FA-4シリーズ・パイロット・ドロイド(FA-4 series pilot droid)、通称FA-4パイロット・ドロイドはソロスーブ社が銀河共和国最後の数十年間に製造したFAシリーズ・パイロット・ドロイドの機種である。良質なサービスに価値を見出す裕福な客層をターゲットに設計されており、出荷時の標準モデルでもほとんどすべてのスターシップとビークルを操縦することができた。全高2メートルを超えるボディは多くのスターシップを操縦するのに理想的な背丈であり、高性能のジャイロ=スタビライザーが内蔵されているおかげでバランスを崩さず移動することができた。FA-4ユニットは銀河系各地の宇宙港でその姿を見ることができ、船の操縦だけでなく、手荷物の運搬も担当した。しかし航法コンピューターは搭載しておらず、アストロメク・ドロイドの役割を務めることはできなかった。
銀河共和国時代の末期、独立星系連合の国家主席ドゥークー伯爵は自身のソーラー・セーラーをFA-4ドロイドに操縦させていた。ドゥークーのFA-4は、複雑なプンウォーカ116級恒星間スループを操縦できるように、ジオノージアンのエンジニアによって改造されていた。クローン戦争中、ドゥークーのソーラー・セーラーは惑星ヴァンコアに墜落し、FA-4ユニットも機能停止した。このソーラー・セーラーはオナカー・ギャングによって発見され、海賊のホンドー・オナカーがFA-4の頭部パーツを回収した。しかしドゥークーはその後も別のFA-4ユニットを使ってソーラー・セーラーを操縦させていた。戦争終盤、コルサントの元老院オフィス・ビルにもFA-5ヴァレット・ドロイドと一緒に忙しく働くFA-4たちの姿があった。
特徴[]
ボディ[]

ソーラー・セーラーを操縦するFA-4パイロット・ドロイド
銀河共和国最後の数十年間に[4] ソロスーブ社によって製造されたFA-4パイロット・ドロイド、正式名称FA-4シリーズ・パイロット・ドロイドは[1] 車輪で移動する全高2.1メートルのドロイドである。[2] FAシリーズに属し[1]、第5級ドロイドに分類される。[3] ひょろ長いボディと細い腕を備え、丸い頭部を長い首で支えていた。彼らの背丈は、多くのスターシップを操縦するのに最適だった。FA-4ドロイドは角ばった実用性重視のデザインとなっており、その傾向は多関節の首を備えた頭部によく表れていた。ソロスーブ社は、FA-4ユニットのボディの材質や表面仕上げを、顧客の要望に応じて変更するサービスも行っていた。[1]
FA-4の外見はきゃしゃだが、2本の細い腕と5本指は見かけによらず強力だった。彼らの精巧なマニピュレーター(操作)アームは液圧式で、有機生命体が操縦できるスターシップやビークルならほぼ全て扱うことができた。彼ら自身は長距離を移動する必要がないため、無限軌道の車輪を移動手段として設計されていた。下半身は安定性が高く、高性能のジャイロ=スタビライザーによってボディが常に安定した状態に保たれていた。彼らは起伏の多い地形であってもバランスを崩すことなく移動でき[1]、宇宙船のタラップを難なく昇降することができた。[5]
機能[]
FA-4パイロット・ドロイドは一種の旅行用ドロイドであり、ルートを策定するためにナビゲーション・プログラムを施されていた。[3] FA-4は出荷時の標準モデルでも、ほとんどすべてのスターシップとビークルを操縦することができた。標準モデルでは扱えない高度で複雑なスターシップの場合も、追加の改造で操縦可能となった。また彼らは操船や言語に関するデータベース・テクノロジーを満載しており、銀河ベーシック標準語をはじめとする、一般的な23の言語を操ることができた。[1]
役割[]

FA-4は宇宙港やドッキング・ベイでしばしばFA-5ヴァレット・ドロイドと一緒に活動した
標準仕様のFA-4シリーズ・パイロット・ドロイドは銀河系各地の宇宙港で活躍した。彼らは定期便を操縦し、乗客の手荷物を宇宙港からホテルへ、そしてホテルから宇宙港へと運ぶ役目を任されていた。また個人の顧客もFA-4を購入することができた。FA-4パイロット・ドロイドは航法コンピューターを搭載していないため、アストロメク・ドロイドの役割をこなすことはできなかった。ソロスーブ社が製造した後継機種のFA-5ヴァレット・ドロイドは、宇宙港やドッキング・ベイでしばしばFA-4の地上アシスタントとして使用された。[1] FA-4ドロイドは銀河共和国時代後期に人気があり、外交任務で目的地までの操縦を任されることが多かった。彼らはコックピットにおける操縦技術だけでなく、オーナーの旅行計画を誰かに漏らさない心遣いも高く評価されていた。[6]
歴史[]

