CR90コルベット(CR90 corvette)、通称コレリアン・コルベット(Corellian corvette)、ブロッケード・ランナー(Blockade runner)はコレリアン・エンジニアリング社が製造したコルベットの船種である。特徴的なくびれた船体を持つ軽主力艦で、民間・軍事を問わず銀河系で幅広く使用されていた。CR90コルベットは11基のイオン・タービン・エンジンを船尾に備え、サイズの割に高速で、機敏に飛行することができた。デザインにはコレリアン社特有のモジュラー構造が採用されており、武装の追加、シールドやエンジンの強化、さらには小型ハンガー・ベイの搭載といった改造を柔軟に行うことができた。標準仕様のCR90コルベットは中型ターボレーザー2門、軽ターボレーザー4門で武装していた。一対一ではスター・デストロイヤーのような大型船には歯が立たないが、税関などの船を容易に振り切ることができる高速性能の高さから、ブロッケード・ランナー、“封鎖突破船”の異名で知られた。
CR90コルベットは仕様を変更することで兵員輸送船や貨物船、旅客船、外交船、護衛艦などさまざまな目的で利用可能であり、商人や密輸業者、時には海賊など、幅広い人種に好んで使用された。また価格と汎用性の高さ、そして表向きには民間の輸送船に見えるといった数々の利点から、CR90コルベットは反乱同盟にとって極めて魅力的な宇宙船だった。多数のCR90が同盟宇宙軍で活躍し、余計な人目を引かない船種であるのを良いことに、しばしば禁制品の運搬を行った。しかしその傾向は銀河帝国も把握しており、CR90が反乱運動の支援に用いられないようあらゆる手段が講じられていた。初期反乱運動の時代、コマンダー・ジュン・サトー率いる反乱分子フェニックス戦隊はCR90<リベレーター>を旗艦としていた。また反乱軍第61機動歩兵隊はCR90<サンダーストライク>を移動拠点として使っていた。
惑星オルデランの王室、オーガナ家は<タナヴィーIV>という名のCR90コルベットを所有していた。レイマス・アンティリーズが船長を務めるこの船は、クローン戦争当時からベイル・オーガナ元老院議員の外交船として活躍し、帝国時代には彼の養女であるレイア・オーガナ議員も使用するようになった。ベイルとレイアはいずれも反乱軍のメンバーであり、帝国元老院の公務を隠れ蓑に、しばしば外交船を使って救援活動や反乱運動の支援を行った。0 BBY、<タナヴィーIV>はデス・スター設計図を運んでいたところを帝国宇宙軍のインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に拿捕され、その後行方不明となった。しかし数十年後にヤルマ星系で再発見されてレイアの手に戻り、エクセゴルの戦いで破壊されるまで、レジスタンスの宇宙船として活躍した。
特徴[]
船体[]
- 「アンティリーズ艦長、迅速な出港準備に感謝します」
「一時間以内に出航可能です、姫君」 - ―レイア・オーガナとレイマス・アンティリーズ[出典]
CR90コルベットはコレリアン・エンジニアリング社(CEC)によって製造された[1] CRシリーズの[2] コルベット、軽主力艦、小型多目的宇宙船である。[3] 全長は150メートル(495フィート2インチ)。[4][10] 細く滑らかで、特徴的なくびれた船体を持ち、前方にハンマーヘッド型のブリッジとクルー・セクション、後方にエンジン・セクションが配置され、中央部分に兵器や[3] エアロックが配置されていた。CR90コルベットにはCEC特有のモジュラー式設計哲学が反映されており、目的に合わせて様々な構成(コンフィギュレーション)に換装可能だった。また、CR90は改造用のハード・ポイントを4か所備えていた。