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この記事は小説を扱っています。お探しの記事はキャラクターかもしれません。

Darth Plagueis』は、ジェームズ・ルシーノによる小説作品。シスの暗黒卿ダース・プレイガスのバックストーリーを描く。原書は2012年1月10日に発売され、邦訳版は2018年6月25日に発売された。

あらすじ[]

小説のストーリーは、シス卿ダース・シディアスが、師匠であるダース・プレイガス殺害した直後から始まる。この瞬間、シディアスはフォースの中に巻き起こった劇的な変動を感じ取り、自分はダークサイドによって選びだされた存在なのだと解釈した。これは、シディアスが銀河の未来に大いなる影響を及ぼすことを約束した瞬間だった。

その後、ストーリーは35年前に遡る。この、ダース・プレイガスは、師匠であるダース・テネブラスと共に、コートシス鉱の調査のため惑星バルデニックを訪れた。コートシスはライトセーバーの刃に抵抗力を持つ特殊な物質だったが、ここバルデニックでは、銀河共和国ジェダイ・オーダーに気づかれないまま、密かに採掘活動が行われていたのである。テネブラスは、この鉱物がジェダイ/共和国の転覆計画に役立つだろうと考えていた。しかし、調査活動の途中、不調をきたした採鉱用プローブ・ドロイドが、爆発性を持つレタンの鉱脈を掘り当ててしまう。テネブラスとプレイガスは宇宙船へと急いだが、船内に戻るより先に爆発が起きた。テネブラスがフォースを使って自分と弟子の身を守るあいだ、プレイガスは宇宙船が衝撃波で破壊されないように手を打った。プレイガスは、フォースを使って疲労困憊したテネブラスを見て、師匠を殺して新しいシス・マスターの座を手に入れるチャンスが来たと判断した。彼は事故に見せかけて落下中の破片をテネブラスにぶつけ、致命傷を負った師匠に駆け寄った。このムウンのシス卿は、死にかけたビスの師匠の前で、温めていた計画を語り始める。2人の掟というシスの旧体制に終止符を打つつもりだと語った後、プレイガスはテネブラスの首を折り、息絶えていく師匠のミディ=クロリアンをフォースで操作しようと試みた。プレイガスは、師匠の生命を実験用に保存しようと考えていたが、彼はその前に死んでしまった。

その後、プレイガスは宇宙船<ウォウビーゴーン>で密航し、バルデミックから立ち去った。彼は宇宙船の乗組員を皆殺しにし、ドロイドの11-4Dをミディ=クロリアンの実験アシスタント用に持ち帰った。故郷の惑星ムウニリンストに帰ったプレイガスは、ダマスク・ホールディング社の社長、「ヒゴ・ダマスク」という偽りの身分に戻る。ダマスクは、ムウニリンストのソウジャーンで開かれた、様々な企業やカルテルの代表者たちによる秘密会議に参加した。参加者には、バルデミックの採掘活動で爆発事故を起こし、テネブラスの死の原因をつくったプローブ・ドロイドの開発企業、サブテキスト・マイニング社の代表者たちも含まれていた。ダマスクは彼らを脅迫し、惑星ナブーの地下にプラズマ鉱脈が眠っていることを聞き出した。この鉱脈は、ダマスク・ホールディング社のみならず、インターギャラクティック銀行グループ、ひいては銀河系全体の利益となる可能性を秘めていた。ダマスクはサブテキスト社の代表者たちに情けをかけ、彼らが再び必要となった場合に備え、ティングル・アームの辺境の惑星へと左遷した。(結局彼らは、サブテキスト社の支援者であるマラステア代表パックス・ティーム元老院議員との交渉材料として役に立たず、プレイガスに始末されることになる)

ソウジャーンの会議が終わった後、プレイガスはダース・ヴェナミスと対峙した。テネブラスは生前、プレイガスが期待通りに成長しなかった場合に備え、もうひとりの弟子ヴェナミスを密かに訓練していたのである。決闘に勝利したプレイガスは、ヴェナミスに忠誠を誓わせた後、彼に毒を飲ませた。プレイガスは、この男をミディ=クロリアン操作実験の被験者として利用し、不死の達成という究極目標を目指して研究を行った。一方で、プレイガスはヴェナミスが過去に見つけ出したフォース使用者たちの捜索も進めた。彼は脅威となり得るフォース使用者をすぐに特定し、彼らを排除した。

ダマスク・ホールディング社とトレード・フェデレーションは、ナブーの地下に眠るプラズマ鉱脈の位置情報と引き換えに、ボン・タパロをナブーのに据える陰謀を練り始めた。タパロは、王になったあかつきに、ナブーの貿易(特にプラズマ市場)を開き、銀河社会との交易を開始する手はずになっていた。プレイガスの政治的同盟者の中に、パルパティーンという名の若者がいた。パルパティーンは、ナブーの孤立主義政策を継続させたがっている父、コシンガの意に反し、プレイガスの陰謀に加担した。パルパティーンの野心、及びフォース能力に可能性を見出したプレイガスは、ナブーにおける政治キャンペーンの間、この若者を情報提供者として利用した。パルパティーンは「ヒゴ・ダマスク」を父親代わりの存在として慕ったが、自分が利用されていることにも気づいていた。ふたりの関係を知ったコシンガは、息子とプレイガスを引き離そうとした。するとパルパティーンは、解き放たれたダークサイドの力を最大限に利用し、個人用宇宙船に乗っていた家族と儀仗兵を皆殺しにしてしまう。後に本人の口からこのことを聞いたプレイガスは、パルパティーンが自らを「解放」したことに祝いの言葉を述べた。間もなく、プレイガスは自らの正体を明かし、パルパティーンにダース・シディアスという名を与え、彼をシスの弟子として迎え入れた。

