A/SF-01 Bウイング・スターファイター(A/SF-01 B-wing starfighter)はスレイン&コーピル社によって製造された高火力の単座式スターファイターである。銀河内戦で反乱同盟の戦力として活躍し、銀河系で最も重武装の戦闘機として知られた。モン・カラマリのエンジニア、クアリーが開発したプロトタイプB6をもとに開発されたこの重攻撃機は、不格好にも見える細長いブレード型の船体を特徴としていた。デザインはV-19トレント・スターファイターやT-6シャトル、H-60テンペスト・ボマーの影響を受けており、カプセル型コックピットを中心に船体を回転させる独特なジャイロスコープ機構と、2枚のSフォイル翼を備えた。パイロットは攻撃や防衛のために機体を回転させたとしても常にコックピット内で水平状態を保つことができた。しかしこの機体は優秀なパイロットにとっても操縦困難であり、また製造コストやメンテナンス上の問題も相まって、同盟宇宙軍の中でも珍しい存在だった。
A/SF-01 Bウイングの印象的な船体は兵器プラットフォームとしての役割を果たしており、重レーザー砲やイオン砲、オート=ブラスター、プロトン魚雷といった各種兵器が満載されていた。量産モデルはクアリーのプロトタイプと比べてスピードや機動性に劣り、試作機の主力兵器だった合成ビーム・レーザーは技術的問題から非搭載となったが、それでもなおBウイングは敵ファイターを一撃で破壊し、主力艦にも甚大なダメージを与えることができる高い戦闘能力を誇った。Bウイングは封鎖突破船、そして銀河帝国の主力艦を破壊するための重強襲戦闘機として設計されており、爆撃任務や対艦戦闘、鹵獲作戦などに用いられた。通常は基地の防衛や駐屯任務には使われず、またスターファイター同士のドッグファイトも不向きだった。しかしその攻撃能力の高さから、帝国宇宙軍は反乱軍が戦場にBウイングを持ち込めば厳しい戦いを強いられることになると警戒していた。
初期反乱運動のさなか、クアリーが設計したBウイング・プロトタイプは2 BBYに発生したアイバー封鎖戦で初めて実戦に投入され、その価値を証明した。反乱軍の有力な支援者であるベイル・オーガナ元老院議員がスレイン&コーピル社に声をかけ、クアリーの監督のもとBウイングの量産化プロジェクトであるシャンティポール計画が進められた。Bウイングは反乱軍が広範囲に使用していた旧式のYウイングに代わる強襲戦闘機となることを期待して開発されたが、量産モデルはYウイングよりも鈍重な機体となった。またメンテナンスや安定性にも問題を抱えていたが、それでもなおBウイングは同盟軍にとって貴重な戦力であり、テスト飛行を監督したカーリスト・ライカン将軍やギアル・アクバー提督から高い評価を受けた。4 ABYに発生したエンドアの戦いでは、ブレード中隊のBウイングが集団戦術でインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>を破壊する活躍を挙げた。
特徴[]
船体[]
ヴァーパイン種族の造船企業、スレイン&コーピル社によって製造されたA/SF-01 Bウイング・スターファイターは、特徴的な外見を持つ単座式の[4] 重強襲用戦闘機である。[3] 反乱同盟の中で特に奇妙な外見で[5]、同盟軍スターファイター隊の戦闘機のうち最も視覚的に印象的な機体だった。[16] 強力であると同時に不格好な戦闘機であるBウイングは[5] 平べったいブレード型の船体を持ち[16]、その一方の端に円筒形のコックピット(別名コマンド・ポッド)、中央にエンジン構造、そして反対側の端に重兵器ポッドを搭載していた。また中央部エンジン構造の上下に計2枚のSフォイル翼が配置されており、普段は水平方向に収納されているSフォイルを展開すると十字型の外見になった。[5][11] 全長は16.9メートル(55フィート5インチ)、横幅2.9メートル(9フィート6インチ)、全高は2.5メートル(8フィート2インチ)で、Sフォイルを展開すると7.3メートル(23フィート11インチ)である。[4]
