- 「かつてのライトサイドの奴隷たちは目覚めた。今や狩人ぞ」
「何を狩るのです?」
「当然ジェダイよ」 - ―ダース・シディアスとダース・ヴェイダー[出典]
尋問団(Inquisitorius)、別名尋問団計画(Inquisitorius Program)、尋問官のオーダー(Order of Inquisitors)、帝国尋問団(Imperial Inquisition)とはシスが支配する銀河帝国に仕えた、フォース感応者のダークサイドのエージェントたちによって構成される謎多き組織である。尋問団のメンバーは“尋問官”と呼ばれ、赤いライトセーバーを使うことから“レッド・ブレード”の異名で知られた。尋問団に与えられた役割は、ジェダイの大粛清を完遂すべく、クローン戦争終結時に生き延びたジェダイを見つけ出して抹殺すること、フォースの才能を備えた子供たちを連れ去ること、そして反体制派を狩り出すことだった。尋問官たちは銀河皇帝ダース・シディアスの弟子であるシス卿ダース・ヴェイダーによって統括され、大尋問官の肩書を持つ人物によって率いられた。尋問団設立当時よりパウアンの男性が大尋問官を務め、ごく短期間サード・シスターが大尋問官として活動したことがあった。
尋問団は銀河帝国設立当時からすでに存在し、帝国の首都惑星であるコルサントの尋問団本部で活動を開始していた。また彼らは衛星ナーにも要塞を持ち、ジェダイたちの死体をここに保管していた。銀河内戦へ続く初期反乱運動の時代、尋問官たちは粛清の一環としてジェダイの生存者や元ジェダイ、そしてその関連勢力と対立した。そうした敵対勢力のひとつに、オビ=ワン・ケノービを始めとする大勢のジェダイの逃亡を手助けしていたヒドゥン・パス、そしてジェダイ粛清の生存者であるケイナン・ジャラスや、そのパダワンであるエズラ・ブリッジャーらが所属する反乱分子スペクターズなどがあった。また帝国や尋問官がスペクターズを追う過程で、反乱軍に味方する元ジェダイのアソーカ・タノや、シスの暗黒卿に対して復讐心を燃やす元シス卿モールといった新たな敵対者たちも彼らの前に姿を現した。ヤヴィンの戦い当時、帝国はジェダイ・オーダーがほぼ消滅したと考えており、目的を果たした尋問官も姿を消していた。
歴史[]
起源[]
- 「この子たちの才能をジェダイのために無駄遣いさせてはならん。余のために尽くし、フォースを操るスパイ集団を結成するのだ。ダークサイドの訓練を積ませ、銀河系の隅々まで見張らせる。さすれば、余に逆らう敵は無力となるであろう」
- ―クローン戦争中、ダース・シディアス[出典]
銀河共和国時代の末期、シスの暗黒卿ダース・シディアスは表向きには銀河元老院のシーヴ・パルパティーン最高議長を演じながら、ジェダイ・オーダーを根絶するための陰謀を張り巡らせた。[9] 彼はジェダイの大粛清の手始めとしてオーダー66の発令を計画していたが、それを生き延びる者が出ることを見越し、銀河皇帝になる何年も前から尋問団計画の種を蒔き始めていた。[10] クローン戦争中、シディアスは賞金稼ぎのキャド・ベインを雇い、ジェダイ・イニシエイトになる予定だったフォース感応者の幼児数名を誘拐させた。シディアスはフォースの能力を持つスパイの“軍隊”を手に入れようと企て、子供たちを惑星ムスタファーの秘密施設へ連れ去り、奴隷として調教しようとした。しかしジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーとパダワンのアソーカ・タノが子供たちを救出して施設を破壊したため、シディアスの計画は一度は頓挫した。[11] しかしシディアスはのちに第二の秘密施設を造り、ジェダイを狩る尋問官を育てるため、以前よりも多くの子供を集めた。[12]
戦争中、ダース・シディアスはジェダイ最高評議会やジェダイ・オーダーの戦時下の役割に対して不満を抱くナイトたちにも目を光らせていた。シス卿は彼らの弱みに付け込み、自分とフォースのダークサイドに不滅の忠誠を尽くすことを条件に、彼らにジェダイからは得られなかったものや、オーダー66を生き延びるチャンスを与えたのである。[10] 19 BBYに[8] クローン戦争が終結した際、パルパティーンは共和国を解体して銀河帝国を設立すると同時に、ジェダイ・オーダーは国家の反逆者であると宣言した。シディアスはジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥが自分の殺害を試みたことを口実に、共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーに対してオーダー66を発令し、あらゆるジェダイの抹殺を命じた。[9] オーダー66のプロトコルはほぼすべてのクローンに製造段階から組み込まれており[13]、共和国軍の兵士たちは銀河系各地の戦場でそれまで上官だったジェダイたちを容赦なく裏切り、殺害した。[9] しかしシディアスの予見通り一部のジェダイが大量虐殺を生き延びたため、彼らを見つけ出すことを専門とする狩人たちの活動が始まった。[10]
またシディアスは終戦時にアナキン・スカイウォーカーをダークサイドに転向させて自らの弟子とし、“ダース・ヴェイダー”という新しい名前を与えた。シディアスは、スカイウォーカーのことをシスになれる才能の持ち主だと評価する一方、尋問官になる者たちについては、自分に対抗できるほどの力を持つ見込みがないと判断した者を選んでいた。[10] ジェダイの大半はクローン・トルーパーによって殺されたが、攻撃を生き延びたジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービが陥落したジェダイ・テンプルに潜入し、他の生存者たちにテンプルに戻らないよう警告するメッセージを発信した。その結果、最初の攻撃を生き延びた一部のジェダイが身を隠した。皇帝となったダース・シディアスは、ジェダイの生存者が自分の支配を脅かすことを恐れ、ジェダイ・オーダーを最後の1人まで追いつめ、根絶するために帝国尋問団を創設した。[3][5][14] またスカイウォーカーがダークサイドに転向したのと同じような形で[10]、尋問官もみなダークサイドに堕ちた元ジェダイで構成されており[7]、シディアスに忠誠を誓っていた。[10]
