元老院ビル(Senate Building)は元老院ロタンダ(Senate Rotunda)や銀河元老院ビル(Galactic Senate Building)、あるいは元老院ドーム(Senate Dome)といった別名でも知られた惑星コルサントの巨大建築物である。ドーム型の建物の内部に銀河元老院会議場と呼ばれる巨大なアリーナがあり、何千人という元老院議員が一同に介して会議を行うことができた。元老院ビルは銀河共和国の立法機関である銀河元老院の本部であり、銀河帝国設立後は帝国元老院の会議場として機能した。
元老院ビルはギャラクティック・シティの心臓部、連邦地区の真ん中にあり、建物の正面入り口から元老院広場に向かって“コア創始者の大通り”が広がっていた。また、同じ地区内にはドーム型の元老院オフィス・ビル(共和国行政ビル)があり、元老院議員や最高議長の執務室はこちらに置かれていた。元老院ビルでは、フィニス・ヴァローラム議長の不信任決議や共和国グランド・アーミーの設立、ニュー・オーダー宣言といった共和国や帝国の政治史に残る重要なできごとがたびたび行われた。また帝国の設立直後には、ジェダイ・マスターのヨーダと皇帝ダース・シディアスが元老院ビル内の作業オフィスや会議場でライトセーバーの対決を繰り広げた。
特徴[]
- こちらの記事も参照: 銀河元老院会議場
銀河元老院の本部である元老院ビルは、銀河共和国の首都惑星コルサントのギャラクティック・シティ、連邦地区に建てられており[1]、コルサントの官庁街のなかでひときわ目を引く建物だった。元老ビルにはアリーナを思わせる巨大な会議場があり、何千という元老院議員が集まってここで会議を行った。入り口へ続く大通りの両脇には、共和国を形成したコア・ワールドの創始者(コア創始者)の像が立ち並んでいた。しかし元老院の設立から時が経ち、共和国を構成する知覚種族の多様性が増してくるにつれ、コア・ワールド由来の人間型の像は、共和国の現代的な象徴としてはもはや不適切ではないか、という指摘がたびたびなされるようになった。[2]
元老院ビルの外観は、成功裏に勢力を拡大していた当時の共和国の姿が反映され、円形ドームの直径は2キロメートルにも達していた。元老院ロタンダ(大広間)とも呼ばれるドーム内の巨大会議場には、共和国に加盟している各惑星を代表する1,000名以上の議員のために、多数のプラットフォーム(リパルサーポッド)が備わっていた。リパルサーポッドは会議場の中心にある議長の演壇を取り囲むように回旋状に並んでいた。議長の演壇は高さ30メートルで、共和国の最高議長と副議長、行政補佐官らがこの演壇につき、元老院の会議を統括した。それぞれの議員プラットフォームの背後には1キロメートルにも及ぶオフィス群が連なり、議員を補佐する何百人という職員たちがここで働いていた。元老院ビルでは、内部力学を考慮した設計が意思決定の効率化と迅速化の一助となっていたが、一方でこうしたプライベートな部屋やターボリフトの存在が、裏取引や公的説明責任の回避といった不正を促進していた。[2]
巨大会議場の真下には、議長の事務局と呼ばれる複数の部屋が存在していた。そのうちのひとつは議長の作業オフィスで、会議場の中心にある議長の演壇は、会議がないときはこのオフィスに収容されていた。[2]
元老院ビルを含む銀河元老院の関連施設では、青いローブに身を包んだセネト・ガードが最高議長や議員たちの衛兵を務めた。[5] 彼らは元老院ビルの風景に溶け込み、議員代表団のプラットフォームの入り口や、建物自体のエントランスに立って警備を行っていた。[3][4][6]
歴史[]
元老院ビルは、共和国創立初期に使われていた議会場に代わるものとして建てられた。かつての小さな議会場はある種の親しみやすさがあったが、元老院ビルは成功裏に勢力を拡大する共和国の姿を反映した壮大な建物だった。[2] 元老院ビルは銀河元老院の会議場としての役割を果たし、何千人という元老院議員がこのビルの会議場に集まり、共和国の諸問題について議論を交わした。[3]
32 BBY、ナブー危機のさなか、ナブーのパドメ・アミダラ女王によってフィニス・ヴァローラム最高議長に不信任案が提出された。元老院ビルの会議室では新議長選挙が行われ、ナブー選出のシーヴ・パルパティーンが新しい最高議長となった。[3]
22 BBY、分離主義危機の高まりを受け、共和国で軍隊創設法案の必要性が議論された。しかし投票日を前に、独立星系連合が惑星ジオノーシスでバトル・ドロイドの軍団を準備していることが発覚したため、ナブーのジャー・ジャー・ビンクス下級代議員がパルパティーン議長に非常時大権を与えるべきという動議を行った。元老院ビルに集まった議員たちはビンクスの提案に賛成し、大権を手に入れたパルパティーンはその場で共和国グランド・アーミーの設立を宣言した。その後、誕生したばかりの共和国軍はジオノーシスの戦いで初戦を飾り、クローン戦争が勃発した。[6]
クローン戦争期、独立星系連合を支持するユキアンのアーティスト、カス・アンロードスによって『2,000人の元老院議員』と題されたプロパガンダ・ポスターが制作された。このポスターには共和国の元老院ビルが大きく描かれ、「このビルの中には2000人の元老院議員がいる――君のことを気にかける者はいない」というテキストが書き込まれていた。
19 BBY、クローン戦争の終結に伴い、パルパティーン議長は元老院ビルに集まった議員たちの前でニュー・オーダー宣言を行った。これにより共和国は銀河帝国へ再編され、銀河元老院も帝国元老院として生まれ変わった。その直後、ジェダイのグランド・マスターであるヨーダが元老院ビルに侵入し、議長の作業オフィスで“皇帝”パルパティーンに対決を挑んだ。2人は戦いの舞台をオフィスから元老院会議場に移しながら、フォースやライトセーバーで火花を散らした。最終的にヨーダはパルパティーンの暗殺を断念し、元老院ビルから脱出した。[4]
帝国元老院は0 BBYに皇帝によって解体されたが[7]、元老院ビル自体はエンドアの戦いが行われた4 ABY当時もコルサントの街に残っていた。[8] エンドアの戦いの後、新共和国によって銀河元老院が再建されたが、新共和国はコルサントの元老院ビルを拠点とせず、加盟惑星の中で首都を輪番で交代していく方式を採用した。[9]
元老院ビル内の施設名・地名[]
登場作品[]
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参考資料[]
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック
- スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- スター・ウォーズ プロパガンダ:銀河系における扇動絵画の歴史
- スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ
- Star Wars THE GALACTIC EXPLORER’S GUIDE
- THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録