A/SF-01 Bウイングはモン・カラマリのエンジニア・クアリーが開発した重強襲ファイターの試作機プロトタイプB6、別名“ブレード・ウイング”をベースに設計された。そしてクアリーはスレイン&コーピル社の製品であるT-6シャトルやV-19トレント・スターファイター、H-60テンペスト・ボマーの特徴を取り入れてこの試作機を造り上げ、ヴァーパインのデザインの改善を試みた。そのためBウイングの船体はH-60ボマーと酷似しており[4]、V-19ファイターと同様にSフォイル翼を装備し、T-6シャトルの回転式コックピットに似たジャイロスコープ式コマンド・ポッドを備えていた。[4][17] このユニークなジャイロ制御システムのおかげで、Bウイングはコックピット・ポッドを固定したままそれ以外の機体全体を回転させることができた。そのためパイロットはBウイングの機体がどれだけ回転しようとも、コックピット内で水平状態で静止していることができた。[4][5]
しかしコマンド・ポッドを固定するためのジャイロ=サーボはメカニックたちにとって悪夢のような代物だった。ジャイロ=サーボは耐久性があり良く出来ていたにも関わらず、使用時には多大な圧力にさらされ、最適位置を外れると故障してしまった。ひとたびサーボが故障すると翼はそれ以上動かなくなり[4]、運動機能に支障をきたすのみならず[7]、パイロットはサーボが故障した時点での形態のまま飛行することを余儀なくされた。またBウイングの主翼は、戦闘時の重力ストレスを最小限にとどめる役割をジャイロ安定装置に担わせていたため、サーボが故障すると、急旋回や急飛行がパイロットに肉体的な負担をもたらすことにもなった。[4] またBウイングの複雑な設計のせいで、反乱軍の他の大半の戦闘機より煩雑で長期間のメンテナンスを必要とした。着陸状態のBウイングは3枚の翼が互いに重なりあうため中央エリアへアクセスしづらく、保守点検が困難だった。[7]
推進装置[]
その巨体をリアルスペースで推進させるための装置として、Bウイングは機体中央部に4つの推力ノズルを備えたクワデックス社製カイロマスター・イオン・エンジンを搭載していた。機体中央部前方にはプレートで仕切られた4つの冷却孔(通称“インテーク”)が並び、エンジンの排熱を放散させていたが、それでもなお機体からは強力な赤外線が発散されていた。[4] またその奥には逆噴射ノズル、さらに奥には主排熱ラジエーターが配置され、船体中央側面部に反応炉の余剰プラズマ排熱孔が設けられていた。エンジンへ動力を供給する反応炉は機体中央部後方にあり、エンジンから4つの推力チェンバーへエネルギーを送りこんでいた。[7]
A/SF-01 Bウイングの大気圏内での最高速度は時速950キロメートル(590マイル)と非常に遅く[4]、スピードと機動性はプロトタイプよりも低下しており[16]、さらに言えば反乱軍の戦闘機であるYウイング、Aウイング、Xウイング・ファイターのどれと比べても劣っていた。[4] またBウイングはハイパースペース航行装置としてクラス2の[6] スレイン&コーピル社製HYd-997ハイパードライブ・モチベーターを搭載していた。[8] ハイパードライブのプロジェクターおよびジェネレーターは機体やや後方に配置されていた。またBウイングはSフォイル翼の片方にリパルサーリフト・ジェネレーターとその高出力エネルギー・セルを内蔵していた。[7] Bウイングのコマンド・ポッドには脱出ポッドが備わっており、後方にその亜光速エンジンが配置されていた。[7]
操縦系統[]
