TIE/d“ディフェンダー”多用途スターファイター(TIE/d "Defender" Multi-Role Starfighter)、別名TIE/Dディフェンダー(TIE/D Defender)、通称TIEディフェンダーはサイナー・フリート・システムズ社が銀河帝国の宇宙軍のために開発したTIEシリーズ・スターファイターの最新鋭実験型戦闘機である。従来のTIEモデルとは異なり、TIEディフェンダーはハイパードライブや偏向シールド発生装置を搭載しており、中央コックピットの後部から伸びる特徴的な3枚のソーラー・コレクター翼を搭載していた。こうした特性のおかげで、TIEディフェンダーは標準的なTIEファイターと比べて撃墜するのが困難な手強い戦闘機となっていた。
TIE/Dディフェンダーは戦闘機かつ爆撃機と見なされており、高火力のレーザー砲とミサイルで武装していた。TIEディフェンダーはスローン大提督による新型戦闘機建造プロジェクトによって生み出され、2 BBYにアウター・リム・テリトリーの惑星ロザルにある帝国軍兵器工場施設で開発された。この年、ヴァルト・スケリス司令官が実験仕様のTIEディフェンダーに乗り込み、反乱軍との戦いに参加した。また1 BBYには、本機のスピードと操作性をさらに改良したTIE/dディフェンダー・エリートの試作機も開発された。
特徴

TIEディフェンダーの概略図
サイナー・フリート・システムズ社製TIE/Dディフェンダーは、他のTIEシリーズ・スターファイターと同様にボール型のコックピット・モジュールとソーラー・コレクターから成る翼を搭載していた。しかし、標準型TIE/ln制宙スターファイターをはじめ、TIE/inインターセプターやTIEアドバンストx1といった大半のTIEがコックピットの左右に水平に翼を配置していたのに対し、TIEディフェンダーには翼が3枚あり、コックピットの後部セクションを基部にして3方向に展開していた。また、TIEディフェンダーは従来のTIEファイターには無かったハイパードライブや偏向シールド発生装置を搭載していた。この戦闘機は6門の強力なレーザー砲と、かなりの範囲に大規模なダメージを与えることができるミサイルで武装していた。TIE/Dディフェンダーは機動力が高く、反乱軍のYウイング・スターファイターでは捕捉するのが困難なほど高速で飛行した。
歴史
新型戦闘機開発計画

反乱軍が盗み出したTIE/Dの概略図
2 BBY、スローン大提督の主導のもと、銀河帝国は新型スターファイターの建造プロジェクトに着手する。彼らはアウター・リム・テリトリーの惑星ロザルにある帝国軍兵器工場施設でTIEディフェンダーの製造を開始した。この年、スペクターズと呼ばれる反乱分子がロザルの元総督であるライダー・アザディの助けを借りて兵器工場に忍び込み、新型スターファイターの概略図を盗み出した。彼らはこの任務で地元の反乱者モラド・スマールを失ったが、工場から脱出して惑星アトロンのチョッパー基地へ概略図を持ち帰る。概略図のホログラムを見たフェニックス戦隊のキャプテン・ヘラ・シンドゥーラは、もし帝国軍がこのスターファイターを大量生産すれば、反乱軍のパイロットに勝ち目はないだろうと考えた。
モン・モスマ追跡

スケリスの操縦するTIEディフェンダー
新型戦闘機建造プロジェクトによってTIE/Dディフェンダーのプロトタイプが完成した後、スローン大提督はさっそくこの機体をモン・モスマ元元老院議員の追跡任務に送り出した。ゴーマンの虐殺を批判したため指名手配されたモスマは、スペクターズの助けを借りて帝国から亡命しようとしていた。スローンからTIE/D試作型を任されたTIEファイター・パイロット、ヴァルト・スケリス司令官は、2機のTIEインターセプターを引き連れ、アーキオン星雲で反乱分子のVCX-100軽貨物船<ゴースト>やゴールド中隊のYウイング・スターファイターを攻撃する。TIEディフェンダーのシールドは<ゴースト>の砲撃に耐え抜き、あっという間に3機のYウイングを撃墜した。その後、<ゴースト>を操縦するシンドゥーラは追っ手を撒くため星雲の育星場を飛行し、形成途中の恒星の熱でTIEのシールドをダウンさせた。僚機を失ったスケリスは止むを得ず<ゴースト>の追跡を断念する。その後、エズラ・ブリッジャーとジョン・“ダッチ”・ヴァンダーの操縦するYウイングが連係プレーでスケリスの機体を照準に定め、イオン砲を命中させた。
制作の舞台裏