[3] MC75スター・クルーザーなどのより大型の宇宙船に収容される際、CR90コルベットは側部のエアロックを使って相手のハンガーとドッキングを行った。[16] 同様に、CR90は側部エアロックを使って宇宙空間でほかの船とドッキングし、乗組員がたがいの船内を行き来することができた。[17] また左右のエアロックと、船体下面の円形基部にRZ-1 Aウイング・インターセプターなどの小型船を計3機係留したまま、ハイパースペースを航行することもできた。[18] 改造によってCR90コルベットに小型のハンガーを取り付けることも可能だった。[3]
乗組員[]
- 「乗組員は何人乗せられるかしら」
「百人ですね」 - ―レイア・オーガナとレイマス・アンティリーズ[出典]
CR90コルベットはコンフィギュレーション次第で30~165名のクルーによって運用され、600名までの乗客を運ぶことができた。[3] 一例として、外交船として運用されたCR90コルベット<タナヴィーIV>の乗員は46名で、外交および領事スタッフが39名搭乗することができ[9]、緊急時にはさらに100名の乗客を運ぶことができた。[19] 船長や士官用の船室は、前方のブリッジ・セクション内に配置されていた。同セクションには士官用会議室やメイン・コンピューター・ルームなども設けられ、コックピットは前面に配置されていた。[9]
ブリッジ正面から見てコックピットのビューポートの真下には、前方エアロックのドッキング・ハッチが2か所あった。ブリッジ・セクションを出て後方の船体中央部へ進むと、オペレーション・フォーラムや会議室などが並ぶ開けた区画があり、その左右に各種技術ステーションや緊急用パワー・ジェネレーター、脱出ポッドへのアクセス・トンネルなどがあった。船体中央部にはエレベーターがあり、主要通路をさらに後方へ進むと、保管庫および[20] 左右エアロック区画があり、これより後ろがエンジン・セクションになっていた。[9]
武装[]
標準コンフィギュレーションの場合、CR90コルベットは主要兵器である中型ターボレーザー砲台2門と、軽ターボレーザー4門で武装していた。中型ターボレーザーのタレットは背面および腹面前方の円形基部に1基ずつ配置され、軽ターボレーザーのタレットは右舷・左舷に2門ずつ配置されていた。モジュラー式構造と、高出力の動力源のおかげで、CR90は性能を損なうことなく標準仕様の2~3倍もの兵器を搭載することも可能だった。[3]
CR90コルベットの武装例として、テイム&バック社製H9ターボレーザー計6門(単筒式4門、二連式2門)[9]、あるいは二連式ターボレーザー計6門[21]、ターボレーザー計9門(単筒式6門、二連式3門)のものなどがあった。後者の例では、3つ目の二連式砲台は船体下面後方の円形基部に取り付けられたが[22]、別のコンフィギュレーションでは同じ個所にアンテナのような機材が取り付けられたり[11]、スターファイターを係留したり[18]、着陸時の昇降口として使用される例もあった。[12] また本来であればエアロックとして使われる左右の基部に砲台を追加したり、二連砲の代わりに四連砲を搭載するケースもあった。[23]
H9ターボレーザーの場合、二連式H9砲台内には各2名の砲手が割り当てられた。また両舷の単筒式H9砲塔は、定員12名の救命艇の役割も兼ねており、中央のアクセス・ラダー(梯子)を使って船内と行き来する仕組みになっていた。また、CR90コルベットの偏向シールド発生装置は前方のブリッジ・セクションに配置されていた。[9] 火器と同様、CR90のシールドも改造によって強化することが可能だった。[3] レジスタンスではトラクター・ビーム発生装置を搭載したCR90も使用されていた。[24]
推進システム[]