スレイン&コーピル社はプロトタイプB6の部品を複製および改造することで、Bウイングのためにより優れた操縦システムを造り上げた。Bウイングの自動ジャイロ安定式コマンド・ポッドには、この機体のコックピットと生命維持装置、フライト・コンピューター、コムリンク・トランシーバー、センサー類[4]、慣性補正機などが収容されていた。[7] コックピットは卵型で[16]、トランスパリスチール製のキャノピーがはめ込まれていた。[7] 戦闘中、Bウイングが敵の銃撃をかわしたり兵器を“掃射”するため機体をスピン、回転、旋回させたとしてもコマンド・ポッドは常に固定されたままで、パイロットは飛行針路や照準に集中することができた。[4]
スレイン&コーピル社のエンジニアはBウイングにアストロメク・ドロイド用のソケットを搭載するか、一体型のアストロメクを機体に組み込むことも検討していた。しかしオリジナルの設計者であるクアリーが、ドロイド・テクノロジーの適用にかかるコストや、Bウイングの電気系統に生じかねない技術的問題を指摘したため廃案となった。その代わり、エンジニアたちはBウイングにセンサー搭載型マイクロアキシャル社製LpM-549航法コンピューターを装備させ、ハイパースペース航行に必要な計算を行う役割を担わせた。[4]
Bウイングはコックピットの前方に短距離用の戦術センサー・アレイである[7] ファブリテック社製ANv-9qを装備し[8]、コックピット下部に気候レーダー[4]、機体中央部前方に長距離スキャナー、そして電磁波を素通りさせる防護窓に守られたメイン・センサー・アレイを収容していた。また主翼の中ほどにナビゲーション・センサー・アレイ、そして主翼の前方に敵のセンサーを攪乱するためのジャマー・システムを備えていた他、速度センサーも内蔵していた。照準装置としては当時最新鋭の[7] ファブリテック社製ANq 3.6コンピューター追跡システムを搭載し[8]、さらに各レーザー砲・イオン砲と並ぶ形で低出力精密照準センサーの射出装置が取り付けられていた。[7]
武器および防衛システム[]
A/SF-01 Bウイングは反乱軍の中で最も強力な火器を搭載したスターファイターであることは言うまでもなく、開発された当時は銀河系で最も重武装の戦闘機だった。[4] その火力は相当なもので、帝国軍のコルベットにも匹敵し[7]、大半のパトロール艇、そして一部のコルベットはBウイングよりも火力が低かった。[4] Bウイングの細長い船体は兵器のプラットフォームさながらであり[16]、標準仕様の場合は[7] アーメック社製SW-7aイオン砲計3門(兵器ポッドに1門、Sフォイル翼端に2門)、ガーヒル社製R-9X重レーザー砲1門(兵器ポッド)、クラプクス・ミュニションズ社製MG9放出型プロトン魚雷発射装置計2基(兵器ポッドに1基、エンジン区画とコックピットの間に1基)、ガーヒル社製72二連オート=ブラスター1門(コマンド・ポッドの機首)を搭載していた。[4] 魚雷発射装置の弾倉には各4発のプロトン魚雷を装填可能であり[7]、レーザー誘導爆弾を発射することもできた。[4] コックピット側の発射装置には普段は防護カバーが取り付けられていた。[7]
Bウイングの強力な火器は、その汎用性の高さを利用することでさらに恐るべきものへ変貌させることができた。Bウイングには8つの武器マウント・ポイントがあり、特定の任務やパイロットの好みに合わせて組み合わせを変更することができた。[7] 例えばコマンド・ポッドの機首にガーヒル72を追加し、合計で4門のオート=ブラスターを装備することもできた。[4] 他にもレーザー砲を3門にしたり、非戦闘任務用に翼端の武装を外して別のモジュールに換装させることもあった。[7] 新共和国のスターファイター隊においては、Bウイングの主要兵器としてテイム&バック社製KX8レーザー砲やガーヒル社EM-8Vオートエイム・キャノン、補助兵器としてアラキッド・インダストリーズ社製PW-16プロトン爆弾、テイム&バック社製イオン爆弾、クザーカ社製シーカー・マイン、アーメック社製バラージ・ロケット、クラプクス社製イオン魚雷およびMG7-Aプロトン魚雷といった兵器の選択肢があった。[18]
