ABY-BBY暦法('ABY-BBY' dating system)は銀河系で使われていた紀年法のひとつ。[1] この暦法は銀河内戦中に反乱同盟によって設定され、初代デス・スターが破壊されたヤヴィンの戦いが基点の「0年」に定められた。同盟軍の指導者たちが、このできごとを銀河系全体が変革するきっかけとみなしたためである。ヤヴィンの戦い以前は接尾辞 BBY(Before the Battle of Yavin)、以後は接尾辞 ABY(After the Battle of Yavin)をつけて表現された。例えばヤヴィンの戦いの5年前なら5 BBY、5年後なら5 ABYとなる。[2] ギャミット・コンドが冷戦以降に描き上げた地図でもこの暦法が使われていた。[1]
本暦法において、1 BBY(ヤヴィンの戦い1年前)の次の年は0 ABY(ヤヴィンの戦いから1年目)であり、0 BBYという年は厳密には存在しない。[3] しかしヤヴィンの戦いの少し前に発生したスカリフの戦いを0 BBYのできごとと定める資料も存在した。[1] またヤヴィンの戦いの直前の一連のできごと(タトゥイーンの秘密任務や災厄等)を基点「0年」に含めることもあった。[3]
制作の舞台裏[]
ABY-BBY暦法は1996年にウエスト・エンド・ゲームズ社から発売されたロールプレイング・ゲーム用の設定資料で初めて言及された。[4] 以来、ABY-BBY暦法はレジェンズ媒体のスター・ウォーズ史の最も一般的な紀年法として使われてきた。なおレジェンズの“銀河標準暦”はこの暦法のことを指すが[5]、正史の銀河標準暦は年月等の時間単位の定め方のみを指す。[2] 正史媒体では2015年の『スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス』で初めて大々的にABY-BBY暦法が取り上げられた。[1]
基点「0年」の前後について、0 BBYと0 ABYをそれぞれ丸一年として扱うと暦にズレが生じてしまう。そのためレジェンズ設定では0 BBYと0 ABYは合わせて一年として扱われていた。正史の資料『週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン』でも同様に解説されている。[2] また『ギャラクティック アトラス』では『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のイベントが0 BBYに位置付けられている。[1]
しかし正史資料『スター・ウォーズ タイムライン』(2023年)で0 BBYという表現が用いられなくなり、『ローグ・ワン』は1 BBYに設定し直され、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のイベントがまるごと基点「0年」に含めて表現されるようになった。[3] 本書発売に先立ち、ルーカスフィルム ストーリー・グループのエミリー・シュコウカニも暦法の表現方針を変更したことを認めた。[6] 本サイトでは0 BBYの記事は削除せず、『新たなる希望』のイベントを解説する項目として残す。
登場作品[]
参考資料[]
- スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- 週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第61号 (銀河系ガイド:銀河の時間と日付)
- スター・ウォーズ タイムライン
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ 2.0 2.1 2.2 週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第61号 (銀河系ガイド:銀河の時間と日付)
- ↑ 3.0 3.1 3.2 スター・ウォーズ タイムライン
- ↑ Star Wars: The Roleplaying Game, Second Edition, Revised and Expanded
- ↑ スター・ウォーズ 全史
- ↑ @shkouks(エミリー・シュコウカニ) - X (旧Twitter). “Correct! No more 0 BBY, all events that take place in the year leading up to the Battle of Yavin are now assigned 1 BBY. 0 is the Battle of Yavin, and any events in the year after are 0 ABY. :)”