CC-1993、通称ジェット(Jet)はクローン戦争でジェダイ将軍のキ=アディ=ムンディに仕えたクローン・コマンダーである。クローン戦争の最初の戦場、アウター・リムの惑星ジオノーシスでジオノージアンの反乱が発生した際、ジェットとムンディ将軍は惑星の再征服作戦に派遣された。共和国グランド・アーミーに与えられた最大の目標は、ポグル・ザ・レッサー大公が新たに建造したジオノーシス主要ドロイド工場の破壊だった。ムンディ、アナキン・スカイウォーカー、オビ=ワン・ケノービ将軍率いるクローン・トルーパー部隊はそれぞれ別のルートを通って再合流地点を目指した。しかし、ムンディとジェットの乗るLAAT/iガンシップはジオノージアンの激しい対空砲火を受けて不時着を余儀なくされた。
ガンシップの墜落を生き残ったムンディの部隊は、しばらくAT-TEウォーカーでジオノーシスの砂漠を移動した後、ケノービ将軍の待つ合流地点へ急ぐため、戦車を捨てて近道を進むことになった。コマンダー・ジェット、ムンディ、トルーパーたちは洞窟の中で翼のあるジオノージアン戦士に襲われたが、火炎放射器を駆使して道を切り開き、洞穴の向こう側に到達することができた。スカイウォーカーやパダワン・アソーカ・タノのチームと合流した後、ジェットとムンディたちはヴェネター級スター・デストロイヤー<レゾリュート>のウルフ・ユラーレン提督が派遣したYウイング・スターファイターと共にケノービの援護に駆け付けた。その後、ジェットと共和国軍はジオノージアンのシールド発生装置に攻撃を仕掛け、ポグルの主要ドロイド工場への道を切り開いた。
経歴[]
激戦地への降下[]
- 「味方の損害は?」
「手ひどくやられました。予定の着陸地点に降りられたのは、ケノービ隊だけかと思われます」 - ―キ=アディ=ムンディ将軍とCC-1993[出典]
「ジェット」というニックネームで知られたCC-1993は[1]、惑星カミーノで生み出された賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンの1人である。他のクローン・トルーパーと同様、彼も共和国グランド・アーミーの兵士として訓練を受け、クローン戦争に参加することになった。[5] クローン・コマンダーの階級を与えられたジェットはクローン・トルーパー大隊の指揮官を任され[6]、セレアンのジェダイ将軍で、最高評議会のメンバーも務める[7] ジェダイ・マスター・キ=アディ=ムンディの下に配属された。[4] 戦争真っ只中の21 BBY[8]、クローン戦争の最初の戦いが起きたアウター・リムの惑星ジオノーシスで[9]、分離主義勢力のジオノージアンが銀河共和国に対する反乱を起こした。ジオノージアンのポグル・ザ・レッサー大公が新設したドロイド工場を破壊するため、共和国はジェダイのキ=アディ=ムンディ、オビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカー将軍をジオノーシスへ派遣した。[4]
ジェットとムンディ、スカイウォーカー、アソーカ・タノ(スカイウォーカーのパダワン)、クローン将校のCC-2224(コーディ)、CT-7567(レックス)は[4] ヴェネター級スター・デストロイヤー<レゾリュート>[7] に乗ってジオノーシスへ赴いた。彼らはジオノーシス攻略に向けた作戦を話し合い、ポグル・ザ・レッサーのドロイド工場を破壊するには、シールド発生装置を叩く必要があると判断した。会議の結果、ジェットとムンディは北から、ケノービとコーディは中央から、スカイウォーカーは南から進撃し、「ポイント・レイン」と呼ばれる合流地点を目指すことになった。ブリーフィングが終わった後、ジェットとムンディはスター・デストロイヤーに駐機されたLAAT/iガンシップ[4] <セパレイティスト・ナイトメア>[10] に乗り込んだ。[4]
共和国軍の主力艦はジオノーシスの大気圏内でLAAT/iガンシップやLAAT/cキャリアーの大軍を放ち、コマンダー・ジェットとムンディのガンシップも最後尾グループの1機として<レゾリュート>から出撃した。降下部隊はジオノージアンの地上砲台やナンテックス級領域防衛スターファイターの激しい抵抗を受け、多数のガンシップが空中で撃破されてしまう。ジェットはムンディの指示をコーディに中継し、LAAT/cキャリアーが運んでいる全地形対応戦術攻撃兵器(AT-TE)を地上に降ろさせた。その直後、<セパレイティスト・ナイトメア>もジオノージアンの攻撃で損傷を負い、地上に不時着した。ムンディは負傷しつつも墜落を生き延び、ジェットに被害報告を求めた。コマンダーは予定の合流地点にたどり着いたのはケノービ隊だけで、スカイウォーカー隊も撃墜され地上戦を繰り広げていると報せた。ジェットたちはムンディの指示でAT-TEウォーカーに乗り込み、合流地点の近くにある峰を目指した。[4]
ケノービ隊救出[]
コマンダー・ジェットの部隊は破壊を免れたAT-TEで合流地点へ向かい[4]、カルトロップ・フィールド[10] を通過した。道中、ジェットは<レゾリュート>のウルフ・ユラーレン提督にコムリンクで連絡を取り、航空支援を求めた。しかしユラーレンはジオノージアンとの空中戦に手を焼いており、援軍を派遣する余裕がなかった。ジェットとムンディはユラーレンから教わったスカイウォーカー隊の座標に針路をとり、峰のふもとに達した。彼らは崖を登ることができないAT-TEを放棄し、ムンディの言葉を信じて“近道”を通ることになった。トルーパーは洞窟の中でジオノージアン兵士の襲撃を受け、多くの犠牲者を出す。しかし、彼らは火炎放射器で迫りくる昆虫種族の兵士を退け、洞窟の向こう側にたどり着いた。洞窟から出たジェットとムンディは、スカイウォーカーやアソーカ・タノの部隊と合流し、共にケノービの待つポイント・レインへと歩を進めた。[4]