イオン砲が取り付けられているSフォイル翼の仕組みはXウイングのそれとよく似ていたが、Bウイングにはより先進的なアクチュエーター・テクノロジーと磁気ロック機構が取り入れられていた。Bウイングはイオン砲とプロトン魚雷をリンクさせて単一の標的を同時に攻撃することができた。パイロットは精密射撃を重視して武器を個々に発射させたり、ダメージを重視して一斉に発射、もしくは援護や牽制のために交互に発射するなど、状況に応じて設定を変更可能だった。Bウイングには自動での射撃が可能な照準システムが搭載されていたが、パイロットは一般的にオート=ブラスターを手動で直接操作した。[4]
Bウイングは手動による目測での射撃に加え、最新鋭のコンピューターによる精密な調整射撃が可能だった。[7] パイロットはBウイングのユニークな火器制御・照準コンピューターを操作し、極めて低出力の照準レーザーを発射することができた。Bウイングの照準コンピューターはレーザーを継続的に照射することで、目標にダメージを与えることなくほぼ完ぺきな目標距離とベクトル情報のデータを収集し、目標をロックするとイオン砲やプロトン魚雷が発射された。この火器制御システムは、目標をロックできれば97パーセントもの命中確率を誇ったが、同時にBウイングの接近方向を敵にさらけ出してしまう欠点があった。[4] そのためBウイング・パイロットは低出力レーザーをあまり使用せず、機体から取り外してしまう者も多かった。[4]
Bウイングはサープレックス社Zr-41シールド発生装置をコックピットとエンジンの間に搭載しており、スピードが遅い分シールドは強力だった。[4] また戦闘時にSフォイルを展開してスリムな十字型になるBウイングは、回転しながら回避飛行をとることができるため大きさの割に被弾しにくいというメリットがあった。[16]
役割[]
Bウイングは重強襲スターファイターに分類され[7]、試作機であるプロトタイプB6と同じく、封鎖突破戦闘機として開発された。[4] そして反乱軍のエンジニアがBウイングを設計した目的はただ一つ、銀河帝国の主力艦を撃破することだった。本来であればもっと大きな船に搭載される兵器および飛行システムがBウイングに詰め込まれたのも、この目的のためである。[5] またBウイングは反乱軍で使用されていたクローン戦争当時の旧式戦闘機、Yウイングに代わる存在となることを期待されていた。[17] 通常、Bウイングは基地防衛や駐留任務には使用されず、もっぱら敵の施設や装甲軍艦に対する強襲爆撃機として使用された。[16] Bウイングはより大型の船と戦う際の理想的な選択肢であり[6]、主に鹵獲作戦や爆撃任務、対艦戦闘で活躍した。[16] またXウイングやYウイング中隊、そして同盟軍の護送船団のエスコート任務に割り当てられることもあった。[4]
主力艦相手に大ダメージを与え、戦闘機相手であれば一撃で破壊可能なBウイングであったが[16]、対戦闘機のドッグファイトには向いておらず、パイロットからは貨物船のような操縦性だと文句を言われることもあった。[5] Bウイングは製造コストを抑えるため最大限の工夫が凝らされたが[4][7]、それでも高価であり[16]、メンテナンスに手間がかかるという欠点があった。[7] また操縦の困難さはテスト飛行の段階から指摘されており、反乱軍で最も優秀なパイロットをもってしても、Bウイングのジャイロ安定システムやSフォイル搭載兵器を使いこなすのは類まれな試練となった。[4] 特に、危険な地形での迅速な飛行は困難であり、Bウイングは反乱軍の中でも卓越したパイロットにしか割り当てられなかった。コストや整備の問題、そして効果的に扱えるパイロットが少ないことから、Bウイングは同盟軍において珍しい存在だった。しかしそれでもBウイングの評判は高く、帝国宇宙軍は同盟軍が戦場にBウイングを持ち込めば厳しい戦いを強いられることを重々承知していた。[16]
