UT-60D Uウイング・スターファイター/支援船(UT-60D U-wing starfighter/support craft)はインコム社が製造したガンシップ兼兵員輸送船である。兵士を戦場まで運び、空から援護射撃を提供する役割を果たした。銀河内戦中、共和国再建のための同盟は帝国軍との戦いでUウイングを使用した。UウイングはXウイング等の戦闘機と同じくSフォイル(可変翼機構)を備えており、状況に応じて形態を変えることができた。1 BBYのスカリフの戦いでは、ブルー中隊のUウイングが惑星スカリフのシールド・ゲートを突破し、地上のローグ・ワン分隊に増援部隊を届けた。
特徴[]
インコム社製のUウイング・スターファイターは、重厚な造りのガンシップ兼兵員輸送船だった。Uウイングは2枚のストライク・フォイル、通称Sフォイルを備えており、収納状態では翼を前方に向け、展開状態では大きく後方に広げた。Sフォイルの可動は翼の付け根付近にあるSフォイル関節サーボモーター・アセンブリでコントロールされていた。戦闘時、Uウイングは翼を後方に向けて飛行モードになることで偏向シールドのカバー範囲の拡散性を増し、エンジン・コアから発せられる余剰な熱放射を逃がした。しかし翼長が増すことから荒天時には障害になりやすく、飛行モードを使うのは主に高高度や宇宙空間での活動に限られた。
Uウイング・スターファイターは機首にテイム&バック社製の固定式KX7レーザー砲を2門搭載していた。この主要火器は船体の進行方向にしか照準を合わせることができなかったが、機体ハッチの乗降ドアを片方、または左右両方とも砲門に改造すれば、即席の重火器をそこに取り付けることも可能だった。側面を全面的に砲台に改造すると機体の多用途性が損なわれてしまうため、反乱同盟軍は改造を砲門だけにとどめて砲手を配置するのを好んだ。Uウイングの砲手は“ローバ”M-45連射式イオン・ブラスター等の重火器を使用した。
Uウイングは機体後部の左右に4基の4J.7核融合推進エンジンを搭載しており、大気圏内での最高速度は毎時950キロメートルだった。また、4つのエンジン・ユニットの内部にハイパースペース航行用のインコム社製GBk-585ハイパードライブ・モチベーター4基が組み込まれていた。しかし、Uウイングは乗員の生命維持装置に多くのエネルギーを割くため燃料効率性が低く、ハイパードライブを用いた長距離での作戦遂行は推奨されていなかった。
2人乗りのコックピットは機体中央前部にあり、パイロットの目線上下にビューポートが設けられていた。Uウイングはスターファイターとしては珍しくタンデム(2人乗り)制御装置を備えており、1人での操縦と2人組フライト・チームでの操縦の両方に対応していた。また、Uウイングには多くのインコム社製品に共通してみられる規格化された操縦装置が搭載されていた。厚いシールドと装甲を備え、機体に大勢の乗員を乗せたUウイングの操縦感覚は、機動性の高い宇宙特化型戦闘機というよりは重リパルサークラフトのそれに近かった。
Uウイングには、軍用攻撃装置や防衛機能、ハイパードライブを取り除いたBT-45Dという民間用バージョンが存在した。
歴史[]
製造と奪取[]
UT-60Dはインコム社が銀河帝国によって国営化される以前に製造した最後の製品のひとつである。そのため、Uウイングが大規模な製造ラインに乗ることはなかった。しかし、ベイル・オーガナが帝国元老院の記録に慎重に手を加えたおかげで、“行方不明”となった貴重なUウイングの積み荷が反乱同盟軍の手に渡った。Uウイングはその珍しさも手伝い、反乱軍の活動の中できわめて有用性の高い存在となった。
銀河内戦[]
1 BBY、反乱同盟軍の救出チーム・ブラボーに属すUウイング<ブラボー・ワン>が、帝国の労働キャンプがある惑星ウォバニでジン・アーソの救出任務に参加した。チームはウォバニの地上でジンを解放したが、セキュリティ・ドロイドのK-2SOが操縦士を務める<ブラボー・ワン>は技術的問題に直面し、ハイパースペースにジャンプすることができなかった。Uウイングは止むを得ずウォバニ星系内にある小惑星帯に逃げ込み、船を修理するまでの援護を同盟宇宙軍に求めた。するとXウイング・スターファイターによって構成されるレッド小隊がウォバニ星系に駆け付け、<ブラボー・ワン>をエスコートしてCR90コルベット<ヴィジラント>にドッキングさせようとした。しかし、インペリアルI級スター・デストロイヤーの攻撃によって合流は失敗に終わり、<ヴィジラント>は破壊されてしまう。<ブラボー・ワン>もスター・デストロイヤーのトラクター・ビームに捕捉されたが、レッド小隊のおかげで拘束を逃れることができた。その後、修理を完了した<ブラボー・ワン>とレッド小隊はハイパースペースへ逃げ込み、同盟軍艦隊との合流を果たす。<ブラボー・ワン>は衛星ヤヴィン4のベース・ワンに帰還し、ジンをモン・モスマやデイヴィッツ・ドレイヴン将軍のもとへ送り届けた。
