深淵コンパス(Abyss compass)はジェダイ・マスターのサンタリ・クリィがハイ・リパブリック時代に発明した装置。当時、サンタリと銀河共和国の科学者たちは惑星コーボーとその月で共同研究プロジェクトを行い、“コーボー深淵”と呼ばれる天文異常にまつわる調査を進めていた。このコンパスは、危険な深淵の先にある隠された惑星タナローへ旅するために作られた航行装置であり、タナローの発見者であるジェダイ・ナイト・ダガン・ゲラによって集められたナビゲーション・データが活用されていた。タナローがナイヒルの襲撃を受けた際、共和国とジェダイはタナローの放棄を決意し、ジェダイ評議会がコンパスの破壊命令を下した。しかしサンタリが評議会に秘密で保管したものを含め、3つのコンパスが記録上行方不明となった。
歴史[]
ハイ・リパブリック時代[]
- 「共和国はタナローを捨て、ジェダイ評議会はコンパスの破壊を命じた」
「ダガン・ゲラは拒否し、反旗を翻した」 - ―イーノ・コルドヴァとボード・アクーナ[出典]
ハイ・リパブリック時代、ジェダイ・オーダーと銀河共和国はジェダイ・マスター・サンタリ・クリィの主導のもと、惑星コーボーとその衛星に研究施設を設置し、コーボー星系に存在する天体異常“コーボー深淵”に関する調査を行った。当初、この危険な星雲を通過する試みはどれも失敗に終わり、共和国はプロジェクトから手を引きかけたが、やがてジェダイ・ナイトのダガン・ゲラが未踏のルートを使って航行をなしとげ、深淵の奥に隠されていた楽園の惑星タナローを発見した。サンタリは誰もが深淵を渡れるよう、ダガンのナビゲーション・データをもとに複数の“深淵コンパス”を開発した。[1]
タナローには新たなジェダイ・テンプルが築かれ、サンタリはこの地が辺境を守るジェダイの砦となることを期待した。しかしタナローはナイヒルの略奪者による侵略を受け、共和国とジェダイ・オーダーはこの星を放棄する決断を下した。またジェダイ評議会はタナローが侵略されたのはナイヒルにコンパスを盗まれたためだと考え、残りのコンパスも破壊するよう指示を出した。しかし記録上、3つのコンパスが破壊を免れて行方不明となり、そのうち唯一無傷のコンパスはサンタリ自身が保管していた。コーボーの中央邸宅に保管されていたコンパスが破壊された際、ダガンはオーダーに裏切られたと感じ、フォースのダークサイドに転向して現地のジェダイ数名を殺害した。[1]
その後、ダガンはコーボーの月へ旅し、サンタリが評議会から隠したコンパスを使ってタナローに帰ろうとした。しかしサンタリはダガンがしでかした悪事に失望し、コンパスの受け渡しを拒否した。サンタリはダガンを止めるため、やむを得ずライトセーバーで彼の右腕を切り落として重傷を負わせた。その後、彼女ははダガンにやり直す機会を与えようと、彼をコーボーの森にあるリハビリテーション・ウイングのバクタ・タンクに封印し、コンパスはコーボー観測所に保管した。[1]
232 BBY[3]、ハイパースペース大災害がもたらした“出現”によってコーボーの月は砕かれ、惑星にも災厄が降りかかった。共和国はコーボーからの完全避難命令を出し、ジェダイも撤退を開始した。その際、サンタリは従者のドロイドZN-A4のデータバンクから深淵の研究にまつわるメモリーを全て消去したうえで、共和国チューナー装置とメッセージを託し、リハビリテーション・ウイングで眠ったままのダガン・ゲラを起こしてきてほしいと頼んだ。またサンタリはコンパスが全て失われてしまう可能性に備え、タナローの座標を記録し、ダガンへのメッセージに添えた。しかし結局、ZN-A4は地下通路の崩落に巻き込まれて“二重性の間”に閉じ込められ、およそ200年にわたって機能停止状態となり、サンタリのコンパスも観測所に取り残されたままとなった。[1]
帝国時代[]
9 BBY[2]、ジェダイ・ナイトの生存者カル・ケスティスは惑星コーボーのランブラーズ・リーチ村を訪れた際、偶然にもパイルーン・サルーン酒場の地下通路から二重性の間へ迷い込んだ。カルはZA-N4を見つけて復活させ、彼女がサンタリから託された任務を知った。この出来事がきっかけとなり、カルとその仲間たちによるタナロー探求の旅が始まった。カルはダガンを目覚めさせたが、彼の野心は衰えておらず、カルと敵対することになった。その後、カルは中央邸宅やコーボーの月を旅し、壊れたコンパスを回収した。彼はコンパスを衛星ジェダの“アーカイブ”へ運び、マスター・イーノ・コルドヴァに調査を依頼した。[1]
コルドヴァはカルが持ち込んだ2つのコンパスを修理することはできなかったが、他にまだ1つ行方不明のコンパスがあることを突き止めた。のちにカルはコーボーの月でダガンの部下レイヴィスを破った際、最後のコンパスがコーボー観測所にあることを聞き出した。カルはボード・アクーナと協力して観測所でダガンを倒し、最後のコンパスを手に入れた。コルドヴァはカルが新たに持ち帰ったコンパスを修理することに成功したが、その直後にアーカイブが銀河帝国の襲撃を受けた。その際、帝国のスパイであったボードがコルドヴァを殺してコンパスを奪い、アーカイブから逃げ出した。ボードは娘のカタとともに誰の手も及ばない安全な場所で暮らすことを望んでおり、コンパスを独り占めしようと考えたのである。[1]
ボードはカタをノヴァ・ガロン星系の帝国保安局基地から連れ出すと、コンパスを使ってタナローへ旅した。しかしカルたちもサンタリが残したメッセージからタナローの座標を手に入れ、<スティンガー・マンティス>で深淵を超えた。その後、カルはタナローのテンプルでボードと対決に臨み、勝利した。探求の旅が終わった際、カルは最後のコンパスを<マンティス>のクルーと共有し、タナローを帝国の圧政に苦しむ人々の避難所として役立てることを誓った。[1]
登場作品[]
- Star Wars ジェダイ:サバイバー (初登場)
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 Star Wars ジェダイ:サバイバー
- ↑ 2.0 2.1 Star Wars Jedi: Survivor - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)によると『Star Wars ジェダイ:サバイバー』は前作『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』の5年後の物語である。『スター・ウォーズ タイムライン』によれば『フォールン・オーダー』の時系列は14 BBYであるため、『サバイバー』の時系列は9 BBYということになる。
- ↑ 『Star Wars ジェダイ:サバイバー』によればコーボーはハイパースペース大災害の“出現”に見舞われた。『スター・ウォーズ タイムライン』によればその時系列は232 BBYである。