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LINデモリッションメク自律型機雷敷設装置(LIN demolitionmech autonomous minelayer)、別名LIN採鉱ドロイド(LIN mining droid)はサイボット・ギャラクティカ社によって製造されたドーム型の採鉱ドロイドである。鉱業や解体業の現場で爆発物を使って岩やデブリを破壊したり、戦場に地雷を敷設することを目的として設計されており、爆発による破壊や落下物から身を守る頑丈なデュラスチール製のセルを備えた。しかしこのドームがあまりにも重いせいで動きは遅く、湿度が高い場所では駆動輪が故障して動けなくなりやすいという弱点があった。

不運にも、採鉱現場で大勢が犠牲になった亡事故の原因と誤解されてしまったせいで、LINデモリッションメクには悪評がつきまとい、サイボット・ギャラクティカ社はやむを得ずひっそりと同シリーズの製造を打ち切った。売れ残ったユニットはクローン戦争中に銀河共和国に売却された他、一部は犯罪組織に流れて金庫破りなどに使用され、評判をさらに悪化させた。また銀河内戦期には銀河帝国超兵器デス・スター内で使用されていた他、帝国地上軍の攻撃用ユニットとしても転用された。

惑星タトゥイーンでは、廃業した採鉱企業によって遺棄されたいくつかのLINデモリッションメクがジャワ廃品回収業者の手に渡った。そのうちの1体であるLIN-V8Kは、反乱同盟ドロイドR2-D2C-3POがジャワに捕まってサンドクローラーに乗せられた際、同じ車内に居合わせた。ジャワはラーズ農場の前でLIN-V8Kを始めとする廃品ドロイドを売り物として展示したが、水分農夫オーウェン・ラーズが買っていったのは反乱同盟の2体のドロイドだった。

特徴[]

ドーム[]

LIN-V8K

LINデモリッションメク

サイボット・ギャラクティカ社によって製造された[1] LINデモリッションメク自律型機雷敷設装置は、戦場に機雷を敷設したり、岩やデブリを除去するために設計された頑丈な採鉱ドロイドである。[2] このモデルの最も明確な特徴はその巨大で重量のある[1] 分厚い[5] デュラスチール製保護ドームであり、ドロイドを落下物の衝撃から守り、爆発物を扱ったり、その結果として生じる破壊に耐えうる装甲を備えていた。このドームは図らずもこのドロイドの存在感を必要以上に高める要因となっており、ドームの重さに対して駆動装置が非力だったため、ゆっくりとしか動くことができなかった。そのため仕掛けた爆薬が起爆された際、デモリッションメクは爆破の影響範囲からまだ脱していないことが多かった。[1]

LINデモリッションメクのドームの前半分には、回転式の爆発物保管ラックが内蔵されていた。この区画にはタイマー式機雷などを収容することができた。保管ラックの上には伸縮式操作アームの格納区画があり、ツメのような単純な仕組みの手を使って回転するラックから爆発物を取り出し、爆破ポイントを特定するセンサーの情報をもとに、所定の位置に置くことができた。またこのアームは作業中に邪魔なものをどかす程度の力も備えていた。[1] LINデモリッションメクの中には、ドームの正面部分、アーム伸縮箇所の真下に赤や黄色のライトがついているモデルもあった。[6]

センサー[]

LINデモリッションメクは爆発物保管ラックの後ろにずんぐりした主ビジュアル・センサーを備えた。このセンサーはドームの上にある裂け目から、装甲潜望鏡のように突き出しており[1]砂嵐や霧、放射線、砂や土をも見通すことができた。[5] デモリッションメクは常に視覚情報を必要としていたため、このセンサーは格納式ではなかった。主ビジュアル・センサーはドームの外に露出しているためダメージを受ける可能性があったが、簡単に交換ができる設計になっていた。またこのセンサーは外部のオペレーターに映像を送り、仕事が遅いデモリッションメクが現在何をしているかを知らせる役割も果たした。バイナリー言語で会話する必要がある場合には、ドーム上部の裂け目から格納式の音響信号装置を展開した。内蔵式の信号装置では、ドームで音がこもる場合があるためである。[1]

ドームの後ろ半分には内蔵音波センサーが配置されており、岩壁から建物の支持材まで、周辺にあるものの構造上の弱点を検知することができた。ドロイド自身、あるいは外部のオペレーターはこのセンサーの情報を元に、爆発物を仕掛けるのに適切な場所を決定した。また音波センサーは地雷を検知するのにも使われた。センサーによって地雷が起爆した場合でも、デュラスチールのドームがドロイドを保護してくれた。音波センサーの真上にはドロイドの主要な通信用ロッド・アンテナが配置されており、壊れやすい部品であったため、本体の内部に収容することも可能だった。アンテナは極めて強力であり、岩を通して信号を送信できるように設計されていた。[1]

駆動装置[]

ドームの基部には平べったい地表センサーがあり、その下に2つの頑丈な駆動装置が設けられていた。それぞれ5つの駆動輪を使って[1] キャタピラ[5] を回転させた。駆動輪にはWEDトレッドウェル修理ドロイドと全く同じものが使われており、装甲が追加されていた。しかしそれでもやはり駆動輪は爆破によるダメージを受けやすい部位だった。またLINデモリッションメクは湿気が多い場所に弱く、このドロイドの駆動用パーツの中に過度な湿気が侵入すると、パーツが固着してしまうことがあった。[1] LINデモリッションメクのキャタピラはでこぼこした地面を移動するのに役立ったが[5]、しばしば湿気が原因で悪条件な場所に立ち往生することがあり、それが地雷掃討の作業の最中であった場合、救出するのは困難だった。[1]

