第一次ジオノーシスの戦い(First Battle of Geonosis)は、22 BBYに惑星ジオノーシスで発生した銀河共和国と独立星系連合の戦いである。一般的に、ジオノーシスの戦いという呼び名でよく知られる。分離主義危機の結果として勃発したこの戦闘は、3年間続いたクローン戦争の初戦であり、銀河元老院で正式に設立されたばかりの共和国グランド・アーミーが初陣を飾った。共和国とジェダイ・オーダーはこの戦いに勝利したが、独立星系連合の指導者であるドゥークー伯爵と分離主義評議会の面々はジオノーシスから脱出し、クローン戦争の戦火は銀河系全域に広まった。
当時、共和国元老院では分離主義運動の高まりを受け、軍隊創設法案の必要性が話し合われていた。そんな中、パドメ・アミダラ元老院議員の暗殺未遂事件を調査していたジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービが、惑星カミーノで共和国のために製造されたクローン軍団を発見した。またオビ=ワンはジオノーシスで分離主義者が戦争の準備をしていることを突き止めた後、ドゥークーの捕虜になった。オビ=ワンのパダワンであるアナキン・スカイウォーカーとパドメも分離主義者に捕まり、オビ=ワンとともに処刑されることになった。一方元老院では、この未曾有の危機に対処すべく、ジャー・ジャー・ビンクス下級代議員の提案でシーヴ・パルパティーン最高議長に非常時大権が与えられることになった。パルパティーンはこの大権を行使し、議決をとることなく共和国軍を設立した。
その直後、ジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥ率いるジェダイの攻撃チームがジオノーシスのペトラナキ・アリーナになだれ込み、オビ=ワンたちを救出した。しかしジオノージアンやバトル・ドロイドの大軍が彼らを迎え撃ち、大勢のジェダイがアリーナの死闘で命を落とすことになった。ジェダイの生存者はグランド・マスター・ヨーダがカミーノから連れてきたクローン軍団によって救い出され、戦場はアリーナの外に移った。ジェダイによって率いられたクローン・トルーパーはドロイド軍を圧倒し、クローン戦争の最初の戦闘は共和国の勝利に終わった。また、ドゥークーはオビ=ワンとアナキンをライトセーバーの対決で破り、ヨーダの攻撃をしのいでジオノーシスから脱出した。
背景
分離主義運動
22 BBY当時、銀河共和国は分裂危機のさなかにあった。10年前に発生したナブーの侵略事件以降、社会的不公平や貿易不公正が原因で、何百という宙域が共和国からの離脱を宣言し、局地的な小競り合いが日常茶飯事になっていた。そんな中、ジェダイ・オーダーの脱退者であるドゥークー伯爵が台頭し、ラクサス星系のホロネット基地を乗っ取って共和国を非難する扇動的スピーチを行った。共和国に不満を抱えていた多くの宙域がドゥークーの分離主義運動に加わり、独立星系連合(分離主義勢力)が形成された。[2] また星系や宙域のみならず、トレード・フェデレーションやコーポレート・アライアンス、テクノ・ユニオン、コマース・ギルド、インターギャラクティック銀行グループといった複合企業もドゥークーに組した。[1]
この危機を受け、共和国の銀河元老院では軍隊創設法案の必要性が話し合われた。そんな中、法案に反対している惑星ナブーのパドメ・アミダラ元老院議員が何者かに命を狙われる事件が発生した。ジェダイ・オーダーはシーヴ・パルパティーン最高議長と話し合い、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービと、彼のパダワンであるアナキン・スカイウォーカーをアミダラ議員の護衛に割り当てた。アナキンが2度目の攻撃を阻止した後、オビ=ワンは何者かが暗殺者の口封じに使用した毒矢を手掛かりに、黒幕の捜査を開始した。一方、アナキンは安全のため故郷ナブーに戻ることになったアミダラ議員に同行した。[1]
