クローン戦争終盤の19 BBY、クリストフシスの戦いから2年以上の歳月を経て、惑星クリストフシスで2度目の戦いが発生した。この戦いは、ジェダイ・マスター・クインラン・ヴォスがダークサイドに転向したことに気づいたジェダイ最高評議会が、彼の忠誠心を試すため、独立星系連合の指導者であるドゥークー伯爵の暗殺任務を改めて彼に与えたことに端を発する。ヴォスの恋人であるアサージ・ヴェントレスからの情報で、ジェダイはドゥークーのドレッドノートがクリストフシスを訪問予定であることを突き止めていた。ヴォスはヴェントレスとともに任務に発ち、旗艦のブリッジでドゥークーとライトセーバーの対決に臨む。ヴォスは知らなかったが、ジェダイはオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーを彼の尾行につけていた。
ヴォスは決闘で優位に立ったがドゥークーにとどめを刺さず、シス・マスターのダース・シディアスの正体を教えるよう要求した。ヴォスが分離主義勢力の側に寝返ったと判断できる決定的な証拠を掴んだオビ=ワンとアナキンは、任務に介入してヴォスとドゥークーを拘束することに成功した。しかし2人はヴェネター級スター・デストロイヤー<ヴィジランス>における戦いを経て、ジェダイのもとから逃げ出した。ヴォスとドゥークーはヴェントレスのスターシップ<バンシー>で伯爵の旗艦への逃亡を試みたが、共和国軍によって撃墜される。
<バンシー>でクリストフシスに不時着した後、ヴォスとヴェントレス、ドゥークーは現地の分離主義基地へ向かった。ドゥークーはそこからダース・シディアスに連絡を取り、惑星外へ出るための手助けを求めた。まもなくオビ=ワンとアナキンによる分離主義基地への攻撃が始まった。戦闘中、ヴェントレスはヴォスを守るために身代わりとなり、ドゥークーのフォース・ライトニングを身に受けて命を落とした。ヴォスはダークサイドの誘惑を拒否してドゥークーを殺すのを思い留まり、恋人の死をきっかけに、ライトサイドへ帰還する。共和国軍はクリストフシスの分離主義勢力基地を制圧するが、ドゥークーはシディアスの助けを借りて逃げおおせた。
背景[]
独立星系連合の指導者ドゥークー伯爵がマラニーの民間人を虐殺する事件が起きた後、ジェダイ最高評議会はジェダイ・マスターのクインラン・ヴォスをドゥークー暗殺任務に送り出した。ヴォスはナイトシスターの賞金稼ぎアサージ・ヴェントレスとタッグを組み、彼女からフォースのダークサイドを学んだ。かつてドゥークーのシス・アプレンティスだったヴェントレスは、自分を捨てたシス卿に対して復讐心を抱いていた。賞金稼ぎとして一緒にいくつかの任務をこなした後、ヴェントレスは故郷ダソミアでヴォスの訓練を完了し、ドゥークーを殺すためラクサス・セカンダスへ発った。しかしヴォスは任務に失敗してドゥークーに捕まり、ヴェントレスは命からがら逃げ出すことになった。[1]
セレノーにあるドゥークーの宮殿へ連れて行かれたヴォスは、シス卿による過酷な拷問を受けた。やがてヴォスは、師匠のマスター・ソルメを殺したのがドゥークーではなくヴェントレスであったことを知らされ、ダークサイドに堕ちた。ヴェントレスは賞金稼ぎボバ・フェットのチームとともに恋人の救出を試みたが、ヴォスはドゥークーのもとを離れることを拒絶した。ヴォスはそれから数ヶ月にわたってドゥークーの新たな手先“エニグマ提督”として暗躍し、銀河共和国との複数の戦いで分離主義勢力を勝利に導いた。その後、ジェダイがヴェントレスと協力して救出に駆けつけた時、ヴォスはライトサイドに再転向したふりをして、ドゥークーのシナリオ通り、ジェダイのもとへ戻った。しかしヴェントレスだけは、ヴォスが今もダークサイドを抱えていることを見抜いていた。[1]
ジェダイ・オーダーに戻ったヴォスは、分離主義者のスパイとして活動し、共和国軍の軍事機密をドゥークー伯爵に報告した。しかし彼には、謎のシス卿ダース・シディアスの正体を暴きたいという真の目的があり、ドゥークーの意思に従っていたのも、彼のシス・マスターに近づくためだった。しかし不可解な事件が続いた後、ジェダイ・オーダーは組織に内通者がいるのではないかと疑い始めた。やがてマスター・ヨーダが、ヴォスが今もダークサイドの影響下にあることを突き止めると、ジェダイ評議会は彼の忠誠心を試すべく、改めてドゥークーの暗殺任務を彼に与えた。[1]