CR90コルベットは船体後方の巨大推進ブロックに[9]、コレリアン・エンジニアリング社製の[8] 11基ものイオン・タービン・エンジンを収めていた。[9] イオン・エンジンは亜光速での超高速性能に寄与しており[1]、最高速度は950 kph を誇った。[7] CR90コルベットは高速性能と強力なエンジンのおかげで、低速な税関の船程度であれば簡単に振り切ることができるため、ブロッケード・ランナー(封鎖突破船)の異名で知られた。[1] 防御能力とその高い質量出力比のバランスに優れているため、撃墜さえ免れれば、たいていの場合は逃げおおせることが可能だったのである。[9] CR90はタフな宇宙船だが、スター・デストロイヤーとの一対一の戦いではすぐに圧倒されてしまうため、この場合も後部シールドを強化して脱出を試みるのが最善の戦術だった。[3]
役割[]
- 「正式に許可を受けた外交船だ。目的は人道支援活動。疑いをかけるとは元老院議員に対する侮辱だ」
- ―帝国軍将校に対し、レイマス・アンティリーズ[出典]
CEC製CR90コルベットは民間・軍事を問わず人気の多目的宇宙船であり、商人や密輸業者、そして時には海賊など、さまざまな人種のあいだで一般的に使用されていた。CEC特有のモジュール式設計思想が取り入れられていたCR90コルベットは、コンフィギュレーション次第では兵員輸送船や貨物船、旅客船、外交船[3]、元老院議員の私用輸送船[9]、さらには重武装護衛艦など、さまざまな役割を担うことができた。改造すれば大量の兵器を簡単に搭載できることから、CR90コルベットは封鎖の突破や、金銭的余裕がない軍隊の重護衛艦としての役割にも適していた。[3]
その価格や汎用性の高さ、表向きには民間の輸送船として振る舞うことができるといった数々の利点から、CR90は共和国再建のための同盟(反乱同盟)にとって非常に魅力的な宇宙船だった。同盟宇宙軍では大量のCR90がさまざまな目的のために使用され、人目につかない船種であることを逆手にとって、禁制品の密輸を行うこともあった。銀河帝国もこの傾向には気づいており、CR90が反乱運動の支援に使われないよう、あらゆる対策を講じていた。同盟軍の艦隊が護衛艦もしくは司令船、封鎖突破船などの役割を果たすCR90コルベットを1隻も戦力に加えず活動することはむしろ珍しかった。反乱同盟による恵まれない星への救援活動の多くは、十分な武装と改造を施されたCR90コルベットによって行われた。[3] 反乱同盟の資料群『レベル・ファイルズ』に収録されている艦船データでは、CR90コルベットの艦隊における役割は“高速攻撃”として位置づけられていた。[4]
歴史[]
共和国末期[]
銀河共和国の時代、惑星オルデランのベイル・オーガナ元老院議員は私用の輸送船の1隻としてCR90コルベット<タナヴィーIV>を所有していた。[9] オーガナが所有したほかの流線型の外交クルーザーに比べ、<タナヴィーIV>はより頑丈で、戦闘態勢の整った宇宙船だった。[25] クローン戦争序盤の22 BBY[26]、オーガナはジャー・ジャー・ビンクス下級代議員とともに<タナヴィーIV>で中立惑星トイダリアへ旅し、カトゥーンコ大王に惑星ライロスへの補給支援に力を貸してほしいと頼んだ。[12] また20 BBYに[26] 惑星マンダロアで共和国と独立星系連合の和平会談が行われた時、オーガナは<タナヴィーIV>でマンダロアの首都サンダーリを訪れた。[27]
帝国時代[]
内戦以前[]
帝国時代、CR90コルベットは銀河帝国の艦隊においても使用された。14 BBY当時、帝国宇宙軍基地がある惑星ベルドロンのRMナンバー4造船所には、CR90コルベット数隻とキャラック級軽クルーザー2隻、ヴィクトリー級スター・デストロイヤー2隻、そしてヴェネター級スター・デストロイヤー<リベレーター>が配備されていた。[28]
