- 「コマンダー、我々は奴らをせん滅しなければならない。そのために最適な兵器がある。SD-K4改だ。戦場を迅速に動き回り、鋭いブレードでターゲットを直接攻撃する。それだけではない。このドロイドは大量の小型プローブ・キラーを内蔵している。プローブ・キラーは放出されると散開して歩兵を攻撃し、最後には自爆するのだ!」
- ―ジョハール・ケッセン[出典]
SD-K4アサシン・ドロイド(SD-K4 assassin droid)、別名アサシン・プローブ・ドロイド(Assassin probe droid)[7]、あるいは単にSD-K4プローブ[8]、アサシン・プローブはバクトイド・コンバット・オートマタ社が製造したテクノ・ユニオンのアサシン・ドロイドである。独立星系連合が使用したため、分離主義勢力アサシン・プローブ(Separatist assassin probe)[1]、分離主義勢力アサシン・ドロイド(Separatist assassin droid)[3] とも呼ばれていた。アサシン・プローブは刃が付いた8本の脚を武器として使い、プローブ・キラーと呼ばれる小型のアサシン・ドロイドを大量に内蔵していた。アサシン・プローブのボディは標準的なセンサーのスキャンに感知されない上に、ブラスターをはじく装甲で覆われており、フォトレセプターやセンサーでぐるりと囲まれていたためほとんど死角が無く、破壊することは簡単ではなかった。またドロイド脳には戦術と戦闘のデータが豊富にプログラムされており、ターゲットを暗殺するのに手段を選ぶことはなかったが、第三者識別プログラミングが施されていたため、ターゲットに同行する個人に危害を加えることは極力避けた。
クローン戦争期、独立星系連合と協力関係にあったデス・ウォッチは新マンダロリアン政権の指導者サティーン・クライズ女公爵を暗殺するために、3体のアサシン・プローブをナゥーア級ヨット<コロネット>へ送り込んだ。ドロイドたちは内通者であるタル・メリク元老院議員の手引きで船内への侵入に成功し、クローン・トルーパーのミクサーとレッドアイを殺害した。その後、3体のうちの1体がジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーと交戦したが、応援のトルーパーたちの射撃によって破壊されてしまった。別の1体は元老院議員たちのいる部屋に侵入し、サティーンの暗殺を試みたが、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービによって阻止され、最後の1体もクローン・キャプテンのレックスによって破壊された。また帝国時代には銀河帝国や反乱同盟が潜入および破壊ユニットとしてSD-K4やその改造モデルを使用した。帝国のグランドモフ・ローゼン・トルラックは専用バイザーを介して遠隔操作が可能な改造型アサシン・プローブを所有し、惑星キャッシークで娯楽目的のウーキー狩りをする際に使用した。
特徴[]
ボディ[]
- 「ああ!助けて!」
- ―オーン・フリー・ター[出典]
SD-K4アサシン・ドロイドは巨大なクモのような姿をしており、全長は1.21メートル(4フィート)だった。[2] このドロイドの円盤型のボディは周囲をスキャンする[1] 複数の赤いフォトレセプターや[6] マルチスペクトル[7] センサーでぐるりと囲まれていた。これらの装置は敵の動きを追い、ターゲットの居場所を素早く特定することが可能だった。そのため死角はほとんどなく、真上か真下から直接攻撃する以外、このドロイドの不意を衝くことは不可能であった。アサシン・プローブのボディは標準的なセンサーのスキャンに感知されない上に、携帯できるサイズのブラスターをはじく装甲で覆われており、このドロイドを破壊するには火力を集中させる必要があった。またドロイド脳には戦術と戦闘のデータが豊富にプログラムされており、暗殺ターゲットが持つと予想される武器や装備、戦術にも精通しているほか、ターゲットに同行する個人を殺害したり危害を加えたりすることを極力避けるための第三者識別プログラミングが施されていた。[6]
このドロイドの脚にはそれぞれ8つの関節があった。[6] 関節にあるモーターはサーボと似た方法で脚を制御し[9]、折り曲げてコンパクトな形状に変形することができた。アサシン・プローブの脚は体重を完璧に分散し、ほとんど音を立てずに動き回ることを可能にした。[6] またクライミングにも適しており、垂直な壁や天井を移動することができた。[7] 先端には切れ味の鋭い刃が付いており、ターゲットを切り刻むだけではなく、非常に細かい作業にも使用できた。[6]