尋問官はジェダイ・オーダーの生き残りを捕まえるたび、堕落させるか拷問してダークサイドに引き込んだ。新たな尋問官たちは過去のシンボルや名前を捨て、ほかの尋問官と同じくブラザーやシスターの称号と番号だけからなる呼び名を与えられた。[15] かつてジェダイ・テンプル・ガードを務めたパウアンは、尋問団に加わって“大尋問官”となった。[16] ジェダイだった頃、ジェダイ・アーカイブの記録を自由に閲覧することを許されていなかった大尋問官は[7]、シディアスからアーカイブの秘密を見せると約束され、暗黒卿に付き従った。[10] 同様に、ジェダイのマサナ・タイドは尋問官ナインス・シスターに、ジェダイ・マスター・プロセット・ディブズはテンス・ブラザーとなった。[17] セカンド・シスターはかつてトリラ・スドゥリという名のパダワンだったが、オーダー66直後に捕まり、拷問を受けてダークサイドに堕とされた。[5] 帝国が誕生して間もない頃、ダース・ヴェイダーはジェダイ・テンプルで大尋問官と遭遇し、初めて“尋問官計画”の存在を知った。皇帝はヴェイダーをコルサントの工業区画ザ・ワークスにある尋問団本部へ連れていき、そこに集まった尋問官たちの訓練の模様を見せた。ヴェイダーは、尋問官たちが自分の代替要員ではないかと疑いつつも[2]、彼らに戦闘訓練をつける役目を担うことになった。ヴェイダーは訓練の一環として、ライトセーバーの模擬戦のさなかに尋問官たちの体の一部を実際に切断し、より攻撃的に戦うために必要な教訓なのだと説いた。[7]
初期の活動[]
ジョカスタ・ヌーの粛清[]
- 「お前がジェダイ?」
「昔はな。今は尋問官だ。正確には大尋問官」 - ―ジョカスタ・ヌーと大尋問官[出典]
帝国設立直後、尋問団は皇帝ダース・シディアスからジェダイの生存者のリストを渡された。数いる生存者の中でも、ジェダイ・オーダーの主任司書を務めたマスター・ジョカスタ・ヌーは主要な標的とされ、大尋問官はヴェイダーと協力してヌーの捜索を行うことになった。しかしヌーは尋問官たちが探しに行くよりも先に、自分からジェダイ・テンプルに戻ってきた。彼女は早くもオーダー復興のための活動を開始しており、テンプルに保管されているフォース感応者のデータベースを回収しにやってきたのである。ヌーはアーカイブの秘密の部屋に忍び込んで目当ての品を回収したが、アーカイブのデータを無造作に扱う大尋問官を目撃して我慢ができなくなり、自ら姿を現して大尋問官に戦いを挑んだ。大尋問官はライトセーバーの対決でヌーを圧倒したが、彼女を生け捕りにしようとしたヴェイダーによって制止された。しかしヌーはさらに反撃を試み、最終的にヴェイダーが尋問官の手を借りずに彼女を仕留めた。[7]
ヌーの死後、尋問官ナインス・シスターとヴェイダーは、ジェダイの目撃情報があったというカバリアのバーへ向かった。しかしヴェイダーはバーで賞金稼ぎのチャ家に待ち伏せされ、ライトセーバーを破壊された。ナインス・シスターはあえて助けに駆け付けなかったが、ヴェイダーは攻撃を生き延び、賞金稼ぎたちは逃げ出した。ヴェイダーは当初ナインス・シスターが自分を罠にはめたのかと疑ったが、彼女は否定した。ヴェイダーはシスターから奪ったライトセーバーを使って賞金稼ぎを追撃した後、黒幕を特定するためコルサント星系に戻った。しかし宇宙船のパイロットを務めたナインス・シスターは、何者かに通信を妨害され、惑星の保安システムに承認コードを送信できないことに気づいた。そのため防衛プラットフォームから迎撃ミサイルが発射されたが、ヴェイダーはシスターを操縦席から押しのけ、攻撃をかわしてなんとか船をコルサントに不時着させた。[7]
モン・カラ占領[]
18 BBY[18]、シディアスは惑星モン・カラの政治にジェダイの生存者が関与しているのではないかと疑いを抱いた。真相を確かめるため、シディアスはヴェイダーと尋問官たちをモン・カラへ送り込んだ。ヴェイダーとシックス・ブラザー、ナインス・シスター、テンス・ブラザー、そしてパージ・トルーパーを運ぶゼータ級シャトル<インファーナム>がダック・シティに着陸した直後、入れ替わりで離陸した帝国のテルヴァー大使のラムダ級T-4aシャトルが何者かに爆破され、軌道で待機していたモフ・ウィルハフ・ターキンの部隊がモン・カラに対して侵略を行う口実ができた。尋問官たちもダック・シティの戦いに参加し、モン・カラマリの衛兵を倒してプラットフォームを制圧した。続けて彼らは、ジェダイの居場所を聞き出すためリー=チャー王の宮殿へ攻め入り、ナインス・シスターが王から情報を引き出そうとした。しかし帝国との長期戦を覚悟したモン・カラマリ王国は、巨大海洋生物を使って全ての水上都市を自ら破壊した。[17]
