銀河協定(Galactic Concordance)はジャクーの戦いの後に惑星コルサントで締結された、新共和国と銀河帝国の歴史的な平和条約である。この協定の成立によって銀河内戦が終結し、敗戦国となった帝国は厳しい軍縮と賠償金を科せられた。
条約[]
銀河協定は新共和国と銀河帝国の対立に正式に終止符を打ち、戦争に降伏した帝国はコア・ワールド及びインナー・リム内の予め定められた領域内に留まり、敵対行為を停止することを強制された。また、帝国はストームトルーパーの徴募や動員も禁じられ、銀河系各地に点在する帝国アカデミーも放棄し、銀河内戦は終結に至った。帝国はコア・ワールドの首都惑星コルサントを新共和国に譲渡し、拷問の禁止協定も結ばれた。
歴史[]
銀河帝国の興亡[]
ヤヴィンの戦いの19年前、最高議長シーヴ・パルパティーン(その正体はシスの暗黒卿ダース・シディアスだった)がニュー・オーダー宣言を行った。これに伴い1,000年以上にわたって銀河系を統治した銀河共和国が解体され、新たにパルパティーンを皇帝とする銀河帝国が誕生した。共和国グランド・アーミーを利用してジェダイ・オーダーを排除したパルパティーンは、シス帝国による銀河系支配を目標に、残虐行為を伴う国家の拡張を推進した。
やがて帝政に不満を持つ反乱分子の緩やかな連合によって共和国再建のための同盟(反乱同盟軍)が組織され、ヤヴィンの戦いで帝国軍の超兵器初代デス・スターが破壊された。抵抗運動が帝国を滅ぼしかねない脅威へと成長すると、皇帝は反乱軍とその指導者たちにテロリストや反逆者という烙印を押し、大規模な軍事作戦を展開した。銀河内戦と呼ばれる銀河規模紛争の間、反乱軍を壊滅させるための試みが何度も行われたが、いずれも失敗に終わった。リングブレイカー作戦とイエロー・ムーン作戦の後、同盟軍はエンドアの月の上空で第2デス・スターを破壊し、皇帝とその片腕であるダース・ヴェイダーを葬った。エンドアの戦いの大勝の後、反乱同盟軍は新たに新共和国を組織し、銀河に自由を取り戻すべく帝国軍を首都コルサントへと押し戻していった。血なまぐさい紛争はさらに1年続き、新共和国は砂漠の惑星ジャクーで帝国の最後の抵抗を挫いた。ジャクーの戦いの後、軍隊の疲弊と激しい内部抗争に直面した帝国は銀河協定への署名を強いられた。彼らは銀河の主要政府としての座を新共和国に明け渡し、銀河内戦に降伏した。
帝国の降伏の直後、帝国軍の軍艦が未知領域へのジャンプを開始した。
ファースト・オーダーによる協定違反[]
クローン戦争期の旧銀河共和国と同じ過ちを犯すことを恐れた新共和国は、銀河協定によって平和と非武装化を推し進めた。再建された銀河元老院はまず初めに軍備縮小法を可決し、新共和国防衛艦隊と武装勢力を形式上の軍隊へと収縮させた。しかしそれでもなお、新共和国はクローン戦争最盛期の共和国宇宙軍に匹敵する銀河最大規模の艦隊を保持していた。
元老院はもはや銀河帝国が脅威になることはないと考え、銀河政治の再構築に注意を向けるようになった。また、彼らはコルサントを首都とせず、加盟惑星の中から選挙で選ばれた惑星に輪番制で首都を置くことに決めた。首都機能輪番制は新共和国が2代目の“銀河帝国”にはなるまいという意図を表明するもので、分離主義運動の時代に旧共和国から脱退した星系も含め、新共和国の加盟国は増加していった。
元老院議員の多くは平和が恒久的に続くと信じ、ラネヴァー・ヴィルチャム議長と銀河元老院は主にトランス=ハイディアン・ボーダランド中立星系群との交易関係の改善を優先課題とした。しかしこの頃、未知領域では旧銀河帝国の後継政府ファースト・オーダーが勢力を拡大していた。議長は銀河協定の条約が守られている限りファースト・オーダーが脅威になることはないと判断したが、実際のところ協定は密かに破られていた。ファースト・オーダーは主力艦の保有について定めた条約を露骨に無視し、リサージェント級スター・デストロイヤーを軍隊に加えていた。また、ファースト・オーダーへの武器販売を禁止する新共和国法も同時に破られていた。銀河協定を徐々に蝕もうと試みるファースト・オーダーは、大規模なストームトルーパー部隊を動員し地上軍と宇宙軍を拡張した。新兵の訓練は宇宙船をベースにした軍事アカデミー内で行われ、ファースト・オーダーのメンバーはこうした新型艦船を自分たちの故郷とみなすようになった。また、ファースト・オーダーは拷問を禁止する新共和国法を破って新型のIT-000尋問ドロイドを開発した。
しかし、元老院議員の多くはファースト・オーダーの戦力拡大の報告を信じず、無用に戦争行為を煽り立てる人騒がせな主張として片づけた。レイア・オーガナをはじめとする一部の人びとはファースト・オーダーが戦争の準備をしていることに対し声高に抗議したが、元老院にはびこる腐敗と無知のせいで、彼女はいたずらに恐怖を広めたてる主戦論者として扱われた。新共和国が市民の安全確保のために十分な手を尽くしていないと判断したオーガナは、ファースト・オーダーを監視するためレジスタンスと呼ばれる私設軍隊を組織した。オーガナと意見を同じくする元老院内部の同志はレジスタンスに活動資金を提供した。新共和国の認可を受けていなかったにも関わらず、オーガナ将軍率いるレジスタンスは帝国の後継者との紛争を避けたいと願う元老院から非公式な支援を受けていた。
制作の舞台裏[]
銀河協定はルーカスフィルム ストーリー・グループのメンバーであるパブロ・ヒダルゴが著した設定資料集『スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ビジュアル・ディクショナリー』で初めて紹介された。日本国内では映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の劇場パンフレットで初めて言及された。旧来のスター・ウォーズ レジェンズ設定では、ヤヴィンの戦いの19年後に締結されたペレオン=ギャヴリソム協定によって銀河内戦が終結したことになっているが、正史設定ではわずか5年後となっている。
登場作品[]
- ロスト・スターズ (初言及) (間接的に言及)
- ロスト・スターズ ウェブコミック版 (間接的に言及)
- アフターマス:帝国の終焉 (初登場)
- フォースの覚醒前夜 ~ポー・レイ・フィン~ (言及のみ)