友人のデクスター・ジェットスターから毒矢の出所がカミーノであることを教えられたケノービだったが、この惑星に関する情報はジェダイ・アーカイブから削除されていた。直接現地に赴いたケノービは、この惑星で共和国のためのクローン・トルーパー軍団が製造されていることを知った。カミーノアンのラマ・スー首相は、クローン軍団の発注元がジェダイ・マスターのサイフォ=ディアスであることをケノービに教えた。カミーノ滞在中、ケノービはクローン軍団の遺伝子提供者で、賞金稼ぎのジャンゴ・フェットと対面する。ジェダイ評議会はフェットを捕まえるようケノービに指示したが、この賞金稼ぎは宇宙船<スレーヴI>でカミーノから逃げ出した。[1]
共和国軍の誕生
ケノービはフェットを追跡し、惑星ジオノーシスにたどり着いた。ケノービは小惑星地帯のドッグファイトを生き延び、砂漠の惑星の地表に降りた。ジオノージアンの建物に潜入したケノービは、そこで行われていた分義主義者の幹部たちの会合を目撃する。ケノービは、トレード・フェデレーションのヴァイスロイ・ヌート・ガンレイがアミダラ議員暗殺未遂事件の黒幕だったことを知った。彼は新事実をジェダイ評議会に報告したが、通信中にドロイデカに襲撃され、捕えられてしまった。この通信は、惑星タトゥイーンにいたアミダラ議員の宇宙船によって中継されていた。アミダラとスカイウォーカー(彼は故郷であるタトゥイーンで、母親の救出に失敗していた)は、ケノービの危機を知ってジオノーシスに向かった。一方、ドゥークーは捕えられたケノービのもとを訪れ、彼を味方に付けようとしたが、失敗に終わる。[1]
スカイウォーカーとアミダラは、ケノービを救出するためジオノーシスに駆け付けたが、大量のバトル・ドロイドを製造するドロイド工場で分離主義勢力に捕えられてしまった。ふたりは死刑を宣告され、ペトラナキ・アリーナでケノービと共に処刑されることになった。処刑にはアクレイやネクスー、リークといった猛獣が使われ、ケノービ、スカイウォーカー、アミダラは処刑アリーナの中心に立つ柱に鎖で繋がれた。彼らは猛獣の攻撃を何とかかわし、しばらくの間持ちこたえた。[1]
一方、分離主義勢力の陰謀に関するケノービの報告を受け、銀河元老院では会議が開かれていた。ナブーの準惑星代表、ジャー・ジャー・ビンクスは、この危機に対処するため、最高議長パルパティーンに“非常時大権”を与えてはどうかと提案し、受け入れられた。パルパティーンは与えられたばかりの権利を行使し、共和国グランド・アーミーを設立する。パルパティーンが軍隊の創設を宣言した直後、ジェダイのグランド・マスター・ヨーダは、発見されたばかりのクローン軍団を使うためカミーノに向かった。一方、ジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥはジェダイの攻撃チームを組織し、ケノービたちを救出するためジオノーシスに向かった。[1]
戦闘
アリーナの戦い
分離主義勢力がアリーナにドロイデカの部隊を投入し、オビ=ワン、アナキン、パドメを銃殺しようとしたとき、メイス・ウィンドゥがアリーナのバルコニーに姿を現し、ジャンゴ・フェットの首にライトセーバーを向け、ドゥークー伯爵に降伏を迫った。同時に、彼が連れてきた大勢のジェダイが観客席と処刑場で一斉にライトセーバーを起動した。しかしドゥークーは脅しに動じず、むしろ多勢に無勢だと嘲笑った。その直後、無数のB1バトル・ドロイドとB2スーパー・バトル・ドロイドがアリーナのゲートから現れ、ジェダイに襲いかかった。メイスもバルコニーの通路から現れたスーパー・バトル・ドロイドの銃撃やジャンゴの火炎放射器をかわすため、アリーナに飛び降りて仲間に加わった。アナキンとオビ=ワンはそれぞれニカナス・タスー、セフジェット・ジョソールからライトセーバーを受け取り、バトル・ドロイドと戦った。また大勢のジオノージアン戦士がソニック・ブラスターや[1] 4基のLR1Kソニック砲[6] でドロイド軍に加勢した。[1]
