドロイドのパーツが再利用されたバイナリー・ロードリフターであり、しばしばコルサントのアンダーワールドで不道徳なビジネスに利用されていた。[25]
銀河帝国はデス・スター・バトル・ステーションの建設に、ヒューマノイド型ロードリフターの00-99帝国軌道ロード=リフターを使用した。[16]
9 BBY当時[21]、鉱業惑星マプーゾにある採掘村では腕のない1体の楕円形ロードリフター・ドロイドが使用されていた。[26]
パイク・シンジケートの奴隷になる前、CC-4Mは氷の惑星で建設ドロイドの指揮官を務めていた。やがて惑星ケッセルのスパイス鉱山に連れてこられると[12]、彼はJ3-55をはじめとする楕円形ロードリフター・ドロイドや他のドロイド、有機生命体と共に酷使されるようになった。[18] 10 BBY [21]、トバイアス・ベケットのギャング団が未精製コアクシウムを手に入れるためケッセルにやってきた時、J3-55やCC-4Mを含む奴隷ドロイドたちは制御ボルトを外されてパイクの支配下から解放され、L3-37が率いる暴動に参加した。[17] その後CC-4Mは自由を勝ち取ることができた。[12]
新共和国時代[]
惑星タトゥイーンの町モス・エスパでも楕円形ロードリフター・ドロイドが使用されていた。そのユニットのボディは赤茶色と黄色で、右腕が外れていた。[27] 9 ABY[21]、大名ボバ・フェットとフェネック・シャンドが「ガーザのサンクチュアリ」が自分の庇護下になったことを経営者のガーザ・フウィップに伝えるため店へ向かった時、ロードリフターはフェットたちの進む方向と反対に移動していた。[27]
新共和国もCCLやHV-7をはじめとするロードリフター・ドロイドを使用していた。[28] 9 ABY頃[29]、新共和国防衛軍のヘラ・シンドゥーラ将軍と元ジェダイのアソーカ・タノはナイトシスター・モーガン・エルズベスの手がかりを追い、新共和国が管轄する惑星コレリアの解体工場を調査した。工場のコントロール・センターを視察した際、アソーカは施設で稼働しているドロイドの種類を地域スーパーバイザーのミン・ウィーヴァーに尋ねると、彼はその例としてCCLやHV-7のほかにIW-37、プロトコル・ドロイドを挙げた。[28]
砂漠の惑星ジャクーにあるニーマ・アウトポストでは、ロードリフターのほかにパワー・ドロイドやアストロメク・ドロイドがドロイドも中でもトップの人気商品だった。ジャクーのゴミ漁りレイはこのことを自身のサバイバル・ガイドに書き記した。[30] また、同じくジャクーに住むアベドネドのゴミ漁り、ルーダウンはジャンク屋アンカー・プラットの手下たちによって両腕を切り落された後、ロード=リフターの義手を取り付けられた。[1]
HURID-327は陽気な性格の楕円形ロードリフター・ドロイドであり[1]、ハイ・リパブリック時代から[20] 新共和国時代にかけて“パイレーツ・クイーン”マズ・カナタに仕えていた。彼は惑星タコダナにあるマズ・カナタの城でグラウンドキーパー兼ポーターとして働いていた。[8] 34 ABY[21]、HURID-327は惑星タコダナにあるマズ・カナタの城から出る際、密輸業者ハン・ソロ、廃品回収業者レイ、ストームトルーパーの脱走兵フィン、アストロメク・ドロイドのBB-8たちとすれ違った。[31]
登場作品[]
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参考資料[]
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