帝国傘下の惑星ボタジェフの防衛軍は、CR90コルベット2隻とV-19トレント・スターファイター7個中隊によって構成されていた。ボタジェフのクースル総督が帝国からの離反を宣言した際、これらの戦力が動員された。当時准将だったチスのスローン率いる帝国軍が問題解決のため現地へ派遣され、ボタジェフの艦隊と対峙した。スローンはクースルがボタジェフの宮殿ではなく、コルベットの1隻に乗っていることを見破った。クースルの真の目的は離反運動ではなく、それに乗じてジェフィの美術品を持ち逃げすることだったのである。[29]
ベイル・オーガナ議員は帝国元老院の一員となった後もCR90コルベット<タナヴィーIV>を使い続けた。5 BBY、オーガナは<タナヴィーIV>に乗ってスペクターズ反乱分子のVCX-100軽貨物船<ゴースト>と合流し、ドロイドのR2-D2とC-3POを回収した。[17] またオーガナが密かに支援していた初期反乱運動においても、複数のCR90コルベットが使用された。4 BBY、“フルクラム”という暗号名を使って反乱分子を手助けしていた元ジェダイのアソーカ・タノは、ローディアンの情報提供者シーボの身柄を引き取るため、青いマーキングが施されたCR90コルベットに乗って<ゴースト>と合流した。[30]
コマンダー・ジュン・サトー率いる反乱分子、フェニックス戦隊は複数のCR90コルベットを戦力として活用していた。[31] 4 BBY、そのうちの3隻がムスタファー星系に駆け付け、スペクターズのメンバーであるケイナン・ジャラスを帝国軍から救い出す手伝いをした。[32] それからしばらくして発生したロザル包囲戦のさなか、CR90コルベット5隻を含むフェニックス艦隊がシス卿ダース・ヴェイダーの操縦するTIEアドバンストによる奇襲を受けた。フェニックス艦隊の旗艦だったペルタ級フリゲート<フェニックス・ホーム>がこの戦いで破壊されたため[31]、コマンダー・サトーはのちにCR90コルベット<リベレーター>を新たな司令船にした。[33] 同年、<リベレーター>とCR90コルベット“輸送船1”はアイバーへ補給物資運搬を試みたが、帝国の封鎖部隊によって返り討ちにされ、輸送船1が破壊された。その後、<リベレーター>は別のCR90とともに2度目の封鎖突破作戦に参加し、プロトタイプB6の助けを借りて補給に成功した。[18]
友軍が消息不明になったデル・ゼニス星系の調査に赴いた際、サトーとエズラ・ブリッジャーの乗る<リベレーター>はブロム・タイタス提督指揮下のインペリアル・インターディクターに捕捉されてしまった。<リベレーター>は重力井戸発生装置がつくり出したインターディクション・フィールドに捕まり、ハイパースペースにジャンプできず、敵艦のハンガーに収容された。しかしのちにケイナンとレックス、チョッパーがサトーたちの救出に駆け付け、重力井戸発生装置に破壊工作を施し、<リベレーター>の脱出を可能にした。[34] 3 BBYにガレルの戦いが発生した際、<リベレーター>は反乱軍の拠点だったガレル・シティ宇宙港から緊急発進した。カシウス・コンスタンチン提督のインペリアルI級スター・デストロイヤー<リレントレス>がトラクター・ビームを使って<リベレーター>の動きを一時的に封じたが、ヘラ・シンドゥーラの操縦する<ゴースト>が敵艦のトラクター・ビーム発生装置を破壊し、サトーの司令船を無事に脱出させた。[23]