アサシン・プローブの頭上にはたくさんの穴が開いていた。これはアサシン・プローブの弱点であり、ここを撃たれると内部の装置が破壊されてしまう。[6] しかし、この穴の中には30体以上の[7] SD-K4aミニ=アサシン・ドロイド[2]、別名プローブ・キラーが内蔵されていた。[10] この小さなドロイドたちは“親”ほどのパワーは持っていないが[7]、アサシン・プローブが破壊される[3]、もしくは破壊されそうになったり、戦闘中に無力化されそうになると、素早い動きで敵に群がり、あらゆる弱点を攻撃した。[6]
暗殺方法[]
- コーディ 「おいおい、こいつは何だ?」
- レックス 「誰かが箱の中身を持ち出したそうです」
- アナキン・スカイウォーカー 「自分で出て行ったのかも」
- ―アサシン・プローブが入っていたコンテナについてコーディ、レックス、アナキン・スカイウォーカー[出典]
ターゲットを高効率で暗殺するために設計されたアサシン・プローブは[11]、静かに殺戮を行うようプログラムされていた。[1] しかしこのドロイドは任務を果たすためなら、ターゲットの暗殺手段を選ばなかった。アサシン・プローブは俊敏な賞金稼ぎのように抜け目なく狡猾に振る舞うこともあれば、あるときは身を隠しながら忍耐強く行動し、またあるときはバトル・ドロイドのように轟音を響かせ、ターゲットに大胆に襲い掛かった。[6]
アサシン・プローブは8本の脚を駆使して暗殺に役立てた。例えば、脚をコンパクトな形状に変形して輸送用の木箱の中に隠れ、ターゲットの近くまで運ばれて不意を衝くといった作戦も可能だった。[6] 他にも、状況に応じて壁を這い回ったり、戦闘中に障害物を敵に投げつけて攻撃をするチャンスを作ったり、暗闇から操り人形の様に死体を器用に動かしてターゲットを油断させることもできた。[4]
アサシン・プローブは洗練されたステルス・マシーンであり、ひとたびターゲットがプログラムされると、単独もしくは少数のグループを組んで動き出し、任務完遂まで敵に見つかったり捕まったりすることを避けながら行動した。[7] このドロイドは暗がりを渡り歩き、ターゲットに少しずつ静かに接近することを好んだ。開けた場所では、ドロイドは6本の脚で瞬時に距離を詰め寄り、2本の前脚を振り上げて、ターゲットをズタズタに切り裂いた。[6] 窮屈な場所では、ターゲットが近づいた瞬間に天井から2本の脚で持ち上げ、じわじわと殺害した。[4]
歴史[]
テクノ・ユニオンの暗殺ドロイド[]
テクノ・ユニオンはクローン戦争中に凶悪で忌まわしいドロイドやデバイスを続々と世に送り出した。SD-K4アサシン・ドロイドはその最たる例であり、ただ殺しを遂行するためだけに生まれた、特殊なアサシン・ドロイドであった。[6] このドロイドはテクノ・ユニオンの研究所で設計され[2]、テクノ・ユニオンおよび[1] その子会社である[12] バクトイド・コンバット・オートマタ社によって製造された。[2] クローン戦争中、独立星系連合や[2] 彼らと協力関係にあったデス・ウォッチがこのドロイドを使用した。[4] やがて銀河共和国の最高幹部たちが姿を消し始めると、共和国は分離主義勢力がこのアサシン・ドロイドを使用したのではないかと疑いを募らせるようになった。[11]
コロネットの戦闘[]
- 「オビ=ワン、アサシン・プローブを発見。一台がリフトを伝ってそちらに向かってます」
- ―オビ=ワン・ケノービに対しアナキン・スカイウォーカー[出典]
クローン戦争中の21 BBY[13]、惑星マンダロアの首都サンダーリでデス・ウォッチによる爆破事件が発生した後、新マンダロリアン政権の指導者であるサティーン・クライズ女公爵は元老院で自らの潔白を証明するため[4] ナゥーア級ヨット<コロネット>[14] でコルサントへ向かった。デス・ウォッチは彼女を暗殺するため、3機のSD-K4アサシン・ドロイドを<コロネット>に送り込んだ。デス・ウォッチと内通していたタル・メリク元老院議員はアサシン・プローブが入ったコンテナの中身が医療品であると嘘の申告を行い、コンテナは暗い倉庫に運び込まれた。倉庫には暗殺を阻止するための見張りのクローン・トルーパーがいたが、彼らが別の区画に移動した直後、アサシン・プローブたちはコンテナから抜け出した。[4]
