第1回マズ・カナタの日誌のオークション(First auction of Maz Kanata's Journal)は帝国時代にザートランズ・アンカーで開催されたオークションである。ウィークウェイの海賊ホンドー・オナカーによって、マズ・カナタの日誌の贋作が出品された。オナカーは贋作を3つ用意しており、このオークションが成功したあかつきには第2回、3回を開催して三重に儲ける計画だったが、ラング・クランに贋作を見破られたうえアンダーヴァインに情報が広まってしまい、実現には至らなかった。
背景[]
帝国時代、10 BBY以前、ウィークウェイの海賊ホンドー・オナカーは惑星キャッシークのシッキアーナ・シティにある遺失物取扱所で、のちに『スマグラーズ・ガイド』という名で知られるようになる日誌を手に入れた。この本の直前の所有者はハンターのタイロ・ヴィヴェカだったが、もともとは海賊女王として名高いマズ・カナタの所有物であり、オナカーはその価値に金儲けの可能性を見出した。彼は惑星フローラムの無限の知覚教会にある懺悔の地下室を訪れ、デュロスの偽造屋バー・ザ・ロッターに協力を求めた。その後オナカーは惑星バルモーラを目指し、バーは彼の宇宙船内で『スマグラーズ・ガイド』の偽物制作に取り掛かった。[1]
バルモーラに到着したオナカーは、アンダーヴァイン・ネットワークを操作することができる知り合いの“マークェス”を訪ねた。オナカーはアンダーヴァインを利用してオークションの宣伝を行い、バーが作った日誌の贋作を売って儲けようと考えていたのである。なお彼はバーに贋作を3つ用意させ、同じ競売が他で行われているとは知らない客たちを相手に、3度にわたってクレジットを巻き上げるつもりだった。マークェスはオナカーとの再会を喜ばなかったが、分け前の30パーセントを受け取るという条件でクルーに加わった。マークエスは、フォスフューラ・ベルトのザートランズ・アンカーを会場に、最初のオークションを手配した。[1]
オークション[]
“第1回マズ・カナタの日誌のオークション”は、ザートランズ・アンカーのカジノ・フロアにある眺望ギャレットで開催された。場所代だけで5,000クレジットかかったため、競売は75,000クレジットからの開始となった。ラング・クランやエレクサス・カルテル、そしてハット・クランのフロント企業であるノヴァバレル醸造所といった勢力がこのイベントに代理人を送り込んだ。バー・ザ・ロッターは“希少文書の専門家”、マークェスは警備兵としてイベントに参加した。オナカーは飲み物としてワイレンズ・リザーヴを6本準備しておいたが、飲酒癖のあるバーが倉庫のカギを見つけてしまい、すぐに半分がなくなってしまった。[1]
オナカーの想定に反し、ラング・クランはオークションに文書鑑定装置を持ちこんでいた。さらにまた、バーが手がけた偽装の質はかなりずさんであり、“マズ・カナタ”という署名すらひどい出来だった。偽造が発覚してブラスターが使われる事態となったが、オナカーのクルーはトラブルにも備えており、マークェスが首を振ってヘッドピースの中のギアを動かすと、壁のスクリーンが全て同時に真っ白に発行し、目を開けていた者は眩しさで視界を奪われた。しかしオナカーたちにとって不幸なことに、エレクサス・カルテルは会場にドロイデカを連れてきていた。[1]
オナカーとバー、マークェスはドロイデカに追われながらターボリフトへ急いだ。しかしドロイデカは廊下を高速回転で移動して距離を詰め、チャージ完了したキャノンのオゾンの臭いをオナカーが嗅ぎ取れるほど間近に迫った。ドロイデカが攻撃を開始する直前、オナカーはバーとマークェスがまだ外にいるのも構わずターボリフトのドアを閉めてしまった。[1]
その後[]
オナカーはクルーを見捨てることでオークション会場から脱出することに成功した。彼はボロ=ボロサ星系で2回目のオークションを計画していたが、今回の偽造騒ぎの情報が既にアンダーヴァインに広まっていたため、計画は破綻してしまった。その後、オナカーはマズ・カナタの日誌に今回の事件の一部始終を書き記した。[1]
制作の舞台裏[]
第1回マズ・カナタの日誌のオークションは2018年に発売された正史の設定資料集『スター・ウォーズ:スマグラーズ・ガイド』(ダニエル・ウォーレス著)で初めて言及された。[1]