歴史[]

良からぬ評判[]

Imperial LIN demolitionmech

帝国軍のLINデモリッションメク

LINデモリッションメク自律型機雷敷設装置は、民間と軍事両方のニーズに応えるべくして、サイボット・ギャラクティカ社によって製造された。当初は爆発物を扱う採鉱業者に向けて販売され、採鉱業および解体業の現場で充分に性能を発揮したが、動きの遅さや湿気への弱さといった欠点がしばしばオーナーの不満を買った。そしてあるとき、採鉱作業中に地中深くに設置した爆発物に欠陥があり、多くの作業員が亡する事故が発生すると、LINデモリッションメクに疑いの目が向けられ、発注が激減してしまった。[1]

事件の調査の結果、最終的にドロイドとメーカーには非が無いことが明らかになったものの、不公平なことに、LINデモリッションメクへの誤解による汚名はすでに染み付いて消せなくなっていた。サイボット・ギャラクティカ社はこのドロイドの製造を静かに打ち切り、残っていた大量の在庫を、地雷除去という良い目的のために使うドロイドとして、クローン戦争中に銀河共和国へ売却した。[1]

戦争終了後、一部の処分価格のLINデモリッションメクが犯罪組織に流出した。彼らはデモリッションメクの内蔵超音波センサーを金庫破りに使用するなどして、このドロイドの評判をさらに貶めてしまった。しかし帝国時代には銀河帝国もこのシリーズを使用しており、超兵器デス・スターなどの宇宙ステーションなどにも配備されていた。[1] また銀河内戦では、LINデモリッションメクが帝国軍地上軍で攻撃用のユニットとして利用された。これらのユニットは敵のタレットや資源などは無視して進み、分隊センターや兵舎、工場、武器庫といった標的に至近距離で爆発物を仕掛けるようプログラムされていた。[6]

タトゥイーンのガラクタ[]

ANH R2-D2 Jawa R5-D4

ジャワの売り物であるLINデモリッションメクを確認するルーク・スカイウォーカー(右端)

砂漠惑星タトゥイーンでは、採鉱企業が操業を停止した後、いくつかのLINデモリッションメク・ドロイドが主人を失って取り残された。こうしたユニットはやがてジャワ種族廃品回収業者の手に渡った。ジャワが住んでいたサンドクローラーも、同じ採鉱企業が遺棄したものである。[1] 9 BBYジェダイ・マスターの隠遁者オビ=ワン・ケノービが、ヴェクト・ノクルによって誘拐されたプリンセスレイア・オーガナ救出するためタトゥイーンから出発する輸送船に乗り込んだ際、発着場付近の人混みの中をLINドロイドが移動していた。[7]

0 BBY当時[8]ネビット率いるジャワ部族[9] LIN-V8Kという名のLIN採鉱ドロイドを[3] 他の多くの廃品ドロイドと一緒にサンドクローラーに積み込んでいた。ヤヴィンの戦いの直前、反乱同盟アストロメク・ドロイドR2-D2プロトコル・ドロイドC-3POもこの部族の売り物に加わった。[10]

ネビットの部族はグレート・チョット塩類平原にあるラーズ農場を訪れ、LINデモリッションメクを始めとするドロイドをサンドクローラーから降ろし、売り物として陳列した。彼らはドロイドを水分農夫ラーズ家に売りたいと考えていたが[10]、LINはまともに動かすのも苦労する状態だった。[1] ラーズ家の養子であるルーク・スカイウォーカーはLINに直接手を触れて品定めしたが、結局、農場の家長であるオーウェン・ラーズが購入することに決めたのはC-3POとR2-D2だった。それからしばらくして、サンドクローラーはC-3POとR2-D2を探している帝国軍ストームトルーパーに攻撃され、ジャワは虐殺された。[10]

その他の個体[]

深み”と呼ばれる未知領域の惑星では、クルレエキ貴族によって、LINユニットを含む大量の各種ドロイドが鉱山施設の奴隷労働者として酷使されていた。しかしある時、ジェダイのルーク・スカイウォーカーが友人のアストロメク・ドロイドR2-D2を救出するため、プロトコル・ドロイドに変装して鉱山施設に潜入した。その際、スカイウォーカーは他の奴隷ドロイドにも自由のための戦いを呼び掛けた。するとLINユニットを含む大勢のドロイドが呼びかけに応じ、奴隷の監督者である執行ドロイドに立ち向かった。執行ドロイドのゼータが倒された際、1体のLINユニットがその場に居合わせた。[11]

制作の舞台裏[]

The Beast

『クローン・ウォーズ』のエピソード『内なる敵』のために制作されたコンセプト・アート

LINデモリッションメク自律型機雷敷設装置は1977年5月25日公開のオリジナル・トリロジー第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で初登場を果たした。[10] 正史媒体では2015年発売の設定資料集『きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック』で正式名称が初紹介されたが、LINデモリション自律型機雷敷設装置(LIN demolition autonomous mine layer)と表記されている。[4] 2016年発売の子供向けアクティビティ・キット『Star Wars Builders: Droids』で初めて demolitionmech として紹介された。[2]

TVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のエピソード『内なる敵』の初期脚本では、オープニング・シーンでクローン・トルーパーたちが“ザ・ビースト”というニックネームのLINを戦闘用に改造するシーンが描かれていた。しかしこのストーリーは不要と判断され、エピソードの完成版からはカットされてしまった。[12]

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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