ヴァーラ(Verla)はフォース感応能力を備えた人間の女性で、銀河帝国が始まって間もない頃に、ジェダイ・パダワン・フェレン・バーに付き従った従者の1人である。他の従者たちと違ってフォースの力を備えていたヴァーラは、バーのもとでジェダイの訓練を積んでいた。バーは自身もパダワンでありながらヴァーラのジェダイ・マスターとなり、フォースを制御するすべを教え込んだ。バーの忠実な支持者だったヴァーラは、マスターが皇帝パルパティーンの統治に対する反乱運動を銀河系各地に広める手伝いをした。18 BBY、バーがモン・カラマリの王国を扇動して帝国に歯向かわせ、モン・カラ占領戦を引き起こした際、ヴァーラを始めとする信奉者たちも彼と行動をともにしていた。
帝国軍によるモン・カラの侵略が始まった後、バーとその信奉者たちはシスの暗黒卿ダース・ヴェイダー率いる尋問官たちによって追跡され、ヴァーラを除く信奉者はみな倒されてしまった。皇帝に仕えるジェダイ・ハンターたちは、ベル・シティでヴァーラとバーを追い詰めた。しかしバーはクローンによって構成されるパージ・トルーパーにフォースのマインド・トリックを仕掛け、尋問官をジェダイの生き残りと誤認させた。トルーパーたちがオーダー66を完遂するため尋問官と戦う間、ヴァーラはマスターとともにベル・シティからの脱出に成功する。その後、バーはヴェイダーと一対一の対決に臨み、ヴァーラには1人でこの海洋惑星から逃げるよう指示した。バーはこの弟子が誰か他の生存者のもとでジェダイの訓練を完了することを期待していたのである。
経歴[]
生い立ち[]
- 「付いて来たまえ。力の使い方を教えてあげよう」
- ―フェレン・バー[出典]
フォース感応能力を備えた人間女性のヴァーラは、クローン戦争が終結した後に、イクトッチイのジェダイ・パダワン・フェレン・バーと出会った。オーダー66の生存者であるバーは、シスが支配する銀河帝国に対して反乱運動を扇動することで、ジェダイ・オーダーの復讐を果たしたいと願っていた。バーはこの目的を達成するために信奉者たちを集めており、ヴァーラもその1人に加わった。ヴァーラはバーの信奉者たちの中でただひとりフォース感応能力を持っていた。ヴァーラの素質に気づいたバーは、事実上のジェダイ・マスターとして彼女の訓練を監督し、フォースの使い方を教え込んだ。18 BBY当時、バーのグループにはヴァーラの他にダレン、ニパルトゥ、オーヴェク、レブ、ステル、アストロメク・ドロイドのエンディーといった、それぞれ異なる理由で帝国に復讐心を持つメンバーがいた。[1]
モン・カラ占領[]
- 「一緒に来ないのですか?」
「別の戦いが待っているのでな。勝つつもりだ」 - ―ヴァーラとフェレン・バーの最後の会話[出典]
18 BBY、皇帝シーヴ・パルパティーンによる帝国設立から1年が過ぎた当時、ヴァーラと仲間たちはフェレン・バーに付き従い、海洋惑星モン・カラにある洞窟の隠れ家に身を隠していた。バーはこの星でリー=チャー王の顧問を務め、モン・カラマリ王国が帝国と敵対するよう密かな働きかけを行っていたのである。計画通り帝国軍によるモン・カラ侵略が始まると、バーは隠れ家で会合を開き、皇帝が送り込んできたシス卿ダース・ヴェイダーの正体が、元ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーであることをヴァーラたちに教え、自身の研究で明らかになったジェダイの大粛清の真実を語った。[1]
まもなく、リー=チャーがダック・シティの戦いで尋問官ナインス・シスターに捕まり、隠れ家の場所が帝国に知られてしまった。ヴァーラたちはモン・カラマリとクオレン種族の戦いぶりをホログラムで見守っていたが、すぐに戦闘準備を整え、隠れ家から出発した。しかし彼女たちが[1] 水中ターボ・スレッド・パイク[2] を使って洞窟の外にでると、すでに帝国の潜水艇がすぐそこまで来ていた。ヴァーラたちは帝国の攻撃をかわしながら最寄りの居住区であるベル・シティを目指し、その過程でニパルトゥとオーヴェクを失った。なんとか水中都市にたどりつくと、レブとステルが時間稼ぎを買って出て、ヴァーラとバー、ダレンは都市の奥を目指した。[1]
