R6アストロメク・ドロイド(R6 astromech droid)、別名R6シリーズ(R6-series)、R6ユニット(R6 Unit)、あるいは単にR6アストロメクはインダストリアル・オートマトン社が製造したRシリーズ・アストロメク・ドロイドの機種である。R0シリーズやR5シリーズと同じコーン型の頭部と樽型の頭部の2種類があったが、どちらとも外見はR2シリーズのものに似ていた。
R6アストロメクは共和国時代には既に製造されており、帝国時代や冷戦の時代でも様々な組織に使用され続けてきた。惑星ネヴァロの町でスピーダーのパイロットとして働いていたR6-D3や、ダソミアの魔女に仕えるR6-W1CH、ベスピンのクラウド・シティの住民R6-D23、雪の惑星ヴァンドア用にオプティマイズされたR6-SN0、レジスタンスに所属するR6-D8とR6-LE5はR6アストロメクだった。また、同じくレジスタンスのドロイドO-R10Nや新共和国に仕えたR8-26はR6ユニットの頭部を持つアストロメク・ドロイドだった。
特徴[]
R6アストロメク・ドロイド[14]、略称R6アストロメク[3]、またの名をR6シリーズ[15]、R6ユニット[16] はRシリーズ・アストロメク・ドロイドの一種である。[2] 他のRユニットと同じくインダストリアル・オートマトン社製で[1]、円筒状の胴部と3本の脚を備えていた。R6ユニットの胴体には修理アームや[6] スコンプ・リンク[7]、バート音響信号装置及びシステム換気装置、高出力再充電カップリング、排熱口、カーゴ・コンパートメントが搭載されていた。胴体の左右の脚はデュラスチールのシェルが使用されており、油圧式アーム・シャフトやアクセンチュエイティング・カプラー、クイック=リリース燃料システム・ラッチ、システム潤滑油フィルター/リザーバーが組み込まれていた。胴体の下部には収納可能な3本目の脚があった。[6]
R6ユニットの頭部は少なくとも2種類確認されていたが[4][17]、どちらもR2シリーズに似た外見になっていた。[18] 1つはR0アストロメクや[15] R5シリーズ・アストロメク・ドロイドと同じくコーン型で胴体との付け根部分がくぼんでおり、プライマリー・フォトレセプター[4] 及びレーダー・アイや[5] 聴覚センサー[6]、ヘルナー・オプティカル・ホログラフィック・プロジェクターが配置されていた。[5] もう1種は樽型に近い形状で頭部と胴体との付け根部分に凹みは無かった。樽型頭部はコーン型頭部よりR2ユニットに似た外見であったが、R2ユニットと比べ右方面のパネルの数が多かった。[17] R6ユニットの中には頭部にインテレックスVIIIコンピューター・システムを内蔵する個体や、個性マトリックス内の危険防止装置が工場で設定された個体が存在していた。[4]
歴史[]
共和国時代~帝国時代[]
R6アストロメク・ドロイドはクローン戦争の時代には既に製造されていた。[8] 22 BBY[19]、惑星ヒスリックにある独立星系連合の前哨基地で緑と白のR6アストロメクが活動していた。独立星系連合のグリーヴァス将軍に雇われた傭兵ドロイドのAD-W4はジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥにヒスリックで敗北してしまう。彼はグリーヴァスにメイスを殺したと嘘をつき、報酬のクレジットを増やそうとしたが、証拠としてライトセーバーを見せろと命じられる。手下のB1バトル・ドロイドがジェダイのライトセーバーを持ってないと発言すると、ADはドロイドをブラスターで破壊してしまった。R6ユニットもその場に居合わせたが、無事であった。[8]
19 BBY[19]、首都惑星コルサントのギャラクティック・シティでも黄色のR6アストロメクが活動していた。オーダー66により多くのジェダイがクローン・トルーパーによって殺害される中、トレイン・ステーションでR6ユニットは銀河共和国のガンシップからスピーダー・バイクで逃走するエイリアンの幼児とジェダイの姿を目撃した。[20]
銀河内戦の時代、反乱同盟もR6アストロメクを使用していた。ある日LXロビンスンVで反乱軍パイロットのルーク・スカイウォーカーはレイア・オーガナから行方不明の貨物船の捜索を依頼され、仲間のR2ユニットのR2-D2にXウイングのセットアップをするよう命じた。R2はXウイング・スターファイターが駐機するハンガーへ向かうが、R6アストロメクを含む様々なドロイドと衝突を繰り返してしまう。彼は結局そこに到着した直後に主人から任務の中止を告げられ、落胆した。[9] またサポンザの傭兵団はR6アストロメクに似た浮遊ドロイドを基地の建設と拡張、瓦礫の除去に使用した。そのドロイドは白と赤茶のボディと鉤爪が付いた2本の腕を装備していた。[21]
共和国時代以降[]
9 ABY[19]、惑星ヴェスパーラのグランド・アリーナで開催される闘技イベント、アウター・リムのハンターのゲーム・モード“パワー・コントロール”では特殊なR6アストロメク・ドロイドが使用されていた。試合中、このR6ユニットはスコンプ・リンクでゲーム用の制御装置を操作した。[7] 同じ年[19]、惑星ネヴァロの町で[22] R6ユニットのR6-D3[17] がスピーダーのパイロット・ドロイドとして使用されていた。後にこのドロイドはマンダロリアンのディン・ジャリンと賞金稼ぎギルドの争いに巻き込まれ、機能停止することになる。[22]