ドゥークーのFA-4
ソロスーブ社は悪趣味な金持ちではなく、倹約家の金持ちをターゲットとする企業の代表格であり、良質なサービスに価値を見出し、市場で最高のものを手に入れるために金を使う客層にアピールするため、パイロット・ドロイドを設計した。ソロスーブ社の販売店スタッフは、身元が明らかな顧客であればFA-4シリーズの改造に気軽に対応し、ボディの材質の変更や、複雑な宇宙船への適応といった改造に応じていた。またパイロット・ドロイドに制服やキャップを着用させるオーナーも多かった。[1] 発展途上惑星では乗客をエスコートするFA-5ヴァレット・ドロイドと組んで仕事をするFA-4ドロイドの姿が見られた。[4]
独立星系連合を率いるシス卿ドゥークー伯爵は、自身のソーラー・セーラーをFA-4パイロット・ドロイドに操縦させていた。[7] ドゥークーが購入したFA-4は、伯爵の独特なプンウォーカ116級恒星間スループ・ソーラー・セーラーを飛ばせるように、ジオノージアンのエンジニアによって改造されていた。ドゥークーは自身も優秀なパイロットだったが、長い旅をFA-4の操縦に任せることを好み、その時間を分離主義勢力の指導者としてやらなければならない多くの職務の準備や[1] データブック・ライブラリーでの研究に費やしていた。またドゥークーのソーラー・セーラーのコックピットには縦アクセス・シャフトから持ち上がる座席が取り付けられており、彼はそこにFA-4と並んで座った。[4] 22 BBYに発生した[8] ジオノーシスの戦いのさなか、ドゥークーがジェダイ・マスター・ヨーダとの対決を切り上げて惑星ジオノーシスから脱出した際、FA-4パイロット・ドロイドが彼のソーラー・セーラーを操縦し、コルサントまで旅した。[5]
翌年[8]、宇宙空間における戦闘で共和国宇宙軍に追い詰められたドゥークーは、FA-4が操縦するソーラー・セーラーに乗ってスター・フリゲートから脱出した。しかしソーラー・セーラーはジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービの乗るシーシピード級輸送シャトルによる銃撃で損傷を負い、ヴァンコアに墜落した。FA-4ドロイドは墜落時に機能停止し、のちにソーラー・セーラーもろともウィークウェイの海賊集団オナカー・ギャングによって回収された。ドゥークーが墜落現場に戻ってきた時、海賊団の首領であるホンドー・オナカーはFA-4の顔面プレートを拾い上げて目の前に掲げ、覗き穴越しにドゥークーを発見した。のちにオナカーはこの顔面プレートをペットのピルフ・マクマクに投げ渡した。[9]
クローン戦争終盤、コルサントの元老院オフィス・ビルでもFA-4およびFA-5ドロイドたちが忙しく働いていた。[2][10] 19 BBYに発生した[8] コルサントの戦いの後、スカイウォーカーとケノービ、シーヴ・パルパティーン最高議長らを乗せたジェダイ・シャトル・バスがオフィス・ビルに到着した時も、FA-4ドロイドたちが他のドロイドと一緒に働いていた。[10]
帝国時代、“深み”と呼ばれる未知領域の惑星では、クルレエキ卿ら貴族によって、FA-4パイロット・ドロイドたちを含む大量のドロイドが鉱山施設の奴隷労働者として酷使されていた。ある時、奴隷の監督者であるゼータは1体のFA-4パイロット・ドロイドに作業スピードを速めるよう怒鳴りつけ、電気ショックでダメージを与えた。その後ジェダイのルーク・スカイウォーカーが3POシリーズ・プロトコル・ドロイドに変装して鉱山施設に潜入し、友人のアストロメク・ドロイドR2-D2を救出した。その際、スカイウォーカーは他の奴隷ドロイドにも自由のための戦いを呼び掛け、FA-4たちはそれに応じた。[11]
制作の舞台裏[]
FA-4シリーズ・パイロット・ドロイドは2002年に公開されたプリクエル・トリロジー第2作『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で初登場を果たした。[5] 正史媒体では、2015年に発売された設定資料集『アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科』で初めて「FA-4パイロット・ドロイド」という名前が紹介され[7]、2018年にデアゴスティーニから発売された『週刊 スター・ウォーズ R2-D2』60号で「FA-4シリーズ」の名称が明らかになった。[1]
登場作品[]
- スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 (初登場)
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ
クローン・ウォーズ – 囚人ドゥークー
クローン・ウォーズ – 新たな脅威
クローン・ウォーズ – 灰色の魔女
クローン・ウォーズ – カダーヴォからの脱出
クローン・ウォーズ – はずれた思惑
クローン・ウォーズ – 失われた者
クローン・ウォーズ – 犠牲
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
- わたしはドロイド—The Legends of Luke Skywalker: The Manga
参考資料[]
"Dooku Captured" Episode Guide - StarWars.com (アーカイブ) (ビジュアルのみ)
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第32号 (スターシップ・ファクトファイル:改造ブンウォーカ116級スループ)
スター・ウォーズ:カード・トレーダー (Card: FA-4 Pilot Droid - Droid Series)
- スター・ウォーズ:銀河系の宇宙船
- スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
スター・ウォーズ ヘルメット・コレクション 50
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第60号 (ドロイド仕様書:FA-4パイロット・ドロイド) (表記はFA-4シリーズ パイロット・ドロイド)
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- スター・ウォーズ:ドロイドグラフィー
- Collapse of the Republic
Every Droid in Star Wars - Star Wars Kids YouTube 公式チャンネル
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
C-3PO – スター・ウォーズ・エンサイクロペディア (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ・エンサイクロペディア:スター・ウォーズ銀河総合ガイド
FA-4 pilot droid - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13
週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第60号 (ドロイド仕様書:FA-4パイロット・ドロイド)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4
FA-4 pilot droid - 公式データバンク
- ↑ 3.0 3.1 3.2 スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3
週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第32号 (スターシップ・ファクトファイル:改造ブンウォーカ116級スループ)
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- ↑ スター・ウォーズ:ドロイドグラフィー
- ↑ 7.0 7.1 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ 8.0 8.1 8.2 スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- ↑
クローン・ウォーズ – 囚人ドゥークー
- ↑ 10.0 10.1 スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
- ↑ わたしはドロイド—The Legends of Luke Skywalker: The Manga