歴史[]
開発史[]
ブレード・ウイング[]
Bウイングの原型となったプロトタイプB6(ブレード・ウイング)は帝国時代にモン・カラマリの技師クアリーによって開発された。[5] クアリーは銀河帝国を嫌っており、帝国の目が届かない惑星シャンティポールでアストロメク・ドロイドのBG-81とともに試作機の開発に打ち込んだ。[2] クアリーはV-19トレント・スターファイターやT-6シャトルといったクローン戦争期の機体の特徴を取り入れて試作機を設計した。またこの戦闘機には高出力の合成ビーム・レーザーが搭載されていたが、使用するとエネルギー漏れを起こしハイパードライブが使えなくなってしまうリスクを抱えていた。[4] 2 BBY当時、試作機は飛行可能な段階まで完成していたが、クアリー自身はパイロットではなかったため、自分の代わりに操縦してくれる優秀なパイロットが現れるのを待ち続けていた。[2]
2 BBYに反乱分子のフェニックス戦隊が帝国による惑星アイバーの封鎖を破ろうとして失敗した際、元クローン・キャプテンのレックスは知り合いのクアリーが重強襲戦闘機の試作型を完成させたことを反乱者たちに知らせた。そこで<ゴースト>チームのヘラ・シンドゥーラ船長らがシャンティポールにあるクアリーのワークショップを訪れた。[2] シンドゥーラの素晴らしい操縦技術を目の当たりにしたクアリーは、彼女の腕を信じて自分の作品を反乱軍に提供した。[2][7] シンドゥーラが操縦席に、サビーヌ・レンが砲座に乗り込んだブレード・ウイングは<ファントム>に係留されてアイバーへ駆けつけ、合成ビーム・レーザーでアーキテンス級司令クルーザーを撃墜する戦果を挙げた。この活躍を受け、反乱軍の支援者であるベイル・オーガナ元老院議員はプロトタイプの量産化を決意し、クアリーの監督のもとで“シャンティポール計画”が進められることになった。[2] またシンドゥーラはのちに宙域司令部のジャン・ドドンナ将軍へ報告書を提出し、“Bウイング”が量産化されれば、Yウイングに代わって帝国のバトルシップに対する主戦力になるだろうと述べた。[12]
Bウイングの量産化[]
クアリーは反乱軍の初期の研究開発部門に参加し[19]、ブレード・ウイングの量産化に向けて課題解決に取り組んだ。彼は試作機の砲手用タレットを自動武器ポッドに変更することで大幅にコストを削減させた。[4] クアリーは反乱者たちと出会った当初、照準システムや武器パッケージを改良したいというサビーヌ・レンの申し出を拒否していたが[2]、最終的にはこのマンダロリアンの武器専門家による再設計を許可した。またオーガナ議員はクアリーがスレイン&コーピル社の技術や部品を使用して試作機を造ったことを知ると、同社で働くヴァーパインのエンジニアに声をかけた。ヴァーパインは表向きには政治的中立を表明していたにもかかわらず、クアリーと共同でBウイングの開発プロジェクトに参加することになった。[4]
クアリーは戦闘機の運用に向けた調整を行うため、自らのデザインをローシュ小惑星帯へ持ち込んだ。[19] スレイン&コーピルのヴァーパインたちは、クアリーの試作機がシャンティポールで生まれたことにちなみ、共同作業場をアライド/シャンティポール施設と名付けた。スレイン&コーピル社はBウイングにアストロメク・ドロイドを搭載することを検討したが、クアリーの反対で却下された。[4] 一方で、スレイン&コーピル社はブレード・ウイングが抱えていたエネルギー問題を解決するため、合成ビーム・レーザーを量産機からリジェクトした。[12] 量産機が完成すると、カーリスト・ライカン将軍やギアル・アクバー提督立会いのもとテスト飛行が行われた。ライカンとアクバーはどちらも、おそらくこの新型機は銀河系で最も重武装の戦闘機だろうと評価した。テスト飛行の3時間後、ライカンは同盟軍最高司令部宛てに報告書を作成し、Bウイングは主力艦を破壊できるほどの火力を備えていると評価しつつ、その操作の難しさについても指摘し、パイロットの選抜と訓練は急務だと述べた。[4]