ケノービの部隊は厳しい持久戦で消耗していたが、ムンディやスカイウォーカー隊、そしてユラーレン提督が派遣した[4] BTL-B Yウイング・スターファイター/ボマー[11] の到着で窮地を救われた。分離主義勢力の部隊を押し戻した後、ジェットたちは不時着時に負傷したケノービ将軍を交え、シールド破壊に向けた作戦を調整した。ケノービのアイデアに従い、スカイウォーカーのチームはシールドを通過してジオノージアンの防衛砲台を襲撃する。ジェットはスカイウォーカー隊がEMP爆弾を使って敵の砲台を無効化したことをムンディに報告した。これを受け、AT-TE部隊はムンディの命令で一斉に火を噴き、シールド発生装置のタワーを崩壊させた。ジェットたちはタワーを守っていたジオノージアン兵士の生き残りを捕虜として拘束した。その後、共和国軍は主要ドロイド工場を爆破し、第二次ジオノーシスの戦いに勝利する。[4]
人物[]
- 「将軍、タンクは置いてきました。本当にこちらが近道になるんでしょうか?」
「さあ、確かではない。自分の勘を信じるだけじゃ」 - ―CC-1993とキ=アディ=ムンディ[出典]
他のクローン・トルーパーと同様[2]、ジェットの身長は1.83メートル(6フィート)だった。[3] ジェットはジオノーシスの戦いでムンディ将軍の指示に忠実に従い、必要な事実を漏らさず報告した。戦闘中、ジェットは苦戦を強いられている地上部隊のために航空支援を要請したが、上空のユラーレン提督が置かれている状況にも理解を示し、孤立無援の厳しい戦いを受け入れた。[4] ジェットはスターファイターやスターシップの操縦技術や、軍事戦術の知識を備えていた。[3]
装備[]
コマンダー・ジェットはDC-17ハンド・ブラスターを2丁携帯していた。ジェットの部下たちは金色のカラーリングが施されたフェーズIクローン・トルーパー・アーマーを身に着け[4]、ジェット自身も特徴的な特殊作戦部隊クローン・トルーパー仕様の断熱アーマーを装着していた。[12] また、ジェットは火炎放射器を始めとする重火器を扱う訓練を受けており、クローン・フレイムトルーパーの指揮を執った。[2]
制作の舞台裏[]
CC-1993“ジェット”はTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン2第5話『砲火を抜けて』で初登場を果たした。本作は2009年11月4日にカートゥーン ネットワークで初めて放送された。他のクローン・トルーパーと同様、ディー・ブラッドリー・ベイカーが声優を担当した。[4]
CC-1993という識別番号は2010年に発売されたレジェンズの設定資料集『The Clone Wars Character Encyclopedia』で判明。[13] 正史媒体でも StarWars.com の公式データベースであるエンサイクロペディア(現データバンク)で識別番号が紹介されている。[1][2] ジェットは『砲火を抜けて』の中で3度にわたって“キャプテン”と呼ばれている。しかしコマンダーと呼ばれるシーンもあり[4]、その他の公式媒体でもコマンダーとして紹介されている。[1][2]
登場作品[]
参考資料[]
- Clone Commander Jet - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- Landing at Point Rain - Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- Clone Commander Jet - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 Clone Commander Jet - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 Clone Commander Jet - 公式データバンク
- ↑ 3.0 3.1 3.2 スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- ↑ 4.00 4.01 4.02 4.03 4.04 4.05 4.06 4.07 4.08 4.09 4.10 4.11 4.12 4.13 4.14 4.15 クローン・ウォーズ – 砲火を抜けて
- ↑ Clone Troopers - 公式データバンク
- ↑ Ki-Adi-Mundi Biography Gallery - 公式データバンク
- ↑ 7.0 7.1 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑ スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- ↑ 10.0 10.1 "Landing at Point Rain" Trivia Gallery - The Clone Wars - StarWars.com (archived original article; バックアップ - Archive.org)
- ↑ Star Wars バトルフロント II
- ↑ Clone Trooper Armor History Gallery - 公式データバンク
- ↑ Star Wars: The Clone Wars Character Encyclopedia