ヴォスはこの任務を、ドゥークーとシディアスを一度に滅ぼせるチャンスとして受け入れ、恋人であるヴェントレスにもそのことを知らせた。ヴェントレスはヴォスが新たな任務を引き受けたことに驚いたが、今回も彼についていくことに決めた。ヴェントレスはヴォスの任務に力を貸すことに同意し、ドゥークーがプロヴィデンス級ドレッドノートに乗ってクリストフシスを訪問予定であることをジェダイ評議会に教えた。ジェダイ評議会は、先の救出任務に参加したことと引き換えにヴェントレスの過去の戦争犯罪を不問にしていたが、一部の評議員はいまだに彼女を疑っていた。しかしヴォスがヴェントレスの保証人となり、2人は再びコンビで任務に発つこととなった。[1]
戦い[]
忠誠心のテスト[]
クインラン・ヴォスとアサージ・ヴェントレスは、ヴェントレスのスターシップ<バンシー>でクリストフシスへ旅した。ドゥークーのドレッドノートに接近すると、ヴェントレスはヴォスがハンガーに飛び移れるよう、船のドアを開いた。2人は知らなかったが、ジェダイはヴォスを監視するためアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービに彼らの尾行を命じていた。アナキンとオビ=ワンは拿捕した分離主義者のシャトルと再プログラムしたバトル・ドロイドを利用してドゥークーの旗艦に侵入した。再プログラムされたドロイドを使ってハンガーのバトル・ドロイドの注意をそらすと、2人のジェダイは、ドゥークーが向かっているという艦内の観測室を目指した。[1]
オビ=ワンとアナキンは観測室のデスクに隠れ、ヴォスとドゥークーが繰り広げるライトセーバーの対決を見守った。ヴォスは戦いで優位に立ったにも関わらず、ドゥークーにとどめを刺さず、このシス卿の髪を掴んで床に叩きつけた。するとヴォスはドゥークーに、謎に包まれたダース・シディアスの正体を明かすよう迫った。ドゥークーは頼みを断る代わりに、自分と力を合わせてシディアスを倒さないかと提案したが、ヴォスは伯爵の弟子になることを拒否し、彼の首をフォースで絞めた。結局ドゥークーはヴォスをシディアスのもとへ導くことに同意したが、これは2人を隠れて見ていたジェダイたちにとって、ヴォスがジェダイへの忠誠心を失っている動かぬ証拠となった。[1]
オビ=ワンとアナキンは隠れていた場所から飛び出し、ドゥークーとヴォスを武装解除した。ヴォスは抗議したが聞き入れられず、オビ=ワンはヴォスがこれまでに何度も潔白を証明するチャンスをふいにしてきたと指摘した。2人のジェダイは盗んだ分離主義勢力のシャトルでドレッドノートから脱出し、共和国宇宙軍のヴェネター級スター・デストロイヤー<ヴィジランス>へ戻った。道中、彼らはクローン・コマンダーのコーディとジェダイ・ナイトのアカー=デシュ(通称“デシュ”)、カヴ・ベヨンズらに、ヴォスが反逆行為を犯したこと、ドゥークーを拘束したことを伝えた。艦内のジェダイとクローンは、2人のフォース感応者を拘束する準備と、ジェダイ評議会から命令があれば処刑も実行する準備を始めた。[1]
<ヴィジランス>からの脱出[]
シャトルが<ヴィジランス>のハンガー・ベイに着艦すると、クインラン・ヴォスとドゥークーはコマンダー・コーディによって選びぬかれた24名の武装したクローン・トルーパーに包囲された。アカー=デシュ(ヴォスと親しく、彼の裏切りに深く傷ついていた)とベヨンズが、そのエスコートを担当した。オビ=ワンとアナキンはジェダイ評議会との連絡に向かい、デシュとベヨンズ、クローン・トルーパーたちに囚人の収容を任せた。クローンとジェダイに連れられて営倉へ向かう途中、ヴォスはデシュのライトセーバーをフォースで起動し、ドゥークーの拘束具を外した。ドゥークーもヴォスと同じ手を使い、ベヨンズのライトセーバーを奪い取った。[1]
ドゥークーはライトセーバーでクローン・トルーパーたちを殺し、コーディを通路や隔壁に投げつけると、ヴォスの拘束具を外し、ベヨンズや4名のクローンをフォース・ライトニングで攻撃した。短いライトセーバーの対決のすえ、ヴォスは2人のジェダイを圧倒し、デシュが持つマラン種族特有の毒針を利用してベヨンズを殺害した。これはデシュにとっても致命傷となり、ヴォスはかつての友人が余計な苦しみを味わわなくて済むように、ライトセーバーを使ってとどめを刺した。一方ドゥークーは、脚を折る怪我をしたコマンダー・コーディを除き、その場にいたクローン・トルーパーを皆殺しにした。[1]