『反乱者たち』に登場するTIEディフェンダーのコンセプト・アート
TIE/Dディフェンダーの初登場作品は、1994年7月にルーカスアーツから発売されたスター・ウォーズ レジェンズのビデオゲーム『Star Wars: TIE Fighter』である。このゲームではTIEディフェンダーが最新鋭の帝国軍戦闘機として描かれた。TIEディフェンダーは2014年11月に配信開始したモバイル戦略ゲーム『スター・ウォーズ コマンダー』で正史設定への仲間入りを果たし、ビデオゲーム『Star Wars バトルフロント』でも「デス・スター 拡張パック」のリリースに伴いビークルパワーアップ機体として実装されている。
TVアニメ・シリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』のシーズン3ではTIEディフェンダーが大々的に取り上げられ、第10話『内通者』では戦闘機の概略図が、第18話『極秘輸送』では試作型の実機が登場を果たした。『反乱者たち』の製作スタッフによれば、TIEディフェンダーは帝国の哲学に反する存在で、本来なら帝国は小型の戦闘機に資金を注ぎ込んだりはしないが、スローン大提督のような型にはまらない帝国軍人が現れてプロジェクトを後押したことにより、新型TIEディフェンダーが登場することになったのだという。
登場作品
反乱者たち – 内通者 (概略図のみ)
反乱者たち – 極秘輸送
反乱者たち – 攻撃開始時刻 (言及のみ)
反乱者たち – 反乱組織の名の下に
反乱者たち – 占領 (言及のみ)
反乱者たち – ディフェンダーの飛行
反乱者たち – 同族 (残骸のみ)
反乱者たち – クローラー乗っ取り (設計図のみ)
反乱者たち – 攻撃の時
- Star Wars バトルフロント
- スター・ウォーズ コマンダー (初登場)
参考資料
脚注
帝国軍 | |
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司令部 | ダース・シディアス - ダース・ヴェイダー - 帝国軍最高司令部 - 統合本部 |
帝国地上軍 | 帝国地上軍長官 - ストームトルーパー兵団 - 第501軍団 - 第224帝国軍機甲師団 (スワンプ・トルーパー) - ブリザード・フォース - 帝国軍地上クルー - 帝国軍コンバット・ドライバー(AT-ATパイロット - AT-STドライバー - タンク・ドライバー) |
帝国宇宙軍 | 帝国宇宙軍長官 - 艦隊司令部 - 帝国軍スターファイター隊 - TIEファイター・パイロット - 第7艦隊 - デス小艦隊 - 帝国宇宙軍トルーパー(デス・スター・トルーパー) - 帝国軍兵器技術者 |
その他の組織 | 帝国情報部 - 帝国軍特殊部隊 - 帝国アカデミー - 帝国軍士官候補生 - 帝国軍衛生兵 - インフェルノ分隊 |
主なビークル | AT-AT - AT-ACT - AT-DP - AT-DT - AT-ST - AT-MP - 614-AvA - 74-Z - TIE/d - TIE/ln - TIE/sa - TIE/sk - TIE/in - TX-225 GAVw - アークワイテンズ級司令クルーザー - インペリアル級スター・デストロイヤー - エグゼクター級スター・ドレッドノート - クエーサー・ファイア級クルーザー=キャリアー - ゴザンティ級クルーザー - センチネル級着陸船 - ラムダ級T-4aシャトル - レイダー級コルベット - DS-1デス・スター - DS-2デス・スターII |
ストームトルーパー | インペリアル・ショック・トルーパー - サンドトルーパー - シャドウ・トルーパー - ジャンプトルーパー - ショアトルーパー - スカウト・トルーパー - スナイパー - スノートルーパー - デス・トルーパー - パトロール・ストームトルーパー - マグマ・トルーパー - ミンバン・ストームトルーパー - レンジ・トルーパー |
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