2 BBY、スペクターズは銀河帝国の占領下にある惑星ライロスへの潜入任務を行った。彼らの任務の目的は、タン地方にあるシンドゥーラ氏族の邸宅から、トワイレック種族の工芸品であるカリコリを回収することだった。ライロス解放運動の指導者チャム・シンドゥーラ、ゴビ・グリー、ヌーマ、<ゴースト>のクルーがトゥララ峡谷で陽動攻撃を展開している間に、ヘラ・シンドゥーラ、エズラ・ブリッジャー、チョッパーが帝国の作戦本部として利用されている邸宅に侵入した。しかし、ヘラとブリッジャーはスローン大提督とその副官スレイヴィン大佐によって捕らえられてしまう。スローンはカリコリを自身の芸術品コレクションに加え、後の作戦をスレイヴィンに任せた。スレイヴィンはヘラとブリッジャーを人質にしてチャムに降伏を迫ったが、捕虜交換のさなかに、チョッパーがシンドゥーラ邸を爆弾で吹っ飛ばして混乱を引き起こした。ヘラとブリッジャーは拘束を逃れて<ゴースト>に乗り込み、仲間たちと共に帝国軍の元から逃げ去った。
背景[]
- 「司令官のスレイヴィン大佐を甘く見ていた。それまでの攻撃とは違って、今回は迅速で正確だった。まるで別人だ。奴は私たちの家に本部を置いた。何も持ち出すことができなかった」
- ―チャム・シンドゥーラ[出典]
<ゴースト>反乱分子のメンバーであるヘラ・シンドゥーラは、ライロス解放運動を率いる実の父チャム・シンドゥーラと長年険悪な関係にあったが、銀河帝国のクエーサー・ファイア級クルーザー=キャリアーを奪取する作戦で久しぶりに再会し、しこりを解消した。その結果、ライロス解放運動と反乱ネットワークのあいだにも強い絆ができた。ヤヴィンの戦いの2年前、銀河帝国は惑星ライロスにおける反乱を鎮圧するため、新たな司令官としてスローン大提督を派遣した。トワイレック種族の文化、芸術、歴史、哲学を研究したスローンは、シンドゥーラ氏族の故郷であるタン地方の占領に成功する。チャムは帝国軍の戦術が急変したことに驚きを隠せなかった。
ライロス解放運動は帝国との戦いで多くの戦士を失い、チャムも止むを得ず一族の邸宅を放棄した。あまりに突然のことだったため、彼は家宝であるカリコリを含め、多くの所有物を家に残したまま敗走を強いられた。その後、チャムとヌーマはスカウト・トルーパーの614-AvAスピーダー・バイクやK79-S80帝国軍兵員輸送機から逃げながら、<ゴースト>のクルーとの合流を試みた。チャムとヌーマはブラーグに乗ってトルーパー2名を倒し、ブラーグごと<ゴースト>のハッチに乗り込んだ。スカウト・トルーパーが1人その後を追って<ゴースト>に侵入したが、反乱者のガラゼブ・オレリオスによってあえなくノックアウトされた(彼の装甲服はエズラ・ブリッジャーの所有物になった)。
潜入任務[]
陽動と侵入[]
- 「あそこが故郷?きれいなところだね」
「そうよ。帝国軍が来る前はもっときれいだった」 - ―エズラ・ブリッジャーとヘラ・シンドゥーラ[出典]
チャムは<ゴースト>の船内で娘や反乱者たちと再会し、ライロスの近況を報告した。チャムは帝国軍の戦術が今まであまりにお粗末だっただけに、新しい指揮官のことも侮っていたと語った。カリコリが家に残されたままであることを知ったヘラは、亡き母エレニの思い出のために家宝を取り戻すと誓った。今回の任務は個人的な事情によるものであるため、ヘラは1人で行くと言い張ったが、チャム、ヌーマ、ゴビ・グリー、<ゴースト>のクルーが協力を申し出た。帝国の拠点になっているシンドゥーラ邸に潜り込むため、ブリッジャーはスカウト・トルーパーの装甲服に身を包み、チョッパーは帝国のアストロメク・ドロイドに変装した。一方、チャム率いるほかのメンバーはトゥララ峡谷で陽動攻撃を展開することになった。
潜入作戦が始まると、<ゴースト>のクルーとトワイレックの戦士たちはトゥララ山脈で帝国の兵員輸送機とAT-DPウォーカーを襲撃した。帝国の兵士たちがそちらに気を取られている隙に、ヘラとブリッジャーは614-AvAスピーダー・バイクに乗って敵の警戒をすり抜け、タン地方まで走り抜けた。シンドゥーラ邸に到着すると、ブリッジャーはトワイレックの捕虜を連行するスカウト・トルーパーのふりをして建物の敷地内に入った。別行動をとっていたチョッパーは、彼らよりも先に潜入に成功していた。
チャム・シンドゥーラのオフィスからカリコリを回収した後、2人は初めてスローン大提督を目撃した。スローンはスレイヴィン大佐とストームトルーパー1名を連れて通路を歩いており、トゥララ峡谷で発生した襲撃事件について話し合っていた(スローンはこの事件がシンドゥーラ邸への侵入を目的とした陽動作戦であると見抜いていた)。ヘラとブリッジャーは彼らに見つかることなく地下へ移動したが、そこはよりによって帝国の司令センターになっていた。