戦闘のさなか、ジェダイ最高評議会のメンバーであるコールマン・トレバーがドゥークーのいるバルコニーに飛び込んだが、ジャンゴ・フェットによってブラスター・ピストルで射殺された。それからしばらくしてジャンゴはアリーナで戦っているメイスが猛獣リークに苦しめられているのに気づき、ジェットパックを使ってアリーナに降下した。しかしジャンゴはメイスが落としたライトセーバーを拾おうとしたせいで逆に体勢を崩し、自分がリークの攻撃を受けることになってしまった。彼はブラスターでリークを仕留めたものの、戦闘時にジェットパックが故障したためメイスの突進をかわすことができず、ライトセーバーで首をはねられて命を落とした。その後、最後まで生き残っていたアクレイもオビ=ワンによってライトセーバーで退治された。また、ドロイド工場における“事故”でバトル・ドロイドのボディをくっつけられてしまったプロトコル・ドロイドのC-3POも、ドロイド軍の一員として戦いに参加した。C-3POはジェダイ・マスターのキット・フィストーによってフォースで押し倒され、破壊を免れた。[1]
ジェダイは圧倒的多数のドロイド軍を前に次々と倒れていき、最後の生き残りはアリーナの中央でバトル・ドロイドに完全包囲された。ドゥークーはここでドロイドの攻撃を止めさせ、ジェダイに降伏を求めた。メイスが交渉のための人質になるつもりはないと断言すると、ドゥークーはドロイドに命じてジェダイにとどめを刺そうとした。しかしそのとき、ヨーダがカミーノから連れてきたクローン・トルーパー軍団がアリーナに到着し、LAAT/iガンシップの編隊が生存者を取り囲みながらアリーナの敵に激しい攻撃を加えた。ジェダイの生存者とアミダラ議員はガンシップに乗ってアリーナから脱出し、戦いは外に広がる砂漠に移った。[1]
アリーナの戦いの終盤、C-3POは仲間のアストロメク・ドロイドR2-D2によってバトル・ドロイドのボディから切り離された。生存者がガンシップに乗ってアリーナから脱出した後、R2-D2による修理が終わり、C-3POは本来のボディを取り戻した。また、ジャンゴの最期をバルコニーから目撃していたボバ・フェットは、共和国軍が去った後にアリーナに降り、マンダロリアン・ヘルメットを持ち上げて父親の死を悲しんだ。[1]
砂漠の戦い
- 「もしもドゥークーが逃げれば、さらに多くの星系がやつのもとになびくじゃろう」
- ―ヨーダ[出典]
ヨーダのガンシップ隊が生存者をアリーナから運び出していた時、共和国軍の別働隊は、ドロイドを積み込んでジオノーシスから離れようとする分離主義勢力のスターシップの離陸阻止に注力していた。ジオノーシスの砂漠におけるクローン軍とドロイド軍ビークルの戦闘は、次々と新しい前線を誘発して拡大していった。両陣営とも宇宙船が強力なエネルギー・シールドで防衛されていたため、艦砲によって一方を圧倒することは不可能だった。また共和国には、対宇宙船兵器を用いて無差別攻撃をすれば、分離主義者の陰謀の証拠であるドロイド施設を無傷で確保することができなくなるという止むに止まれぬ事情もあった。戦闘の初期段階で、共和国のアクラメイター級アサルト・シップはジオノージアンのナンテックス級領域防衛スターファイターの発進基地に先制攻撃を行った。その結果、ジオノージアンは共和国が惑星軌道に配置した封鎖線に反撃を仕掛けることができなくなった。[6]
共和国はアリーナの外、イムグトゥイー丘陵地帯の端を集結地点に選び、何隻ものアサルト・シップを着陸させ、戦闘車両やクローン・トルーパーを降ろした。高位のジェダイは事実上の将軍として地上戦に参加した。ヨーダとメイス・ウィンドゥはそれぞれ1個野戦軍を指揮し、他のベテランのジェダイが8つの兵団をそれぞれ指揮した。共和国は自走式重ターボレーザー砲(SPHA-T)を集結地点と前線の重要なポジションに配置し、アサルト・シップの防衛ラインを形成した。また、LAAT/cガンシップが全地形対応戦術攻撃兵器(AT-TE)を前線へ空輸し、歩兵たちを支援した。一方、分離主義勢力は工場から直接バトル・ドロイドを供給するなどして、まだ宇宙船に積み込まれていなかった全戦力を総動員して共和国に応戦した。[6]
このセクションは不完全です。記事の編集が求められます。 |
ドゥークーとの対決