クローン・トルーパーのミクサーとレッドアイはまだアサシン・プローブがいる区画に留まっていた。暗闇の中、ミクサーは天井に何かが這い回っていることに気付いて警戒したが、同じく倉庫をパトロールしていた共和国のアストロメク・ドロイドR2-D2と出くわしたため驚いてしまい、緊張が解けた。ミクサーはR2に注意し、アストロメクがその場を去るのを見届けた直後、背後にいたアサシン・プローブによって殺害される。その後、ドロイドはレッドアイの前にミクサーのブラスターを落とし、彼がそれに気を取られる隙に殺害した。2人が消えたことに気付いたR2はパニックを起こし、その様子を見たクローン・マーシャル・コマンダーのコーディとクローン・キャプテンのレックスが、R2の持ち主であるジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーと応援のトルーパーを呼んだ。[4]
アナキンとR2が行方不明のトルーパーの捜索をする中、アサシン・プローブはレッドアイの死体を器用に動かし、彼がまるで生きているかのように演出しながら少しずつ接近した。レッドアイの様子がおかしいことに気付いたアナキンはライトセーバーを構えると、ドロイドは死体をジェダイに投げつけ、襲い掛かった。アナキンはライトセーバーでドロイドの脚を2本切断するが、プローブが投げつけた箱に当たって転倒してしまう。ドロイドは切断された脚を引きずりながらジェダイを殺害しよう試みるが、駆け付けたトルーパーたちの一斉射撃により破壊された。しかし、その隙に別の1体がターボリフトをよじ登って議員たちのいる部屋に向かった。部屋に攻め入ったアサシン・プローブはターボリフト付近を警備する[4] マンダロリアン・ロイヤル・ガード[2] たちを放り投げ、サティーンの殺害を試みたがジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービによって前脚を切断される。オビ=ワンはライトセーバーでドロイドのフォトレセプターを貫き、サーティンの暗殺を防いだ。その直後、破壊された2体のアサシン・プローブから大量のプローブ・キラーが出現するが、トルーパーとジェダイの活躍により撃退される。[4]
その後、オビ=ワンはアナキンとトルーパーたちに残りの1体のアサシン・プローブの捜索を命じた。道中、コーディとレックスは倉庫でプローブ・キラーの生き残りに襲われるが、R2-D2とアナキンにより救助された。その直後、3体目のアサシン・プローブがレックスに襲い掛かり、彼を引き裂こうとした。レックスは両手でドロイドの刃をつかんで胴体を蹴飛ばし、ブラスター・ピストルで反撃した。ドロイドは態勢を整えるため天井に這い上がったが、アナキンが投げたライトセーバーで脚を切断されて地面に落下し、レックスにとどめを刺された。[4]
帝国時代[]
帝国時代、銀河帝国もこの種のアサシン・ドロイドを使用した。また反乱同盟もSD-K4の改造モデルを使用し、一部のユニットはジョハール・ケッセン元議員からサポンザの傭兵団に提供された。銀河内戦の戦場においても、SD-K4およびその改造モデルは敵のタレットを破壊するのに効果的な潜入・破壊ユニットとして力を発揮した。[5] また惑星キャッシークを支配した帝国のグランドモフ・ローゼン・トルラックもアサシン・プローブを所有していた。彼のアサシン・プローブはシマー=ペイントとクロム仕上げが施されており、遠隔操作が可能なように改造されていた。[15] 5 ABY[13]、トルラックはコントロール用バイザーを使ってドロイドを遠隔操作し、庭園保護区にいるウーキーの“ブラックストライプ”こと被験体478-98を娯楽目的で追い詰めた。ウーキーが毒針を食らってもロシュア・ツリーを登り続けようとしたため、トルラックはドロイドをターゲットに近づけて自爆させた。[15]
制作の舞台裏[]
SD-K4アサシン・ドロイドは2010年2月5日に公開されたTVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』シーズン2の第13話『誘惑の航海』で初登場を果たした。なお、劇中では単に「アサシン・プローブ」としか呼ばれていないが[4]、2014年にサービス開始した正史のゲーム『スター・ウォーズ コマンダー』で初めて「SD-K4」という名称が明らかになった。[5]
登場作品[]
- クローン・ウォーズ – 誘惑の航海 (初登場)
- スター・ウォーズ コマンダー (SD-K4アサシン・ドロイドとしての最初の言及)
- アフターマス:命の借り
参考資料[]
- "Voyage of Temptation" Episode Guide - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 (表記は分離主義勢力のアサシン・ドロイド)