しかし彼らは行き止まりに突き当たって逃げ道を失い、尋問官シックス・ブラザー、ナインス・シスター、テンス・ブラザー、そしてパージ・トルーパー分隊に追い詰められてしまう。ダレンがシックス・ブラザーのライトセーバーで斬殺されると、ヴァーラは覚悟を決めて武器を構えた。しかしバーはライトセーバーを床に投げ、尋問官たちがジェダイだった頃の名前を呼んだ。そして彼は元クローン・トルーパーによって構成されるパージ・トルーパーたちに向かってマインド・トリックを使い、オーダー66を執行するよう命じた。バーの思惑通り、パージ・トルーパーは元ジェダイの尋問官に向かって一斉射撃を開始した。[1]
ヴァーラは尋問官が死んだら次は自分たちが標的になるのではと危惧したが、バーはヴァーラを抱え、敵の向こう側の出入り口まで跳躍した。トルーパーと死闘を繰り広げる尋問官を置いて逃げ出した後、バーはヨーダやオビ=ワン・ケノービ、クインラン・ヴォスといったジェダイがまだ生きている可能性があると告げ、生き延びて彼らに教えを請うようヴァーラに命じた。ヴァーラは、ダース・ヴェイダーとの決闘に向かうバーと分かれ、師匠に命じられた通り脱出手段を模索した。その後、バーはロイヤル・コマンド・バンカーでシスの暗黒卿に殺されたが、ヴァーラはクオレンの同志と合流を果たした。[1]
人物[]
- 「スカイウォーカーとは何者です? マスター・バー」
「知らぬのか? ヴァーラ、奴こそ渦中の人物だぞ」 - ―ヴァーラとフェレン・バー[出典]
ヴァーラは白色人種の人間女性で、髪は銀色、目は紫色だった。他の信奉者たちと同じく、彼女はフェレン・バーに忠実で、銀河系を銀河帝国の支配下から解放するという彼の目的に賛同していた。また彼女は忠実な弟子でもあり、マスターの命令には疑問を持たず従った。ヴァーラは非常に勇敢で、ベル・シティで尋問官に追い詰められた際には、敵を道連れにして自分も死ぬ覚悟を決めた。バーがパージ・トルーパーをフォースで欺くことに成功した際、ヴァーラはマスターがオーダー66を逆手に取り、まんまと脱出のチャンスを作ったことに驚きを隠せなかった。[1]
力と能力[]
- 「今こそ私の教えのすべてを行使する時だ、ヴァーラ」
- ―フェレン・バー[出典]
ヴァーラはフォース=センシティブであり、ジェダイ・パダワンであるフェレン・バーを事実上のジェダイ・マスターとして仰ぎ、その力を制御する方法を学んでいた。訓練を始める前、バーと出会った時点で、ヴァーラはすでにテレキネシスを使って小さい物体を持ち上げることができた。ヴァーラはフォースを使って跳躍するといった技術をマスターから学んでいたが、尋問官やパージ・トルーパーに追い詰められた際、その技術を使って逃げるという発想に至らず、バーに抱えられて脱出することになった。[1]
装備[]
- 「覚悟はできています、マスター。刺し違えてでも倒してやる」
- ―ヴァーラ[出典]
他の信奉者と同じく、ヴァーラはジェダイの装備に似たチュニックを身につけていた。また彼女は黒いブーツを履き、髪を後ろで結んでた。モン・カラの隠れ家から脱出した際、彼女は水中用のヘルメットとスーツを身につけ、水中ターボ・スレッド・パイクを移動手段として用いた。また彼女は先端に刃が付いた鉾のような近接武器で武装していた。[1]
制作の舞台裏[]
ヴァーラは2018年に発売された正史のコミック『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原』(チャールズ・ソウル作、ジュゼッペ・カムンコリ画)の第14号で初登場を果たした。第15号では、彼女の髪が誤って黒く塗られている。本シリーズの翻訳版単行本は、シリーズ前編との合本で、2019年にヴィレッジブックスから『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 潰えた遺産/燃える海原』というタイトルで発売された。[1]
登場作品[]
- スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 燃える海原 (初登場)