ヴェイダーと尋問官たちはフォースで波を抑えようとしたが力及ばず、街と共に海中に沈んだ。3人の尋問官は潜水艇で合流すると、アンジェネス大海溝でイカ型クリーチャーと戦っていたヴェイダーを回収に駆け付けた。しかしヴェイダーは、ジェダイを追うより自分の救出を優先した尋問官たちを叱責した。ナインス・シスターは街が破壊される前にリー=チャーの精神からジェダイの隠れ家の情報を引き出していたが、王も津波を生き延びており、ジェダイの顧問であるフェレン・バーに警告を発していた。潜水艇が隠れ家に到着した時、バーとその6人の信徒はちょうど撤退を開始したところだった。ヴェイダーは信徒のニパルトゥをフォースで殺し、潜水艇の攻撃でオーヴェクも死亡した。バーたちが海中都市ベル・シティへ逃げ込んだ後、信徒レブとステルも尋問官たちを足止めするため自らを犠牲にした。ヴェイダーは尋問官を従えてジェダイに迫ったが、モフ・ターキンからリー=チャー再確保の依頼を受けたため、バーの討伐は尋問官たちに任せた。[17]
尋問官たちは街の行き止まりでバーと最後の2人の信徒を見つけ出した。シックス・ブラザーはライトセーバーでダレンを切り殺すと、他の尋問官やパージ・トルーパーとともにバーと信徒ヴァーラを取り囲んだ。しかしバーは一度ライトセーバーを床に捨てると、3人の尋問官がジェダイだった頃の名前を呼んだ。ナインス・シスターもまた、追っていた相手がパダワンのフェレン・バーであることを確認した。バーはフォースを使ってパージ・トルーパーたちのヘルメットをはぎ取り、彼らがオーダー66後に実戦投入された最新生産分のクローンであることを見抜いた。バーはシスの陰謀を研究しており、その際にクローン・トルーパーが果たした役割を良く知っていた。そこで彼は、尋問官もまたジェダイであることを明言したうえで、パージ・トルーパーたちにオーダー66を執行するようマインド・トリックをかけた。[17]
パージ・トルーパーはバーが意図したとおり攻撃を開始し、3人の尋問官は防戦を強いられた。テンス・ブラザーは銃撃で命を落とし、フェレン・バーとヴァーラは尋問官たちの頭上を跳び越えて逃げ去っていった。ナインス・シスターとシックス・ブラザーはフォースを使って数名のトルーパーを押し飛ばし、脱出のチャンスを作った。しかしシックス・ブラザーは自分だけでも確実に生き延びるため、ナインス・シスターの足をライトセーバーで切り付け、彼女を戦場に置き去りにして1人で逃げた[17] (しかしナインス・シスターもこの窮状を生き延びた)。[5] 結局、フェレン・バーはダース・ヴェイダーによって倒され、モン・カラは帝国の占領下に入ることになった。[17]
アソーカ・タノ追跡[]
18 BBY、シックス・ブラザーはフォース感応者の子供がいるという情報を聞きつけ惑星サベスカへ出向いた。彼はその子供を見つけることができなかったが、ジェダイの訓練を積んだフォース感応者がアウター・リムに隠れているという新情報を入手し、手柄を立てるためサベスカの任務を放棄して捜索を開始した。そのジェダイは元パダワンのアソーカ・タノであり、オーダー66やマンダロア包囲戦以来、サベスカや農業衛星ラーダに身を隠していた。タノはラーダで抵抗勢力を作り上げており、帝国基地への襲撃が失敗した後、サベスカに戻った。タノはフォース感応者の子供ヘダラ・ファーディと会い、フォースの中に“影”を感じると告げられた。タノは再び“影”を感じたら近づいてはならないと少女に警告すると、ラーダに帰った。そこではタノの友人であるケイデンとマイアラ・ラートを除き、抵抗勢力のメンバーがシックス・ブラザーによって皆殺しにされていた。[19]
シックス・ブラザーはタノと親しい関係だったケイデンを連れ去った。彼はケイデンを使ってタノを罠にかけ、この元ジェダイが自分の前に姿を現すよう仕向けた。タノは当時ライトセーバーを持っていなかったが、フォースを駆使してシックス・ブラザーの攻撃をしのいだ。彼女はフォースを使ってシックス・ブラザーのライトセーバーを操作し、柄の動力接続部を破損させ、この武器をオーバーロードさせた。シックス・ブラザーはライトセーバーの爆発で命を落とし、タノはブラザーのセーバーからカイバー・クリスタルを回収して去っていった。このクリスタルはのちにタノの新しいライトセーバー作成に用いられた。タノは入植地の住民たちをラーダから避難させ、大尋問官がやってきた頃にはすでに反乱者たちは姿を消していた。大尋問官はシックス・ブラザーの死体を発見し、新たなジェダイの生存者の証拠を見つけたとダース・ヴェイダーに報告した。[19]
イース・コス粛清[]
- 「尋問官、女と赤子が逃げた。赤子を手に入れろ」
- ―ダース・ヴェイダー[出典]
14 BBY頃、ヴェイダーはガンシック啓蒙教会の司祭として暮らしていた元ジェダイ・マスターのイース・コスを粛清するため、3人の尋問官を連れて砂漠の惑星を訪れた。ヴェイダーはミラとのあいだに赤ん坊が生まれたばかりのコスを襲撃し、ライトセーバーの対決に臨んだ。ミラが赤ん坊を連れて逃げたため、ヴェイダーは尋問官たちに追跡を命じた。サーティーンス・シスターは、赤ん坊のフォースを頼りに行き先を突き止め、父親の船に乗ろうとしていたミラの前に立ちはだかった。赤い肌の尋問官はミラの嘆願に応じて彼女たちを見逃してやったふりをした後、宇宙船に乗り込んで安心した母親から、フォースを使って赤ん坊を奪い取った。[20]
尋問官たちが赤ん坊を連れて戻った直後、ヴェイダーもイリドニアン・ザブラクの元ジェダイ・マスターにとどめを刺した。尋問官たちはヴェイダーに赤ん坊を差し出し、ともに<インファーナム>でコルサントに帰還した。ヴェイダーは本部で大尋問官に出迎えられ、コスの娘を“ハーヴェスター計画”に加えるためナースメイドたちに引き渡した。その後、ヴェイダーと大尋問官はまだ生き残っているジェダイのリストを確認した。当時このリストにはコールマン・カジやヨーダ、オビ=ワン・ケノービ、セルラーク・エルオス、カ=ムーン・コリらの名前が記載されていた。大尋問官はヴェイダーに、ハーヴェスター計画についてはこのまま続行するが、今も生き残っているジェダイについてはあちらがヘマを犯して姿を見せるまで待つしかない状況だと報告した。[20]