共和国軍を制圧したヴォスはヴェントレスに連絡を取り、<バンシー>を<ヴィジランス>の正面ハンガー・ドアに駐機するよう指示した。ヴェントレスはやむを得ず、ヴォスとドゥークーの逃亡に力を貸すことに同意した。ヴェントレスとドゥークーの冷え切った再会を経て、3人はクリストフシスの上空に浮かぶ分離主義勢力のドレッドノートへ向かうことで一致した。しかし<ヴィジランス>はアナキンの命令のもと<バンシー>へ砲撃を行い、<バンシー>を航行不能にした。この船は眼下のクリストフシスに墜落し、3人はかろうじて不時着を生き延びた。彼らは分離主義勢力の基地を目指し、結晶構造に覆われた惑星の地表を進んだ。ドゥークーは墜落で腕を折り、大量の血を失った。[1]
それから間もなく、アナキンとオビ=ワンがジェダイ・シャトルで<バンシー>の墜落現場に到着した。クローンのスリープウッドやトラッカー、ボイルらとともに残骸を調査した後、彼らは<バンシー>に乗っていた3人が墜落を生き延び、そのうち1人が負傷したことを突き止めた。その後オビ=ワンはこっそりヴェントレスにホログラムで連絡を取り、ヴォスがダークサイドに寝返ったことと、ドゥークー伯爵と組んだことを知らせた。オビ=ワンはヴォスに降伏を促して欲しいとヴェントレスに頼み、さもなければ自分たちは彼を処刑しなければならないと告げた。しかしヴォスは、間もなくシスの打倒という秘密の目的が達成されると言うばかりで、ヴェントレスの言葉を聞かなかった。一方、アナキンとオビ=ワンはすべての逃亡者を抹殺せよという命令をメイス・ウィンドゥから受け取っていた。[1]
分離主義基地への攻撃[]
ヴォスとヴェントレス、ドゥークーはチャレイドニアにある分離主義勢力の基地になんとかたどり着き、何百というバトル・ドロイドに出迎えられ、基地の中へ案内された。コマンド・センターに到着したドゥークーは、ダース・シディアスが彼と連絡を取りたがっていることを知らされる。ドゥークーはシス・マスターと会話するあいだヴォスとヴェントレスに退室するよう命じたが、2人は留まると言って譲らなかった。シディアスの正体を教えるとヴォスに約束していたドゥークーは、やむを得ず2人の前でマスターに連絡をとった。ヴォスとヴェントレスはシスの暗黒卿のホログラムを見ることができたものの、その正体はフードで覆い隠されていた。[1]
ダース・シディアスからヴォスについて尋ねられたドゥークーは、彼は部下の暗殺者だと答えた。共和国軍がクリストフシスに迫っているため、ドゥークーは脱出するための船をよこして欲しいとシス・マスターに頼んだ。シディアスは“おそらくは”とだけ言い残し、ホログラムの通信を終えた。自分を“暗殺者”と呼んだことについてヴォスがドゥークーと議論する暇もなく、アナキンとオビ=ワン率いる共和国の軍勢がクリスタルのタワーに対する爆撃を開始し、ヴォスとヴェントレス、ドゥークーは安全な場所への避難を余儀なくされた。また2人のジェダイ将軍は分離主義者の基地を攻撃するためにシャトルとARC-170スターファイターを配備した。アナキンがウォーカー部隊を配備しようとした際、オビ=ワンは自分たちで基地の中に入って逃亡者たちを見つけ出すため、爆撃の中止命令を出した。[1]
ヴェントレスとヴォス、ドゥークーは爆撃を生き延びたが、落下してきたクリスタル構造の残骸で負傷した。特に、ヴェントレスは腕を骨折してしまった。3人のフォース感応者たちは、中心部から離れた巨大なクリスタルの玉石へと退却する。このクリスタル構造物は、分離主義者の基地の中の内部避難所となっていた。シディアスの正体を掴んでシスを一度に滅ぼしたいという考えに取りつかれたヴォスは、ドゥークーの後に従うことをやめなかった。一方、分離主義者のバトル・ドロイドは進撃を続けるクローン・トルーパーやジェダイと戦いを繰り広げていた。構造物の中へ進んでいた時、ドゥークーは戦闘で生じた爆発で気を失い、衝突時に負った怪我の傷口も開いてしまった。[1]
ヴェントレスはドゥークーをこのまま死なせるべきだと考えたが、ヴォスは救うと言って譲らず、外に出て共和国軍と戦うバトル・ドロイドに加勢した。目を覚ましたドゥークーは、ヴェントレスよりもヴォスのほうがよっぽどシス卿になれる素質があると語り、かつての弟子を“不満屋”と罵った。これに対しヴェントレスは、ヴォスにはドゥークーも気づいていない“より大きな計画”があるのだと答えた。一方共和国の前線では、オビ=ワンとアナキンが分離主義者の内部クリスタル構造の存在に気づいていた。構造物の中に忍び込んで逃亡者たちを追い詰めるため、オビ=ワンはアナキンを説得し、攻撃を中止させた。[1]