それから間もなく、ジン・アーソ、キャシアン・アンドー大尉、K-2SOはUウイングに乗ってヤヴィン4から飛び立ち、砂漠の月ジェダへ向かった。ジェダ・シティで帝国のストームトルーパーとの戦いに巻き込まれた後、キャシアンはK-2SOにUウイングでの待機を命じた。その直後、ジンとキャシアンはソウ・ゲレラのパルチザンに拘束され、幸運にもデス・スターによるジェダ・シティの破壊を生き延びた。K-2SOはUウイングを操縦してパルチザンの拠点があるカデラ地下墓地へ駆けつけ、ジン、キャシアン、貨物パイロットのボーディー・ルック、ウィルズの守護者チアルート・イムウェ、ベイズ・マルバスを拾い上げた。彼らの乗るUウイングはジェダ・シティを破壊したスーパーレーザーの衝撃を辛くも逃れ、ジェダの大気圏内からハイパースペースへとジャンプした。
その後、一行はデス・スターの弱点を知るジンの父親、ゲイレン・アーソを救い出すため惑星イードゥーへ向かった(他の者たちには知らされていなかったが、キャシアンに与えられていた指令はゲイレンの暗殺だった)。彼らのUウイングは豪雨の中帝国カイバー精製所を目指してイードゥーの岩柱のあいだを飛行したが、帝国のセンサーを回避しようと低空を飛んだため右舷エンジンを岩山にぶつけてしまい、地表に墜落する。キャシアンとボーディーが任務のため研究施設へ向かった後、他のメンバーも次々と機体の外へ出ていき、結局このUウイングは放棄された。最終的に、彼らは帝国から奪ったゼータ級重貨物シャトルSW-0608でイードゥーを後にする。
イードゥーの事件の直後、反乱軍ブルー中隊に属すUウイング・スターファイター数機がベース・ワンから出撃し、ラダス提督率いる同盟軍艦隊とともにスカリフの戦いに参加した。惑星スカリフの上空でハイパースペースから離脱した直後、ブルー中隊はラダス提督の命令で帝国のシールド・ゲートへ直進する。ゲートはすぐに封鎖されてしまったが、少なくとも1隻のUウイングが複数機のXウイングを従えてシールドの突破に成功し、地上で戦っていた“ローグ・ワン”分隊の支援に駆け付けた。コールサイン・“ブルー11”のラーレン・ジョーマとタスレット・コルブが操縦するUウイングは地上部隊に航空支援を提供し、機体ハッチで砲手を務めるビスタンがAT-ACTウォーカーの破壊に成功した。その後、Uウイングは機体に乗り込んでいたジェダの仇討ちを狙う戦闘員たちを降ろし、再び戦いに加わったが、間もなく被弾し海岸で戦闘を行っていたストームトルーパーの部隊に突っ込む形で大破した。しかし、反乱軍は当初の目的であるデス・スター設計図の奪取に成功し、スカリフの戦いで戦略的勝利を収めた。
5 ABY、新共和国はジャクーの戦いでUウイングを含む多数の戦闘機を使用した。
知られている機体[]
登場作品[]
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参考資料[]
- スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス (ビジュアルのみ)
- ローグ・ワン:スカリフ - Star Wars バトルフロント - EA公式サイト
- スター・ウォーズ プロパガンダ:銀河系における扇動絵画の歴史
- アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- スター・ウォーズ ローグ・ワン アルティメット・ビジュアル・ガイド
- スター・ウォーズ:ローグ・ワン:レベル・ドシエ
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- Star Wars THE GALACTIC EXPLORER’S GUIDE
- THE STAR WARS BOOK はるかなる銀河のサーガ 全記録
- U-wing - 公式データバンク