DT-F16は人間の女性で、銀河帝国に仕えたデス・トルーパーである。初期反乱運動の時代、DT-F16はデス・トルーパーによって構成される分隊のコマンダーを務めていた。引き際を心得た有能な指揮官だったDT-F16は、部下たちに最高の働きを要求した。1 BBY頃、彼女の分隊はスレイヴィン大佐のインペリアルI級スター・デストロイヤーと合流するためトニス宙域へ移動中の貨物船2716に配属された。ジェダ星系から出発したこの貨物船は、巨大なカイバー・クリスタルとエネルギー技術者たちを運んでいた。
DT-F16はフェイオス・ステーション寄港時に船内に潜り込んでいた反乱者ソウ・ゲレラ、エズラ・ブリッジャー、サビーヌ・レンと戦ったが、部下のデス・トルーパーを全員失い撤退を余儀なくされる。彼女はストームトルーパーを率いて再戦に臨んだが、カイバー・クリスタルはゲレラによって傷つけられ、強力な爆弾と化していた。ラムダ級T-4aシャトルで脱出しようとした際、DT-F16はエズラの攻撃に倒れ、貨物船内に取り残された。反乱者たちとエネルギー技術者たちがシャトルで逃げた後、DT-F16はカイバー・クリスタルの爆発の巻き添えとなって命を落とした。
経歴
侵入者
- 「艦長、ソウ・ゲレラ率いる反乱者どもが6番貨物室に侵入して積荷を確保しました。クレニック長官と帝国軍司令部に警告してください」
- ―DT-F16[出典]
DT-F16は[1] 人間の[2] 女性で、初期反乱運動の時代にデス・トルーパーとして銀河帝国に仕えた。[1] デス・トルーパーは帝国情報部に属すエリート兵士であり[4]、なかでもDT-F16はコマンダーの階級を与えられ、デス・トルーパーたちからなる分隊の指揮を執っていた。1 BBY頃、彼女とその分隊は貨物船2716に割り当てられ、積み荷である巨大なカイバー・クリスタルの護衛を任された。[1] このオルカ級貨物船[5] はウェルズ船長の指揮下にあり[6]、ジェダ星系から出発して、トニス宙域でスレイヴィン大佐のインペリアル級スター・デストロイヤーと合流することになっていた。またこの貨物船はクリスタルに加え、ミッチ・マットをはじめとするエネルギー関連の技術者たちを捕虜として運んでいた。[1]
しかし貨物船2716の航行情報は、反乱分子パルチザンの指導者ソウ・ゲレラに漏れていた。ゲレラは反乱同盟のメンバーであるジェダイのエズラ・ブリッジャーとマンダロリアンのサビーヌ・レン、アストロメク・ドロイドC1-10P(チョッパー)たちの協力を取り付け、貨物船がフェイオス・ステーションに寄港した際に船内に潜り込んだ。船が出発した後、DT-F16と部下たちが6番貨物室でクリスタルを見張っていた時、突然部屋の扉が開いてゲレラとエズラ、サビーヌが姿を現した。扉の目の前にいたデス・トルーパーは即座にゲレラによって射殺され、他の隊員たちが反撃を始める前に、サビーヌによってスモーク爆弾が起動された。DT-F16の部下たちは煙幕の中で次々と倒されていき、ゲレラはトルーパー3-6の死体に隠れてDT-F16に近づいたが、彼女はなんとか攻撃をかわした。その後、ゲレラのブラスター・ピストルから放たれたビームがクリスタルの制御装置に当たったため、ここで戦うのは危険だと判断したDT-F16は撤退命令を出した。しかし逃げる途中でさらに1人の部下が殺され、残ったデス・トルーパーはDT-F16だけになってしまった。[1]
積荷の暴走
- 「今すぐ船を放棄する」
- ―DT-F16[出典]
1人で貨物室から撤退したDT-F16は、コムリンクを使って状況をウェルズ船長に報告し、オーソン・クレニック長官や帝国軍司令部に警告を発するよう求めた。また彼女は全ての保安要員を貨物室に回すよう指示し、敵の逃亡手段を奪うため脱出ポッドも射出しておくよう船長に進言した。一方、貨物室では積み荷のカーボン凍結が解除され、反乱者たちはその中身が巨大なカイバー・クリスタルであることを知った。ゲレラは帝国がクリスタルを超兵器に転用するつもりだと確信しており、トニス宙域でその正体を見極めるべく、船のハイパードライブを止めようとしていたサビーヌとエズラを一時スタンさせた。ゲレラはクリスタルと気絶した2人を機関室へ運び去ったため、DT-F16が4人のストームトルーパーを連れて再び貨物室へ突入すると、そこはすでにもぬけの殻になっていた。[1]
