森のアンテナ(Forest Array)は惑星コーボーの玄武岩の森に存在した施設。ハイ・リパブリック時代に銀河共和国とジェダイ・オーダーによって築かれた研究および実験施設で、コーボーの様々な謎とその周辺地域の研究や、不可思議なコーボー物質を操る装置の実験が行われた。また施設の中心に高くそびえるリハビリテーション・ウイングには、コーボー星系の“深淵”に航路を切り拓くために使う巨大アンテナが設置されていた。同種のアンテナは月面研究所とコーボー観測所にも設置されており、ランブラーズ・リーチ渓谷にあるアラインメント調整センターがこれらの制御を担った。
ハイ・リパブリック時代、ジェダイ・ナイトのダガン・ゲラが深淵の渡航に成功し、惑星タナローを発見したものの、ナイヒルによる襲撃事件によって彼の夢は潰えた。ジェダイ・マスターのサンタリ・クリィはオーダーを裏切ったダガンをライトセーバーで倒し、リハビリテーション・ウイングのバクタ・タンクで眠らせた。コーボーが隕石の災害に見舞われた際、サンタリはドロイドZN-A4(ジー)にダガンを解放する任務を託したが、ジーは災害に巻き込まれてしまい、森のアンテナに辿り着くことができなかった。それから200年以上の時を経て、カル・ケスティスが帝国時代にダガンを長い眠りから目覚めさせたが、ダガンはタナローへの野望とダークサイドに囚われており、カルやその仲間たちと敵対した。
概要[]
- 「ブラッカでは相当の重機を解体したが…こんなの初めてだ…」
- ―森のアンテナの施設について、カル・ケスティス[出典]
銀河共和国とジェダイ・オーダーの研究施設である“森のアンテナ”は、惑星コーボーの玄武岩の森の奥にある広大な空き地にそびえ立っていた。この施設群は、頂上部に巨大なアンテナが設置されたリハビリテーション・ウイングと、中央装置を囲む広い中庭、複数の補助配列テレスコープによって構成された。アンテナ施設群はバサルト・リフトやバイルモーの巣と隣接しており、森や岩山に囲まれていた。この施設はコーボーの様々な謎とその周辺地域を研究するために建てられており、中庭ではコーボー物質を操る装置の実験が行われた。[1]
施設に設置された巨大なアンテナは試作型の波動装置であり、コーボー星系の“深淵”に充満しているコーボー物質を部分的に除去するイオン・ビームを投射することができた。同種のアンテナは“砕かれた月”の月面研究所とコーボー観測所にも設置されており、ランブラーズ・リーチ渓谷のアラインメント調整センターから3つのアンテナを同時に操作することで、深淵のより深い部分の探索が可能となった。波動技術は不安定だったが、深淵コンパスが発明されるまでは深淵の唯一の探索手段となっていた。[1]
施設の地上に設置された補助配列テレスコープは、星間イオン嵐のような威力と危険性を持つ、高励起エネルギー流の発生装置となっていた。中央の中庭には、地上イオン・ビームを操作する複雑な地中機構が隠されていた。また施設の随所にコーボー・オーブとオーブ増幅器が設置されており、起動すれば粉塵状態(コーボー・ダスト)や固形状態(コーボー・バリア)のコーボー物質を除去することができた。アンテナの起動装置はリハビリテーション・ウイングの内部にあった。またこのタワーには医療用バクタ・タンクも設置されていた。[1]
歴史[]
ハイ・リパブリック時代[]
- 「ここはもう長い間使われていなかったんだな。忘れられていた歴史の一つだ」
- ―カル・ケスティス[出典]
ハイ・リパブリック時代、共和国とジェダイはコーボー星系の“深淵”に起源を持つとされる不可思議なコーボー物質の研究を行った。共同研究プロジェクトのリーダー的存在であるジェダイ・マスター・サンタリ・クリィは[1]、ジェダイ・ナイトのダガン・ゲラと協力し、“深淵”に道を切り拓くために[2] 森のアンテナを含む[1] 複数の巨大アレイを建造した。[2] また森のアンテナではコーボーの様々な謎の研究と、コーボー物質を扱うための実験も行われた。アンテナがもたらす波動技術は不安定だったため、共和国はプロジェクトを停止しかけたが、やがてダガンが未踏エリアへの航行を成功させ、深淵の奥に隠されていた惑星タナローを発見する成果を挙げた。[1]
タナローの発見の後、サンタリ・クリィはダガンの航行データをもとに深淵コンパスを発明した。サンタリとダガンはタナローを銀河辺境におけるジェダイの拠点にしようと夢見たが、ナイヒルによる襲撃事件の後、ジェダイ評議会はタナローを放棄する決断を下した。サンタリはこの決断に落胆しつつも、オーダーを裏切ったダガンを止めるため、ライトセーバーで彼の腕を切断した。その後、サンタリは森のアンテナのリハビリテーション・ウイング内にあるバクタ・タンクにダガンを封印した。のちにコーボー星系がハイパースペース大災害の“出現”に見舞われた際、サンタリはコーボーから避難する前に、ダガンを目覚めさせる任務をドロイドのZN-A4(ジー)に託した。しかしジーは地下通路の崩落に巻き込まれ、アンテナ施設に辿り着くことができなかった。以来、森のアンテナを含むコーボーのハイ・リパブリック施設は200年以上にわたって放棄されることになった。[1]
帝国時代[]
帝国時代当時、森のアンテナは長らく使われておらず、施設は荒れ果てていた。施設の一部は固形化した“コーボー・バリア”によって封鎖され、施設周辺にはコーボー・ダストが散乱していた。また施設にはモーグーやバイルモー、ラウカ、レルターといったクリーチャーが住み着いていた。9 BBY当時、アンテナは玄武岩の森に進出した銀河帝国のストームトルーパーたちによって占拠されていたが、彼らは施設の中に入ることができず、この建物が何であるかも把握できていなかった。またコーボー・ダストの影響か、それとも帝国のパトロールの影響か、アンテナ周辺のクリーチャーは他と比べて凶暴になっていた。[1]
9 BBY、ジェダイ・ナイトのカル・ケスティスはランブラーズ・リーチ村の地下にある“二重性の間”で機能停止していたジーを救い出した。ジーはカルに共和国チューナー装置を託し、自分の代わりにサンタリから命じられた任務をやり遂げてほしいと頼んだ。カルはBDエクスプローラー・ドロイドのBD-1と一緒に森を探索し、森のアンテナを発見した。帝国軍を制圧した後、カルはリハビリテーション・ウイングのバクタ・タンクを見つけ、かつてサンタリとダガンがタナローを訪問した時の記憶をフォースで読み取った。その後、カルは長い眠りから目覚めたダガンをタンクから解放した。しかしダガンはフォースのダークサイドに転向しており、タナローの探求をめぐってカルと対立することになった。ライトセーバーの対決は決着がつかず、ダガンは戦場に駆け付けた忠臣レイヴィスと一緒にアンテナから去っていった。[1]
制作の舞台裏[]
森のアンテナは2023年発売のゲーム『Star Wars ジェダイ:サバイバー』に登場した。本作の日本語版では森の受信アンテナと訳されている。しかし本作の終盤で解説される通り、この装置はイオン・ビームのエミッター(放射装置)であるため[1]、受信アンテナという訳は不適切である。
登場作品[]
- Star Wars ジェダイ:サバイバー (初登場) (訳語は森の受信アンテナ)
参考資料[]
- アート・オブ・Star Wars ジェダイ:サバイバー
- スター・ウォーズ ハイ・リパブリック キャラクター事典 (間接的に言及)