スローン大提督[]
地下からの脱出を諦めた2人は、チョッパーの助けを借りて警備が手薄な正面入り口からの逃亡を試みた。ヘラはチョッパーが見張りのストームトルーパーの注意を逸らしている隙に入口まで辿り着いたが、ドアが開いた瞬間、スローン大提督と鉢合わせてしまった。スローンに随伴していたスレイヴィンはヘラを使用人と勘違いし、キッチンの外に出たことを叱った。しかしスローンはヘラからカリコリを取り上げ、帝国軍の占領についてどう思うか尋ねた。ヘラは家族を養うためカリコリを売りに出そうとしている貧しい使用人のふりをしたが、スローンはカリコリの文化的な重要性を理解し、目の前にいるトワイレックがチャム・シンドゥーラの娘ヘラであることを悟った。ブリッジャーはヘラを救おうとしたが、スローンはブラスターのスタン・ビームで彼を気絶させ、ヘラと一緒に邸宅の一室に監禁した。
その後、スローンはカリコリを自身の芸術品コレクションに加え、後の作戦をスレイヴィン大佐に任せた。一方トゥララ峡谷では、チャムと残りの反乱者たちが別のAT-DPウォーカーによる執拗な追撃を受けていた。ゴビはロケット・ランチャーで付近の崖を崩したが、ウォーカー相手には一時的な足止めにしかならなかった。しばらく睨み合いが続いた後、帝国軍は銃撃を中止し、反乱者たちの前でスレイヴィン大佐のホログラムを投影した。スレイヴィンはヘラとブリッジャーが帝国軍の捕虜になったことを伝え、夜明けまでに降伏しなければ2人を処刑すると勧告した。チャムはゴビの反対を押し切って降伏を決意し、自分が帝国の捕虜になった後はヘラがその跡を継ぐだろうと語った。
人質の交換[]
- 「いけません! あなたは重要な方だ」
「娘は重要じゃないと? 命をあの子に譲り、私の後を継がせる!」 - ―ゴビ・グリーとチャム・シンドゥーラ[出典]
しかし、スローン大提督もスレイヴィン大佐も帝国のドロイドに化けたチョッパーの存在に気づいていなかった。チョッパーは監房に忍び込み、ヘラとブリッジャーにチャムの降伏を伝えた。捕虜の交換が行われることを知ったヘラは、自分たちと父親を一度に解放する作戦を立て、帝国の武器庫から爆弾を盗んで建物中に設置するようチョッパーに指示した。彼女は捕虜交換の真っただ中に敵の不意を突こうと考えたのである。一方、スレイヴィンは部下を格納庫の周囲に配置した。彼はライロス解放運動と<ゴースト>のクルーを裏切って罠にかけ、両反乱勢力に致命的な一撃を加えようと企んでいたのである。
夜が更けると、スレイヴィンはヘラとブリッジャーをチャムとの待ち合わせ場所に連れ出した。反乱者の軽貨物船<ゴースト>が到着すると、スレイヴィンは捕虜を同時に交換するため、2人をチャムの方向へ歩かせた。父親とすれ違った時、ヘラは我が家を破壊して申し訳ないと謝罪した。次の瞬間、チョッパーが大量の爆弾を一度に起爆し、シンドゥーラ氏族の邸宅を吹っ飛ばした。反乱者たちは混乱に乗じて逃げ出し、スレイヴィンは逃亡を阻止するよう部下に命令したが、ジェダイのケイナン・ジャラスはトルーパーが放ったロケットの軌道をフォースで逸らし、AT-DPウォーカーに直撃させた。
スローン大提督はシンドゥーラ邸の爆発を帝国軍軽クルーザーのブリッジから見守っていた。彼は敵の勝利を認め、<ゴースト>を銃撃する必要はないと砲術将校に命じた。落胆したスレイヴィン大佐が報告を寄こした時、スローンは今回の“実験”が非常に有意義であったと語り、落ち込む必要はないと告げた。
その後[]
- 「提督、反乱者どもが逃げます!」
「心配はいらん、大佐。わたしは今回の経験から多くのことを学んだ」 - ―スレイヴィン大佐とスローン大提督[出典]
シンドゥーラ邸から脱出した後、反乱者たちは<ゴースト>をライロスの平原に着陸させた。チャムは自分の娘の独創的な才能を褒めたたえ、ヘラは父親やケイナン、仲間たちへの愛情を口にした。ヘラは任務を振り返り、カリコリのために自分の大切な“家族”である仲間たちの命を危険にさらすなど間違っていたと語った。今回の事件で考えを改めたヘラは、カリコリが無くても、亡き母親との思い出は自分の中に残っていると考えるようになったのである。
登場作品[]
参考資料[]
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[Source] |