その後の11年間、シディアスはプレイガスからダークサイドの特性やシスの教義を教わった。また、彼はパルパティーン家の末裔としてナブーの政治キャリアを上り詰め、惑星の大使となった。さらに彼は、キンマン・ドリアナセイト・ペスタージュといった新しい友人たちの助けを借り、共和国元老院でナブーを代表していたヴィダー・キム議員の暗殺を成功させた。その後、パルパティーンはキムに代わる新議員となり、共和国の政界に進出する。一方プレイガスは、不死の実現を目指し、ミディ=クロリアンの操作実験を続けていた。計画の一環として、辺境の惑星カミーノにあるクローン施設も利用されたが、これは図らずものちのクローン大戦をお膳立てすることになった。当時、パルパティーンは政治的策謀の真っただ中にいたが、師匠が教えてくれる以上のダークサイドの知識を欲し、惑星ダソミアを訪れた。そこで彼は、ダソミリアンの女性キシナと出会い、モールという名のザブラクの幼児を託された。パルパティーンはモールを惑星ムスタファーへ連れて行き、彼にダークサイドの訓練を施した。

シディアスとプレイガスは、政敵の抹殺活動を開始した。そんな中、プレイガスは、部下ラーシュ・ヒルのために開かれた“カンテッド・サークルのオーダー”の儀式の最中に、マラディアンの暗殺者に襲撃される。ヒルやオーダーのメンバーは殺されたが、プレイガスは重傷を負いながらも数名の暗殺者を返り討ちにし、パルパティーンやセイト・ペスタージュが駆け付けるまで持ちこたえた。パルパティーンは、彼の強力な政敵であるパックス・ティームが、プレイガス暗殺計画の黒幕であることを突き止めた。自ら報復に出向いたパルパティーンは、饗宴のさなかにティームを攻撃し、いかなる証拠も生存者も残さず立ち去った。以後、プレイガスは生き延びるために新陳代謝装置の装着を余儀なくされ、それまで以上に周辺を警戒するようになる。彼は睡眠を削ってまで永遠に生きる方法を追い求めるようになった。また、彼はラーシュ・ヒルの息子サンを銀行グループの新会長として訓練した。この頃、プレイガスはダース・ヴェナミスを殺し、一度復活させることに成功したが、ヴェナミスが完全に死んでしまった後で、再びその現象を再現することは出来なかった。

それから20数年が過ぎた34 BBY当時、パルパティーンは元老院で更なる権力を手にし、最高議長フィニス・ヴァローラムの統治には陰りが見えていた。これ以降、小説のストーリーは、既存のスター・ウォーズ作品(例えば『Jedi Council: Acts of War』や『偽りの仮面』、『Star Wars: Darth Maul』、『ダース・モール 闇の狩人』)と重なるタイムラインを描き、最終的には『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の内容を描写する。これらのストーリーを通し、プレイガスがナブーのアース・ヴェルーナ王を暗殺した事実(ヴェルーナの死後、パルパティーンはまだ10代のパドメ・アミダラを新女王に推す)や、プレイガスがサイフォ=ディアスに、カミーノで人間のクローン軍団をつくってはどうかと提案していた事実が明らかになる。また、パルパティーンは、密かにモールを訓練しつつ、将来的な味方の候補として元ジェダイのドゥークーに目を付けていた。物語の終盤、『ファントム・メナス』の内容を描く場面で、シディアスとプレイガスは、アナキン・スカイウォーカーという名の少年の存在を知る。ジェダイのクワイ=ガン・ジンによってタトゥイーンで発見されたこの少年は、フォースによって生み出された子どもだった。シスの師弟は、プレイガスがおよそ10年前に行った生命創造の実験が、スカイウォーカーの誕生に関係しているに違いないと判断した。

ナブーの戦いの開始とともに、この小説のクライマックスが始まる。パルパティーンは、共和国の共同最高議長にすると約束し、師匠プレイガスを眠らせた。プレイガスの数十年来の計画通り、いまやパルパティーンは議長選挙の有力候補となっていた。しかし彼は、クローン軍団製造を始めとするあらゆる陰謀を実現させたのはプレイガスではなく、プレイガスを影から操っていた自分なのだと語り、眠っている師匠に手を下した。シディアスはダークサイドの力でプレイガスを殺したが、いくつかの不安要素が、彼の満足感に水を差した。のちに彼は、ナブーにおけるモールの死が、このときの不安の正体だったのだろうと推測する。(もっとも、シディアスは当初、死んだプレイガスがフォースの向こう側から接触してきたことが、不安の原因なのではないかと疑っていた)

公式に共和国議長になったパルパティーンは、来たるべきクローン大戦と銀河征服に向け、独力で計画を進めた。彼は、クローン大戦で有力な味方となるドゥークー伯爵を、代用のシス卿とした。シディアスの計画の要は、オビ=ワン・ケノービの下で修行を積む若きジェダイ、アナキン・スカイウォーカーだった。シディアスは、若きスカイウォーカーを誘惑して真の弟子にし、権力の執行者に仕立て上げるのは容易なことだと考えていた。

カバー[]

参考資料[]

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