センプレ襲撃事件以前、ハイヤー・スカイズ権利擁護団体とインチョム道場のメンバーによって、銀河系の首都惑星コルサントで大規模な諜報活動が展開された。彼らは“ナイトスワン”という異名で知られる反乱分子ネヴィル・シグニの指導のもと、銀河帝国のプロジェクトや標的に関する情報収集を行った。しかし初めは何も知らずにハイヤー・スカイズに参加していたアリンダ・プライスがこのスパイ網の存在を暴き、スローンや帝国保安局のウルフ・ユラーレン大佐に情報提供を行った。ハイヤー・スカイズや道場のメンバーが逮捕された後、プライスは見返りとしてグランドモフ・ウィルハフ・ターキンからロザルの総督の地位を与えられた。
歴史[]
“ナイトスワン”として知られる反政府活動家ネヴィル・シグニの助言のもと、ハイヤー・スカイズ権利擁護団体を率いるドリラー・マーダップは銀河帝国政府上層部とのコネクションを築き、データ抽出プログラムを使って官僚のコンピューターから違法な情報収集を行っていた。彼らはこうして得た情報を官僚を貶めるために利用するつもりだった。ドリラーの友人であるロザリアンのアリンダ・プライスはナイトスワンの陰謀については何も知らされず、権利擁護団体の職員として情報収集活動に加担させられていた。またジュアヒア・マドラスは元老院議員や官僚のボディガードを訓練しているインチョム道場に入り込み、スパイ活動の輪を広げていた。こうした活動の影響を受けたボディガードのカニキにより、エヴィドーン議員の暗殺未遂事件も発生した。[1]
ナイトスワンの活動を調査していた帝国保安局のウルフ・ユラーレン大佐と帝国宇宙軍のスローン大尉はナイトスワンの陰謀がコルサントの上層部にまで及んでいる可能性を危惧し、ボディガードを育成している道場の調査を開始した。インチョム道場を訪れた時、スローンはジュアヒアやハイヤー・スカイズが陰謀に加担している可能性に気づいた。またこの時、スローンは以前一度だけ顔を合わせたことがあるプライスと再会した。のちにプライスはモフ・ガディとハイヤー・スカイズの間の対立に巻き込まれて窮地に立たされ、スローンに密会を申し込んだ。彼女はガディの不正の証拠やハイヤー・スカイズの情報をスローンに提供し、代わりにアドバイスを与えられた。またスローンは保身を望むなら友人たちを見捨てる覚悟をする必要があるとプライスに告げた。[1]
スローンの助言に従い、プライスはガディの不正記録を彼の政治的ライバルであるグランドモフ・ウィルハフ・ターキンに提供した。彼女はガディを失脚させることに成功し、さらにターキンから総督代理の称号を与えられ、のちにロザルの総督の地位を手に入れた。またプライスはグランドモフ・ターキンを説得してスローンの友人であるイーライ・ヴァント少尉を昇格させるよう取り計らい、スローンとの約束を果たした。その後、プライスはユラーレン大佐とともにインチョム道場へ赴き、友人であるジュアヒアを逮捕する。同時に、ドリラーをはじめ権利擁護団体やインチョム道場の他のメンバーも保安局のエージェントによって拘束された。インチョム道場を運営するトゴリアンのフシシはスローンによって無罪であると断定され、逮捕を免れた。[1]
その後[]
コルサントにおけるスパイ網の壊滅は、ナイトスワンが展開していた反帝国運動への一打となった。また、プライスは帝国に情報提供を行った見返りとしてロザルの総督の地位へ上り詰めた。1年後、彼女はロザルに戻り、帝国の製造業や鉱業、軍事施設の拡張を統括した。またグランドモフ・ウィルハフ・ターキンはスローンを准将に、ヴァントを少佐に昇進させた。この事件がきっかけで形成されたプライスとスローンの同盟関係は、その後も長きにわたって継続した。[1]
制作の舞台裏[]
この事件は2017年に発売されたティモシイ・ザーンによる正史の小説『スローン』で描かれた。この事件はスローンの過去を描くと同時に、TVシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』に登場するアリンダ・プライスが総督の地位を手に入れるまでの過程を説明する役割を果たしている。