- 「私はどのジェダイよりも強くなった。あなたよりも」
「まだまだ学ぶべきことは多い」 - ―ドゥークーとヨーダ[出典]
このセクションは不完全です。記事の編集が求められます。 |
その後
ジオノーシスの戦いでドゥークーを取り逃がしたことから、共和国とジェダイ・オーダーは独立星系連合との全面戦争に突入。クローン戦争の開戦となった。
一時は共和国軍がジオノーシスを手中に収めたが、21 BBY、分離主義勢力とジオノージアンが反抗作戦を開始し、ジオノーシスが再び独立星系連合の手に落ちたため、第二次ジオノーシスの戦いが勃発した。アナキン・スカイウォーカーは後にアソーカ・タノがブレイン・ワームと遭遇した際、ジオノーシスが呆気なく分離主義勢力によって陥落した原因がワームにあるのではないか、と推測した。
またジオノーシスの戦いの直後、後に「カット・ロクウェイン」と名乗るクローン・トルーパーが乗っていた兵員輸送船が分離主義勢力のガンシップ2機に襲撃され、彼の仲間の大半が殺されてしまう。この凄惨な事件がきっかけでカットは共和国軍を離脱し、惑星サルーカマイで農場を営むことになる。
参加者
銀河共和国/ジェダイ
生存者
犠牲者
生死不明
- カト・キイン
- ガルドス・ストゥフ
- キュー=マーズ・レダス=ゴム
- スタ=デン・イーキン
- セフジェット・ジョソール
- ニカナス・タスー
- フィ=エック・サーチ
- ベアドン・ジェイス
独立星系連合
生存者
犠牲者
生死不明
登場作品
|
参考資料
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ビジュアル・ガイド
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック
- スター・ウォーズ キャラクター事典 完全保存版
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック 増補改訂版
- スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- スター・ウォーズ:オン・ザ・フロントライン
- スター・ウォーズ ローグ・ワン アルティメット・ビジュアル・ガイド
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- Star Wars THE GALACTIC EXPLORER’S GUIDE
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 1.24 1.25 1.26 1.27 1.28 1.29 1.30 1.31 1.32 1.33 1.34 1.35 1.36 1.37 1.38 1.39 1.40 1.41 1.42 1.43 1.44 1.45 1.46 1.47 1.48 1.49 1.50 1.51 1.52 1.53 1.54 1.55 1.56 1.57 1.58 1.59 1.60 1.61 1.62 1.63 1.64 1.65 1.66 1.67 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- ↑ 2.0 2.1 ターキン
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ クローン・ウォーズ – 特務分隊結成
- ↑ スター・ウォーズ:オン・ザ・フロントライン
- ↑ 6.00 6.01 6.02 6.03 6.04 6.05 6.06 6.07 6.08 6.09 6.10 6.11 6.12 6.13 6.14 6.15 6.16 6.17 6.18 6.19 6.20 6.21 スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- ↑ スター・ウォーズ:共和国のジェダイ—メイス・ウィンドゥ
| |||||||||||||||||||||||||
[Source] |