大名(Daimyo)は犯罪王などの支配者が使う称号の一種。砂漠の惑星タトゥイーンでは、モス・エスパ領の統治者が大名を名乗った。タトゥイーンにおいては、大名は自らの力を誇示することで人々から認められ、自治体の官僚や配下の犯罪ボスといった家臣たちから忠誠のしるしとして貢ぎ物を受け取った。歴史上、ハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレや、その後釜に就いたビブ・フォーチュナ、そしてフォーチュナを殺した元賞金稼ぎのボバ・フェットが大名を名乗った。
概要[]
大名は犯罪王の称号であり、その権限を勝ち取った者によって自称された。[2] 一般的に、この称号の保持者は自らの縄張りに法を施行し、秩序を維持し、資産を保護する役割を担った。また大名は縄張りで行われる商売を取り仕切り[1]、地方自治体の官僚や[3] 犯罪ファミリーを統括し、家臣から貢ぎ物を受け取った。[2]
大名は家臣たちの謁見に応じ、彼らのあいさつや[2] 陳情に応じた。[1] 惑星タトゥイーンでは、大名は自らの権限を誇示することで人々から認められた。[2] しかし力の弱い大名は、地位や富を守るために他の犯罪ファミリーと同盟関係を結ぶこともあった。[1]
歴史[]
ジャバ・ザ・ハットの治世[]
- 「ジャバは恐怖で支配した。俺は尊敬の心で支配する」
- ―ボバ・フェット[出典]
ハットの犯罪王、ジャバ・デシリジク・ティウレは銀河共和国の時代から[4] 銀河帝国の時代にかけて自らの犯罪帝国を指揮した。[5] ジャバはスパイスおよび武器の密輸や奴隷売買、ギャンブル、ゆすりや恐喝といったさまざまな犯罪活動で莫大な利益を上げ、その絶大な影響力はタトゥイーンのみならずアウター・リム・テリトリー全体にまで及んだ。[6] 彼は銀河系でもっとも有力なギャングスターの1人であり、犯罪社会だけでなく政治の世界にも顔が利いた。[7]
ジャバは厳しい支配者であり、タトゥイーンのさまざまな地方派閥や政府を従わせるため、際限なく貢ぎ物を要求した。家臣たちは恐怖心から、この冷酷な犯罪王に反旗を翻そうとは思わなかった。[2] 一方で、ジャバに仕える犯罪ファミリーの組長(キャプテン)たちは、犯罪王のもとで大いに儲けていた。[8] 4 ABY[9]、ジャバはカークーンの大穴で発生した乱闘のさなかに命を落とし、その支配に終止符が打たれた。[5]
ビブ・フォーチュナによる継承[]
- 「彼にはリーダーの素質も、王位継承権も無かった」
- ―フェネック・シャンド[出典]
ジャバ・ザ・ハットが死んだ後、彼に仕えていたトワイレックの執事長ビブ・フォーチュナがその後釜につき、手下や奴隷たちを支配した。[10] かつてジャバに仕えていたアクアリッシュ・ファミリーとトランドーシャン・ファミリー、クラトゥイニアン・ファミリーの長たちは、フォーチュナが後継者となるとすぐに犯罪帝国から脱退した。フェネック・シャンド曰く、フォーチュナはジャバの玉座の後を継ぐにはふさわしくない指導者だった。そのためファミリーの長たちがジャバの後継者の地位を狙ったが、フォーチュナの裏切りと狡猾さの前に阻まれた。[8]
一方でフォーチュナも自身の地位と富を守るためやむを得ず、3つのファミリーと不安定な同盟関係を形成し、モス・エスパの縄張りを分割して彼らに与えた。その結果アクアリッシュはモス・エスパの労働者地区、トランドーシャンは中心街、クラトゥイニアンは上層スプロールと宇宙港を治めることになった。またフォーチュナはモス・エスパ市長のモク・シェイーズに賄賂を支払っていた。[1] 最終的にフォーチュナは[10]、かつてジャバや[5] 銀河帝国のために働いたことのある[11] 賞金稼ぎのボバ・フェットに殺された。[10]
ボバ・フェットの台頭[]
フォーチュナを殺した後、フェットは自らの犯罪帝国を形成し、モス・エスパやタトゥイーンの大名を自称した。[3] 当初、フェットは犯罪ファミリーのメンバーからの貢ぎ物を受け入れ[2]、フォーチュナとは違って[1] モス・エスパ市長に賄賂を払うことを拒否した。フェットは輿には乗らず、部下のフェネック・シャンドや2名のガモーリアン・ガードを引き連れて自らモス・エスパの街を練り歩き、庇護下にあるサンクチュアリや[2] モス・エスパ市役所などの施設を見て回った。[3] シェイーズ市長は初めのうちはフェットに貢ぎ物を送らず、大名への挨拶も代理人である執事長に任せていたが[2]、のちにフェットが市役所を直接訪問した際に貢ぎ物を差し出した。[3]