内輪揉め[]
- 「尋問官らは、惑星外の新しい基地に移すことにする。このようなことは二度とあってはならぬ。特にこの星ではな」
- ―ダース・シディアス[出典]
イース・コス粛清の直後、ヴェイダーはサーティーンス・シスターとトワイレックの尋問官チュアロン・ヤルナが恋愛関係にあることに気づき、コルサントの尋問団本部で彼らにライトセーバーを向けた。ヴェイダーは愛情は尋問官にとって弱みになると説き、イース・コスの死から何も学んでいないと2人を叱責した。ヤルナは相方を守るためヴェイダーの攻撃を自身のライトセーバーで受け止めると、彼女と共に逃げ出した。2人にはヴェイダーに襲われる心当たりが全くなく、単に暗黒卿の機嫌が悪かっただけなのだろうと判断した。彼らはヴェイダーを倒して自由の身になるため、ギャラクティック・シティを逃げ回りながら反撃の機会をうかがった。[20]
2人の尋問官はヴェイダーが乗っているコルサント・ガードのエアスピーダーのエンジンを破壊し、ヴェイダーが一般人のエアスピーダーに飛び移ると、それもライトセーバーを投げて破壊した。このスピーダーは公園に落下して爆発を起こし、グランの元老院議員が巻き添えとなった。尋問官とヴェイダーはスカイレーンを行き交うエアスピーダーを飛び移りながら追跡劇を続け、フォースを使って民間機を互いに投げつけ合った。その過程で複数のスピーダーが建物にぶつかるか墜落し、コルサントの街に甚大な被害を及ぼした。最終的にヴェイダーは倒れてきた残骸に当たって建物のバルコニーに落ちたが、とどめを刺しにきた2人の尋問官の身動きをフォースで封ると、彼らを操って同士討ちさせた。[20]
その後、ヴェイダーはインペリアル・パレスの玉座の間へ出向き、事件について申し開きをした。ヴェイダーは2人の尋問官は裏切り者だったと主張し、女性尋問官はイース・コスの妻や赤子を見逃そうとしていたと報告した。しかしシディアスは自分のお膝元であるコルサントで今回のような事件が頻発すれば帝国の威信が揺らぐと考え、尋問官の拠点を首都から他の場所へ移すことにした。[20] こうして、尋問官の拠点はムスタファー星系の衛星ナーに築かれた要塞に移った。[5] ヴェイダーもまた皇帝に自分自身の根城となる惑星を要求し、ムスタファーでフォートレス・ヴェイダーの建設が始まった。[20]
尋問官の要塞はナーの海上にそびえる尖塔のような建物で、施設は水中にも広がっていた。[5] 尋問官たちはヴェイダーの城からさほど遠くないこの施設で訓練を積み[15]、捕虜の尋問を行い、次の行動計画を話し合った。[21] 尋問官の拠点は重武装の要塞であると同時に、粛清によって倒れたジェダイの死体を保管する霊廟でもあった。9 BBY時点で、霊廟にはコールマン・カジやテラ・シヌーベをはじめとする大勢のジェダイやフォース感応者の死体が並べられていた。[22][23]
アノート宙域の生存者狩り[]
アノートの毒ガス攻撃以前、尋問官たちはアノート宙域でジェダイの生存者グループを追跡した。当時、オーダー66を生き延びたミュスシール、ズベイン・アンコノリ、カンドラ、ヌージら4名のジェダイが惑星アノートのジェダイの神殿に身を隠していた。帝国に見つかった際、ミュスシールは他の3人を逃がすため神殿に留まり、命を落とした。しかし尋問官たちは残りの3名の追跡を続け、惑星マタオゥでアンコノリを始末した。残る2人、カンドラとヌージは惑星バーニン・コンのエンバータウンで発見された。尋問官とジェダイの戦いはウィックリッジ付近のクロミウム鉱山で決着がつき、カンドラとヌージも抹殺された。故障したライトセーバーや、ヌージのホログラム・ディスクを含む回収品は衛星ナー・ハイパにある銀河帝国の倉庫へ運ばれた。のちの時代、アノート宙域にいたジェダイの生存者たちに関する噂話が一部の人々のあいだで広まった。銀河内戦の終盤、“スマグラー”はアグノートの商人アンタブロス・マンクから聞いた噂をもとに、尋問官によって倒された4人のジェダイの手がかりを追った。[24]
カル・ケスティス追跡[]
- 「我々は逃亡者を追っている。それもただの反逆者ではない。裏切者、ジェダイ・オーダーの信奉者なのだ。この裏切り者を匿うようであれば反逆罪が適用される。自ら名乗り出ろ。そうれなければまとめて全員、処刑する」
- ―セカンド・シスター[出典]
14 BBY、惑星ブラッカでフォースを使った人物がいるという目撃情報が入り、セカンド・シスターとナインス・シスターがパージ・トルーパーの部隊を引き連れて現地調査に赴いた。ブラッカでは、オーダー66を生き延びたジェダイ・パダワンのカル・ケスティスが解体ギルドの一員として生活を送っていた。彼はジェダイであることをひた隠しにしていたが、友人の解体屋プラウフの命を救った際にやむを得ずフォースを使い、帝国のヴァイパー・プローブ・ドロイドに目撃されてしまったのである。ケスティスは尋問官たちに見つかったが、同じくジェダイの生存者であるシア・ジュンダと<スティンガー・マンティス>のグリーズ・ドリタス船長に助けられ、ブラッカから脱出した。[5]
かつてシア・ジュンダのパダワンだったトリラ・スドゥリことセカンド・シスターは、ジュンダとケスティスがマスター・イーノ・コルドヴァの遺産であるジェダイ・ホロクロンを探す旅をしていることを知った。彼らはフォース感応者たちの居場所が記録されたホロクロンを使い、ジェダイ・オーダーを再建しようとしていたのである。セカンド・シスターは惑星ゼフォでケスティスを待ち受け、ライトセーバーの対決に臨んだ。セカンド・シスターは戦いで優位に立ったが、ケスティスのドロイドBD-1がゲートのシールドを起動して2人を分断した。セカンド・シスターはシールドの向こうのケスティスに、かつての師匠であるジュンダに見捨てられた過去を明かした。その後、ケスティスはセカンド・シスター指揮下のパージ・トルーパーの攻撃を凌ぎ、ジュンダと合流した。ジュンダはセカンド・シスターが言っていたことを認め、かつて帝国に捕まって拷問を受けた際にトリラの居場所を吐いてしまった過ちを白状した。[5]
