- 「きみも、帝国ファミリーに加わることができる。アカデミーへの応募を夢におわらせず、現実に変えよう。航行学、工学、宇宙医学、通信学など、さまざまな学問が学べる。宇宙探査、宇宙艦隊、星間交易などの仕事につけるのだ。もしきみが、宇宙むきの資質をそなえ、標準試験で合格点を取れたなら、アカデミーの校長に申込書を送り、誇り高き集団に加わろう!」
- ―帝国アカデミーの宣伝[出典]
帝国アカデミー(Imperial Academy)は銀河帝国の軍事教育プログラムで、帝国軍の下士官や将校を訓練していた。銀河帝国の誕生以降、コア・ワールドからアウター・リム・テリトリーに至る各地の惑星に設置された。
歴史[]
銀河帝国が創設された後、旧銀河共和国の軍事訓練施設の再編成・改変・均一化が始まった。共和国には制度化された軍隊が無かったため、多くの領域、宙域、星系で各自の伝統や局地的なニーズに合わせた訓練基準が採られていた。皇帝シーヴ・パルパティーンは帝国初期の主要政治活動を自ら取り仕切り、クローン戦争終結の4年後には、共和国士官学校の併合を監督した。皇帝は新しいシステムについて話し合うため、ディファイアンス飛行研修所のペル・ベイロ司令官や、共和国最後の宇宙軍作戦部長であるタラッツ中将等、上階級将校たちを招致した。
帝国軍の兵士が段階的に非クローンの新兵や志願兵に移行していく中、各地の総督は訓練カリキュラムを標準化された厳格なプログラムへ変革した。各領域伝統の軍旗、剣、記章はストームトルーパーの統一的なユニフォームに取って代わられた。
銀河帝国は銀河系全域を制覇したが、帝国アカデミー入学は(特に旧分離主義勢力の惑星出身者にとって)極めて狭き門だった。幼児期からアカデミー入学を目指していたセイン・カイレルとサイエナ・リーは、惑星コルサントにある帝国ロイヤル・アカデミーへの入学を認められたことを非常な幸運と考えていた。旧銀河共和国と対立していた惑星からの忠誠心を確保するため、帝国はインナー・リムの分離主義惑星出身者の受け入れ枠を設けていた。
ヤヴィンの戦いでデス・スターが破壊された後、帝国の指令系統に一時的な混乱が生じたが、このバトル・ステーションに乗っていた人員分の穴を埋めるため、訓練中の将校や士官候補生が多数駆り出されることになった。
エンドアの戦いで第2デス・スターが爆破され、帝国のトップやベテランのストームトルーパーが大勢命を落とした後、銀河系各地に配備された帝国軍の全体的な士気低下が始まった。訓練段階で引き抜かれた兵士たちは、戦う意志の無いまま最前線に立たされることになり、結果的に新共和国への離反が頻発した。ウイターをはじめとする惑星では、帝国アカデミーそのものが銀河紛争に巻き込まれ、新共和国の軍隊に破壊されることもあった。
エンドアの戦いの1年後、帝国は新共和国に完全降伏し、銀河協定が締結された。協定の条項には戦争賠償金の他にストームトルーパー部隊の徴募および配備の禁止が明記され、帝国アカデミー施設の放棄が命じられた。
帝国時代、必ずしもすべてのアカデミーが同じ教育水準に達していたわけではなく、実際に惑星ロザルの帝国青少年アカデミーは他の教育施設より劣っていると評価されていた。これを受け、アケニス・アカデミーのブレンドル・ハックス司令官は、生まれて間もない頃から帝国に忠実で、遺伝子的にも優れた新世代のストームトルーパー育成を最終目標に掲げ、「司令官特待生」と呼ばれる秘密結社を組織した。帝国が降伏した後、ブレンドルは帝国軍残存勢力の強硬派と共に未知領域へと逃れた。帝国の残党によってファースト・オーダーが組織された後、ブレンドルの理想は、彼の息子アーミテイジ・ハックス将軍を始めとする将校たちによって引き継がれた。ハックスはファースト・オーダーの兵士の作戦効率性を向上させるとともに、兵士ごとに技術・能力の差が大きかった旧帝国のアカデミー教育の問題点を解消しようとした。
組織[]
- 「ストームトルーパーになる準備はできているか?」
「はい、上官殿!」 - ―カンバーレイン・アレスコと士官候補生たち[出典]
帝国アカデミーのメイン・キャンパスは惑星コルサントの帝国ロイヤル・アカデミーだった。そのほかに、マンダロア、アケニス、カリダ、ウイター、プレフスベルト等にアカデミーが設置されていた。アウター・リム・テリトリーの惑星ロザルには、帝国青少年アカデミーやプレター・フラッツ・アカデミー等、複数の地方アカデミーが置かれていた。
アカデミーには3つの種類があった。1年制のジュニア・アカデミーは、シニア・アカデミーへ進学する10代の候補生のための準備機関だった。シニア・アカデミーを卒業後、有能な士官候補生は帝国地上軍、帝国宇宙軍、ストームトルーパー兵団の専門教育アカデミーに進学した。ロザルの帝国青少年アカデミーはジュニア・アカデミーで、アケニス・アカデミーとマーレイヴェイン・アカデミーはシニア・アカデミーだった。また、ライサルとコルラグ・アカデミーは特殊な将校の育成施設だった。一部の候補生は進学の道を選ばず、ジュニア・アカデミー卒業後に一般生活に戻った。
帝国ロイヤル・アカデミーにはコア・ワールド古典文化、セキュリティ・プロトコル、尋問技術、巨大宇宙船設計、宇宙・地上軍共同戦術などのクラスがあり、フライト・シミュレーターを使った訓練も行われていた。生徒たちは常にベストの身体コンディションを求められ、帝国市民としての在るべき姿を期待された。時事問題研究のクラスでは帝国寄りの偏った教育が行われていた。アカデミーは厳格な学問プログラムで有名だったが、候補生同士の競技にも力を入れており、ジュニア・アカデミーではザ・ウェルと呼ばれる設備を使った身体テストで生徒の独創性や勇気が試されていた。
アカデミーの成績担当オフィスは、候補生たちの精神および身体的な限界を引き上げる方法を模索した。また、アカデミーでフォース感応力が発覚した候補生は、ハーヴェスター計画と呼ばれる帝国の秘密プロジェクトに参加させられた。帝国の教化に抵抗した者は統一計画に登録され、精神操作と投薬によってニュー・オーダーに完全に忠実な候補生へつくり変えられた。
候補生は卒業と同時に尉官になり、手短な卒業式の後、最初の任務を与えられた。帝国ロイヤル・アカデミーの候補生はインペリアル・パレスの舞踏会に参加し、帝国社会の上流階級と接するチャンスを与えられた。
主な候補生[]
サビーヌ・レンとケツー・オンヨは惑星マンダロアにある帝国アカデミーの生徒だったが、逃亡して賞金稼ぎになった。<ゴースト>の反乱グループに属すエズラ・ブリッジャーは、帝国のデコーダーを手に入れるためロザルのアカデミーに入学した。彼はそこでザーレ・レオニスやジャイ・ケル候補生と親しくなった。
ビッグズ・ダークライターも帝国アカデミーに入学したが、卒業後に共和国再建のための同盟のメンバーになった。彼の親友で、惑星タトゥイーンに住んでいたルーク・スカイウォーカーも帝国アカデミーへの入学を志望していたが、おじのオーウェン・ラーズの水分農場を手伝わなければならず、故郷を離れることができなかった。