3 BBY、ベイルの養女であるプリンセス・レイア・オーガナは、オルデラン王室の正当な継承者として認められるための試練の一環として、レイマス・アンティリーズ船長の<タナヴィーIV>で人道支援活動を行った。彼女は惑星ウォバニへ食料を送り届け、現地の難民をコルベットの乗組員という名目で運び出した。その後も彼女はチャル・フッダやチャスミーンで活動を行った。同時期、ベイルも<タナヴィーIV>で反乱運動を支援していたが、やがてその事実はレイアの知るところとなった。[19] <タナヴィーIV>はオーガナ父娘2代によって活用され、外交特権による保護を利用し、反乱運動のために多くの秘密任務をこなした。また<タナヴィーIV>はプリンセス・レイアのために仕様変更された際、大幅な改造が施された。[9]
2 BBY、モン・モスマが共和国再建のための同盟の設立を宣言した際、彼女の呼びかけに応じたCR90コルベットを含む多数の宇宙船が惑星ダントゥインの軌道に集結した。[35] それからしばらくして、ジャン・ドドンナ将軍率いるマサッシ・グループが惑星アトロンのチョッパー基地でフェニックス戦隊と合流した。ドドンナの戦力には3隻のCR90コルベットが含まれていた。彼らは帝国によるTIEディフェンダー建造計画を阻止するためロザルへの攻撃を計画していたが、スローン大提督に先手を打たれ、アトロン軌道で奇襲を受けた。このとき、3隻のCR90コルベットが破壊され、残り3隻のコルベットが地表のチョッパー基地へ退却した。スローンの地上軍が基地へ侵攻した際、<リベレーター>と他1隻のCR90が発進して帝国の封鎖突破を試みた。<リベレーター>は無事に脱出したが、もう1隻のコルベットは破壊された。[36]
銀河内戦期[]
1 BBY、レイア・オーガナのCR90コルベット<タナヴィーIV>はある任務で損傷を負い、同盟軍艦隊ラダス提督の旗艦であるMC75スター・クルーザー<プロファンディティ>のハンガーで修理を受けることになった。[37] 帝国の超兵器デス・スターの設計図をめぐる戦いが発生した際、<プロファンディティ>はコルベットを係留したまま惑星スカリフの軌道の宇宙戦に参加した。戦闘の終盤、<プロファンディティ>は帝国軍の攻撃で航行不能に陥ったが、<タナヴィーIV>のクルーは反乱軍が受信した設計図のデータカードを託され、ダース・ヴェイダーの攻撃をしのいで戦場から脱出した。[16]
しかし<タナヴィーIV>はハイパードライブの修理が完了しておらず、目的地まで光速航行を維持することができなかった。[38] このコルベットはタトゥ星系でヴェイダーの旗艦であるインペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に追いつかれ、拿捕されてしまった。レイマス・アンティリーズ船長は殺害され、レイアも帝国の捕虜となったが、設計図を託された2体のドロイド、C-3POとR2-D2は脱出ポッドで<タナヴィーIV>を離れ、惑星タトゥイーンへ逃げ延びた。[11] その後<タナヴィーIV>の消息は途絶え、反乱軍はこの船が帝国に押収されたのか、破壊されたのか特定することができなかった。また、クルーも行方知れずとなった。[4] 実際、帝国はこのコルベットを破壊して帝国元老院に偽りの報告を行うつもりだったが、数日のうちに元老院が解散となったため、破壊も延期された。[8]
0 ABY、レイア・オーガナがオルデラニアンの難民を救出するための活動を行った際、CR90コルベット最低でも1隻を含むオルデラン船隊が彼女のもとに集結した。[39] またルーク・スカイウォーカーがギヴィンの暗号解読者ドルーシル・ベフォリンの救出任務を行った後、反乱軍のブレン・ダーリン少佐はスカイウォーカーを回収するため戦闘用CR90コルベットで惑星オメレスを訪れた。[21] サイムーンの戦いの後、ダース・ヴェイダー率いる帝国軍はクリモラ・シンジケートに属す海賊団が所有する自動操縦式CR90コルベットを鹵獲した。カシオ・タッグ大将軍の指示のもと、帝国はこのCR90を修理し、ヴェイダー率いる攻撃部隊を乗せて海賊基地へ送り返した。敗北を悟った海賊は基地の自爆装置を起動したが、ヴェイダーはCR90に乗って脱出を果たした。[13]