新共和国は2種類のR6アストロメクを使用していた。新共和国時代のある日、森林惑星コルヴァスの町カロダンにナドゥラ大使を乗せた一隻の新共和国輸送船が着陸した。船には彼女の他に警備員や樽型のR6ユニットの頭部を備える[23] R8-26[24] が乗り込んでいた。彼女がカロダンに訪れたのは町を支配するモーガン・エルズベスにコルヴァスを共和国に明け渡し、裁判を受けてもらうためである。しかしモーガンはこれを拒否し、最終的にナドゥラとR8たちはモーガンの部下たちによって抹殺された。[23] 9 ABY[19]、惑星タトゥイーンのパトロール中であった新共和国パイロットのカーソン・テヴァが操縦するT-65B Xウイング・スターファイターにR6ユニットが搭乗していた。[25] 同じ年、惑星コルサントの新共和国ビルで1体のR6ユニットが[11] メール・ドロイドとして働いていた。[26] カーソン・テヴァがビルに訪れた時、R6ユニットはタトル大佐のオフィスで活動していた。タトルは仕事の邪魔になるという理由でドロイドに自分の机に物を置かないよう注意をしたが、R6ユニットはそれを聞き入れず大量のデータカードが入ったトレイを無理やり机の上に乗せた。テヴァがオフィスに入室すると、R6ユニットは部屋から追い出された。[11]
レジスタンスも数個体のR6アストロメクを使用していた。O-R10NはR6ユニットの頭部を持つ青いアストロメク・ドロイドであり、レジスタンス・パイロットのジェシカ・パヴァが所有していた。しかしこのドロイドはメガロックス・ベータの任務で巨大なセキュリティ・ドロイドによって破壊されてしまう。[27] 後にレジスタンス・パイロットのザリ・バンゲルはパヴァを励まし、彼女のT-70 Xウイング・スターファイターに乗ってくれるアストロメクを数体募った。その中にはBB-8やアイヴィーの他に1体のR6ユニットも含まれていたが、BB-8以外は彼女が目を離した隙に姿を消してしまった。実はパヴァは“破壊大魔王”と呼ばれアストロメクから敬遠されていたのである。[28]
R6-D8はレジスタンス・パイロットのテミン・ウェクスリーが所有する[4] R6アストロメクであり[3]、彼がレジスタンスに加わって以来ともに飛んできた。[4] R6は彼の操縦するT-70 Xウイングに搭乗し、スターキラー基地の戦いといった任務に参加したが[13]、エクセゴルの戦いで主人とともに犠牲となった。[29] スターキラー基地の戦いでレジスタンス・パイロットのバスティアンの操縦するT-70 Xウイングには茶色のR6ユニットが搭乗していた。[13] またR6ユニットのR6-LE5ことリーファイヴは相棒のR2-SHPと共にレジスタンスに協力していた。[4] 35 ABY[19]、リーファイヴは衛星エイジャン・クロスのレジスタンス基地でCR90コルベット<タナヴィーIV>のメンテナンスを任されていた。[4]
銀河系におけるR6アストロメク・ドロイド[]
銀河ではR6アストロメク・ドロイドを含む様々な色や特徴を持つドロイドたちが活動しており[6]、特にコルサントでは共和国時代から新共和国時代にかけて使用され続けてきた。[11][20] R6-SN0は惑星ヴァンドアで機能できるようオプティマイズされたR6ユニットであり、黒い帽子と赤いスカーフを着用していた。[30] R6-W1CHはダソミア出身の赤いR6ユニットであり、闇の魔術を操る魔女の集会に仕えていた。[6] 惑星ベスピンのクラウド・シティではR6-D23という名のR6アストロメクがスターシップの整備を担当していた。[5]
惑星ソーガンの農村では、樽型頭部のR6ユニットがスピーダーのパイロット・ドロイドとして使用されていた。このR6ユニットは農民や収穫物、訪問者を乗せた。[31] R6ユニットは惑星プラジール15のドーム都市でも数個体が使用されており、平和維持ゾーンでは他の住民やドロイドたちと共に生活していた。ディン・ジャリンとマンダロリアンのボ=カターン・クライズがドロイドの酒場“ザ・レジスター”に訪れた時、店内では1体の黄色のR6ユニットが2体のB1バトル・ドロイドや青色のプロトコル・ドロイド、WED-15トレッドウェル・ドロイド、灰色のヒューマノイド型ドロイドと同じテーブル席につき、チューブ付きのボトルから潤滑剤のネペンセを補給していた。[12]
惑星バトゥーのブラック・スパイア・アウトポストにある店「ドロイド・デポ」ではR6アストロメクを含む様々なアストロメク・ドロイドを作ることができた。[2] 同じくブラック・スパイア・アウトポストでカット・サカが経営する「カット・サカのケトル」ではR6アストロメク型の容器に入れられたアウトポスト・ミックスが販売されていた。この容器のR6アストロメクは黒いボディと黄色と赤の脚、白と紫の頭部で構成されており、頭部にあるセンサーはオレンジに光らせることが可能であった。なお頭部は容器の蓋にあたり、アウトポスト・ミックスを食べるには頭部を取り外す必要があった。[32]
制作の舞台裏[]
レジェンズ媒体も含めたR6アストロメク・ドロイド(R6シリーズ・アストロメク・ドロイド)の初出は、1995年出版のペーパーバック『Star Wars アドベンチャージャーナル7』の記事のひとつ、『Rシリーズ・アストロメク・ドロイドの歴史』(パブロ・ヒダルゴ著)である。[33][34] 正史媒体では2015年公開のシークエル・トリロジー第1作『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』で初登場を果たし[13]、2019年に公式YouTubeチャンネル Star Wars Kids の動画「Every Droid in Star Wars」で「R6アストロメク」という名前が判明し[3]、2024年開催のディズニーのイベント D23 EXPO 用に制作されたハズブロ社の『スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー』のフィギュア、R6-D23の ShopDisney での紹介ページで「R6アストロメク・ドロイド」という名が初めて明かされた。[14]