ケスティスは旅の途中でソウ・ゲレラ率いるパルチザンと手を組み、キャッシークでウーキーの囚人を解放する事件を起こした。ナインス・シスターはケスティスが再びキャッシークに現れることはないだろうと大尋問官に意見していたが、彼女の考えに反し、ケスティスはウーキーのターフルに会うため戻ってきた。ナインス・シスターはオリジン・ツリーを登っているケスティスを発見してTIEリーパーから攻撃を仕掛けた。しかしTIEリーパーはシーオ・バードの反撃を受けて墜落し、ナインス・シスターはケスティスとライトセーバーで切り結んだ。戦闘の末、彼女は右腕を切り落とされて敗北し、ケスティスを取り逃がした。[5]
のちにセカンド・シスターは惑星ボガーノの宝物庫でケスティスと戦った。戦闘中、ケスティスはセカンド・シスターのライトセーバーに触れ、サイコメトリーの能力で彼女の過去を垣間見た。一方、セカンド・シスターはライトセーバーを失いつつ、ケスティスたちが探し求めていたホロクロンを奪って退散した。セカンド・シスターはナーの要塞に戻ったが、ジュンダとケスティスはホロクロンを取り戻すため、そしてセカンド・シスターと決着をつけるため要塞に現れた。ジュンダはセカンド・シスターを再びライトサイドへいざない、自分のせいで彼女を傷つけてしまったことを謝った。セカンド・シスターは穏やかな表情を見せたが、その場に現れたダース・ヴェイダーによってフォースで身動きを封じられた。彼女は“わたしたちの仇を取って”と告げた後、ヴェイダーによって殺された。その後、ケスティスとジュンダはヴェイダーとの戦いを何とか生き延び、ホロクロンを手にしてナーから脱出した。[5]
オビ=ワン・ケノービ捜索[]
- 大尋問官 「我々が誰なのか分かるか?」
- 酒場の主人 「尋問官です」
- 大尋問官 「我々の仕事は?」
- 酒場の主人 「ジェダイ狩り」
- 大尋問官 「実際、わたしに言わせればジェダイは自ら身を亡ぼす。ジェダイを見つけるカギは何かわかるか? それは忍耐だ。ジェダイはいかなる時もジェダイ。慈悲の心が足跡を残す」
- ―大尋問官とモス・アイズリーの酒場の主人[出典]
9 BBY、大尋問官とサード・シスター、フィフス・ブラザーは惑星タトゥイーンにジェダイがいるという情報を掴み、ファイ級シャトル<サイス>でモス・アイズリー宇宙港へ旅した。彼らは目撃情報のあった酒場へ踏み入り、客にまぎれていたジェダイのナリをあぶり出したが、逃げられてしまった。タトゥイーンにおける捜索活動のさなか、大物ジェダイを狙うサード・シスターはその性急なやり方を大尋問官やフィフス・ブラザーから咎められた。しかし彼らは知らなかったが、サード・シスターが獲物として狙うオビ=ワン・ケノービは、偶然にもこの惑星に潜伏していた。当時ケノービはジェダイとしての生き方を捨てており、ナリの逃亡にも力を貸さなかった。間もなくナリは見つけ出され、その死体はアンカーヘッドに吊るされた。[25]
サード・シスターは大尋問官の許可を得ぬまま、ケノービと親しいベイル・オーガナ元老院議員の娘、プリンセス・レイアを誘拐した。彼女はもしケノービが生きているなら、レイアを助けるため姿を現すだろうと考えたのである。彼女が意図した通り、ケノービはレイアが監禁されている惑星ダイユーにやってきた。またサード・シスターの勝手な行動を知った大尋問官もフォース・シスター、フィフス・ブラザーを連れてダイユー・シティに到着し、ここから先は自分が指揮を執ると宣言した。しかしサード・シスターは勝手に賞金稼ぎたちを動員してケノービの大々的な捜索を開始し、大尋問官の怒りを買った。サード・シスターは詐欺師ハジャ・エストリーの精神を探って情報を引き出し、ケノービが隠れている貨物港へ踏み込んだが、そこへ大尋問官が現れた。サード・シスターは手柄を横取りさせまいと大尋問官をライトセーバーで突き刺したが、ケノービはなんとか自動輸送船に乗り込み、レイアとともにダイユーから逃げ去っていった。[26]
惑星マプーゾからケノービの目撃情報が入ると、サード・シスターらはダース・ヴェイダーに同行して現地へ向かった。ケノービはジェダイの生存者の支援活動を行う地下組織ヒドゥン・パスに助けられて脱出したが、サード・シスターはレイアを生け捕りにすることに成功した。[27] サード・シスターはナーの要塞でレイアを尋問し、パスの拠点を聞き出そうとした。しかし間もなくケノービとターラ・デュリスが要塞に侵入し、レイアを救出して逃げ去っていった。尋問官の失態に激怒したヴェイダーは、サード・シスターの首をフォースで絞めて殺そうとした。しかしサード・シスターはレイアが所有するトイ・ドロイドL0-LA59に追跡装置を仕掛けており、ケノービとその仲間の居場所を特定することが可能だと明かすと、暗黒卿は彼女を解放した。[22]
インペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に乗ってパスの隠れ家がある惑星ジャビームへ向かう途中、サード・シスターはケノービの居場所を特定した功績を認められ、ヴェイダーから大尋問官の称号を与えられた。L0-LA59がジャビームの基地を封鎖すると、サード・シスターはストームトルーパーの攻撃部隊を指揮するため<サイス>で地上に降りた。戦いが始まる前、サード・シスターはケノービと個人的に会話を交わした。ケノービは、終戦当時ジェダイ・イニシエイトだったサード・シスターことリーヴァ・サヴェンダーが、テンプル襲撃の現場に居合わせたことを見抜いていた。リーヴァは家族同然だった仲間をテンプルで虐殺したヴェイダーを恨んでおり、尋問官になった後も彼に近づいて復讐を果たすチャンスを狙っていたのである。ケノービは助けになると申し出たが、サード・シスターはかつてヴェイダーの師匠だったケノービを信用しなかった。[4]
帝国軍とパスの激しい銃撃戦のすえ、ケノービはリーヴァと再び話し合うため降伏を決意した。ケノービはこのままではヴェイダーがテンプルの時と同じように子どもたちを殺すことになると訴え、この争いを一緒に終わらせようと持ちかけた。サード・シスターはケノービを見逃し、ケノービとパスのメンバーはヴェイダーの攻撃を何とかしのいでジャビームの施設から脱出した。その後、サード・シスターはヴェイダーを個人的に攻撃するチャンスを掴んだが、暗黒卿は彼女が自分に恨みを抱いていることを最初から知っていた。ヴェイダーに力及ばず、サード・シスターは胴体を突き刺されて敗北した。ヴェイダーと、実は生きていたパウアンの大尋問官は、地面に倒れこんだサード・シスターを見捨てて去っていった。[4]
しかしこの負傷を生き延びたサード・シスターは、偶然にもケノービのホロプロジェクターを手に入れ、タトゥイーンにヴェイダーの息子ルーク・スカイウォーカーがいることを知った。[4] ヴェイダー本人には勝てなかったサード・シスターだが、かつてヴェイダーが自分にしたように、彼の家族を殺すことで復讐を果たそうと思い立った。彼女は再びタトゥイーンへ旅し、ラーズ農場を襲撃した。サード・シスターはルークの育て親オーウェンとベルー・ラーズ夫妻の抵抗をあしらい、砂漠へ逃げ出したルークを見つけた。しかし彼女は子どもを手にかけることができず、気絶したルークを農場へ運び、ラーズ夫妻に返した。駆け付けたケノービは、復讐が果たせず悲嘆にくれるサード・シスターを慰め、これからは自由に生きていくよう助言した。[28]
反乱者たちとの戦い[]
反乱の口火[]
5 BBY、大尋問官はヴェイダーから連絡を受け、皇帝が帝国に対する新たな脅威の台頭を予見したことを知らされた。当時ジェダイの生き残りはほぼ抹殺されていたが、ヴェイダーは大尋問官に、フォースを備えた子供たちがジェダイとして成長するのを阻止するよう命令を下した。しかしそれからしばらくして、帝国保安局のエージェント・アレクザンダー・カラスから大尋問官にジェダイの生き残りに関する新情報が入った。カラスが惑星ケッセルのスパイス鉱山で反乱者たちと対峙した際、敵のひとりであるケイナン・ジャラスがライトセーバーを使用したのである。ジャラスは宇宙船<ゴースト>を拠点とする反乱者スペクターズの一員であり、アウター・リムの惑星ロザルを中心に活動していた。また彼にはエズラ・ブリッジャーという名の弟子がいた。[3]
大尋問官はジェダイ・マスターのルミナーラ・アンドゥリが惑星スティジョン・プライムのスパイアに収監されているという情報を餌に、反乱者たちをおびき寄せた。大尋問官はジャラスと対決を繰り広げ、彼がマスター・デパ・ビラバの弟子だったことを見抜いた。また大尋問官はブリッジャーをダークサイドに引き込もうとしたが失敗に終わり、反乱者たちを取り逃がした。[29] のちに大尋問官はロザルのカンバーレイン・アレスコ司令官から、帝国青少年アカデミーにフォース感応能力を持つ可能性のある士官候補生が2名いることを知らされた。しかしそのうち1人は候補生に扮していたブリッジャーであり、彼は大尋問官が現れる前にもう1人のフォース感応者候補であるジャイ・ケルを連れてアカデミーから脱出した。[30] ある時、大尋問官はジャラスを追って惑星ヴィンダルに到着した。ヴィンダルの村にはジェダイを自称するイェレブという名の男が住んでおり、大尋問官と戦うジャラスに加勢した。大尋問官はイェレブを殺したが、ジャラスには逃げられた。[31]
4 BBYの帝国の日、反乱者たちは帝国情報局から逃亡した職員のシーボをロザルから運び出そうとした。大尋問官はTIEアドバンストv1を操縦してTIEファイター部隊を指揮し、反乱者たちの宇宙船<ゴースト>の補助機<ファントム>に追跡装置を取り付けた。反乱者たちはハイパースペース航行中に追跡装置の存在に気づき、やむを得ずジャラスとブリッジャーの乗る<ファントム>を<ゴースト>から切り離し、大尋問官を迎え撃つことに決めた。[32] 大尋問官が追跡装置を追って亜惑星PM-1203のフォート・アナクセスに降りると、ジェダイは猛獣フィアノックを使って大尋問官の部隊に応戦した。戦闘中、大尋問官はブリッジャーを再びダークサイドに誘惑したが、その結果ブリッジャーが呼び出した巨大なフィアノックに手こずり、またしてもジェダイを逃がしてしまった。[33]
反乱活動が終息の気配を見せないため、アウター・リムを統治するグランドモフ・ターキンが自ら問題に対処するためロザルのキャピタル・シティにやってきた。ターキンは反乱者たちを何度も取り逃がしているアレスコ司令官とマイルズ・グリント監督官を呼び出し、エージェント・カラスやマーケス・チュア大臣が見ている前で、この2人の将校を大尋問官に処刑させた。間もなく、反乱者たちがロザルの通信タワーへの侵入を企てていることが判明したため、ターキンはエージェント・カラスに待ち伏せの準備を命じ、大尋問官も汚名返上のため作戦に参加した。反乱者たちがタワーへのハッキングを開始した直後、帝国軍はあっという間に建物を包囲した。大尋問官はジャラスをライトセーバーの対決で圧倒し、帝国の捕虜にとった。残りの反乱者はそのすきに逃げ出し、ハッキングしたシステムを用いて近隣星系に反乱を呼びかけるメッセージを送った。[34]