“トワイライト中隊”の異名で知られる同盟軍第61機動歩兵隊はCR90コルベット<サンダーストライク>を移動拠点として使用し、護衛艦のブラハトック級ガンシップ<アパイラナズ・プロミス>とともに活動していた。銀河内戦中、<サンダーストライク>は反乱軍によるミッド・リムへの進撃と、それに続く撤退戦で活躍した。3 ABY、<サンダーストライク>はコンター宙域における戦闘で損傷を負った際にハイパードライブから超物質漏れを起こし、メタテス宙域で帝国による追撃を受けた。しかし彼らはレッドハーン星系で帝国を待ち伏せし、敵の重貨物船を略奪することで必要な修理部品を手に入れた。その後、エロシャー宙域で修理を受けた際、<サンダーストライク>は帝国の工作員の乗船を許してしまい、戦闘で数名のクルーを失った。のちに<サンダーストライク>はリングブレイカー作戦に参加し、イニュシュ・トア包囲戦で帝国のヴィクサス中隊に破壊された。[40] 反乱軍は他にも<ジェイナズ・ライト>や[41] <ドドンナズ・プライド>といったCR90コルベットを保有していた。[42]
4 ABY、複数のCR90コルベットがギアル・アクバー提督率いる同盟軍艦隊の一員としてエンドアの戦いに参加した。彼らは第2デス・スターを破壊するためエンドア星系で帝国宇宙軍と宇宙戦を繰り広げた。[43] エンドアの戦いのさなか、帝国軍レイ・スローネ中将のスター・デストロイヤー<ヴィジランス>から出撃したサファイア中隊は、前線を突破してきた反乱軍のCR90コルベット3隻と交戦した。<ヴィジランス>の偏向シールドが攻撃を受ける中、サファイア中隊のTIEファイターは母艦のターボレーザーの助けも借りながらコルベットを撃墜した。[44] 第2デス・スターが破壊された後もしばらく戦闘は続き[45]、帝国軍インフェルノ分隊のレイダー級コルベット<コルウス>はエンドア上空に形成されたデブリ帯でCR90コルベットを含む反乱軍の船と苛烈な戦いを繰り広げたのち[46]、エンドア星系から離脱した。[45]
エンドアの戦いの直後、新共和国のヴァンガード中隊がブレンタール星系で帝国軍と遭遇した際、リンドン・ジェイヴス司令官はCR90コルベットをヴァンガードのもとへ派遣し、帝国のアーキテンス級司令クルーザーを撃破した。それからしばらくして、“テイラス・リーダー”のCR90コルベットに率いられた新共和国軍テイラス隊がインペリアルII級スター・デストロイヤー<ヴィクトラム>をヤヴィン・プライムへと追い詰めた。テイラス隊も厳しい状況だったが、ウェッジ・アンティリーズ大尉とヴァンガード中隊によって助けられ、部隊は全滅を免れた。また帝国のテリサ・ケリル艦長とタイタン中隊がスターホーク計画の情報を入手するためホズニアン・プライムの前哨基地で戦闘を起こした際、新共和国は多数のCR90コルベットを迎撃に向かわせたが、敵の脱出を阻止することができなかった。その後もCR90コルベットはデゼヴロ付近での戦闘や、エッセレスの攻撃、リミティク星系の戦い、ナディリ造船所の戦いなど、スターホーク計画をめぐる一連の攻防で活躍した。[22]
5 ABY、<スターライト・ワンダラー>を含む[47] 新共和国の複数のCR90コルベットが銀河内戦の大会戦であるジャクーの戦いに参加した。惑星ジャクーの軌道で宇宙戦が繰り広げられた際、アクバー提督とキルスタ・アガト准将はスターホーク級バトルシップ・マークIやCR90コルベットを使って帝国軍の防衛線突破を試みた。[48] またCR90はジャクーの大気圏における戦闘にも参加した。リンジー大尉のチームが乗り込んでいたCR90コルベットは撃墜されたが、リンジーを含む一部の生存者はコマンダー・アイデン・ヴェルシオやシュリヴ・スールガヴによって救出された。[45]