銀河内戦[]
Bウイングは反乱軍のために開発された戦闘機であるにも関わらず[4]、0 ABYの時点で既に一部の機体が第三勢力の手に渡っていた。ヤヴィンの戦いの直後、反乱軍のメンバーであるルーク・スカイウォーカーとナカリ・ケレンは、ギヴィンの暗号解読者ドルーシル・ベフォリンをデノンで回収した後、ナンスリ星系を航行した際にBウイングを保有する海賊と遭遇した。海賊は改造型のクロークシェイプ・ファイター数機とBウイング2機を送り出したが、スカイウォーカーが操縦する<デザート・ジュエル>は照明弾を使ってミサイルをかわし、ハイパースペースへ逃げ込んだ。[13] また同年にヴロガス・ヴァスの戦いが発生した時、少なくとも1機のBウイングがレイア・オーガナらを乗せた反乱軍艦隊と行動を共にしていた。[20]
4 ABY[21]、Bウイングは大規模な同盟軍艦隊の一員としてエンドアの戦いに参加した。[11] Bウイングによって構成されるブレード中隊は当初、第2デス・スターに対する攻撃作戦の後衛を担当する予定だった。[17] 艦隊がエンドア星系へジャンプすると、Bウイング部隊はランド・カルリジアン将軍の乗るYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>の後に続いて攻撃目標を目指したが、第2デス・スターが依然として衛星エンドアから発せられる偏向シールドに守られていることが判明し、攻撃は中断された。間もなく反乱軍艦隊は待ち伏せしていた帝国宇宙軍による奇襲を受け、アクバー提督は帝国の罠にはまってしまったことを悟った。[11] 結果、反乱軍のリーダーたちは生き延びるため臨機応変な戦いを強いられ、Bウイングもこの戦闘でさまざまな役割を演じることになった。[17]
エンドアの戦いのさなか、ブレード・リーダー・エイドン・フォックス中佐率いるブレード中隊は、ジャレッド・モントフェラット提督指揮下のインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に対して攻撃を仕掛けた。グラッド中佐率いるTIE/inインターセプターの迎撃でブレード1が撃墜された後、フォックスは機体にダメージを負いながらもグラッドを返り討ちにした。戦闘不能になったフォックスに代わり、ブレイレン・ストラム(ブレード2)とジーナ・ムーンソング(ブレード3)、ファンティ(ブレード4)らがスター・デストロイヤーへの攻撃を試みた。ファンティは照準システムの故障により離脱を余儀なくされたが、ムーンソングが<デヴァステイター>の航行シールドの弱点にプロトン魚雷を放ち、ハイパードライブと主電源に致命傷を与え、このスター・デストロイヤーを撃沈させることに成功した。その後ストラムは中隊の生存者たちに、バトル・ステーションに突入する部隊の援護を命じた。[10] またサラスタンのテン・ナム(ブルー5)もBウイングでこの攻撃に参加した。[22]
エンドアの戦いの20日後、惑星ナブーがシンダー作戦の標的となり、現地に居合わせたレイア・オーガナとシャラ・ベイ中尉、そしてナブーの女王ソーシャ・ソルーナたちが帝国軍に追い詰められた。ランド・カルリジアン将軍はナイン・ナンとともに<メルクローラーII>に乗り込み、スター・クルーザー<レストレーション>とBウイング、Xウイング、Yウイングからなる部隊を率いて援軍に駆け付けた。その後、同盟軍艦隊司令部の会合が開かれた際、複数のBウイングが集合ポイント:スタルワートに集まった。[14]
その後[]
やがてスレイン&コーピル社は新型機のBウイング・マークIIを製造した。[4] マークIIにもA/SF-01モデルと同様にR-9X重レーザー砲や精密照準レーザーが搭載されていた。[23] またファースト・オーダー=レジスタンス戦争の時代には、レジスタンスBウイングと呼ばれるモデルも使用されていた。[24]