ジャラスはターキンの旗艦であるインペリアルI級スター・デストロイヤー<ソヴリン>へ連行され、拷問を受けた。しかし彼はエージェント・カラスによるマインド・プローブにも、大尋問官によるフォースを用いた精神探査にも屈さず、大規模な反乱ネットワークについて口を割らなかった。ターキンはジャラスから確実に情報を引き出すため、彼をムスタファー星系へ連れて行くことに決めた。[35] 大尋問官は<ソヴリン>がムスタファー軌道に到着した後も拷問を続け、特に“フルクラム”のコードネームで知られる人物について情報を求めた。尋問のさなか、ジャラスはフォースを通じてブリッジャーの存在を感じ取った。反乱者たちはジャラスがムスタファーに運ばれたことを突き止め、救出にやってきたのである。間もなく反乱者たちの手で<ソヴリン>艦内に電磁パルスの攻撃が走ったが、大尋問官は彼らがジャラスを助けにやってくるであろうことを予想していた。[36]
ブリッジャーがジャラスを監房から解放した後、大尋問官は<ソヴリン>の動力発生施設で2人を待ち受けた。ジャラスはブリッジャーのライトセーバーを借りて大尋問官と戦った。またブリッジャーは大尋問官が腰から下げていたジャラスのライトセーバーをフォースで奪い返した。大尋問官はセーバーのダブル=ブレードを両方とも起動して二対一の戦いに臨み、ブリッジャーを通路から落下させた。しかしジャラスは2本のライトセーバーを手にして反撃に転じ、大尋問官のライトセーバーを破壊した。大尋問官のセーバーは動力発生装置に落ち、<ソヴリン>の内部で連鎖的な爆発が始まった。足を踏み外して通路の端に掴まった大尋問官は、これからさらに酷いできごとが反乱者たちを襲うだろうとジャラスに告げた後、生き延びて罰を受けるよりも自ら死を選び、爆発の中に身を投じた。[36]
戦火の拡大[]
- 「焦るでない、我が友よ。今はまず他の尋問官に命じて奴らを追わせよ」
- ―ダース・ヴェイダーに対し、ダース・シディアス[出典]
4 BBY、ロザルの反乱分子やフェニックス艦隊と交戦したダース・ヴェイダーは、彼がかつてジェダイだった頃の弟子、アソーカ・タノが生きていたことを知った。ヴェイダーから報告を受けた皇帝パルパティーンは、反乱軍討伐任務に別の尋問官を投入するよう命じ[37]、フィフス・ブラザーとセヴンス・シスターが新たに反乱者たちとの戦いに加わった。2人は廃棄された共和国医療ステーションの中で初めて<ゴースト>のクルーの前に姿を現し、エズラ・ブリッジャーとサビーヌ・レンを追い詰めた。しかし反乱者ガラゼブ・オレリオスがブリッジャーたちの窮地を救い、反乱者たちは<ファントム>に乗って医療ステーションから逃げ去った。[38]
ムスタファーにおける大尋問官の死は、他の尋問官にとって衝撃のニュースであると同時に、空位となった大尋問官の座を手に入れるチャンスの到来でもあった。セヴンス・シスターとフィフス・ブラザー以外の尋問官もジェダイ捜索のため銀河に散らばった。[38] 一方、ムスタファーから発信された信号を解析したアソーカ・タノは、尋問官がジェダイ討伐と同時進行で第2の任務を遂行していることを突き止めた。タノはシャンデル上空で尋問官に襲撃されたシャトルを発見し、彼らがフォース感応能力を持つ赤ん坊を狙っていることを知る。その後、タノと反乱者たちは惑星タコーボでフィフス・ブラザー、セヴンス・シスターと対決し、赤ん坊のアローラ、パイピーを救い出した。[39] この事件の直後、2人の尋問官はガレル・シティで反乱分子の掃討作戦に参加したが、敵の逃走を許してしまう。[40]
3 BBY、フィフス・ブラザーとセヴンス・シスターは数か月にわたって反乱者のジェダイを追い続けた。惑星オーサロンで尋問官の攻撃を逃れた後、ジャラスとブリッジャー、タノは自分たちが尋問官に追われているせいで反乱軍の活動にも支障が出るのではと危惧し、対策を練り始めた。彼らはシスや尋問官と戦う術を求めてロザルのジェダイ・テンプルを訪れ、瞑想を行った。フィフス・ブラザーとセヴンス・シスターもジェダイを追ってテンプルを襲撃したが、ジェダイ・テンプル・ガードの幻影が彼らを妨害した。一方、テンプルから逃げ去ったジェダイたちは、フォース・ヴィジョンの中に現れたジェダイ・マスター・ヨーダの助言に従い、惑星マラコアへ向かうことになった。[16]
マラコアの任務[]
- 「狩りには絶好の日ね」
- ―セヴンス・シスター[出典]
ロザル・ジェダイ・テンプルの事件からしばらくして、ジャラス、ブリッジャー、タノはジェダイにとって禁忌の惑星であるマラコアを訪れた。到着後間もなく、3人は尋問官エイス・ブラザーの襲撃を受けた。エイス・ブラザーはジェダイを追ってマラコアにやって来たのではなく、ダース・モール捜索任務で偶然この星に来ていたのである。エイス・ブラザーはジェダイに敗れて捕まったが、隙を見てフィフス・ブラザーやセヴンス・シスターに緊急メッセージを送った。また、戦闘中に他の仲間とはぐれたブリッジャーは、シス・テンプルの近くでモールと遭遇した。モールはブリッジャーを巧みに言いくるめ、シス・ホロクロンを手に入れる手伝いをさせた。[41]