1999年に発売されたレジェンズの設定資料集『ドロイドの新エッセンシャルガイド』(ダニエル・ウォーレス著)によるとR6シリーズ・アストロメク・ドロイドが開発されたのはエンドアの戦いの後であるが[35]、正史では設定が変更されている。2017年発売のクローン戦争期を舞台とするコミック『スター・ウォーズ:共和国のジェダイ—メイス・ウィンドゥ』(マット・オーウェンズ作、デニス・コーワン画)や、2023年3月22日に Disney+ で配信された『マンダロリアン』シーズン3の第4話『チャプター20:孤児』で描写されたジェダイ・テンプル攻撃の回想シーンでR6アストロメクの姿を確認することができるほか[8][20]、2017年1月31日にマーベル・コミックから出版された、『スター・ウォーズ:ハービンジャー最後の飛行』の帝国時代を舞台とするミニ=コミック『ドロイドのジレンマ』(クリス・イリオパウロス、ジョーディー・ベレヤー作)でもR6ユニットが反乱同盟のドロイドとして登場している。[9]
登場作品[]
- スター・ウォーズ:共和国のジェダイ—メイス・ウィンドゥ
- ドロイドのジレンマ—スター・ウォーズ:ハービンジャー最後の飛行
- 憎しみの道
- スター・ウォーズ:銀河のハンター
- マンダロリアン – チャプター3:罪
- マンダロリアン – チャプター4:楽園
- ボバ・フェット – チャプター5:マンダロリアンの帰還
- マンダロリアン – チャプター19:改心
- マンダロリアン – チャプター20:孤児 (回想シーン)
- マンダロリアン – チャプター21:海賊
- マンダロリアン – チャプター22:傭兵
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン
- スター・ウォーズ:ポー・ダメロン 迫りくる嵐
- スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 (初登場)
- スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ
- スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け
参考資料[]
- ポー・ダメロン:フライト・ログ
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア (ビジュアルのみ)
- Star Wars: Destiny – Spirit of Rebellion (Card: Temmin "Snap" Wexley) (ビジュアルのみ)
- Every Droid in Star Wars - Star Wars Kids YouTube 公式チャンネル (R6アストロメクとしての最初の言及)
- スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け ビジュアル・ディクショナリー&クロスセクション
- 2019 Topps Star Wars: The Rise of Skywalker Series 1 (Card: R6-LE5)
- ドロイド・デポ(トイ・ライン)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (The Rise of Skywalker set)
- スター・ウォーズ:カード・トレーダー (Card: R0-4L0 - R-Series) (R6シリーズとしての最初の言及)
- ドロイド・デポ(モバイル・アプリ)
- ディズニー・ギャラリー マンダロリアン – 制作の舞台裏
- ディズニー・ギャラリー マンダロリアン – キャスト
- ディズニー・ギャラリー マンダロリアン – プロセス
- Star Wars: X-Wing Second Edition – Heralds of Hope Squadron Pack (Card: R6-D8)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (R6-W1CH)
- スター・ウォーズ キャラクター事典 最新完全版 (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (The Mandalorian set)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (R6-SN0)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (Pride Collection)
- Game Update: March 28th, 2024 - スター・ウォーズ:銀河のハンター 公式サイト (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (R6-D23)
脚注[]
外部リンク[]
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (セット: R6-W1CH) (バックアップ)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (セット: R6-SN0) (バックアップ)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (セット: Pride Droid Factory Figurine Playset set) (バックアップ) (R6ユニットとしての最初の言及)
- スター・ウォーズ:ドロイド・ファクトリー (セット: R6-D23) (バックアップ) (R6アストロメク・ドロイドとしての最初の言及)