制作の舞台裏[]
デザインと撮影[]
Bウイングは1983年の映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のためにジョー・ジョンストンとビル・ジョージによってデザインされた。『ジェダイの帰還』のために制作された反乱同盟の新しいスターファイター模型2種類に、製作クルーが「Aファイター」「Bファイター」という呼び名を付けていたことが名前の由来である。またビル・ジョージがこの戦闘機の制作にあたって多大な貢献をしたため、スタッフたちはこの機体にビル=ウイング・ファイター(Bill-Wing Fighter)というニックネームをつけていた。のちにレジェンズの作品で“ブレード・ウイング”という作中のニックネームが考案され、正史作品である『スター・ウォーズ 反乱者たち』にもこの設定が引き継がれた。
Bウイングの回転式コックピットのデザインは<ミレニアム・ファルコン>の初期のコンセプト・アートが基になっている。Bウイングの異常に薄い形状はブルー・スクリーンでの撮影に向いておらず、模型が宇宙の背景に溶け込んでしまうことがあった。そのためBウイングのシーンの一部は『ジェダイの帰還』のオリジナル版からはカットされ、エンドアの戦いで活躍する姿は劇中で描かれていない。実際、第2デス・スターのシールドが健在であることが判明して同盟軍艦隊の宇宙船が回避行動をとって以降、Bウイングはほとんど姿を現していない。[25] パペット担当のマイク・クインは、『ジェダイの帰還』のカット・シーンでサラスタンのBウイング・パイロットを演じた。この撮影には台本上のセリフがなかったため、クインは好きなラジオが宇宙では受信できないといったセリフを即興で発した。[26]
設定の変遷[]
レジェンズの設定では、Bウイングは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で描かれたヤヴィンの戦い以降に製造されたことになっている。[27] これは『エピソード6/ジェダイの帰還』で初登場したBウイングやAウイングが、初代デス・スターへの攻撃に参加していないことへの理由付けでもあった。しかし正史設定では、BウイングとAウイングはどちらも『反乱者たち』を始めとする『新たなる希望』以前の物語に登場しており、開発経緯の設定が変更されている。BウイングとAウイングがヤヴィンの戦いで姿を見せていない理由について、デイヴ・フィローニやパブロ・ヒダルゴは様々な反乱分子がそれぞれ異なる場所で異なる戦闘機を使っているからだと説明している。すなわち、『反乱者たち』に登場するフェニックス戦隊はAウイングやBウイングを使用しているが、『新たなる希望』に登場するドドンナ将軍指揮下の反乱分子の主力はXウイングとYウイングであるという解釈である。[28]
登場作品[]
- ロスト・スターズ ウェブコミック版
- Star Wars バトルフロント (DLC)
- ジェダイの継承者
- スター・ウォーズ:ベイダー・ダウン
- スター・ウォーズ コマンダー
- スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 (初登場)
- スター・ウォーズ:砕かれた帝国
- Star Wars:スコードロン (DLC)
- シャドウ・フォール
- 幽霊船—アドベンチャーズ:デストロイヤー・ダウン
- アフターマス:帝国の終焉
- ブラッドライン
- スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ コミック版 (おもちゃが登場)
- スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け