スター・ウォーズに登場する軍隊の階級の訳語に関し、指針をまとめます。

  • 指針を作成するにあたり、本件に詳しいSWファンのMoff Takaさん(@MoffTaka)から多くの助言を頂きました。Moff TakaさんとはWiki外でやり取りをさせていただきましたが、ご本人の承諾を得て、その内容を本ページに一部転載しています。ご協力ありがとうございます。
  • 本件に関してご意見のある方は、管理人Tomeitoのメッセージウォールにコメントをお願いします。

軍隊の階級の翻訳に当たっての前提:

  • 軍隊の階級をすべて正確に訳すことはできません。宇宙軍(Navy)と地上軍(Army)で階級の序列が変わってくる以上、1つ1つの階級に定訳を当てはめることもできません。
  • CaptainやLieutenantの場合、その人物が宇宙軍所属か地上軍所属かで訳が変わってきますが、所属が明らかになっていないキャラクターの場合、翻訳上は見た目や文脈からどちらの所属かを勝手に想定して訳を当てはめなければなりません。
  • 本ページの指針はあくまで参考程度のものです。

基本情報

  • 帝国宇宙軍帝国地上軍では階級の序列が違い、特にCaptainやLieutenantについては、訳語を慎重に選ぶ必要があります。後述の#Captain問題#Lieutenant問題も参照してください。
  • 一方、反乱同盟レジスタンスでは地上軍と宇宙軍をひとまとめにした、SWオリジナルの階級制度が用いられています。ファースト・オーダーもどうやらこれに近いことが分かっており、翻訳にはあまり困りません。
  • 軍艦のCaptainを「艦長」、部隊のCommanderを「指揮官」のように、「序列」ではなく「役職」で訳すケースもあります。しかしどちらも序列と無関係というわけではありません。例えば「艦長」の序列上の位置づけが、他の訳語に影響することがあるので、指揮艦の規模や、直属の部下の階級から、その艦長の序列を推量しなければならないケースもあります。詳細は後述の#Captain問題も参照してください。

訳語対応表(反乱同盟/レジスタンス/ファースト・オーダー)

  • 反乱同盟レジスタンスファースト・オーダーは階級章の設定もあるので、下表の訳語通りにすれば問題無いと思われます。下表には無い階級が登場することもありますが、後述の帝国軍の訳語対応表から訳を見つければ大丈夫です。
  • レジスタンスの大佐~中尉はバッジが青なら宇宙軍、赤なら地上軍です。表には宇宙軍の画像だけ載せています。
  • おそらく反乱同盟も同じ赤青方式ですが、例外が多いので明言はできません。
階級 訳語 同盟軍 レジスタンス ファースト・オーダー
Admiral 提督 Resistance Admiral badge.svg FO rank admiral.png
General 将軍 Rebel general badge.svg Resistance General badge.svg FO rank general.png
Colonel 大佐 Rebel colonel badge.svg Resistance Navy Colonel badge.svg FO rank colonel.png
Commander 中佐 Rebel commander badge.svg Resistance Navy Commander badge.svg
Major 少佐 Rebel major badge.svg Resistance Navy Major badge.svg FO rank major.png
Captain 大尉 Rebel captain badge.svg Resistance Navy Captain badge.svg FO rank captain.png
Lieutenant 中尉 Rebel lieutenant badge.svg Resistance Navy Lieutenant badge.svg FO rank lt.png
Sergeant 軍曹 FO rank sergeant.png
Squad Leader 分隊長 FO rank squad leader.png

訳語対応表(銀河帝国)

  • 正史/レジェンズ混成。S~Dのランク付けはあくまで感覚的なもので、実際の設定とは無関係。
  • 後述の#Captain問題は表には反映されていないので注意。
序列 帝国宇宙軍 帝国地上軍
S-1 大提督
Grand Admiral
大将軍
Grand General
S-2 高位提督
High Admiral
地上軍元帥
Surface Marshal
S-3 元帥
Fleet Admiral
高位将軍
High General
A-1 提督
Admiral
将軍
General
A-2 中将
Vice Admiral
中将
Lieutenant General
A-3 少将
Rear Admiral
少将
Major General
A-4 准将
Commodore
准将
Brigadier
B-1 大佐
Captain
大佐
Colonel
B-2 中佐
Commander
中佐
Lieutenant Colonel
B-3 少佐
Lieutenant Commander
少佐
Major
C-1 大尉
Lieutenant
大尉
Captain
C-2 中尉
Sublieutenant
中尉
(First) Lieutenant
C-3 少尉
Ensign
少尉
Second Lieutenant
D-1 上等兵曹
Master chief petty officer
上級曹長
Sergeant major
D-2 兵曹長
Chief Petty Officer
曹長
First Sergeant
D-3 兵曹
Petty Officer
軍曹
Sergeant
D-4 伍長
Corporal
D-5 兵卒
Private