新共和国時代以降[]
ジャクーの戦いで撃墜された他の多くの軍艦や戦闘機と同様、CR90コルベットの残骸もジャクーの砂漠に取り残され、“宇宙船の墓場”と呼ばれる一帯を形成した。ジャクーのゴミ漁りたちはこうした宇宙船を見つけ出しては廃品回収を行い、価値のあるテクノロジーを持ち去った。CR90コルベットは頑丈であるため、他の船と比べてよい状態で見つかることが多かった。しかし中の脱出ポッドは墜落する前に射出されたとみられ、残っていることは稀だった。ゴミ漁りのレイはCR90をはじめとする墓場の墜落船の特徴を自作のサバイバル・ガイドに書き記した。[49]
新共和国時代の末期、CR90コルベットはなかなかお目にかかることのできない珍しい宇宙船になっていた。しかしレジスタンスは34 ABY当時も古いCR90コルベットを使い続けていた。このCR90はかつて反乱軍や新共和国の一員としてスカリフやジャクーの戦いに参加した経歴を持ち[50]、レジスタンスで司令船として使われることもあった。[51] 34 ABY、このCR90コルベットは新共和国軍パイロット・カズーダ・ジオノの回収任務に参加した。ポー・ダメロン中佐がエルリック・ヴォンレグ少佐のTIEを追い払った後、CR90は遅れて合流現場にジャンプし、損傷を負ったジオノのT-85 Xウイング・スターファイターを収容した。[50] のちにダメロンはレイア・オーガナ将軍とともにCR90に乗り込み、<コロッサス>でスパイ任務を行っているジオノと再合流した。その際、CR90は整備不良で不安定になっていたジオノの<ファイアボール>をトラクター・ビームで船内に引き込んだ。[24]
ファースト・オーダー=レジスタンス戦争の時代、長年行方不明だったCR90コルベット<タナヴィーIV>が、レジスタンス支持者の元帝国議員によってヤルマ星系の格納庫で再発見された。元議員はこの古い宇宙船を本来の所有者であるレイアに贈った。当時、レジスタンスはファースト・オーダーとの戦闘で大打撃を被っており、<タナヴィーIV>は艦隊最大の宇宙船だった。35 ABY当時、このコルベットはエイジャン・クロスのレジスタンス基地に格納され[8]、レイアの司令部および通信センターとして活用された。[52] シス・エターナルの脅威が発覚した後、ナイン・ナンやアーコス・ファーダムらが<タナヴィーIV>に乗り込み、エクセゴルの戦いに参加した。また、複数のCR90コルベットが民衆の艦隊の一員としてエクセゴルに駆け付け、レジスタンスと一緒にファイナル・オーダー艦隊と戦った。彼らはこの戦いに勝利したが[15]、<タナヴィーIV>はシーヴ・パルパティーンのフォース・ライトニングで破壊されてしまった。[52]
制作の舞台裏[]
CR90コルベットは1977年の映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のためにデザインされた船種であり、その1隻である<タナヴィーIV>はスター・ウォーズ シリーズ全体を通して最初に登場した宇宙船である。[11] その起源は<ミレニアム・ファルコン>の初期デザイン・コンセプトであり、<ファルコン>はもともと細長い宇宙船で、おなじみの円錐型のコックピットが先頭部分に配置されていた。しかし『スター・ウォーズ』が制作されていた頃にTV番組『スペース1999』によく似たデザインの宇宙船が登場したため、模倣と思われないよう<ファルコン>のデザインが見直され、現在の円盤型へと発展していった。その結果、当初の<ファルコン>のデザインが“ブロッケード・ランナー”として採用されることになった。劇中にさほど登場しないにも関わらず、精巧なミニチュアが作られたのもそのためである。[53]