ホロクロンを入手した後、モールとブリッジャーは、フィフス・ブラザー、セヴンス・シスター、エイス・ブラザーと戦うジャラスやタノと合流した。尋問官がダース・ヴェイダーと連絡を取るため一時退却すると、モールはシスの秘密を手に入れるにはテンプルの最上階へ向かう必要があると嘘をつき、ジェダイと共に建物を登った(モールは黙っていたが、最上階にはホロクロンを設置するためのオベリスクがあり、超兵器の力を覚醒させるカギになっていた)。道中、モールはセヴンス・シスターをライトセーバーの対決で破り、タノと協力してフィスス・ブラザーも倒した。追い詰められたエイス・ブラザーは回転式ライトセーバーで逃げようとしたが、テンプルから落下して命を落とした。マラコアの任務の結果、反乱者たちと戦っていた3人の尋問官は全滅し、シス・ホロクロンもエズラ・ブリッジャーの所有物となった。[41]
狩りの終わり[]
- 「ジェダイは絶滅した。奴らの灯火はこの宇宙から消え失せたのだ。あの宗教の生き残りは、友よ、君1人だけだ」
- ―ウィルハフ・ターキン[出典]
マラコアの任務の約3年後、帝国内ではジェダイ・オーダーが過去の存在と見なされ、尋問官もその役目を終えていた。ヤヴィンの戦いの直前、初代デス・スター内でダース・ヴェイダーと会話を交わした時、グランドモフ・ウィルハフ・ターキンはジェダイは銀河系から消え失せたと断言し、彼らの生き残りはヴェイダーただ1人だと語った。
組織[]
指導者[]
- こちらの記事も参照: 大尋問官
- 「整列せよ。マスターたちがお見えだ」
「マスターたち? マスターは皇帝陛下一人のはずだ」 - ―帝国設立直後、大尋問官とエイス・ブラザー[出典]
尋問団はその創設者であるダース・シディアスの指揮下にあった。[2] シディアスはクローン戦争当時から、フォース感応者の子供たちを集めてダークサイドの訓練を施し、自分に忠実なスパイの軍団を作り上げる計画に取り組んでいた。[11] またシディアスは尋問団が設立された後も、フォース感応者の子供たちを捕まえて洗脳することを目的とする“ハーヴェスター計画”を指揮し、尋問官たちに実行させていた。[15] シディアスの弟子であるダース・ヴェイダーは帝国設立直後に尋問官計画の存在を知らされ、彼らのマスターとなった。ヴェイダーは尋問官たちの訓練を監督するとともに[2]、自ら前線に立って尋問官のジェダイ討伐任務を指揮することもあった。[7]
尋問官たちのあいだでは、大尋問官の肩書を持つ者が最も高い地位を有した。帝国設立当初より、元ジェダイ・テンプル・ガードの男性パウアンがこの階級に就いていた。[2] 大尋問官の地位は、しばしば他の野心的な尋問官に狙われた。9 BBY、サード・シスターはオビ=ワン・ケノービの追跡中にパウアンの大尋問官を裏切り、負傷させた。その結果、彼女はヴェイダーから一時的にではあるが新たな大尋問官として認められた。サード・シスターが失脚した後、大尋問官の地位は再びパウアンに戻った。またパウアンの大尋問官の死後には、セヴンス・シスターやフィフス・ブラザーがその後釜を狙った。
尋問官[]
- 「あの人たちは?」
「尋問官だ。彼らの多くはダークサイドに堕ちたジェダイで、かつての仲間を殺しまわっている」 - ―レイア・オーガナとオビ=ワン・ケノービ[出典]
尋問団の構成員である尋問官は、フォースのダークサイドに転向した元ジェダイで構成された。[2] 彼らの主な任務はかつての仲間であるジェダイの生存者を見つけ出して抹殺することだった。ジェダイはクローン戦争終結時に実行されたオーダー66でほぼ壊滅していたが、ごく一部の生存者に対しては、クローン・トルーパーによる奇襲という同じ手は通用しないため、ライトセーバーの使い手からなる組織が必要となったのである。尋問官に加わったメンバーは過去のシンボルや名前を捨て、ブラザー/シスターと番号からなる名前を与えられた。[15] 尋問官たちは特徴的なダブル=ブレード回転式ライトセーバーを使いこなし、黒い装甲服に身を包んだ。帝国時代初頭、彼らはコルサントの尋問団本部で訓練を積み、ダース・ヴェイダーから直々に指導を受けた。[2]
尋問官はジェダイの討伐任務にあたって帝国の施設や乗り物を徴発したり、帝国軍将校を下すことができた。[1][19] ジェダイの残党狩りを行う尋問官の存在は一部の銀河市民にも知れ渡っていたが[25]、彼らは自分たちの情報を部外者にほとんど離さず、組織の規模すら明かさなかったため、謎めいた存在となっていた。[15] 彼らはジェダイやフォースの使い手に関する情報提供があると現地へ出向いたが、そうしたタレコミには偽情報も多く含まれていた。[7] 尋問官はゼータ級シャトル<インファーナム>や[17] ファイ級シャトル<サイス>といった専用の乗り物を任務で使用した。[42]
パージ・トルーパー[]
- 「ジェダイか。この時をずっと待っていたぞ」
- ―パージ・トルーパー[出典]
尋問団に仕えるパージ・トルーパーは、ライトセーバーを使いこなす敵と戦う特殊訓練を積んでいた。[15] パージ・トルーパーは忠誠心や素質を評価されて選び出されたストームトルーパーによって構成されていたが[43]、帝国時代初頭のパージ・トルーパーは最新生産分のクローン・トルーパーで構成されていた。[17] 彼らは帝国の脅威であるジェダイの生存者やフォース感応者を狩る尋問官を支援するため特殊な訓練を積み、特別な黒いアーマーを装着した。[43] 通常のストームトルーパーではジェダイに歯が立たないが、パージ・トルーパーはライトセーバーを使いこなす敵と戦う特殊訓練を積んでおり、尋問官にとって頼もしい助っ人となった。[15] 彼らはクローン戦争中にジェダイ将軍に随伴した共和国軍兵士が最初に使ったメソッドを借用し、ジェダイと戦った。このエリート・グループは数が少なく人目に触れることが少なかったため、ほとんどの帝国市民は彼らの存在すら知らなかった。[43]
登場作品[]
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