分離主義勢力基地のクリスタル避難所では、ヴェントレスが再度ヴォスの説得を試みていた。ヴォスは、自分の行動は2人のためにしていることであり、よく考えた上だと反論した。経験上ダークサイドをよく知るヴェントレスは、闇の道には多くの危険と不幸がつきまとうことを恋人に警告する。かつて自らも信奉したダークサイドを否定した瞬間、ヴェントレスは生けるフォースの力に満たされた。その直後、ドゥークーがフォース・ライトニングでヴォスを突然攻撃したが、ヴェントレスは自らを盾にして恋人を守った。ヴォスはなんとかドゥークーを止めたが、ヴェントレスはこの攻撃で致命傷を負った。続けてドゥークーは、自分を殺すようヴォスに迫ったが、ヴォスはこれがダークサイドへの誘いであることを理解して拒絶し、自分はジェダイだと宣言した。ドゥークーは逃げ出し、ヴォスは死にゆく恋人を看取った。[1]
その後[]
オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカウォーカーは、アサージ・ヴェントレスの亡骸を抱えて悲しみにくれるクインラン・ヴォスと出くわした。彼らは分離主義者の基地から出るため協力して戦ったが、ドゥークーはシディアスが派遣した援軍に助けられ、逃げおおせた。これまでの経緯を踏まえ、ヴォスはコルサントへ戻る旅のあいだ、<ヴィジランス>の営倉に入れられることになった。ヴェントレスの遺体は、ジェダイを命がけで助けたことに対する敬意から、艦内でステイシス保存された。ジェダイ評議会に戻ったヴォスは、自身が2人のシス卿を倒す目的でダークサイドに堕ち、ドゥークーと手を結んだことを白状した。彼はドゥークーの手下として小惑星基地やヴァンコア哨戒基地などで共和国の軍事活動を妨害したことや、ベヨンズやデシュ、クローン・トルーパーを<ヴィジランス>で殺めた責任を認めた。[1]
またヴォスは自分をライトサイドへ引き戻してくれたヴェントレスの行動について、評議会に供述した。オビ=ワンはこの審問で、ヴォスとヴェントレスの側に立って証言を行った。彼はまず、ヴォスがダークサイドに堕ちたそもそもの原因は、ドゥークーを暗殺するという評議会の決断にあると主張した。またオビ=ワンはヴェントレスが分離主義者からジェダイを助けてくれたと証言し、彼女がヴォスをライトサイドから救ったという供述を裏付けた。最終的に評議会は、ヴォスの犯罪行為を赦し、今後もジェダイとしてオーダーに仕え続けるチャンスを与えることにした。その後、ヴォスとオビ=ワンはヴェントレスの遺体を埋葬するためダソミアへ向かった。[1]
制作の舞台裏[]
第二次クリストフシスの戦いは、2015年7月7日に発売されたクリスティ・ゴールデンによる小説『ダーク・ディサイプル』で描かれた。この小説は『クローン・ウォーズ レガシー』と呼ばれる作品群に属し、TVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』の打ち切りによって未完成に終わったエピソードの脚本をもとに執筆された。[1]
登場作品[]
- ダーク・ディサイプル (初登場)
参考資料[]
- スター・ウォーズ:銀河系の女性たち (間接的に言及)
- Asajj Ventress - 公式データバンク
- Christophsis - 公式データバンク
- Count Dooku - 公式データバンク
- Quinlan Vos - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 1.24 1.25 1.26 1.27 1.28 1.29 1.30 1.31 1.32 1.33 1.34 1.35 1.36 1.37 1.38 1.39 1.40 1.41 1.42 1.43 1.44 1.45 1.46 1.47 1.48 1.49 1.50 1.51 1.52 1.53 1.54 1.55 1.56 1.57 ダーク・ディサイプル
- ↑ スター・ウォーズ:ケイナン2 ファースト・ブラッド
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
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