フェットは庇護下にある街の住民の謁見に応じ、陳情を聞き入れた。水売りのローサ・ピールは、商品の水を盗むストリート・ギャングのモッズを成敗してくれたら、大名への貢ぎ物を倍にすると申し出た。しかしフェットは労働者地区でモッズのスカッドやドラッシュから直接話を聞き、彼らが仕事もなく貧困に苦しんでいることを知ると、モッズを手下として雇い、ピールには水の値段を下げるか別の場所で商売するよう命じた。[1] のちにフェットは、タトゥイーンで活動を拡大しているパイク・シンジケートの脅威に対抗するため、モス・エスパの3つのファミリーに防衛同盟の設立を呼び掛けた。その際、フェットはこの先彼らに貢ぎ物を要求しないと約束した。[8]
住居[]
大名はモス・エスパの領域に属す[2]、北部デューン・シーの辺縁に位置する[6] 巨大な宮殿に居住した。[2] この宮殿は攻撃を耐えることを第一に考えて防衛用に設計された、要塞のような建物だった。[12] 宮殿はもともと、精神力を高めるためにあらゆる物理的刺激から隔絶することを信条とする宗教団体、ボマー・オーダーの修道院だった。初期の修道院の一部は宮殿の地下にあり、坑道もあった。[13] 大名はこの宮殿にある玉座の間で家臣と引見した。[2]
歴代大名[]
在位期間 | 画像 | 大名 |
---|---|---|
~4 ABY | ジャバ・デシリジク・ティウレ | |
4 ABY頃~9 ABY頃 | ビブ・フォーチュナ | |
9 ABY頃~ | ボバ・フェット |
制作の舞台裏[]
大名はかつて日本で使われた称号であり、平安時代末期や鎌倉時代は多くの名田を所有する者を指し、鎌倉以降は有力な武士を指す言葉として使われた。[14]
登場作品[]
- ボバ・フェット – チャプター1:異星のはぐれ者 (初登場)
- ボバ・フェット – チャプター2:タトゥイーンの部族
- ボバ・フェット – チャプター3:モス・エスパの町
- ボバ・フェット – チャプター4:迫り来る嵐
- ボバ・フェット – チャプター6:砂漠から来た流れ者
- ボバ・フェット – チャプター7:名誉のために
参考資料[]
- The Book of Boba Fett Cargo Hold: "Chapter 2: The Tribes of Tatooine" - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- Gamorrean Guards - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 ボバ・フェット – チャプター3:モス・エスパの町
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 ボバ・フェット – チャプター1:異星のはぐれ者
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 ボバ・フェット – チャプター2:タトゥイーンの部族
- ↑ スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
- ↑ 5.0 5.1 5.2 スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
- ↑ 6.0 6.1 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ Jabba the Hutt - 公式データバンク
- ↑ 8.0 8.1 8.2 ボバ・フェット – チャプター4:迫り来る嵐
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 10.0 10.1 10.2 マンダロリアン – チャプター16:救出
- ↑ スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
- ↑ スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- ↑ スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- ↑ 大名(ダイミョウ) - Weblio辞書