- 週刊スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン 第76号 (スターシップ・ファクトファイル:豪華なスペースライナー サティーン侯爵のコロネット) (言及のみ)
- 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第36号 (ドロイド仕様書:スパイダー・ドロイド) (表記は分離主義勢力のアサシン・ドロイド)
- 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第50号 (ロボティクス解析:サーボ・モーター) (ビジュアルのみ)
- スター・ウォーズ ビークルのすべて (表記は暗殺プローブ・ドロイド)
- Collapse of the Republic
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- R2-D2 – スター・ウォーズ・エンサイクロペディア
- スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- Separatist Assassin Droid - 公式データバンク
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 スター・ウォーズ クローン・ウォーズ キャラクター事典
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 Separatist Assassin Droid - 公式データバンク
- ↑ 4.00 4.01 4.02 4.03 4.04 4.05 4.06 4.07 4.08 4.09 4.10 4.11 4.12 クローン・ウォーズ – 誘惑の航海
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 スター・ウォーズ コマンダー
- ↑ 6.00 6.01 6.02 6.03 6.04 6.05 6.06 6.07 6.08 6.09 6.10 6.11 6.12 6.13 6.14 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第36号 (ドロイド仕様書:スパイダー・ドロイド)
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 Collapse of the Republic
- ↑ アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科 ニュー・エディション
- ↑ 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第50号 (ロボティクス解析:サーボ・モーター)
- ↑ "Voyage of Temptation" Episode Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org) (Trivia Gallery, スライド 8枚目)
- ↑ 11.0 11.1 スター・ウォーズ:フォース・アリーナ(2.1.9アップデート告知より:As the highest echelons of the Galactic Republic started to disappear, the Galactic Republic began to suspect the use of the Separatist Assassin Droids. The droid, made by the Techno Union, is designed to assassinate targets with high efficiency. This big-spider like drone moves quietly, and can attack its targets with its 8 sharp legs. If there is a need to deploy them, its small probe killers will finish any job the assassin droid started.)
- ↑ 週刊 スター・ウォーズ R2-D2:第45号 (ドロイド仕様書:HMPプレデター・ドロイド・ガンシップ)
- ↑ 13.0 13.1 スター・ウォーズ タイムライン
- ↑ Starships and Speeders
- ↑ 15.0 15.1 アフターマス:命の借り