共和国保護委員会(Commission for the Protection of the Republic)、略称COMPORは銀河共和国時代の晩年に活動した、共和国政府の翼賛団体である。クローン戦争中に形成されたCOMPORは、独立星系連合と戦う共和国を支援するため、戦時下のプロパガンダ活動を展開した。この組織は長官の肩書を持つ者によって監督された。長官はCOMPORの指導者としての役割に加え、共和国の戦略諮問委員会の委員も兼任した。COMPORにはヴェンサン・シャスーやバイノ・ドートン、ハマ・エラッド、ドンクロード・オンストラスらをはじめとするアーティストたちも在籍し、委員会のためにさまざまなプロパガンダ・ポスターを制作した。
クローン戦争が激化していた頃、COMPORは共和国を率いるシーヴ・パルパティーン最高議長の権力拡大を後押しするため、分離主義勢力を完全に打ち負かすにはより強力な行政府が必要だと主張するロビイ活動を行った。戦争が終結した際、パルパティーン議長は自らを銀河皇帝と称し、第一銀河帝国の建国を宣言した。新政権の台頭を受け、COMPORはニュー・オーダー保護委員会(COMPNOR)として生まれ変わった。
歴史[]

クローン・トルーパーはCOMPORのプロパガンダ宣伝素材として利用された
銀河共和国時代の末期、分離主義危機をきっかけにクローン戦争と呼ばれる銀河規模紛争が勃発し、1,000年に及ぶ平和の時代が終わりを告げた。[4] そんななか、独立星系連合と戦う共和国政府を守るべく、愛国主義者たちによるポピュリズム運動として共和国保護委員会(COMPOR)が立ち上がった。銀河全域へ広がる内戦を背景に、COMPORはしだいに規模と影響力を増していき、ウィルハフ・ターキン提督やオーン・フリー・ター元老院議員、そしてシーヴ・パルパティーン最高議長といった高階級将校・政治家たちとも繋がりを持った。[1]
クローン戦争中、COMPORの長官は戦略諮問委員会の委員を兼任していた。ジオノーシスの戦いから1年も経たないうちに、COMPOR長官は共和国の首都惑星コルサントにある共和国軍事作戦センターで開かれる戦略諮問委員会の会合に参加するようになった。この会合にはCOMPOR以外にも銀河元老院のマス・アミダ副議長や共和国工兵隊のオーソン・クレニック少佐といった各部局の代表が出席していた。彼らはみな機密保持の宣誓を行い、深宇宙機動性バトル・ステーションの極秘建造プロジェクトについて話し合った。[2]
クローン戦争は分離主義者の敗北に終わったが、共和国もまたパルパティーン議長によって解体され、19 BBYに銀河帝国として生まれ変わった。[5] パルパティーンを皇帝とする新国家の誕生に伴い、やがてCOMPORもニュー・オーダー保護委員会(COMPNOR)として再編成された。[3]
イデオロギー[]

COMPORはパルパティーン最高議長の権力拡大を後押しした
COMPORの任務は一般市民の士気を高めることと、共和国のポジティブなイメージを前面に押し出して戦争活動を支援することだった。COMPORはこの目標のために銀河共和国内でさまざまなプロパガンダ作品の製作および拡散を行った。COMPORはシーヴ・パルパティーン最高議長を戦時下のリーダーとして熱心に応援し、プロパガンダ・ポスター『彼の手を縛るな』を制作することにより、クローン戦争で完全なる勝利を掴むためには、必要とされる全ての権限を最高議長に与えなければならないと主張した。またCOMPORは共和国とジェダイ・オーダーの関係性をプロパガンダ活動で強調しようとしたこともあったが、ジェダイが軍事指導者として戦争に参加することに積極的でなかったことから、廃案となった。そのためポスター『ジェダイは平和のため団結する』が日の目を見ることはなかった。[1]
戦争を支援するにあたり、COMPORは愛国主義のプロモーションに加え、新たに設立された共和国の軍隊への支持を煽り立てた。[1] クローン戦争の名前の由来でもある、共和国グランド・アーミーのエリート兵士クローン・トルーパーは[6]、COMPORのプロパガンダ活動の格好の道具となった。実際、『団結』や『白い青年たちに応援を』などのポスターでクローン・トルーパーが取り上げられている。[1]
一般市民の愛国心を高めることにより、COMPORは大衆のあいだに反分離主義感情を広めようとした。COMPORはプロパガンダ作品のなかで独立星系連合の指導者たちを嘲り、概して分離主義者は悪であるかのように描写した。ポスター『邪悪が君を見据えている』では、分離主義者のリーダーであるドゥークー伯爵とグリーヴァス将軍が残忍なカリカチュアで表現されてた。[1]
組織[]
COMPORは共和国の支持者たちによる政治運動として発足し、アーティストや通信専門家、作家など、参加者たちの背景はさまざまだった。COMPORはそのメンバーたちを通じ、メディアや軍隊、政府、果てには最高議長のオフィスまで、共和国のインフラの幅広い階層に影響力を広げた。またCOMPORは新人募集で若い世代を取り込むことに成功し、組織の下位部門である若年プログラムのSAグループが設置されていた。[1]
制作の舞台裏[]
共和国保護委員会(COPMPOR)の初出は、2003年にスター・ウォーズ インサイダー第70号に掲載されたレジェンズの記事『リパブリック・ホロネット・ニュース・コア版14:9:04』である。正史設定では、2014年発売のジェームズ・ルシーノによる小説『ターキン』で初めて言及された。