Captain問題

Moff Takaさん(以下敬称略): まず、帝国宇宙軍については、The Essential Guide to WarfareImperial Handbookで書かれていることに違いがあり、この整合性が取れていないことから、混乱が見られます。特に、captainについては、前者が技術兵としてのcaptainの階級(大尉相当)を設定したうえで、大佐相当のsenior captainを設定しているのに対し、後者では単なる役職としてのcaptainを設定しているのみであり、これに対する回答がなされていないままです。
こういった事情を踏まえて正史をみますと、例えば、『新たなる夜明け』や"Lost Stars"には、大佐に相当すると見られるcaptainが登場するのに対し、"Thrawn"では、表題の人物がLieutenantからcaptainに昇任し、アクワイアンス級の副長を務めるという描写があり、明らかに大尉相当の階級としてザーンは描いてます。

参考画像『Essential guide to warfare』(レジェンズ)による階級表

Moff Taka: 結局、captainを階級として訳すにあたり、まず、地上軍と宇宙軍での差異が生じ、しかも、宇宙軍においては、役職として訳す場合と、階級として訳す場合の差異が生じます。その上、役職として訳す場合については、その艦がどのクラスの艦かによって、実際にその艦長が持っている階級は、少佐だったり中佐だったり大佐だったりと違いが生じる訳で、これを解決するために、ザーンは、”Thrawn”でcaptainの階級を”艦長としての権限を持つ階級”として、senior officerの最低序列に組み込んでLieutenant commander、commanderとの差異を図ったのだと思うんですが、ではそうなると、レイ・スローンUlitimatumの艦長職に就いた際の階級は、Commander であるカマスを指揮できるものでなければならず、この時、レイ・スローンがどの階級にあったのかを説明することができないわけです。ザーンは、"Thrawn"の中で、キメラの艦長となるにあたり、彼をcommodoreの階級に就かせることでこの問題の解決を図りました。
このcaptainをどう日本語に訳すかと言う問題は、欧州と日本の軍制における違いや考え方の差異でもあるので、非常に困難な問題です。
因みに、これを解決する一つの方法が、Captain of the Line、或いはSenior Captainの階級が帝国宇宙軍にもあって、スターデストロイヤーの艦長になるもののみが、この階級を有して、同時に艦長職につけると言う設定を追加することですが・・・一応、以前掲示させてもらいましたが、現段階での自分なりのまとめ(下図)を張っておきますので、参考にしてください。Fanon以下の代物ですが

Moff Takaさん制作

Lieutenant問題

※赤字部分は管理人が補足

Moff Taka: 現実では、海軍大尉と中尉、また、陸軍中尉と少尉は、Lieutenantと表現される階級に当たります。このうち、海軍中尉はSub-lieutenant やLieutenant Junior gradeなどと表現されます。また、陸軍中尉及び少尉は、First-,second- を頭につけて区別しますが、SWではこの辺りあまり区別されていないので、「帝国軍のLieutenant」と言われただけでは、宇宙軍大尉なのか中尉なのか、また、地上軍の中尉なのか少尉なのかは、いまいちわかりません。
補足: このやり取りの後、正史設定にも帝国の「Sublieutenant」や「Second Lieutenant」が登場したので上表にも反映していますが、「帝国軍のLieutenant」というだけでは階級を判別しようがない状況は特に変わりません。

その他の補足

Petty officer

Petty officerの訳について、Moff Takaさんとの会話を抜粋:

Moff Taka: 一つあるとすれば、petty officerでしょうか。海軍の下士官を指しますので、宇宙軍の軍曹(兵曹)にはその語を当てるべきですが、まだはっきりしていない所が多いですね。
Tomeito: Petty officer、帝国の階級として出てたんですね。勉強不足でした。「デス・スター」にでてきた上等兵曹を考慮に入れて、Petty officerは兵曹が適当でしょうか。
Moff Taka: petty officerは海軍の下士官の事なので、一般的な用法として、おっしゃる通りの訳で問題ないかと思います。 こんがらがるのを防ぐためか、余りこの単語自体が出てきませんが。

Senior Officer / Junior Officer

Senior Officer / Junior Officerの訳について、Moff Takaさんとの会話を抜粋:

Tomeito: SW正史の世界観で、Senior OfficerとJunior Officer はそれぞれ佐官、尉官と訳しても問題ないでしょうか? それとも上級将校、下級将校などと訳したほうがリスクは少ないですかね…?
Moff Taka: 結論から申し上げますと、上級将校と下級将校の方がよろしいかと思います。もし、尉官、佐官と分けるのであれば、文脈によって該当するのか、しないのかを十分に把握せず行うと危険だと思います。SW世界では、どこまでが尉官でどこまでが佐官か曖昧ですし、そもそも、旧日本軍の区分を、もちろん、それに相当するような表現はあるとはいえ、当てはめるのは困難かと思います。
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