DT-F16は再び船長に状況を報告し、機関室が音信不通になっていることを知らされた。貨物船がトニス宙域でハイパースペースを脱し、スレイヴィンのインペリアルI級スター・デストロイヤーに接近していた時、DT-F16たちは機関室に踏み込んだ。しかしクリスタルはゲレラの手ですでに暴走状態にあり、不安定な爆弾と化していた。2人のトルーパーがクリスタルから放たれたエネルギーに当たって死ぬのを目にしたDT-F16は、反乱者と戦わずして即座に船から逃げ出すことを決意した。ハンガーではストームトルーパーたちがラムダ級T-4aシャトルの発進準備を完了していたが、DT-F16よりも先にチョッパーと解放された技術者の捕虜たちが格納庫に到着し、見張りを倒してシャトルに乗り込んでいた。遅れて格納庫に駆けつけたDT-F16はシャトルの中にいる捕虜たちに銃を向けたが、ライトセーバーを起動したエズラがコンテナの上にいることに気づいて標的を変えた。しかし部下のストームトルーパーはフォースで投げ飛ばされたコンテナによって倒され、DT-F16も弾丸をライトセーバーで偏向された後、キックを食らってノックアウトされてしまった。彼女はすぐに意識を取り戻してシャトルにブラスター・ライフルで銃撃を行ったが、反乱者の逃亡を阻止する役には立たず、間もなく暴走したカイバー・クリスタルの爆発に巻き込まれて死亡した。[1]
個性と特徴
- 「保安要員を全員6番貨物室へ。あと今のうちに脱出ポッドを棄ててください。誰も逃げられないように」
- ―DT-F-16[出典]
DT-F16は帝国のデス・トルーパーであり[1]、エリート兵士の集団の中において[4] 分隊のコマンダーを任されるほど優れた軍人だった。力と才能を兼ね備えた彼女は、戦うべき時と引き際を心得ており[3]、貨物船2716で反乱者たちと戦った際も、カイバー・クリスタルや自分の安全を重視し、リスクを伴う状況においては的確に撤退の指示を出した。しかしゲレラの破壊工作によってクリスタルが暴走状態に入ったことがわかると、彼女は任務の目的すら放棄し、自身の脱出を最優先した。[1] また彼女は愚か者には容赦せず、部下たちには最善の働きを要求した。[3]
DT-F16は貨物船2716の指揮官であるウェルズ船長にも作戦上の要求を出せる立場にあった。またウェルズがカイバー・クリスタルを敵に強奪された場合の責任の所在について言及しかけた際には、ウェルズの言葉を遮り、責任は自分“たち”にあると念を押して、単独での責任追及を回避しようとするしたたかさも備えていた。DT-F16は分隊のデス・トルーパーのうち唯一、反乱者との最初の銃撃戦を生き延びることに成功したが、ジェダイであるエズラ・ブリッジャーとの一対一の対決ではあえなく敗北した。[1]
装備
- 「撃ち方やめ! 撤退!」
- ―DT-F16[出典]
他のデス・トルーパーと同じく、DT-F16も黒ずくめの特殊なストームトルーパー・アーマーと、声を機械的に変声するヘルメットを身に着けていた。彼女は[1] E-11D[7] ブラスター・ライフルで武装し、左肩には[1] IM-40三袋式弾薬ツール・ポーチ[7] を着用していた。また彼女の腕のアーマーにはコムリンクが内蔵されていた。[1]
制作の舞台裏
DT-F16は2017年10月23日に初放送されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン4のエピソード『反乱組織の名の下に』に登場するキャラクターである。なお本エピソードは日本では2パートに分けて初放送され、DT-F16の登場部分であるパート2は2018年1月7日に放送された。[1] このキャラクターを演じたジェニファー・ヘイルはスター・ウォーズ作品のベテラン声優であり、ビデオゲーム『スター・ウォーズ:旧共和国の騎士』のバスティラ・シャン役や、『クローン・ウォーズ』シリーズのアイラ・セキュラ役でも知られる。[6]
登場エピソード
参考資料
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 反乱者たち – 反乱組織の名の下に
- ↑ 2.0 2.1 『スター・ウォーズ キャラクター事典 完全保存版』でストームトルーパーは全て人間と紹介されているため。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 DT-F16 - 公式データバンク
- ↑ 4.0 4.1 Imperial Death Troopers - 公式データバンク
- ↑ Every Type of Ship in Rebels | Star Wars By the Numbers - Star Wars Kids YouTube 公式チャンネル
- ↑ 6.0 6.1 In the Name of the Rebellion Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ 7.0 7.1 スター・ウォーズ ローグ・ワン アルティメット・ビジュアル・ガイド